白石が優勝! 金子は惜しくも準優勝/決勝

庭球男子

 今季最後の個人戦となる関東学生選手権(夏関)はついに決勝を迎えた。早大からは1年時の夏関でシングルス優勝を果たしている白石光(スポ4=秀明大秀明八千代)とルーキーの金子さら紗(スポ1=埼玉・浦和麗明)がそれぞれシングルスの決勝に臨んだ。ここまで全ての試合をストレート勝ちで勝ち上がってきた白石は決勝でもストレート勝ちを収め、3年ぶりに関東学生王者のタイトルを手にした。一方の金子は序盤こそリードしたものの、慶大の強敵を相手に逆転負け。初の学生タイトル獲得とはならなかった。

★オールストレート勝ちで3年ぶりに関東学生の頂点に(男子シングルス決勝)

 フォアハンドを放つ白石

 ここまで盤石の強さを見せ、決勝に駒を進めていた白石は中大の石井と対戦。石井は関東大学リーグ(リーグ)第2戦で白石とフルセットの熱戦を繰り広げた選手だ。「自分の中で警戒して入った」という白石は長いラリーの中で前後左右に揺さぶりをかけ、いきなり3ゲームを連取する。その後もラリー戦が続いたが、相手のミスショットを見逃さずに得点を重ね、6-2で第1セットを獲得する。続く第2セットも高いディフェンス力を見せつけた白石が終始リードする展開に。最後は渾身のフォアハンドを叩き込み、6-2で獲得。この試合をものにした。第1シードとして今大会に臨み、チャレンジャーとして実力以上の力を発揮して向かってくる相手からプレッシャーを受けていたという白石だったが、そのプレッシャーを見事跳ね除け、2019年以来の出場となった夏関で2度目の優勝を果たした。残すは早大が17連覇を期す全日本大学対抗王座決定試合(王座)だ。「17連覇は絶対したいし、しないといけないと思う」(白石)。大学最後の個人戦で有終の美を飾った白石が、決戦の舞台となる愛媛に乗り込む。

★強敵・今田に敗れ準優勝 それでも自信につながる大会に(女子シングルス決勝)

 バックハンドを構える金子

 粘り強いテニスで決勝まで駆け上がってきた金子は第1シードの今田(慶大)と対戦した。「向こうは4年生さんで、自分が1年生ということもあって、きっと向こうの方が緊張していた」と第1セットの序盤は持ち味の粘り強いプレーで主導権を握った金子が4-1までリードを広げる。しかし、相手は実力者の今田。「自分とは違って簡単なミスをしてくれない選手なので、1点を取ることが大変でした」(金子)と今田の隙のないプレーを前にじわじわと差を縮められる。「相手選手もすごく強い選手なので、立て直してきたところを自分がちょっと引いてしまったところがあった」(金子)と次第に金子のミスも増え始め、5ゲーム連取を許し4-6で第1セットを奪われる。切り替えて得点を重ねていきたい第2セットだったが、いきなりブレークを許すと、試合は今田の一方的な展開に。0-5で迎えた第6ゲームではデュースまで持ち込み、最後まで粘りを見せた金子だったが流れを変えることはできず、敗れてしまった。それでも金子は初出場の夏関で堂々の準優勝を果たした。「自分らしいテニスをすれば勝ち上がることができると分かった」と今大会で確かな自信を掴んだ金子の今後の活躍に注目だ。

(記事・写真 佐藤豪)

 男子シングルスで優勝した白石

 女子シングルス準優勝の金子

結果

男子シングルス
▽決勝
〇白石光 [6-2、6-2] 石井涼太(中大)
女子シングルス
▽決勝
●金子さら紗 [4-6、0-6]今田穂(慶大)

コメント

白石光(スポ4=秀明大秀明八千代)

――優勝おめでとうございます。優勝を果たしての率直な感想を聞かせてください

 第1シードとして臨んでいた大会だったので、もちろん優勝は視野に入れていたのですが、それでもプレッシャーはかかるし、向かってくる相手に対して跳ね返すのは難しいのですが、それをしっかり受け止めて、優勝できたのは素直に良かったと思います。

