【連載】王座直前特集『挑む』 第6回 小久保蓮×渡部将伍×山口柚希

庭球男子

 第6回は小久保蓮(スポ3=愛知・名古屋)、渡部将伍(教3=東京・早実)、山口柚希(スポ1=鹿児島・鳳凰)による対談。王座出場校決定トーナメントでは主にチームの勝敗に大きく影響するシングルスの下位陣を担い、王座でもシングルスでの活躍が期待される。ルーキーの山口はもちろん、今年になって本格的に団体戦に出るようになった3人に団体戦の振り返りやお互いの試合での印象、さらには4年生への思いなども語ってもらった。

※この取材は11月4日に行われたものです。

それぞれのインカレ

渡部は慶応の羽澤相手に勝利するなどベスト8まで勝ち進んだ

――山口さんにお聞きしたいのですが、大学進学を選んだ理由と早稲田を選んだ理由を教えてください

山口 早稲田を選んだ理由は人の紹介です(笑)。卒業した方からお誘いをもらって。知り合いが推してくれて、「早稲田行きなよ」みたいなことを言われたので、僕は早稲田に行こうかなと思いました。まあ、そのくらいです(笑)

――その紹介のどのようなところに惹かれたのですか

山口 やはりテニスが日本一だったので、僕も日本一になりたいなと思って。

――入学前の早稲田の庭球部のイメージと入学してから何か変わったことはありますか

山口 もっと厳しいのかなというか、もっと雰囲気がピリピリしているのかなと思ったら、先輩方も優しいですしおもしろいので。特に渡部さんとかおもしろいので。

渡部 おもしろくないよ(笑)

山口 おもしろいので楽しくできています。

――逆に先輩方から見て、1年生の雰囲気はどうですか

渡部 わからないな、1年生の雰囲気。僕が思ったのは結構僕たちの代とかは個性が強くて、自分の主張をバンと言う学年なのですが、1年生は結構みんな温厚で、あんまり自分の主張をしない大人しい印象はありますね。

山口 大人しいっすか(笑)。

渡部 お前はわかんないよ(笑)。お前以外の人は結構みんな大人しいけど。

――山口さんから見て、お2人はの印象はいかがですか

山口 小久保さんは、最初は謎めいていたというか。ちょっと引きこもりじゃないですけど(笑)

一同 (笑)

山口 寮が一緒なのですが、なかなか生活リズムが合わないので、「大丈夫? 生きているのかな?」みたいな(笑)。本当に静かで、自分がある感じなんですけど。渡部さんは対照的で、常におかしいことをしているじゃないですけど(笑)

渡部 そう? そんなにやばい、俺?

山口 やばいっす(笑)

渡部 そんなやばいかな。

山口 でもやる時はしっかり。テニスに対しては本当に真剣になってやられるので。オンとオフが1番激しい先輩かもしれないです。

渡部僕は結構ふざけるというか、あまり普段は何も考えずに生きているタイプなので、それがそういう感じに見られているんだと思います。

山口 蓮さんはどう思います? 将伍さんのこと。

小久保 慣れたからなんも思わない。

渡部 最初は?

小久保 最初は変わっているなって。

一同 (笑)。

渡部 お前に言われたくないよ(笑)

小久保 癖強いなって。

渡部 本当?

小久保 でももう何も思わない。

渡部 早実はみんな癖強いもん。早実に押されるみたいな感じだよね、最初は。

――インカレを振り返って100点満点でつけるとしたら、何点になりますか

山口 ちょっとわからないのでお願いします。

小久保  何点だろう。70点くらいですかね。インカレは最初にドローを見た時はベスト16、8くらいに行きたいなと考えていて。大会でその結果は残せましたが、いざそのベスト8とかに入ってみると、もっと上に行きたいという欲も出てきますし、そこで勝ちたいというのもあって。勝ちたいという欲が出てきた時に勝ちきれなかったこともあって、70点かなという感じです。

渡部 僕は90点ですかね。その理由としては、僕は16シードまでに入っていたので順当に16まで行って、ベスト8がけで慶応の羽澤(慎治)選手とあたったのですが、結構名の知れている選手ですし強いということもあって、自分としてはだいぶ挑戦の試合でした。それでもセカンドセットで劣勢の場面から逆転して勝てて。そこは自分の中で結構大きな自信になりましたし、そういう意味で90点で。、残りの10点はさっき蓮も言っていましたが、いざベスト8に入るともっと上に行きたいという気持ちがあって。次の藤原(智也)選手(慶大)も結構チャンスがあっただけに悔しいということで90点です。

