日本選手権リレー 10月10日~11日 東京・MUFGスタジアム(国立競技場)
今年度は国立競技場にて開催された日本選手権リレー。関口裕太主将(スポ4=東京学館新潟)、森田陽樹(創理4=埼玉・早大本庄)、山本真菜(スポ4=三重・伊勢)ら短距離ブロック4年生にとってはエンジを着ての最後のレースとなった。早大は、男子4×100リレー(ヨンケイ)、女子4×400メートルリレー(マイルリレー)、男子マイルリレーの計3種目に出場。『リレーの早稲田』を体現するため、おのおのが限界まで力を出し切った。
★表彰台まであと一歩と迫るも、4位に(男子4×100リレー)
男子ヨンケイの予選では、関口、水野琉之介(スポ3=北海道・立命館慶祥)、由井響(スポ4=山梨・都留)、伊橋璃矩(スポ3=千葉・成田)の4人がバトンをつなぎ、2着で決勝を決めた。決勝では3、4走を若菜敬(スポ2=栃木・佐野)、森田に入れ替え、勝負に。上位3校が従来の大会記録を更新するハイレベルな戦いとなったが、早大は表彰台まであと一歩及ばず、4位となった。

予選のレースを走る伊橋
男子ヨンケイは予選2組目に登場。今シーズンはケガに苦しんでいた主将の関口が、レースの流れを決める1走を務めた。関口はスタートから快調に飛ばし、後半に圧巻の加速で2走の水野へバトンパス。関東インカレ100メートル王者である2走の水野は驚異的なスピードで前を走る選手を追い上げ、3走の由井へバトンを渡す。由井はインコースを走る大東大に追い上げられるものの、4年生の意地でトップを守り、アンカーの伊橋にバトンをつないだ。伊橋は大東大とのアンカー対決となったが、少しずつ遅れを取ってしまう。だが、後方から追い上げる慶大や中京大を振り切り、2着でゴール。着順で決勝への切符をつかんだ。

決勝のレースに臨む関口
迎えた決勝。3走に全国高等学校対校選手権の200メートルで優勝経験もある若菜、そして4走には前日のマイルリレー予選を走った、副将の森田が登場。専門外の種目ながら「勝負に出た」と森田をアンカーに配置した。1走の関口は「ギアアップをし臨むことができた」と振り返ったように、トップスピードでスタートから飛び出し、2走の水野へバトンを渡す。水野はインコースを走る東洋大、中大を突き放したいところであったが、逆にその2校に迫られてしまう展開に。ほぼ並んだ状態で3走の若菜へとバトンが渡った。若菜も懸命に2校に食らいつきながら、前を走る大東大を追いかける。4校が横一線の展開でアンカーの森田にバトンを託す。バトンが渡るとともに中大、東洋大が抜け出し、森田は大東大との3位争いを繰り広げる。副将として早大を背負う森田は顔をしかめながら必死に走り抜いたが、大東大にわずかに及ばず4着でのフィニッシュとなった。この試合でエンジのユニホームを脱ぐ関口は、「僕をサポートしていただいた全ての人に感謝している」とこれまで支えてくださった方々への感謝を述べた。

決勝のレースを走り終えた森田
今年度初の優勝に向けて挑んだ本種目であったが、表彰台に届かず、4位に。だが、後輩たちは主将の関口で始まり、副将の森田で終えた男子ヨンケイの勇姿を目に焼き付けただろう。早大男子ヨンケイは必ずや表彰台の頂点へ返り咲く。
★優勝には届かずも、堂々の早大記録樹立!(女子4×400メートルリレー)
女子マイルリレーには、山本、ガードナ・レイチェル麻由(スポ1=神奈川・法政二)、木下晏里(商2=徳島文理)、千葉史織(スポ3=宮城・仙台一)の関東学生対校選手権(関東インカレ)優勝メンバーが登場。優勝を狙い挑んだ決勝では、3位に終わるものの、早大記録を塗り替える見事な走りを見せた。

