ルーキーながら活躍が期待された昨年度の全日本学生選手権(インカレ)。石川琴実(社2=東京・白鵬女子)、吉岡希紗(スポ2=三重・四日市商)、渡邉早和子(社2=愛媛・新田)の3選手は思うような結果を残すことができなかった。先日行われた関東学生トーナメント(春関)では難なくインカレ出場を決めるなど、着実に力を付けてきた印象がある。女子部の中心となりつつある2年生女子部員の3名にインカレを前にした心境を伺った!
※この取材は11月12日に行われたものです。
「インカレに出るのは通過点」(吉岡)
春関では単複で明暗が分かれてしまった吉岡
――ここまでの自身を振り返ると
渡邉 私は早慶戦(早慶対抗試合)や早慶交流試合にも出ていなかったので、今回の春関が新進(関東学生新進選手権)ぶりの公式戦でした。それもあり試合勘がなかったです。久しぶりにダブルスをやったのですが、あっさり負けてしまい。どうしてもインカレに行きたいという気持ちで、シングルス初戦はファイナル10ポイントでどうにかもぎ取って勝ち。そこで満足はしては駄目なのですが、インカレに行けたことに低レベルなのですが心の片隅で満足をしていました。次の美穂(倉持、商4=東京・早実)さんとの試合は、楽しんで思い切ってプレーしようと思って臨んだのが、逆に悪い方向に気が緩んでいました。スコアもかなり離れたし、実力を発揮できずに終わったことはかなりの反省点でした。インカレでまたチャンスをもらえることに感謝の気持ちを持って、そこでは同じ失敗をしないように頑張りたいと思います。
石川 早慶戦は初めて単複出させてもらいました。ダブルスは、しっかり取らないといけないところで取れたのは良かったです。シングルスは自分がS5で勝たないといけないポジションで出たにも関わらず、チームに申し訳ない負け方、戦い方をしてしまいました。団体戦に関してはチームに申し訳ないなと。4年生を勝って笑顔で送り出したかったのに、自分のせいでそれができなくなり、申し訳ない気持ちでした。春関に関してはパッとしない結果で終わってしまったのが正直なところです。ダブルスは勝たないといけないプレッシャーや、勝って当然という見られ方を周りからもされていて。その中で自分のプレーができなかったり。今の4年生が単複ともチームを引っ張ってくれていて、抜けた分も誰かが頑張らないといけないと考えすぎてしまいました。勝負に対して、自分の気持ちが付いていけてなかったなと。試合をしている間は必死だったのですが、少し経ったら勝負に関して気持ち的な部分で付いていけてなかったと感じました。
吉岡 早慶戦では去年まで単複とも2(シングルス2、ダブルス2)で出させてもらっていて、エースとして映里さんが引っ張っていた分、私は思いっきりやるだけだと思ってプレーしていました。ダブルスは1になることは決まっていて、シングルスは映里さんの状態次第の部分でした。練習の時からお前には覚悟が足りないと怒られてきて、自分のテニスに対しても不安が大きくなる。自粛で練習がしっかりできない時期に成長しているのか分からない時期はあったのですが、早慶戦や春関とプレーして課題は見えたのですが、少しずつやってきたことが間違いではなかったことは分かってきました。試合を通して課題も見つかったし、成長した部分も見つかったかなと思います。
――ルーキーイヤーを終えて、2年目となりました。ルーキーイヤーを振り返ると
石川 ルーキーイヤー。
渡邉 ルーキーだった?!(笑)
一同 (笑)
石川 最初の頃は大学テニスに本当に付いていけなく。練習とかも量より質が重視されていたりとそういう部分で高校の時との違いに自分が付いていけなくて、結果もなかなか付いてこなかったのですが。だんだんと慣れていく中で、自分で時間を見つけられるようになり、そこから少しずつテニスも良くなりました。インカレインドア(全日本学生室内選手権)では映里(清水前主将、スポ4=埼玉・山村学園)さんと優勝できたり、新進でもシングルスベスト8に入れたので少しずつレベルアップできているかなと。いろいろな経験をして、ちょっとずつ成長できているのかなと思います。
渡邉 最初は大学の試合や練習に全然慣れなくて。一年で仕事も多く、練習中の時間掛けとか。練習でボールを打つよりも時間掛けに集中していました。緊張してテニスだけでは。テニスでここを意識して練習しようとかよりも、時間がもう(笑)
一同 (笑)