山口 僕は70点ぐらいかなと思います。その理由としては、初めてのインカレで1回戦から慶応の同期の高木(翼)とあたって、2回戦で白藤(成)さんと当たって勝てたのはすごくうれしいですし、今までのテニスだったら勝てなかったと思っていて、成長した自分を見せられたのかなと思います。あと、コロナの影響で1年ぶりの試合だったのですが、楽しくできたというのが一番良かったです。それでも、ベスト16決めで明治の田中(瑛士)さんとあたった時、とてもチャンスだったので、白藤さんとかに勝ったのはうれしかったのですが、それ以上に悔しさが残った大会だと思いました。あと僕の場合はダブルスもあって。予選から2試合を勝ち上がって、畠山さん(尚、スポ4=神奈川・湘南工大付)と増田さん(健吾、社3=東京・早実)に負けて、それも調子が良かっただけにとても悔しい思いをしたのでインカレは70点。高いんですけどね。とても悔しかったです。

――ダブルスのトーナメントは早稲田対決が多かったですよね

山口 そうですね。ドロー見た時は携帯投げました(笑)

――インカレ後、団体戦があるか分からない時期があったと思いますが、その時期はどのように過ごしていましたか

渡部 僕はあると思っていたのでしっかり準備してやっていました。

小久保 僕はどちらかと言えばないと思っていました。モチベーションは下がったとは言わないですけど、そこまで大会に向けてやろうという感じはなくて。練習中も普通にやっていたというか、モチベーション的には下がっていました。

山口 インカレが終わって悔しかったので、団体戦があるない関係なく僕はテニスしていました。僕は1年生というのもあって、あるないにしろあと3年はあるので、その悔しさを忘れないうちにコーチの方とやったり、先輩方とやったりしていました。とりあえず次の試合でも勝ちたいなと思っていたので、練習していました。

「チームの力を感じた3週間」(山口)

1年生ながら団体戦に出場した山口

――個人戦と団体戦はかなり体感が違うと思いますが、どちらの方が好きですか

渡部 僕は団体の方が好きです。理由はチームメイトに応援された方が劣勢の時も頑張れますし、高校の時は早実でしたが、逆にチームが応援してくれるからそれがプレッシャーになってしまって、自分の実力が出せないということが多かったのですが、今では逆に応援があった方が自分のプレーが良くなるというか、応援を自分の力に変えられるようになったので、僕は団体戦の方が好きです。

小久保 僕も個人戦よりは団体戦の方が好きになりました。高校の時とかは全然個人戦の方が好きで、団体戦はあるけど個人戦をやっているみたいな感じでやっていました。大学に入ってみんなと一緒に練習する時間も長いですし、寮が一緒で生活も一緒になったりしますし、そういう関わりが大学になったら増えて。そういうみんなが応援してくれる中で試合をするということで、勝たなければいけないし、みんなのために戦って勝ちたいという気持ちが湧いてきて、年々好きになってきました。

山口 僕も団体が好きです(笑)。理由は、僕試合中は結構ファイトするのですが、団体戦になったらより自分を表現できるじゃないですけど、周りと一緒に試合ができるっていうのがあって。自分1人だけじゃないですし、チームのみんなと戦っているというのは先程お二方も言ってたんですけど。いつも出ないパワーが出てくる感じがして、特別な思いでこの2試合はできました。団体戦は高校生の頃からもちろん好きなんですけど、ここに来て尚更好きになりました。

――王座出場校決定トーナメントを振り返っていかがでしたか

渡部 僕自身初めて出させてもらって、春に早慶戦を経験していましたが、その時は5セットでしたし、ファイナルセット10ポイントの試合は初めてだったので、結構緊張はしていて。初戦の明治の時も最初からフルパワーでやりすぎて途中疲れてしまったりというのもあって、少し慣れなくてやりづらさはありました。