予選のレースに臨む山本
大学初日に行われた予選。1走の山本はレースがスタートすると、バックストレートで外側のレーンの選手たちとの距離を詰めていく。3番手で2走のガードナにバトンをつなぐと、ガードナは自慢の俊足で前半からスピードに乗る。先頭を走る青学大のすぐ後ろに位置取り、ホームストレートで先頭へ。バトンを受け取った3走の木下は、後半にかけて青学大をじわじわと離していき、アンカーの千葉にバトンが渡る。しかし、ここで2人がバトンパスに手間取り、距離を詰められてしまう。ホームストレートで青学大に逆転されるも、2位を死守し、着順での決勝進出を決めた。

決勝のレースでバトンパスをする千葉(写真左)、木下
2日目に行われた決勝も、予選と同じオーダーで挑んだ。1走の山本が好スタートを決めると、序盤からリードをつくっていく。予選全体トップ通過の福岡大に続き、2番手でガードナへバトンパス。バックストレートで立命大に抜かれるも、じわじわと距離を詰め、立命大を抜き返した。ガードナからバトンを受け取った木下は、逃げる福岡大に必死に食らいつく。しかし、脅威の追い上げを見せる立命大が木下と福岡大をかわして先頭へ。アンカーの千葉が3位でバトンを受け取ると、すぐに福岡大を抜き、立命大を追いかける。しかし、後半、怒涛の追い上げを見せる園田学園大にかわされてしまう。最後は接戦となるも、3位でフィニッシュ。タイムは3分36秒58を記録し、早大記録を更新。早大史上初となる3分36秒台をマークした。走り終えた4人は抱き合い、喜びをかみ締める様子も見られた。

決勝のレースを終えた女子マイルメンバー
目標としていた優勝には届かなかったものの、早大記録を更新する偉業を成し遂げた女子マイル。山本が「自分たちの代で『女子も強い早稲田』を体現できたのではないか」と振り返るように、強さを証明した。来年も3人のメンバーが残る本種目。さらなる高みに向けて、女子マイルの思いは次世代につながっていく。
★総力戦でつかんだ3位表彰台! 森田がラストレースで魂の激走(男子4×400メートルリレー)
昨年は4位と惜しくも表彰台を逃した男子4×400メートルリレー(男子マイルリレー)。今大会は予選と決勝でメンバーと走順を大きく変えながらも、総力戦で3位表彰台を勝ち取った。

予選のレースを走る平田(写真左)、森田
予選は権田浬(スポ3=千葉・佐倉)、森田陽樹(創理4=埼玉・早大本庄)、平田和(スポ4=鹿児島・松陽)、渕上翔太(スポ3=東福岡)の順で出走。1走から関大との激しいトップ争いを展開し、4走の渕上がバックストレートで一時先頭に立つ。終盤に2番手に順位を落としたもののそのままゴールし、着順での決勝進出を決めた。

決勝のレースを走る渕上(写真左)、権田
迎えた決勝。早大は「前半で後手に回らないように」と森田が語ったように勝負に出て、走順を森田、水野琉之介(スポ3=北海道・立命館慶祥)、権田、渕上へと大きく組み替えた。特に森田と水野は、わずか3時間前に行われた男子ヨンケイ決勝からの連戦となった。大外の9レーンに入った1走の森田は、号砲とともにトップスピードに乗せて後続を引き離す。4年間の集大成、エンジをまとって臨む最後のレースで意地の激走を見せ、トップの中京大とほぼ同着でバトンを水野へ渡した。普段は100メートルや200メートルを主戦場とする水野は、中京大、福岡大に食らいつき3番手をキープ。ホームストレートで法大に先行を許すも粘り強く走り抜き、4番手で権田へつないだ。3走の権田は前半、法大の背後について機をうかがうと、バックストレートからギアを一気に上げて加速。前との差を猛烈に縮め、バトンパス直後に転倒するほど力を出し尽くしてアンカーの渕上へ託した。バトンを受けた渕上はバックストレート手前で関学大にかわされ、一時は5番手まで後退。しかし、冷静にチャンスをうかがっていた。最終コーナーを抜けてホームストレートに入ると怒涛のスパートを炸裂させる。法大、福岡大を一気に抜き去って3番手へ浮上し、さらに前を行く中京大にも肉薄するほどの気迫の追い上げを見せて3位でフィニッシュした。

