新しくなった有明で春関開幕! 男子単2人、女子単6人、男子複2組が2回戦へ

庭球男子

 東京・有明テニスの森で関東学生トーナメント(春関)が開幕した。時折のぞく日が選手の体力を奪う初夏のような気候の中、男子単複、女子単のそれぞれ1回戦が行われた。早大からは男子シングルス8人、女子シングルス7人、男子ダブルス2組が試合を行い、男子シングルス2人、女子シングルス6人、男子ダブルス2組が1回戦を突破した。

★男子シングルス

フォアハンドを打つ清水拓弓(スポ4=滋賀・光泉カトリック)。この日シングルスとダブルス両方に登場した

 男子シングルス1回戦には、シードのない8人が登場。ルーキーの永山寛基(スポ1=大阪・浪速)と鈴木蒼平(人2=大分舞鶴)が2回戦に駒を進めた。永山は安定したプレーで隙を見せず、表情を変えずに勝利した。一方の鈴木はフルセットの末、勝利をもぎ取った。高い打点で強気に攻め込み、ガッツのあるプレーでジリジリとポイントを重ねる。第1セットを6−2で獲得したが、その後は精度の高い相手選手の配球に苦しみ、集中の乱れる場面もあった第2セットはあっさりと相手に軍配。鈴木のトイレットブレークを挟み、勝負は第3セットに持ち込まれた。サイドラインギリギリのボールの応酬が続く中、4−3で迎えた8ゲーム目。スピードのあるサーブを突き刺す岡部悠希(日大)にブレークを成功させ、勝負は鈴木が優位にたった。次のゲームでブレークを返されるも、声を出して自らを鼓舞し続けた鈴木には落ち着きが見えた。ロングラリーを制すると、3時間に及ぶ試合をものにした。1年生の森田皐介(スポ1=福岡・柳川)は同じくフルセットまでもつれながらも、藤川侑志郎(筑波大)に及ばなかった。第1セットはお互いにサービスゲームを譲らず、一進一退のせめぎ合いに。それでも5-5で迎えた11ゲーム目で森田は初めてブレークする。そのままサービスゲームをキープし、第1セットを取りたかったところだったが、ブレークバックされ、タイブレークに突入。相手に要所でドロップを沈められ、7-9でタイブレークを落とし、先制を許した。しかし、第2セットは持ち前の強烈なサーブで藤川を圧倒。6ゲームを連取し、試合を振り出しに戻す。第3セットは「取りたいところで取れなかった」と振り返るように、要所でストロークが乱れ、ブレークを許していく。息を吹き返した藤川を前に1-6で第3セットを落とし、3時間に及ぶ熱戦を悔しい敗戦で終えた。主務としてもチームに貢献する田巻雄介(国教4=東京インターハイスクール)は、惜しくも敗退。「自分の力を発揮できずに終わってしまった」と苦しい表情を見せた。

★女子シングルス

テイクバックする平田葵(スポ2=神奈川・白鵬女)。長時間に渡る試合を最後まで走り抜いた

 女子シングルスは7人中6人が2回戦にコマを進める、層の厚さを見せた。ルーキーの小林杏菜(スポ1=第一薬科大学付)は冷静に試合を展開。打球にパワーがあるタイプではないものの、性格なコントロールとコースで相手のミスを誘い、あっさりと勝利した。その他の選手は、苦しい時間帯が多く会ったものの、応援を力に気を吹き返し、なんとか勝利を手にした。特に第1セットからタイブレークとなった萩原真美(スポ3=東京・成蹊)は、相手より少しでも長く、高い集中が求められるタフな試合になった。序盤は互いにミスが続き、ラリーの短い試合展開だったが、しっかりと回転のかかったストロークでボールをコート奥深くに収めていく。今季は3年生ながら主務を務める萩原だが、上級生にふさわしい落ち着きと余裕を見せ、しっかりと勝ちきった。

★男子ダブルス

 男子ダブルス1回戦には、先に高畑里玖(社4=兵庫・相生学院)山口柚希(スポ3=鹿児島・鳳凰)組が入った。序盤こそ噛み合わない場面があったものの、終始流れを渡さず圧勝した。力強いサーブで詰まらせ、次々とボレーで仕留めていく。あっという間に試合を終え、笑顔で去っていった。一方の池田朋弥(スポ2=愛知・誉)清水拓弓組は流れをつかみきれず、もどかしい一戦に。得意のサーブで相手を苦しめるも、細かいミスが重なりゲームを落としてしまう。勝利はしたが、あす以降に向けては満足のいかない内容だ。