小久保 リーグ戦は1年生の時にも1回出させてもらって経験はしていましたが、その時は先輩たちが勝ってくれるから、自分は負けてもいいじゃないですけど、挑戦すればいいって感じでのびのびできていました。それが今回はしっかり出て勝たないといけないポジションで出させてもらってプレッシャーもありましたし、トーナメントなので負けたら敗退で王座に行けなくなってしまうという状況の中の試合だったので、今までの試合に比べて緊張は大きかったかなと思います。全体を通していい意味でも悪い意味でも団体戦の怖さは知れた大会になったのかなと思います、

山口 僕は初めて早稲田を背負った団体戦で、やはり思っていた以上にコートに立ったら重みを感じてしまって。特にトーナメントってなって、先程蓮さんも言ってましたが負けたら終わりなので。ダブルス2対1で回ってきて、緊張しすぎて第1セットを0-6か何かで落としてしまって。隣を見たら渡部さんも4-1くらいから4-4になっていて蓮さんもキツい時間があって、「わー僕のせいかな」 って思った時間もあったのですが、ベンチに入ってくれたコーチに「思いっきりやりな」って言われて、そこから僕はのびのびとプレーできて。いい感じで勝てたし、経験したというのはとても大きかったと思います。あとは明治戦で早稲田の強さを感じたというのと、先輩たちの強さを間近で感じられた大会になりました。

――決勝の早慶戦ですが、勝敗を分けたポイントは何だったと思いますか。または、今年の慶応は例年と何が違いましたか

渡部 変わらなかったね。特に例年と変わらなかったと思うんですけど。なんでだろうね。

山口 焦っていましたよね。正直。ダブルス1-2になったことが初めてだから。あと僕もめちゃくちゃ緊張しました。

渡部前の早稲田もダブルス1-2は結構あって。1-2で折り返して、シングルスで盛り返すみたいな感じだったのですが、そこで3面入ったところで結構負けてしまったりして。2-4で相手に大手がかかった状態でS1、S2が入って僕がS4だったのですが、入った時のムードでやばいなというか、慶応が行くぞみたいなのがあって、やっていてすごく緊張しましたし、本当に今までにない感情になって、飲み込まれたという感じでしたね。 

小久保 1-2で僕は入ったのですが、競っていて、隣の高畑が終わって2-2になって。自分がやっていて、山口も隣でやっていて。先に終わったっけ?

山口 僕が先に2-3にしてしまいました。

小久保 僕は第1セットは取っていたのですが、第2セットは取られて。2-3で「取らなきゃやばい」って思いすぎて、それもあって向こうも途中から結構乗ってきてしまって。ファイナルに入ってやばいなという感じが自分の中では結構あって。いつもだったらあまり考えないのですが、2-3になっていて自分でファイナルにかかっているとなると、今までそういう経験がなくて。それで気持ちで押されて簡単にファイナルを取られて、2-4になってしまったのがチームの負けにつながったかなと思います。

山口 僕も第2セットは6-5のセットポイントがあったのですが、それを取って「巻き返してきたぞ」という雰囲気を与えられていたら良かったのかなって後悔していました。そこで振り切れなかったのですが、そのポイントは一生忘れられないですね。今でも思い出します。それを取られてしまって、ストレートで負けてしまって、雰囲気も慶応に勢いがついたというのもありますし、隣のコートでやっていた高畑さん(里玖、社2=兵庫・相生学院)とか蓮さんとかにも少なからず影響はあったり、その次に入る渡部さんとかにもあったと思うので、雰囲気で押された感じはありました。

――慶応との戦いを終えて、部活の練習やチーム内の意識で何か変わったことはありましたか

渡部 ありましたね。具体的にはインカレで早稲田はシングルスベスト8に4人入っていて、リーグに向けてはどちらかというとダブルスを強化しようと。今回のインカレではあまり良くなかったですし、「ダブルス、ダブルス」ってなりすぎて、単複に出ている選手も多いのに、その選手たちがシングルスをやらずにダブルスというかたちが多くて。シングルスを甘く見ているという訳じゃないですが、シングルスはそこまでやらなくていいんじゃないかというのがあって。そこまで詰めて練習できていなかったのが、試合で出てしまったなというのがあったので、早慶戦で負けてからは一人一人の個々のレベルを上げるための練習をやったり、あとは、全体的にインカレが終わってからゲーム練習を多くやりすぎて、たまに2ボレー1ストロークとかで追い込めたりできていなかったので、リーグで負けてからはそういう練習もして体力面も上げていく練習を取り入れてやっていました。