決勝のレースを走り終えた森田
4年間、常にマイルリレーでの頂点を目指して走り続けてきた森田。直前に行われた男子ヨンケイでの悔しさを晴らすべく、エンジをまとう最後のレースに金メダルへの強い思いをぶつけた。悲願の頂点にはあと一歩届かなかったものの、「試行錯誤しながら取り組めたことが僕の財産。早大で陸上競技をやって良かった」と誇らしげに語った。「マイルで始まってマイルで終わった4年間」を全力で駆け抜けた森田の熱い思いは、ともにバトンをつないできた権田や渕上ら頼もしい後輩たちへと確かに受け継がれたはずだ。届かなかった頂へ――。早大マイルの挑戦は、次の世代へと託される。
(記事 石本遥希、植村皓大、川田真央、永尾早渡、写真 植村皓大)
男子結果
▽男子4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)
2組
早大(関口ー水野ー由井ー伊橋) 39秒31(2着)決勝進出
決勝
早大(関口ー水野ー若菜ー森田) 38秒83(4着)
▽男子4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
2組
早大(権田ー森田ー平田ー渕上) 3分05秒61(2着)決勝進出
決勝
早大(森田ー水野ー権田ー渕上) 3分05秒12(3着)
女子結果
▽女子4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
1組
早大(山本ーガードナー木下ー千葉) 3分41秒08(2着)決勝進出
決勝
早大(山本ーガードナー木下ー千葉) 3分36秒58(3着)早大新
コメント
関口裕太主将(スポ4=東京学館新潟)
--本日のコンディションはいかがでしたか
昨日から予選を通して、非常にいい動きをつくり上げることができました。決勝でもギアアップをし臨むことができたので、結果として昨日の予選よりも動いている感覚がありました。日本選手権リレーにコンディションは合わせられたと思います。
--予選から走る選手を変えられましたが、その意図や経緯はいかがでしたか
勝負に出たというのが一番大きいです。3走と4走を変えたので、1、2走でリードを取って、3、4走で耐えるというレースプランでした。 3走までは横一線となり、勝負に出た中で、このような結果となったので、悔しい結果とはなりましたが、これからの早大のリレーは、この経験を大切に生かしてほしいと思います。
--エンジのユニホームを着て走るレースは最後になると思いますが、早大での4年間を振り返ってみていかがですか
まずは僕を早大に入学させてくれた早大競走部のOBでもある、高校の監督の田村(和宏、平13人卒)先生に本当に心の底から感謝を伝えたいです。僕を受け入れてくださった早大、そして早大の監督、コーチ陣の方々に本当に感謝をしたいです。また、僕をサポートしてくれた全ての人に感謝しています。結果として最後は表彰台には登れませんでしたが、エンジのユニホームを着て、良い時も悪い時もこの上ない経験をさせていただいて、本当に早大で走れて幸せだったと思います。
山本真菜(スポ4=三重・伊勢)
ーー予選、決勝のレースをそれぞれ振り返っていかがでしたか
予選は久しぶりの1走ということでかなり緊張はありましたが、決勝に向けてなんとかいい感覚をつかみたいと思っていました。感覚は悪くなく決勝につながるレースになりました。決勝は、「私たちは日本一のチームだ」とメンバーで話し、全員で優勝だけを目指してレースに挑みました。最上級生として何が何でも絶対に1番でバトンを渡すという強い気持ちで前半から積極的に攻めました。優勝にはあと一歩届きませんでしたが、入部当初から目標にしていた早稲田記録を大幅に更新し、学生歴代5位と、頼もしい後輩たちと走れたこのレースは記憶にも記録にも残るレースとなりました。
ーー早大記録更新について、率直な気持ちをお聞かせください