――3年ぶりの夏関でした。どのような意気込みで臨みましたか

 1年の夏に優勝してから、関東学生に今大会まで出ていなかったので、すごく緊張はしていたのですが、これが個人戦最後という意気込みがすごくあったので、やる気がすごくあって、いいモチベーションで1週間通してプレーできたかなと思います。

――準決勝まで全てストレート勝ちでした。勝ち上がりについてどう捉えていますか

ベスト4まではファイナルセットが10ポイントのタイブレークだったということで、ファイナルセットにいくと何があるかわからないので、気が抜けないというところで、最初から最後まで集中しきれたというのが良かったのではないかと思います。その中でも今回は粘り、ディフェンスの部分がすごくよくて。それがゲームの中で大事なところであったり、取りたいところでしっかり生かされたのがストレート勝ちできた要因だったのではないかと思います。

――決勝のゲームプランは

 リーグ(関東大学リーグ)の中大戦でファイナル6-4までいった相手で、自分の中で警戒して入ったのが序盤のリードにつながったと思います。本当に最初から集中して粘り強くプレーしようと思っていたのでそれが良かったです。ロングラリーもこの前の試合でしていたので、自分の中で理解して、我慢強く戦い抜きたいという思いがあったので。この前やっていたというのが精神的に大きかったし、その中で自分の方がタフに戦い抜けたかなと思います。

――勝ち上がりを通じて収穫や反省点はありましたか

 自分が立ち向かわれる側でやるのが久しぶりで。いつもプロの試合などに出ていると自分がチャレンジャーとして挑めるのですが、こういうところに来て、逆の立場になると実力以上のものを出してくる相手に対してこっちはプレッシャーがかかるし、それを受け止めなければいけないというのがやはり大変だなと思いました。その中でも、今日みたいにラリーがつながってしまうと、足が攣ってしまったり何が起こるか分からないので、圧倒できる攻撃力だったり、展開力は今後必要かなと感じました。

――王座が目前に迫っています。意気込みをお願いします

個人戦は優勝といういいかたちで引退することができて、残すは王座だけなので。17連覇は絶対したいし、しないといけないと思います。僕は明日から国体(国民体育大会)にいってしまうのですが、明後日からまた王座に向けて、今度はチーム戦なのでしっかりチームとして動いて、頑張りたいと思います。

金子さら紗(スポ1=埼玉・浦和麗明)

――準優勝という結果に対する感想を聞かせてください

 今大会はシード選手が何人か欠場していた中で、自分としてはラッキーなドローに入ったのですが、その中でしっかりここまで勝ち上がれたことは大きな収穫だったなと思います。もちろん優勝はしたかったですが、やっぱり足りないところがちゃんとあったので。できなかったところは悔しいですけど、今後新しくトライして頑張りたいと思います。

――第1セット序盤、リードする展開でしたが、試合の入りはどうでしたか

 向こうは4年生さんで、自分が1年生ということもあって、きっと向こうの方が緊張していたというのがあって。自分も自分らしいプレーをできたから4-1までリードすることができたのですが、相手選手もすごく強い選手なので、立て直してきたところを自分がちょっと引いてしまったところがありました。そういった部分を引かないで、自分のテニスを貫くというところを今後改善していきたいと思います。

――第1セット後半から苦しい時間帯が続きました。今田選手の印象は

 自分とは違って簡単なミスをしてくれない選手なので、1点を取ることが大変でした。自分が何本も何本も粘って返さなきゃいけなかったりだとか、1本のいいショットでも決まらないので、数本のいいショットを打ち続けなければいけなかったので。1ポイントの重みが今大会の今までの選手と違ったところかなと思います。

――今大会の収穫と反省点は

収穫は自分らしいテニスをすれば勝ち上がることができることが分かって、自信に繋げることができた部分です。反省点としては、いっぱいあるんですけど、もちろん技術面でもたくさん見つかったし、メンタル面でもたくさん見つかったので。1つずつ練習とJOPとかの大会をまわって、積み重ねて改善していくしかないなと思います。

――今後に向けての意気込みを聞かせてください

JOPは10月の後半に控えているので、今大会で出た反省点を少しでも改善して臨めるように練習したいなと思います。