全敗でリーグ戦閉幕…入れ替え戦に望みをかける

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)もいよいよ最終戦を迎え、1部校から勝利する最後のチャンスとして早大と相対したのは、春季関東大学リーグ戦(春リーグ)の最終戦で対戦し、見事撃破した国士館大だ。共に1部リーグに昇格した両校の半年ぶりの対戦。熱戦が期待されたが、試合は実にあっけなく終わった。相手の速攻に対応ができずあれよあれよと失点を重ねると、セットカウント0-3(14-25、14-25、14-25)で完敗。秋リーグを通して1部相手に1勝することは、ついに叶わなかった。

 「自分たちのバレーができなかった」。試合終了後、選手たちは口々にそう述べ、悔しさをあらわにした。強烈なスパイクを打ち込まれようともコートを駆け回ってレシーブを上げ、何度も何度も打ち返して1点を積み上げていく、そんな粘りのバレーが早大の持ち味だ。しかしこの日、その強みは発揮されなかった。立ち上がりからリードを許してしまい、富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)のスパイクで戦況の打開を図るも、どうにも攻めきれない。相手に有利な形で試合が進み、ムードに圧倒されるようにミスが続出。芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)がツーアタックを仕掛ける場面もあったが、失点を留められないまま14-25と大差をつけられ、このセットを落とした。

 続くセットでも国士館大の勢いは止まらない。「相手のミドルやセンター陣にやられたら嫌な攻撃をたくさんされてしまった」と中川知香副将(スポ4=神奈川・川崎橘)が振り返ったように、早大が不得手とする速攻を何度も決められてしまい失点を重ねてしまう。こちらも浅野泉里(文4=岐阜)の素早い攻撃で巻き返しを図るが、相手ブロックにシャットアウトされてしまい点にならない。試合はワンサイドゲームの様相を呈した。第3セットでは勢いに飲まれたかミスが続出、得意の粘りが出せない。最後の1点はレシーブが上がらなかったことによるもの。力を出し切れずに大敗した悔しさから、選手たちは一斉に肩を落とした。

閉会式に臨む選手たち

 1部の舞台で勝つことはついにできなかった。しかし負けたとはいえ、高さ、速さ共に段違いの相手との対戦から得たものは数多くある。高いブロック相手に点を取るために、ブロックアウトを狙ったスパイクを繰り出すこと、強みの粘りを生かすためにサーブから攻めて相手を崩すことなどだ。選手たちも確実に成長を遂げているのに勝てなかったのは、ひとえに1部のレベルの高さによるものだろう。今季叶わなかった1部での勝利を次期こそ果たすため、来週の入れ替え戦で勝利しなくてはならない。「勝って1部の舞台を下級生に残していくのが役割」と意気込む芹澤ら4年生の活躍が見られることに期待したい。

(記事 坂巻晃乃介、写真 東海スポーツ提供)

セットカウント
早大 14-25
14-25
14-25

国士館大
スタメン
レフト 中川知香(スポ4=神奈川・川崎橘)
レフト 富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)
センター 浅野泉里(文4=岐阜)
センター 森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)
ライト 井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)
セッター 芹澤友希(スポ4=茨城・土浦日大)
リベロ 飯田友美(商2=長野・諏訪清陵)
リベロ 河治えみり(社1=北海道・旭川実)
コメント

芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)

――きょうの試合を振り返って

自分たちのバレーができなかったというか、淡白なバレーになってしまうと自分たちの強みが出てこないということがわかって。相手に追い込まれた状況で攻めきれず、守りがちになってしまったのが、きょうの敗因だと思います。

――終始圧倒されてしまいましたが、特に悪かったセットは

どれも悪かったですね。全部やられちゃったという感じです。攻めることができなかったなと思います。

――春も当たった相手ですが、手応えの違いはどうでしたか

春の時は絶対に勝つという強い気持ちだったり、落とさないという気持ちがプレーに出ていて、自分たちの強みの粘りが出せました。きょうは、入りはすごくよかったんですけど、自分たちが弱い速攻にやられてしまって。相手も強くなっているし、自分たちも成長しているはずなんですけど、きょうは自分たちの力が出せなかったなと思います。

――来週は入れ替え戦ですが、どういう点を直して臨みたいですか

技術的な課題というのは色々あるんですけど、この一週間でできることというのは限られていると思うので、入れ替え戦までに気持ちを持って行って気持ちで戦えたらいいなと思います。絶対に勝つという強い気持ちでぶつかれればなと思います。

――きょうで1部との対戦は終わりました。振り返ってみていかがですか

やっぱり2部に比べて高さだったり速さだったり、ブロックとかは特に違いました。高くて2部とは違った色々な経験をさせてもらえたなと思います。自分たちが通用する部分とそうでない部分に気付けて、でも自分たちの強みが出せれば競れるし、セットも取れるということが分かったので、そういうところは自信にして全カレ(全日本大学選手権)に臨みたいなと思います。春とは違った1部の強さを痛感しました。

――来週の入れ替え戦とその後の全カレに向けて意気込みをお願いします

入れ替え戦は、私たち4年生は勝って1部の舞台を下級生にも残していくのが役割というか、残していけるものだと思うので、入れ替え戦でしっかり勝って2部に落とさないのが自分たちの決意だと思います。全カレに向けては集大成になるので、このチームでやってきたことを発揮できるように、課題を一つ一つ詰めて、強みの粘りを出せるようにチーム力を上げていけるよう頑張りたいと思います。

中川知香副将(スポ4=神奈川・川崎橘)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

本当に自分たちのバレーができなかったなという後悔が多いです。

――やはり粘りが出せなかったということでしょうか

こっちが攻めきれなかったことで受け身になってしまって、ボールを追いきれなかったかなと思います。

――きょうプレーしていて印象に残っている場面などはありますか

相手のミドルやセンター陣にやられたら嫌な攻撃をたくさんされてしまって、悪い印象ばかりですね(笑)

――そこに対応できなかったということですね

そうですね。サーブでもっと攻めてればクイックを使えない状態にさせられて、レフトにできたりしたなと思います。もうちょっと戦い方を考えていかないと勝てないと思うので、残りしっかり練習していきたいと思います。

――クイックに苦しめられる場面が多かったですが、やはりそこはまだ課題ですか

それはずっと課題ですね。チャンスボールを返すにしても、速攻がやりにくいところに返すとか、全部のプレーで速攻をされないように工夫していきたいと思います。

――きょうで1部と戦うリーグ戦は終わりました。振り返ってみていかがですか

やっぱりこのチームで勝ちたかったですけど…でも楽しかったです。2部より。

――来週の入れ替え戦に向けて直したい点などありますか

受け身になっていては自分たちの強みは出せないので、常に攻める姿勢を忘れないようにして全員で戦っていきたいと思います。