渡邉 テニスには打ち込めてなかったし、余裕がなかったです。今は自主的に練習をしたりと慣れた部分があります。試合では大した結果を残せていないし。最初は授業を受けて、夕方に試合とか意味分からないレベルでした。授業受けている時は、「今日6時から試合か」と考えたりしていて、全然慣れなかったです。
吉岡 団体戦でのプレッシャー。初めて出た団体戦が早慶戦で、(早慶戦は)すごいものというのがあって、それに出るということが。高校の時よりも重みが違うなと思いました。高校テニスと大学テニスでは全然違うなと気付かされました。個人戦で全然勝てずに、リーグ(関東大学リーグ)前の夏関(関東学生選手権)で初戦敗退でもうリーグないなと思っていたんですけど。そこでも使ってもらえて。
石川 10勝!(笑)。まじで強かったー。
渡邉 強すぎ。
吉岡 リーグは緊張したのですが、一年生だから思い切りできるみたいのがあって結構楽しくできました。団体戦では良かったかなというのがあるのですが。団体の存在が大きい分、個人戦での自分自身との戦いが。団体は皆で戦うことができてたのですが、個人での自分との戦いに勝つことができず。苦しい思いは結構しました。
――例年よりドロー数が少ない中で、2度目のインカレにしっかりと出場できたことに関して
渡邉 出れるか出れないかで大違いだと思うので、出れるとなった時は良かったなと。去年出れて、今年出れなかったら嫌だなという気持ちがあったので、とりあえず良かったです。このチャンスを無駄にできない気持ちです。去年よりか多く勝ちたいし、いつも「目の前の試合に勝って勝って」と言ってて…。一回戦勝ったら喜んでいる部分があったので、今回は一つ一つ大事なのですが、もうちょっとだけ目標を高くして頑張ろうと思います。
石川 渡邉も言っていたのですが、最低条件というか。しっかりと出場する目標は達成できました。欲を言えば、もう一つ勝ってシングルスならギリギリシードに入れるかくらいまでは行きたかったです。ダブルスも神鳥(舞、スポ1=東京・早実)のポイントがない分、春関でもう少し頑張らないといけなかった。インカレが逆に春関の自分のせいでキツくなってしまった。しっかりと覚悟を持って、三重には入りたいと思っています。去年の戦績を超えられるように、少しでも長く三重にいられるように。頑張りたいなと思います。
吉岡 コーチ陣にも春関前からインカレに出るのは通過点だからと言われていました。インカレに出るのが当たり前の雰囲気は出されていたので、初戦は久しぶりの公式戦もあって緊張はしたのですが。勝てて…というか(笑)
石川 30分くらいだったじゃん(笑)。試合してたらボール持ってて帰ってきて、「え〜、早って」。
渡邉 「今スコア何本?」って聞いてきて、まだ4−1だわ(怒)
吉岡 セカンドかと思ってた。
渡邉 ファースト!
吉岡 インカレ決めは簡単に勝てて良かったのですが、春関で優勝して弾みをつけてインカレに行きたかったのですが。3回戦の相手が勝ったことない相手だったので、その子より先のドローを全く見てなかったです。自分の中でその子までで止まっていました。そこに勝てたことは成長だと思うのですが、自分に余裕を持って先を見ながらプレーしたら絶対に優勝できたなと思うので、そこはすごい反省点です。ダブルスは第1シードが付いていて、コーチ陣からも負けてはいけない相手だと言われてきた中で勝てたのはインカレに弾みをつけれたかなと思います。
自粛期間の過ごし方
今回も同士討ちで敗れてしまった渡邉
――自粛期間はそれぞれどのように過ごしてきましたか
渡邉 久々に家族皆が揃って過ごしました。高校の時は揃って生活をしていなかったので、久々にお父さんとお母さんと一緒に自分の家でゆっくり過ごしました。最初は楽しいというか、「あーいいなー」という気持ちはあったのですが、あまりにも長すぎて(笑)。とりあえず暇って感じでした。体は動かしてはいたのですが。それよりも甘いものをつくっていたりしたのですよ。動くよりも食べるの方が勝っていたのでどんどん太ってしまいましたね(笑)
石川 私も高校から寮生活だったので、中学ぶりに実家でゆっくりできたなと。そんなにガッツリとテニスをできる環境があったわけでもなく。やっぱり東京から帰っていた分、周りの目とかもありました。
渡邉 バイ菌扱いされるしね(笑)