小久保 練習がきつくなったというのもそうですし、ミーティングの回数も増えて、チームで王座優勝というのを目標にみんなで向かっていこうという話し合いが増えて、チームの目指す場所を明確化して日々取り組めているかなとは思います。今までは具体的じゃない「王座優勝」だったのですが、最近は道筋を立ててどういう練習をして、どういうコミュニケーションを取ってというのを一つ一つ段階を踏んでやれていたので、着実に良くなっているという実感が結構わかるといいますか、そういうのが感じられた3週間になったかなと思います。

山口 負けてミーティングとかも暗い感じだったのですが、練習に入ったら覚悟を決めてみんなで助け合いながら練習を盛り上げて。みんながテニスに対する意識が上がったのかなと感じましたし、やっていてきついことなんですけど乗り切った時の「1人じゃないんだな」というのがチームの力を感じた3週間だったと思います。

――お互いの好きなプレーについて教えてください。まずは山口さんについてお願いします

小久保 えー難しいね。山口のプレーの好きなところは、ガッツを出すんですよ。試合中にすごい声出したり。めちゃくちゃ足が速いので、遠いボールとかも拾って、スーパーキャッチみたいなのをして決めたりして。それですごく大きい声を出すので、応援が拍手しかできないというのもありますが、その中でもそのコートが盛り上がっているなって実感できるところですかね。あとは、一撃で決めるショットが多いので、ビックポイントみたいなのでを決めたことによって勢いづけられるみたいな。団体戦にとってはいいので、そういうパワーで押すっていうプレーは結構好きですかね。

山口 照れますね(笑)

一同 (笑)

小久保僕が好きなところは、サーブとフォアが結構ダイナミックで力強くてそこが好きですね。サーブもガッツリいいところにドカンと打って、ストローク、特にフォアなんですけど、ボールがベースライン後方にあったとしてもそこから思いっきりフルスイングして打つ感じが、あまり日本人ぽくないテニスというか、外国人に似ている感じがして、すごくいいなと思います。

山口 ありがとうございます(笑)

――次に小久保さんはについてお願いします

山口 いいっすか。

渡部 うん。

山口 僕は、蓮さんがガッツ出しているところ。日頃はポカーンとしているので、ギャップがあってすごくかっこよく見えます。テニスのコートに入ったら、こんなに人が変わるんだっていうくらいすごいので。すごい惚れます(笑)。あと、相手が厳しいところに打ってきても、カウンターが上手いので「返しちゃうんだ」みたいな。相手からしたらメンタルが崩れるくらいのショットがあるので、どんなにきつい場面でもひっくり返せる能力がすごく高いので、それ見たら女の子は絶対イチコロです(笑)

小久保 なんそれ(笑)

山口 以上です(笑)

渡部 蓮は自分から打つというよりはディフェンシブに相手とラリーして、作っていくみたいなプレースタイルだと思いますが、横で試合に入ることが多くて。春の時もそうだったし。やっぱり同期ですし、結構おもしろいので(笑)

一同 (笑)

渡部 普段はおもしろいのに試合になると、さっき柚希も言ってたんですけど、必死に声出して頑張っているのを見ると、自分も頑張らなきゃってなりますし、やはり同級生が横でプレーしていたらすごい頑張らなきゃって気持ちになります。もちろん柚希も横でやっていたらなるんですけど、柚希よりも蓮の方がやっぱり一緒に頑張ってきたところが強いので「あいつも頑張っているし、俺も頑張ろう」という感じになれますね。

――最後に渡部さんについてお願いします

山口 フォアが攻撃的でバックハンドも安定していて、渡部さんがノってきて、わけわからないぐらい叫んでいるのを見たり、あと楽しそうに試合をやっているんですよね。後ろで応援していてもそうですがおかしいことを言ったりもしていますし(笑)、そういう時こそ渡部さんらしくてめちゃくちゃ強いのでそういうのを見ると安心しますし、「渡部さんすげーな」みたいな。僕も勝って帰ろうと思えるのでそういうところは尊敬できるとことでもありますしチームにいい影響を与えてくれるし、そういうところ、好きです。

渡部 ありがとう(笑)

小久保 好きなプレーというか、団体戦になるとすごい叫ぶんですよ、渡部は。ジャンプしたり手をめちゃくちゃ広げたりして(笑)。それを見ていて、おもしろいじゃないですか(笑)

