リーグ戦開幕!逆転勝利の白星発進

女子バレーボール

 
ついに迎えたこの日。秋季関東大学2部リーグ戦(秋季リーグ戦)が開幕した。春季リ

ーグ戦ではリーグ入替戦に出場できずに終わったワセダは、その雪辱を果たすべくこ

の夏、鍛錬を積み重ねてきた。1部昇格を目標に掲げ、満を持して初戦の順大戦に

臨んだ。序盤は立ち上がりに苦しむが、第3セット以降はワセダらしい粘りのあるプレ

ーでリズムをつかみ、逆転に成功。今後のリーグ戦を占う大事な初戦を、セットカウン

ト3-2(20-25、19-25、26-24、25-19、15-11)で見事勝利した。

 第1、2セットは「つなぎに少し問題があった」(唐木沙彩、スポ3=千葉・柏井)と振り返るように、レシーブから崩され連携が乱れてしまう。第1セットは相手のスパイクがライン際に決まるなど、思うように拾いきれずに苦しんだ。関根早由合(スポ3=神奈川・橘)のブロックや唐木のレフトからのスパイクで連続得点を挙げるも、ワセダは1度もリードをとることができずにこのセットを終える。続く第2セット。気持ちを切り替えたいところだが、ミスが目立った。5-5から5連続で得点を決められると、流れが完全に相手へと行きこのセットも落としてしまう。

攻守に活躍の関根

 しかしこのままでは終わらないのが今季のワセダだ。レシーブが奮起し、粘りのあるプレーで逆襲を始める。第3セット、13-13から関根のブロード攻撃が決まると、チームは流れに乗って初の3点リードを奪う。最後はジュースまでもつれ込むも、黒木や平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)のブロックが立ちふさがる。しびれを切らした相手のミスで第3セットをものにし、ここから勢いに乗る。第4セットは平山のスパイクが光り、フルセットまで持ち込んだ。ここからは互いに粘り、長いラリーが続く接戦に。だが、ワセダの勝利への意地が勝った。1点差に迫られた10-9の場面で加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)がレフトから強烈なスパイクを決め、セット終盤までリードを死守する。迎えたマッチポイント。唐木のスパイクを相手がレシーブして浮いた球を、ライトから木暮美波(人4=群馬・高崎女)が決め、見事逆転勝利を収めた。

見事な逆転劇で開幕戦勝利を飾った

 粘り強さが光り、リーグ戦は白星発進となった。しかし、課題は鮮明に見えている。「自分たちのバレーをどれだけ序盤からできて作れていくか」(唐木)。これからの熱戦が予想される中で、課題の克服は絶対条件だ。悲願の1部昇格を目指し、全身全霊で挑むワセダの戦いが始まった。

(記事 山本葉奈、写真 中澤佑輔)

セットカウント
早大 20-25
19-25
26-24
25-20
15-11

順大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)
  レフト 加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)
  センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘)
  センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)
  ライト 平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)
          セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井)
     リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南)
コメント

黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)

――初戦勝利おめでとうございます。いまの気持ちを教えてください

ありがとうございます。フルセットになる相手ではなかったと思いますが、最初すごく硬くて、いろいろミスが起きてしまう中で最後まで気持ちを切らさずに戦えたことはチームの良いところだと思うので、まず一勝できたことはすごくよかったです

――試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか

すごくよかったです。でも緊張感が高まってきた時に、もっともっと一人一人が良いところを出せるようにあしたはアップからもっと元気を出していけたらいいなと思います

――初めの2セット苦戦した原因はどうお考えですか

技術的な部分で言うと、レシーブが全然上がりませんでした。自分たちは上がらないから二段トスになってしまい、二段を向こうに切り返されてしまうということがすごく多かったです。そこがよくなかった原因でした。第3~5セットはスパイクレシーブが上がっていたのがすごくよかったと思います。

――第3セットへはチームとしてどのように臨みましたか

切り替えること第一にしようという話をしました。もちろん負けることはよくないですが、負けること以上にここで何も出さずに終わってしまうことの方が後悔するよねという話をベンチでもしていて、一人一人が後悔したくないという気持ちになれて、とにかく思いっきりやろうという気持ちになれたのがよかったかなと思います。

――第3~5セットを振り返っていかがでしたか

第3セットも後半までは良いバレーだったとは思いませんが、最後苦しい場面であれだけ強く打ったり頑張って拾うことができるようにこの夏を乗り越えてなれたと思うので、第3セットの最後頑張ったのが、第4,5セットにつながっていると思います