入部当初から目標としていた早稲田記録を、自分たちの代で最後に更新することができてとても嬉しく思っています。レイチェル(ガードナ・レイチェル麻由、スポ1=神奈川・法政二)、木下(晏里、商2=徳島文理)、千葉(史織、スポ3=宮城・仙台一)3人が最高の走りをしてくれました。3人には感謝しかないです。このメンバーなら絶対に出せると思っていた記録なので驚きはしませんでした。それぐらい私たちはお互いを信じていました。千葉を中心として来年はさらに強いチームになると思うので、あっけなく更新されるような気もしますが、自分たちの代で「女子も強い早稲田」を体現できたのではないかと思います。
ーー日本インカレから改善してきたことがあれば教えていただきたいです
アンダーハンドパスの精度にこだわってきました。アンダーハンドパスの加速しやすいという利点を生かしつつ、オーバーハンドパスのような利得距離も取れるように練習を重ねました。また、前半から先頭でレースを進めるために、走順を変えたことも大きな変化だと思います。
ーーエンジを着て臨む最後のレースだったと思いますが、早大での4年間を振り返っていかがですか
辛いこと苦しいことも沢山ありましたが、それ以上に最高の仲間に出会えましたし、私自身も人としても競技者としても大きく成長できました。早稲田大学競走部として4年間戦い抜けたことを誇りに思います。支え続けてくれた多くの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
森田陽樹(創理4=埼玉・早大本庄)
ーーレースを振り返っていかがですか
予選からメンバーやオーダーを変えると言っていたので、チームとしてもチャレンジャーとして、優勝を目指して組んだオーダーでしたし、その展開を望んで走ったレースでした。結果としては3位に終わってしまって、悔しさと同時に、我々のチームでやれることはできたと思っているので、やりきった3位だと思います。
ーー予選から決勝へのオーダー変更の意図を教えてください
水野(琉之介、スポ3=北海道・立命館慶祥)は、普段は100メートルとヨンケイを主戦場にしている選手ではありますが、速いレース展開を想定して配置しました。彼はロングも走れますので、久しぶりのマイルだったとは思いますが、2走に起用して、前半で後手に回らないようにレースを展開しようと考えていました。僕が1走で水野を2走というかたちで逃げ切れるような展開にできれば、自ずと金メダルが見えてくるのかなと想定して(オーダーを)組んだレースでした。
ーーヨンケイとマイルのどちらも走られましたが、体力の面ではいかがでしたか
特に疲労は感じませんでした。 今日1日が僕にとっては引退レースであり、最後の日だったので、どうしても最後に早大のリレーと、4年間をかみ締めながら終わりたいという思いがありました。ただ、 ヨンケイの4走を務めさせてもらったのに、4位という結果に終わってしまって、本当にふがいないです。今まで引っ張ってくれた同期のみんなには申し訳ないという気持ちがあり、だからこそなんとしてでもマイルで優勝を持って帰りたかったです。
ーーエンジを着て臨む最後のレースだったと思いますが、早大での4年間を振り返っていかがでしたか
僕の早大の陸上競技は、マイルが大きかったです。マイルで始まってマイルで終わった僕の早大の4年間だったと思います。 僕が1年生の時に強い4年生の先輩方がいて、その先輩方に引っ張ってもらって、 自分の代になって(先輩方が)取れなかった金メダルをどうしても取りたかったです。結果的に4年間で、マイルは主要大会では銀メダルと銅メダルだけそろってしまったのですが、この4年間を通じてやってきて良かったと思います。自分なりにどうしたら金が取れるか、どうしたら強くなるかということを試行錯誤しながらできたことが僕の財産ですし、今こうして終わって、早大で陸上競技をやって良かったと心から思えています。それは良かったと思いつつも、これだけの思いを持って取り組んでも、主要大会で金メダルが取れなかったので、後の世代の権田(浬、スポ3=千葉・佐倉)なり、渕上(翔太、スポ3=東福岡)なり、3年間僕と一緒にマイルを組んできた後輩たちに思いを託して早大から去ろうかなと思います。