一同 (笑)

小久保 隣で試合をやっているのですが、試合って結構緊張するじゃないですか。でも隣を見たらそういうことをやってるので笑いそうになるんですけど、それでリラックスできているっていうのはありますね。大事な場面とかですごい声が隣のコートから聞こえてきて、自分も頑張って声出そうとか、負けていても最後までやろうみたいな。早慶戦とかも僕は負けて、結構長い試合になって大変な時間が多かったのですが、隣ですごく頑張って声を出しているのを見て、最後まで諦めないというのを頑張れて、結構競ったスコアになったというのはあります。あと、フォアハンドの逆クロスを一撃で決めて、すごい叫ぶのが好きです(笑)

山口 蓮さん、うるさい2人に囲まれているってことですね(笑)

小久保 そうですね(笑)。僕は端でやっているんですけど、隣のコートが叫んでくれるのでやりやすいですね。

渡部 ありがとう(笑)

4年生のために

王座でもシングルスとしての出場が見込まれる小久保

――王座に向けて今のチームの雰囲気はいかがでしょうか

渡部 雰囲気は、シンプルに言うといいと思います。リーグで負けて、もちろん早慶戦で何十年も連続で勝っていて負けたことで、その時は落ち込んだと思いますが、今はしっかり切り替えて、王座優勝するためにはどうしたらいいのかというのを、小さなところから徹底的に潰してやれているので、明らかにリーグが終わってからの練習の方が、雰囲気もいいですしチーム力も絶対に上がっていると思うので、残り2日間練習して自信をもってみんなで王座に行きたいなという感じです。

小久保 雰囲気はいいと思います。変にピリついていないというわけではないですけど、ピリついてもいるし、ピリつきすぎてもないっていうのが結構いいなと思っていて。やらされているんじゃなくてちゃんと自分からきつい練習とかもやっている。自分のやりたい練習とかも言える環境というのがあって、自分がうまくなりたいことをできるので、今の練習の雰囲気は結構いいかなと思っています。あと少しの時間しかホームでは練習できないですが、この雰囲気のままやり続ければ絶対結果もついてくると思いますし、緊張した場面とかでも自信をもってラケットを振れるので、リーグ前に比べたら断然いいと思います。

山口 そうですね。お二方が言った通りで、1年生は僕1人なんですけど、それを支えてくれる先輩方だったり、こういう僕を受け止めてくれるのでとても僕自身、やりやすい環境ですしチームとしても最高のチームだと思うので、絶対に勝ちたいと思っていますし、4年生も含めるとあと2日しかないので、残りの2日はもっと盛り上げられたらなって思います。

――今回のメンバーは4年生が少ないと思いますが、引退される4年生への思いや支えてもらったエピソードはありますか

渡部 僕は主将の畠山さんと寮が一緒で、2人部屋なのですが、入学した時から3年間一緒でずっとお世話になっていて。同じ寮で名越大地さんもそうなんですけど、そのお二方は部活動だけじゃなくて寮での生活でも一緒にやってきて思い出はすごくあるので、王座でお返ししたいという気持ちは強いです。あと、トレーナーの小野さんと新井さんと西原さんとかも。新井さんは早実で一緒にやってきていますし、小野さんもテーピングとかやってくださったり、試合の時も応援してくれたり、西原さんもアドバイスをしてくださることが多くて、僕は1個上の先輩が大好きで、全員優しい人たちばっかりなので、その人たちを何とかして勝たせたいって気持ちは強いです。

小久保 今の4年生の方々は、寮とかが同じじゃなくて部活でしか関わりはないのですが、尚さんは意外と気さくに話しかけてくれて、色々アドバイスとかしてくれて、リーグの時はベンチコーチに入ってもらって。アドバイスを信頼してテニスができて、いい信頼関係でテニス中も仲良くさせてもらっていたので、感謝しています。名越さんも優しくて、僕は部室で全然話さないんですけど、優しいので話しかけてくれるんですよ。「最近調子どう?」とか。テニスの調子が悪そうだったら、「ここもう少し良くした方がいいよ」とか試合前に声をかけてくださって、それでいい感じに自分のテニスが良くなったりして、的確なアドバイスをくれてすごい尊敬しています。新井さんは先輩なんですけど、そんなに堅苦しくなく、先輩先輩してないところが結構好きです。良くないんですけど、色々お願いとかしてもやってくれて(笑)