――第3セットの最後芹澤友希(スポ1=茨城・土浦日大)選手を起用しましたが、黒木主将が打つという作戦だったのでしょうか

そうです

――第5セットは同点に追いつかれなかったのが大きかったですね

うちがリードしているのに、押されている感じになってしまいそうなところをしっかり踏ん張れたというか、この1点に集中しようとしっかりなれたので、スパイカーもバックの気持ちをしっかり背負って打ってくれたのがすごくよかったです。

――夏の間各地を遠征されていましたが、どのあたりを強化しましたか

チームの目標としていたのは、(スパイクの)決定率を上げるということでした。でもそれはスパイカーが頑張るということではなく、決定率を上げるためにはトスもしっかり上げなくてはいけないし、レシーブも上がらないとボールはつながらないという考えを、一人一人がしっかり意識してやりました。前半はレシーブが上がりませんでしたが、そういうバレーをやっていけたらこれからも勝てると思います。

――きょう見つかった課題もレシーブになりますか

そうですね。ブロックはそんなに悪くないので、レシーブももう少し上がってくれば前と後ろの関係ももっとよくなってきて、チームもうまく回ると思うので、最後スパイカーに思いっきり打たせるためにしっかりつなげられたらいいと思います。

――秋季リーグ戦の目標をお願いします

1部に昇格することを目標に頑張ります。

中川美香副将(スポ4=神奈川・大和南)

――初戦を終えてどのような感想を持ちましたか

初戦ということでみんな結構緊張していて、最初はごたごたしてしまいましたが3セット目の途中で苦しいところを断ち切れてそこから3セット取れたのは大きかったなと思います。

――流れが切り替わったポイントはどのような点でしょうか

緊張が取れたというのもありますが、3セット目の途中から相手のミスも多くなりました。今回の試合はもちろん自分たちの力でもあるんですけれど、相手のミスにすごく助けられたっていうのもあると思うので、次の試合からは自分たちからしっかりポイントを取っていけるようにがんばりたいと思います。

――リベロは二人で交代でやられていますが

私はずっとセッターをしていましたがことしの春からリベロに転向しました。レセプション(サーブレシーブ)を武器にコートに入っていて、自分の中ではディグが後輩より劣っているので、そこは助けてもらって自分が得意とするレセプションに集中するというかたちを取っています。

――セッターからリベロへの転向は大変な事だと思うのですが不安はないですか

まだ慣れてはいないですけど、自分のできる役割をしっかり全うしようと思います。

――夏の期間に強化してきた点はどのあたりでしょう

レセプションの安定とブロックとレシーブの兼ね合い。チームとしてはレシーブからの攻撃っていうのを徹底して練習してきました。あとトレーニングにもすごい取り組んできたので体力面でも力が付いたと思います。

――副将としていまのチームを見て、どのような課題があると感じていますか

課題はやっぱり出だしですね。あとはつながりをテーマに挙げてやっているので嫌なムードになった時につながりをプレーで出して行けるようにしていきたいです。

――そういう苦しい雰囲気になってしまったときに盛り上げてくれるムードメーカーはいるのでしょうか

ムードメーカーは木暮(美波、人4=群馬・高崎女)ですかね。木暮がコートに入ったらそうなんですけど、一人一人がその状況をどうにかしようという気持ちをもっと持って行動に変えていけたらと思います。

――リーグ戦の目標を教えてください

勝負どころでつなげられるチームになって、必ず1部に昇格することです。

唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)

――初戦を終えてみて、振り返っていかがでしたか

初戦ということで自分たちもすごくテンションも上がって、まず初戦を勝とうという気持ちでやって、1、2セット目は結構バタバタしてしまって思うようなプレーができなかったのですが、3セット目以降は自分たちの持ち味も出て、いい試合ができたと思います。

――序盤の立ち上がりに苦しんでいましたが、その原因は

自分たちのミスでやられてしまうことが多々あって、いまレシーブ重視で頑張っている中でつなぎに少し問題があったと思います。

――第3セットから流れが変わりましたが、どのようなことを切り替えましたか

中も外もこのセットを取りに行こうということをタイム中に再確認して、その結果また気持ちを入れ直せて、全員が取りに行くという気持ちでできたので、そこが良かったと思います。

――夏の合宿で強化した点は

自分たちの目標を見直して、勝負どころでつなげられるチームということをまず年頭においてやっていたので、夏の合宿では苦しい場面でもまずはつながりを持ってやろうということを意識して、その成果が表れたと思います。

――試合の中で新たに見つかった課題はありますか

1、2セット目序盤の立ちあがり自分たちのバレーをどれだけ序盤からできて作れていくかということが課題だと思います。

――これからのリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

今回のリーグでは1部に上がれる最大のチャンスなので、そのチャンスを自分たちの力でつかみに行きたいと思います。