 大会2日目は男女単の2回戦目、そして初日に打ち切りとなった女子複、一部の男子複1回戦戦が行われる。インカレの出場権獲得のため、熱い戦いが期待される。

(記事・写真 星野有哉、田島璃子)

結果

男子シングルス
▽1回戦
○永山寛基[6-0、6-1]川崎幹太(中大)
●渡部裕貴[2-6、3-6]小泉煕毅(日大)
●田巻雄介[1-6、3-6]山本律(筑波大)
○鈴木蒼平[6-2、1-6、6-4]岡部悠希(日大)
●清水拓弓[2-6、2-6]上野山大洋(日大)
●木原啓汰[0-6、3-6]石関皓(東京国際大)
●森田皐介[6(7)-7、6-0、1-6]藤川侑志郎(筑波大)
●栗山晃太朗[4-6、2-6]谷颯太(亜大)
女子シングルス
▽1回戦
○小林杏菜[6-0、6-1]石川和奏(東京国際大)
○平田葵[5-7、6-1、5-0 RET.]早重果波(青学大)
●横田七帆[1-6、4-6]横川円香(山梨学院大)
○萩原真美[7-6(5)、7-5]上村寧々(山梨学院大)
○河野瑞生[6-4、6-4]関口裕望(日大)
○小畑莉音[6-3、6(4)-7、6-4]穴田琴音(駒大)
○森岡きらら[6-3、6-2]阿部咲良(東海大)
男子ダブルス
▽1回戦
○高畑里玖・山口柚希[6-1、6-0]岩本尚起・須田悠仁(青学大)
○池田朋弥・清水拓弓[6-3、6-4]山口巧・岡部悠希(日大)

コメント

田巻雄介(国教4=東京インターハイスクール)

――今日の試合結果をどのように捉えていますか

 悔しいというよりは戦えなかったというところが大きいかなという感じです。自分の力を発揮できずに終わってしまった感じがします。

――一番苦しかった時間帯はありますか

 苦しかったのは終始ですね。相手のペースというか、自分から展開できなくてずっと劣勢だったので。最後相手が足をつっていたのですが、そういったチャンスがあったのにモノにできなかったというところです。

――最高学年を迎えて初めての大会でしたが

 自分は2年の時が一番戦績を残せていたのですが、その後病気で1年ほど離脱していました。そのため、3年生でテニスができずに、ラストの4年生を迎えて、今回結果を残そうと思っていたので、落ち込んでいる部分はあります。今、チームの戦力的にそんなに余裕があるわけではないので、自分が活躍して、少しでも自分より上の選手の刺激だったり鼓舞だったりできるようなプレーがしたかったです。それができずに終わってしまったので、残念です。

――今日得られた課題を教えてください

 サーフェスとかによって自分のプレーをアジャストしないといけないと思うのですが、そうした部分で自分はプレースタイルを調節できなかったので、普段はストローク頼りでポイントを取ることが多いところで、ストローク以外のボレーなどで点を取る展開を増やしていきたいです。得点パターンを増やして、引き出しを多く持っておけば、サーフェスが変わっても対応できたかなと思います。

森田皐介(スポ1=福岡・柳川)

――試合の結果への感想は

 ファーストセットはチャンスがあったので、逃して、生かせなかったことがとても悔しいです。(第2セットは)切り替えて、序盤からいいペースで展開を持っていくことができて、うまく取ることができましたが、ファイナルセットの序盤で取り切れず、相手に波に乗らせてしまったと思います。

――一番苦しかった時間帯はどこですか

 やはりファーストセットとファイナルセットの序盤、取りたいところで取れなかったのがストレスでした。

――大学に入ってからはじめての公式戦ですが、感じるものはありましたか

 相手も弱い選手がいなく、とてもいい選手だったので、1年生から思い切ってやることを意識しましたが、試合になると勝ちを意識してしまって。コンソレーション(インカレ出場枠を争う戦い)で次につなげるように、もっといいプレーをしていきたいです。

――早大の庭球部を選んだ理由は

 小さい頃から日本一の大学で、「自分がテニスがもう少し強くなったら早稲田大学に入学したい」と思っていました。高校ではじめてタイトルを取って、早稲田に入ることを決めました。

――最後に、春関の収穫を教えてください

 今は、勝つことも大事ですが、今後試合で通用するようなテニスが必要だと思うので、ミスを恐れずにいいプレーをしていきたいと思います。