あと少しが足りず、またも勝利に届かない

女子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)の前半は勝ち星を上げることができなかった早大女子バレーボール部。今度こそはと気持ちを切り替えて臨んだ後半戦。日女体大戦は加納茉未副将(社4=北海道・札幌大谷)がスタメン復帰し、及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)、富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)との3枚のレフトの強みを生かし勝負に挑む。しかし相手の強固なブロックの突破口が見いだすことができない。そのままあと少しをもぎ取れず、セットカウント0-3(19-25、18-25、23-25)で痛い1敗を喫した。

 春季リーグ戦、後半第1戦は、加納がスタメン復帰を果たすと、他の4年生を中心に気迫のこもったプレーを展開。「コートに入った時迷いはなかった」と加納は振り返る。新しい気持ちでプレーしようとする早大だが、相手ブロックをどうしても振り払えず、得点につながらない。すると自身のミスを誘い、失点を重ねてしまう。富澤の途中投入で流れが変わると思われたが、開いた7点差を埋めることができないまま、相手に25点先取されてしまった。

攻撃だけでなく守備でも活躍を見せた富澤

 第2セットのレフトは加納、富澤でスタート。ここで点数を稼ぎたいところであったが、相手の連続得点を許す。するとここで佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)らの効果的なフェイントで相手を翻弄、一時は10-11の1点差まで追いつくことができた。しかし相手の攻撃に耐えきれず、そのまま逃げ切られて第2セットも落としてしまう。
背水の陣となった第3セット。加納に代わり及川がコートに舞い戻りチームを鼓舞する。するとじわじわ点差を詰めていき、ついに7-7の同点にこぎつくことに成功。その後も及川を始めとした怒涛の4得点連取で優位に立ったと思われたが、相手の動きに追いつけず、連続失点を許してしまう。両者とも譲らず点を奪い合う激しい展開となったが、あと少しのところを押し負け、第3セットも奪うことはできず、ストレート負け。今回も『1部での1勝』は叶わなかった。

プレーでチームを率いる平山

 いまの早大には勝つための何かが足りない。それは強い選手や特別なテクニックなどではなく、ここぞというときの勝負強さなのではないか。1部という強豪ひしめくリーグで連敗を喫し、自分たちのバレーができないでいるのが現状だ。しかしまだ春季リーグは終わりではない。早大の『粘りと決定力』を体現したとき、勝利への突破口が見えてくるに違いない。

(記事、写真 鎌田理沙)

セットカウント
早大 19-25
18-25
23-25

日女体大
スタメン
レフト 及川香菜(スポ4=宮城・古川学園)
レフト 加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
コメント

平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――春季関東大学リーグ後半戦が始まりましたが、意識の変化はありますか

前半戦は3戦3敗で、そこから2週間空くということで、自分たちで何かしら変わらないと、結果も変わらないと思って、普段なら負荷をかけず調整などするところを、質や量にこだわって2週間やってきました。自分たちにやれることはやってきた、自信を持って試合に臨もうと、そういうつもりで準備はしてきました。

――前半戦と後半戦を比べて、レシーブに変化は見られましたか

チームによって、相手の決めパターンだったり、攻撃陣パターンは違います。きょうの日女体大なんかは、センター線の裏のワンレグという攻撃を決め球にしてて、それに対するレシーブの確認などしてきたつもりでしたが、自分自身全然上げられませんでした。レフトに対するブロックも一枚になってしまうことが多かったです。ブロックとレシーブの兼ね合いは、まだ未完成だなという感じがします。

――きょうは加納茉未副将(社4=北海道・札幌大谷)がスタメン復帰しましたが

レフトは3人いて、それぞれ強みは違うし、そのなかで加納は4年生として自覚を持って頑張ってくれていた2週間だったと思うので、スタートは加納で行こうとチームでまとまりました。

――及川香菜選手(スポ4=宮城・古川学園)、富澤結花選手(スポ1=東京・文京学院大女)、加納選手のレフト3人を使い分けるということですか

1年生にレフトで良い選手が入ってきて、3人で勝負だと監督に言われてきました。加納は特に、前半途中でスタメンを外れるという悔しい思いをしてきました。チームが1番良い、強い形で試合に臨むのが1番だと思います。加納が2週間頑張ってくれました。

――早大のブロックについてはいかがですか

宇都宮大戦のときに、全然ブロックが機能せず、きょうの試合も、きょねん1年間サーブとブロックを武器に来てきた割には良くないと思います。サーブについても、自分たちは高さがあると思うのですが、その高さを活かせるだけのサーブは打てていないと思います。そういった意味では、ブロックもまだまだ機能していないと思います。

――率直にお伺いします。きょうの敗因は何だとお考えですか

やはり、最後決めきれないところ。あとは自分がキャプテンとしてチームを引っ張るというか、どうしても相手に強いチームが多く、リードされる場面が多い中で、自分がぶれないプレーや声かけができていないところだと思います。

――あしたの試合に向けて

試合がある以上、しっかり気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。

加納茉未副将(社4=北海道・札幌大谷)

――本日、加納選手はスタメン復帰となりましたが

この2週間で、しっかり自分自身も気持ちを切り替えることができて、泥臭く、周りに声をかけて、大きい声を出すという自分のプレーをしようとやってきたので、コートに入った時迷いはありませんでした。

――気持ちの整理がついたとおっしゃむていましたが、具体的にどのような意気込みでしたか

ここにくるまでスタメンに入るかどうかは分かりませんでしたが、いつ自分が入っても良いようにという気持ちではいました。

――ご自身のきょうのレシーブについては

やはりこの2週間詰めて練習をしてきて、最後まで粘るという気持ちの部分で上げようと思っていたので、その成果が出せたかなと思います。

――きょうで、及川香菜選手(スポ4=宮城・古川学園)、富澤結花選手(スポ1=東京・文京学院大女)、そして加納選手の3人のレフトが揃いました

監督には、この2週間を通して、誰が入るかわからない、チームのコンセプト「粘りと決定力」のコンセプトに合った選手を投入すると言われていました。今回はいい意味で、全員が自分の良いところを出すという監督の指示でそうなりました。

――早大のブロックについては

日女体大は裏に回ってくる攻撃が多く、それに対してのブロックとレシーブの兼ね合いや、まっすぐ飛んで、タイミングをゆっくりするというのは2週間徹底してやってきました。まだまだではあるのですが、だんだんそれが形になってきて、ワンタッチをとって次の攻撃につなげるなどできてきたので、もっとできるようにしていきたいです。

――あしたの試合についてお願いします

あしたは青学大戦となりますが、相手もまだ1勝しか挙げておらず、青学大は、先々週早大と対戦した宇大とフルセットをしており、実力ではそんなに変わらないと思います。最後は自分たちの気持ちが出た方が試合に勝つことができると思うので、気持ちの部分で負けず、みんなで団結して頑張っていきたいです。