山口 パシリ?(笑)

小久保 いや、パシリまではいかないよ(笑)。優しすぎるめちゃめちゃいい先輩だなって思います。西原さんはたまにアドバイスをくれるのですが、前の練習試合とかもベンチコーチに入ってもらって、そのアドバイスが良くて周りのことよく見ているなって思って。そんなに自分のことを見てくれてないだろうって思っていても見てくれていて、びっくりして。そんなに関わっていない僕でも見ていてくれるんだと思って、ありがたかったです。小野さんはトレーナーなのでケアもしてくれますし、時には厳しいことも言って部をまとめてくださるので、小野さんがいなかったらこの部は成り立ってなかったなと思っていて素晴らしい先輩です。今の4年生は個性豊かで、4年生がいたので今の早稲田のチームカラーになっていると言いますか、ここまで来れているのかなと思うので、やっぱり4年生のためにも最後の王座は死ぬ気で声を出して最後まで頑張って、王座優勝させてあげたいです。

山口 畠山さんは最初のイメージは真面目な方なんだなって、すごい部のことを考えてくださるいいキャプテンだなというのが第一印象です。僕のことも気にかけて練習中に話しかけてくれますし、いいアドバイスもしてくださる本当に頼りになる主将です。それでもちょっとテニスコートから離れると、僕は虫嫌いなんですけど、畠山さんは虫が好きで、今日もカマキリ捕まえて僕に近づけてきたりとか。無理なんですけど、僕のことをいじめてくるんです(笑)。たまにシャワーを浴びていたら冷たい水かけてきたりとか。そういう可愛い部分もあるので好きです。名越さんは出身が宮崎で僕も九州なので、昔から九州の星じゃないですけど、すごいスターみたいな感じだったので、今一緒にテニスできてすごくうれしいですし、一緒にご飯も行ったりするので本当に優しくて、4年生の中で一番話しやすい先輩かなって思います。新井さんは、常に僕のことをいじってくるんですけど、分析とかもやってくださったり、自分がテニスしたい時間をさいて僕たちのために頑張ってくださっていることは本当に感謝しています。いじってくるのだけ辞めて頂けたら幸いです(笑)。西原さんはミーティングとかも常にまとめてくださるので、やっぱり西原さんがいるから4年生もまとまっていて。部の方針とかルールとか部則も含め、そういった面でも西原さんがまとめてくださっているので、僕たち1年生の仕事とかもあるんですけど、そういうのもやりやすくなっているのは西原さんのおかげかなって思います。小野さんは受験の時に小論文指導をしてくださって、僕がここにいるのは小野さんのおかげなので一番感謝しています。この間、焼肉を奢ってくれたりしたんですけど、小論文指導の時からずっと的確に教えてくださったり、今ではケアしてくれたりかテーピング巻いてくれたりとか。僕本当に頭が悪かったんですけど、人生を変えてくれたのが小野さんになっているので、本当に小野さんには一番感謝しています。全体的に4年生の方はかけがえのない先輩なので本当に大好きですし、今回のリーグで負けたのが悔しかったので、4年生のためにも王座優勝に向けてできることを全力でやりたいなって思います。

――最後に王座に向けての意気込みをお願いします

渡部 リーグで負けてしまいましたが、王座で今年勝ったら16連覇なので優勝して16連覇することと、個人的には全勝して貢献したいです!

小久保 まずはチームが16連覇できるように全力でテニスをしたり声出ししたりして、チームの16連覇に貢献するのが一番の目標で、個人的に意気込みとしては、しっかりどこで出ても誰と当たっても全勝を目指して頑張っていきたいと思います!

山口 悔し涙は本当に流したくないので、勝ってみんなで喜んでここに帰ってきたいと思います。あとは4年生が笑って終われるように、本当に全力を注いで臨みたいと思います!

――ありがとうございました!

(取材 田島璃子 編集 横松さくら)

思い思いの言葉を書いていただきました!

◆小久保蓮(こくぼ・れん)(※写真中央)

愛知・名古屋高出身。スポーツ科学部3年。

◆渡部将伍(わたべ・しょうご)(※写真左)

東京・早実高出身。教育学部3年。

◆山口柚希(やまぐち・ゆずき)(※写真右)

鹿児島・鳳凰高出身。スポーツ科学部1年。