石川 基本は家にいて、トレーニングもなるべく朝早くとか人のいない時間でしていました。とりあえず走ったりして。あとはお風呂にめちゃくちゃ浸かっていたりしました(笑)。何をしてたかと言われたら…。でも動画とかを見たりはしていました。自分の試合を見たり、他大の選手の動画を見たりはしていました。
――どの選手の動画を見ていたのですか
石川 特に男子のダブルスとか。面白い方で見ていましたね。自分に生かすよりかは(笑)。「わーすごーい」って感じの動画を見てました。
吉岡 私も二人と同じで高校から実家を出ていて久しぶりに家族揃ってはあったのですが。何してたのかなー。最初は結構トレーニングをしていたのですが、徐々に緩んできた部分はありました。一回ぼやっとした期間があり、そこから少しやばいなと感じて、やり始めました。目標がない分、モチベーションを上げる方法が分からず。メニューを出されても、しっかりとやってはいたのですが、気持ち的にはやらされている感の方が強かったかな。ただいい意味でリフレッシュできた期間ではありました。小学校から4、5月は試合があったり、高校や大学だとインハイ(高校総体)予選であったりとメンタルがボロボロになっている時期だったので、久しぶりに何も考えずに清々しく過ごせました。
――高校生の時から実家を離れていたという話がありましたが、一人暮らしには慣れてはきた感じですが
吉岡 高校の時はキツかった。
渡邉 二人は寮なのですが、私はお母さんと引っ越したみたいな感じでした。いちよ親はいたので、一人暮らしや寮生活みたいな感じはなかったので、高校の時は親に任せっきり。大学に入ってから始めての一人暮らしで寂しい部分もありましたが、今は大丈夫です!(笑)
吉岡 高校はマジでキツかった。ホームシックにもなったし。
石川 なったん?
吉岡 めっちゃなったよ、まじで帰りたかった。でも今は楽しいです!
石川 私は家にいた方が、「何かしなさい何かしなさい」と言われていて。寮生活だと自分の好きな時間に好きなことをできる部分があるので、自分には合ってたのかなと思います。高校はテニス漬けの毎日。今以上にテニスコートにいるか、学校で勉強をしているかだったのであまり余計なことを考える時間はなく、時間が過ぎていきました。自然と慣れていたのかなと。ホームシックとかは特になかったです。
――自粛期間中にテニス部のインスタに、二女で撮った動画が上がっていましたが
一同 (爆笑)
吉岡 あれやばいね。
渡邉 頑張ったくない?!
石川、吉岡 頑張った!
渡邉 一日中動画撮っていましたもん。朝から動画を撮って、皆で送り合っていたのですが。成功したのは夜でした。
石川 最後無でした。
渡邉 まじで無!
――発案者はどなたですか
吉岡 誰だろ?
渡邉 望愛(松田、文構2=東京・早実)?違うか??
吉岡 いろいろと候補は出したよね!
石川 いちよ松田がまとめてくれていました。中心となり。
吉岡 時間あるしみたいなね。暇だったしね。
石川 思った以上に時間潰しになった。
――他にはどのような候補があったのでしょうか
渡邉 何個かあったけど、最終的にラケットとボールとか使ったほうがいいかなみたいな。
吉岡 外に出てはいけないみたいな。ステイホームだから、家でできるものっていったら。
――コロナなどの影響でオンライン授業になったことで、どのような変化が生じましたか
吉岡 移動がない分。いつもだったら3限ある時は練習が終わってすぐに準備しないと授業に間に合わなかったりするんですが、今はその時間に授業受けなくても大丈夫なので、練習してそのまま自主練できたりとプラスかなと思います。
石川 私の学部はリアルタイムの授業があまりないので、本当だったら試合あって学校行けなくて欠席扱いになるところも、いつ出してもいいから耐えている部分はあります。
吉岡 まじやばいよね。今。
渡邉 そんな感じです。
「ダブルスは優勝目指して頑張りたいなと思いま〜〜す!!」(石川)
虎視淡々とダブルス優勝を狙う石川
――インカレのランキングが発表されましたが、どのようなことを思いましたか
渡邉 びっくり!
石川 見たんだけど、分からなかった(笑)
吉岡 見てないんだけど。
石川 シングルスはノーシード。ダブルスはどうなるの?
渡邉 もうびっくりですよ(笑)。
石川 あはは(笑)
渡邉 なんで30番手くらいにいるんだろうって、全然自分でも理解できてない。
吉岡 どういうポイントが付いてるのか分からないよね。
渡邉 分からない。間違ってないよね?
