単複ともに、来年の団体戦上位陣が全日本学生選手権で力を発揮/男子部振り返り

庭球男子

 『頼れるエース』が、男子部を16年ぶり全日本学生選手権(インカレ)無冠という窮地から救った。白石光(スポ2=千葉・秀明八千代)は決勝で1セットこそ失ったが、大会を通じて安定した試合運びを見せ、頂点まで駆け上がった。またダブルスでも丹下将太(教2=東京・早実)とペアを組み、ベスト4入り。シングルス、ダブルスともに、来年団体戦で上位を担うことが有力視されている選手たちが、関東学生トーナメント(春関)、インカレの両大会で実力にふさわしい戦いを見せた。

 三菱全日本選手権出場のため、白石が出場を免除された春関。その大会で躍動したのが、高畑里玖(社1=兵庫・相生学院)と丹下の2選手であった。10月に行われた早慶対抗試合ではシングルス5、6で出場し、勝利に貢献。その勢いは衰えず、高畑は佐藤太耀、太田空(共に法大)と高校時代からのライバルを倒しベスト8入り。丹下も、法政でシングルス1を務めた経験がある柚木武、岡垣光祐といった選手たちに勝利してベスト4入りを果たした。惜しくもインカレでは他大のエース格の選手に敗戦したが、大学の上位レベルでも十分通用することを証明できた大会となった。丹下はフォアハンド以外のショット、高畑は体づくりを含めた総合力の向上を目的に、冬の期間練習に臨んでもらいたいところだ。またダブルスでは、畠山尚主将(スポ3=神奈川・湘南工大付)・増田健吾(社2=東京・早実)組が2大会連続でベスト8入りを果たすなど、ペアリングにさらなる磨きがかかっている。来年はダブルスに特化したペアとして、団体戦ではチームに勝利をもたらして欲しい。

 逆に不安を感じさせるのが、シングルス4・5・6、ダブルス3と団体戦下位陣の選手たち。インカレでは武藤洸希(スポ3=東京・大成)が関西王者を相手に善戦するなど明るい兆しも見えたが、経験・実力ともにまだまだ心許ないのが事実である。その中で期待したいのが現1年生世代。惜しくもインカレに出場することができなかった池田朋弥(スポ=愛知・誉)や藤岡凌大(文構=東京・早実)といった選手たちの飛躍には期待したい。また1年生時に団体戦で出場経験のある小久保蓮(スポ2=愛知・名古屋)も十分レギュラー争いに加われるだけの力を有している。彼らのような非レギュラー層が切磋琢磨(せっさたくま)しながらチーム力を上げていくことができれば、理想ではないだろうか。

 前人未到の『王座(全日本大学対抗王座決定試合)16連覇』 

 誰も踏み入れたことのない偉業を前に、選手たちはどのような成長を遂げるのだろうか。他大学との差も年々縮まっているだけに、レベルアップは間違いなく必須である。

(記事、写真 大島悠希)

最終成績

▽男子シングルス(6人)

優勝

白石光

4回戦敗退

木元風哉

3回戦敗退

丹下将太、高畑里玖

2回戦敗退

藤井颯大、武藤洸希

▽男子ダブルス(2組)

ベスト4

白石光・丹下将太

ベスト8

畠山尚・増田健吾