昨日の東女体大戦で、自分たちのするべきバレーを確認した早大。確かに勢いはあった。しかし、深緑のユニフォームをまとい、コートを駆け巡る青学大の素速い攻撃の前に圧倒される。早大も森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)、富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)のダブルエースに加え、試合を通して感覚をつかんできている斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)を中心に攻撃を組み立てるも及ばず。終始ペースを掴まれ、セットカウント(19ー25、15ー25、13ー25)でストレート負け。内容、結果共に悔しい試合となった。
第1セット、中盤まで拮抗(きっこう)した展開を見せる。その要因の一つとなったのは、先週の試合から改善の見られるサーブだ。際どいコースに放たれるサーブは、相手陣営を崩し、好機を早大へと呼び込んでいく。その好機を得点源である森、富澤がしっかり決め、得点を重ねる。そこに相手のミスも重なり対等に渡り合う。しかし、早大の歯車が突如狂い始め、6連続失点。速いテンポで繰り出される相手のスパイクはブロックの脇を抜け、会場には弾球音が無情に響く。ここで踏ん張りを見せたい早大であったが、自らのミスも重なり、連続失点を食い止めきれない課題が露呈する。井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)のサービスエースなどで反撃を見せるも勝負あり。19−25でこのセットを落とす。
試合を経て勢いを増す斎藤
続く第2、3セットも青学大の速攻に苦しめられる。徐々にその大器の片鱗(へんりん)を見せ始めた斎藤の中央からのスパイクなどで応戦するも、やはり連続失点が痛い。その中でも、第2セットでは早大の持ち味である粘りで得点を奪い、第3セットでは昨日に続き1年の橋本美久(社1=福島・郡山女大附)が正確なトスワークでチームにフレッシュな風を吹かせるなど健闘は見せるものの、青学大に終始ペースを握られる。結局、点差を縮められないまま、試合の終わりを告げるホイッスルが鳴り響く。早大にとって痛いストレート負けとなった。
試合後、肩を落とす選手
一つ一つのプレーを全力で行うからこそ、得点を奪った際にコートに広がる笑顔。それはコート内の選手だけでなく出番を待つ選手もまた「全力」の笑顔を見せる。それこそがたとえ劣勢に立たされていたとしても、見るものが早大バレー部に可能性を感じ、応援したくなる理由だろう。春季関東大学リーグ戦もいよいよ折り返しを迎える。未だ早大は0勝。この現状は否が応でも早大に突き刺さる。しかし、うつむいてばかりはいられない。来週にも試合は控えている以上、前を向き続けるしかない。試合を経てチームは成長を続けているに加え、やるべきこと、目指すべき自分たちのバレーは定まっている。選手たちの明日へ向かう視線が前を見続けている限り、悔しさでにじんだコートが「全力」の笑顔で溢れる日は遠くないだろう。
(記事、写真 遠藤伶)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 0 |
19-25 15-25 13-25 | 3 | 青学大 |
スタメン | ||||
レフト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女) レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女) センター 村山果菜(教2=東京・国際) センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園) ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実) セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一) リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業) |
コメント
河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
――今日の試合
今日は相手のサーブが良くて、1本目からなかなかリズムが作れませんでした。そこから単調な攻撃になり、スパイカーの負担も多くなっていったので、自分たちのバレーができませんでした。
――チームとしてサーブレシーブが良くなっているように見えますが
結花さん(富澤、スポ3=東京・文京学院大女)と私と裕利恵(井上、スポ2=岡山・就実)の3人しかレシーブをしないので、変わらない分、連携が取りやすいから、安定していると思うんですけど、今日はフォーメーションが変わって、上手く噛み合っていないところがあったので、そこをもう一回修正してやっていきたいと思います。
――一方で青学の速い攻撃についていけていなかったようにみえました
本当にその通りで、自分のチームはオープンには強いと思っているんですが、コンビ展開をされた時に、兼ね合いがなくなったり、自分たちの準備も遅くなったりしているのが、このチーム始まってからの課題なんですけど、それが埋められてなかったのが原因かなと思います。
――昨年の冬から自分自身の成長を感じるところはありますか
やっぱり、以前は先輩についていっていた部分が多かったのですが、メンバーが抜けて、一年コートに立っていた分、対等に意見を言えるようになってきたかなと思います。
――来週の試合への意気込みをお願いします
今週もう一回チームのことを確認して、まず一勝できるように頑張っていきたいと思います。