――去年のインカレ予選で突破したことによるポイントが付いていたりするかなと思います
渡邉 せこく稼いでる(笑)
一同 (笑)
――石川さんはどうですか
石川 可もなく不可もなく!(笑)。チャレンジャーの気持ちで。ダブルスはシードにぎりぎり入るかなので。シングルスは春関で悔いが残ってしまったので、しっかりと自分の力を出し切りたいです。ダブルスはノーシードでも全然チャンスがあると思うので、しっかり優勝を目指します。春関も決勝で下地(奈緒、社4=沖縄尚学)・吉岡と当たりたいねと話していたのですが、その前にこっちが負けちゃったので。インカレでは私たちが勝てるように!(笑)
吉岡 去年のインカレは自分のテニスに迷っている時期で、もやもやとしながら試合に入ったのですが。今は、やれることをしっかりやる。やらないといけないことは分かってきているので、しっかり出せるように頑張りたいなと思います。ダブルスでは第1シードが付くので、石川も言ったように早稲田同士で決勝にいって。そうですね、負けられないですね。単複優勝を目指して頑張りたいなと思います。
――会場が三重に移ったことを、どのように感じますか
渡邉 三重は高3のインハイ(高校総体)の時の会場でいい思い出があるのと。高校の時はオムニでインドアだったのですが、今回は外になるので、初めてということでまずは会場の雰囲気になれるところから入りたいです。
石川 私も三重にはいい思い出があるので。
吉岡 そうじゃん。ここ二人そうじゃん。
石川 会場がどうだからということはあまり考えてはいないのですが、プラスに捉え。インドアと外は全然違うと思うので。しっかりと会場に慣れて、自分の100パーセントを出し切れるように頑張りたいなと思います。
吉岡 三重は高校の時。高3の5月にできたコートなのであまり分からないのですが。地元?というか
石川 第2の故郷!
一同 (笑)
吉岡 なので、そこでは力を発揮したいなと。岐阜は本当に(球が)遅くて。いつもなら決まるところが決まらないと、(去年)苦しい部分があったのですが。三重は普通なので、その点では変わってくれて良かったです。
――インカレではどのようなプレーをしたいですか
渡邉 いつもコーチ陣から(笑)。
一同 (笑)
渡邉 考えがまとまらず、それが春関でも課題として出たので、テニスに真剣に向き合う。自分のプレーをしたいですが、まずは迷わず思い切ってプレーします。勝ち負けとかの前に、迷わずプレーできたらなと思います。
石川 単複ともに勝ちに貪欲に。相手と勝負する。気持ちで引いて負けるのが一番(春関では)後悔残ったので強気でいけるようにしたいと思います。
吉岡 去年は1年生ということもあり、思いっきりやるということがあったのですが。今年はしっかりと勝ちにこだわって、結果を求めていきたいです。粘り強く強気にプレーしたいなと思います。
――最後にインカレでの具体的な目標をお願いします
渡邉 目標…。それはもちろん。優勝?って
一同 (笑)
渡邉 誰もが優勝を目指して試合してるし、負けるために試合をしてはしないので。一試合、一試合、目の前の試合は大事だけど。いつも2回戦、3回戦と勝てていなないので、上を目指していきたいです。1回戦は通過点と思えるくらいの強い気持ちを持って、臨みたいです。
石川 優勝?ノーシードからの優勝?
渡邉 あるよ!まあ同士討ちは嫌だな。
石川 私も去年2回戦負けなので、3回戦か4回戦までいきたいです。ダブルスは優勝目指して頑張りたいなと思いま〜〜す!!
吉岡 めっちゃ圧をかけられてるよ。
石川 これ言わないとさ(笑)
吉岡 私は単複優勝目指して頑張ります!
渡邉 清々しい!
石川 さすがに言えない(笑)
――ありがとうございました!
(取材・編集 大島悠希)
◆石川琴実(いしかわ・ことみ)
2000(平12)年10月9日生まれのB型。東京・白鵬女子高出身。社会科学部2年
◆吉岡希紗(よしおか・きさ)
2000(平12)年9月2日生まれのB型。三重・四日市商高出身。スポーツ科学部2年。
◆渡邉早和子(わたなべ・さわこ)
2000(平12)年5月7日生まれのB型。愛媛・新田高出身。社会科学部2年