古賀・安上組、千頭・白石組がベスト4入り!田中優・木元組は準々決勝で敗退

庭球男子

 関東学生トーナメント(春関)本戦第6日、早大東伏見テニスコートでは男子シングルスの準決勝と男子ダブルスの準々決勝、準決勝が行われた。準々決勝では木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)組はストレート負けでベスト8敗退となったが、古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)・安上昂志(スポ4=福岡・柳川)組、千頭昇平(スポ3=愛知・誉)・白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)が接戦を制しベスト4入りを決めた。しかし、続く準決勝では両ペアともに強敵を前に屈し、早大から決勝へ進出するペアは現れなかった。

★古賀・安上組は強敵を前に力負け。悲願のタイトル獲得はかなわず

準々決勝でガッツポーズを決める古賀(右)・安上組

 前日に髙村佑樹主将(スポ4=千葉・東京学館浦安)・丹下将太(教1=東京・早実)組との同士討ち制した古賀・安上組は準々決勝で佐々木健吾・成耀韓組(慶大)と対戦した。「対戦したことがあったので、試合のイメージはできていた。やることをやれば勝てる」(古賀)と意気込みゲームに臨んだ古賀・安上組。ファーストセットから「キープするところをキープして、ブレークするところをブレークできた」(安上)とファーストセットをワンブレークアップで先取すると、セカンドセットも積極的に前に出るプレーがはまり第3ゲームをブレークに成功。すぐさまブレークバックを許したものの、セットポイント4−5から3ゲームを連取しゲームセット。抜群のコンビネーションを見せた古賀・安上組がベスト4入りを決めた。
 続く準決勝では全日本学生テニスランキング男子ダブルスでそれぞれ5位(2019年4月付)につける今村昌倫・福田真大組(慶大)と相対した。古賀のストロークから安上がテクニックでかき回すペアの持ち味を生かし強敵ペアに立ち向かう古賀・安上組だったが、セット終盤に2ブレークを決められファーストセットを落とす。続くセカンドセットも序盤に2ブレークを許し劣勢を強いられると、第6ゲームにも長いデュース戦の末に3ブレーク目を許し1−6で完敗を喫した。「優勝を狙っていたので、悔しい」と口をそろえた古賀・安上組。一方で「勝つべき相手にしっかり勝つことができた」(古賀)と今大会を通じて確かな手応えも感じていた。悲願のタイトルへ向けて。育成層からはい上がった4年生ペアの勝負のラストイヤーが幕を開けた。

★準々決勝で接戦を制した千頭・白石組がベスト4に

ベスト4入りを果たした千頭(左)・白石組

 準々決勝の相手は学生トップクラスの実力を誇る楠原悠介・岡垣光祐組と対戦。ファーストセットでは相手ペアのサーブやストロークに押され、第1ゲームでブレークを許した千頭・白石組。ボレーやドロップを駆使した持ち前のテクニックで応戦し、徐々にペースをつかんでいた千頭・白石組だが、第7ゲームにもブレークを奪われ、4−6でこのセットを献上した。それでも白石・千頭組は冷静に反撃の機会をうかがっていた。「「リターンからボレーにつなげるかたちにすごく落ち着いて持っていけた」(白石)と互いにゲームをキープして迎えた第8ゲームをブレークすると、第10ゲームではラブゲームでブレークに成功し、試合をファイナルセットへと持ち込んだ。勢いに乗った千頭・白石組はスーパータイブレークを常に優位に運び、10−5で試合を決め、強敵ペアに逆転勝利を収めた。
 続く準決勝の相手は準々決勝で学生王者の木元・田中組を下していた川橋勇太・加藤拓巳組(筑波大)。ここでもファーストセットの第1ゲームをブレークされ劣勢を強いられると、2−4で迎えた第7ゲームから立て続けにブレークを許し、先制を許す。セカンドセットも相手ペアの正確なショットに苦戦し、このセットも主導権を握られる展開が続く。なんとかタイブレークに持ち込みたい千頭・白石組だったが、マッチポイントで迎えたサービスゲームで加藤に正確無比なパッシングショットを連続で決められるなど、このゲームをブレークされ万事休す。決勝進出はかなわずベスト4という結果に終わった千頭・白石組だが、「まだ組んで間もないんで、そこまでに改善できる部分というのはたくさんあると思う」(千頭)とさらなる躍進へ向けて前を向いた。結成間もない新進気鋭のペアは夏の鍛錬期間で熟練度を増し、学生テニス界に新風を吹かせることができるか。

★噛み合わなかった歯車。木元・田中優組は学生大会初黒星を喫する

学生大会初黒星を喫した木元(左)・田中優組

 最後まで歯車が噛み合わなかった。結成以来学生大会で負けなしを誇る木元・田中優組は準々決勝で筑波大の川橋・加藤組と対戦。しかし、互いにサービスゲームをキープして迎えた第8ゲームで、この日本調子ではなかった木元のサービスゲームをブレークされる。続くゲームではゲームポイント40−15とブレークチャンスを迎えながらもそこからキープされ、このセット3−6で落とした。セカンドセットでも田中優のサービスゲームを二度ブレークされ、劣勢を強いられる。それでも第8ゲームにデュース戦の末にブレークを奪いセットポイントを振り出しに戻した木元・田中優組だったが、持ち込んだタイブレークでもミスからポイントを失い、ストレート負け。ここまで絶対的な強さを誇っていた木元・田中優組は学生大会で初黒星を喫し、ベスト8で敗退となった。「片方がうまくいかないときにもう片方が頑張ってよくなっていくという僕ら強みが、今大会を通じて1回もなかった。良いか悪いかで言ったら間違いなく悪い」(田中優)と大会を通じて思うようなパフォーマンスを発揮できなかった木元・田中優組。「きょうの敗戦がよかったと今後言えることができるように」(田中優)。この日の敗戦を糧に、再び学生王者の地位へ返り咲きたい。

(記事、写真 林大貴)



ベスト4入賞を果たした古賀・安上組(右)と千頭・白石組

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結果

男子ダブルス
▽準々決勝
◯古賀大貴・安上昂志 [6-3、7-5] 佐々木健吾・成耀韓(慶大)
◯千頭昇平・白石光 [4-6、6-4、10-5] 楠原悠介・岡垣光祐(法大)
●木元風哉・田中優之介 [3-6、6(5)-7] 川橋勇太・加藤拓巳(筑波大)


▽準決勝
●古賀大貴・安上昂志 [3-6、1-6] 今村昌倫・福田真大(慶大)
●千頭昇平・白石光 [3-6、4-6] 川橋勇太・加藤拓巳(筑波大)


コメント

古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)・安上昂志(スポ4=福岡・柳川)

――きょうの準々決勝を振り返って

古賀 対戦したことがあったので、試合のイメージはできていました。やることをやれば勝てると思っていて、いい感じでそれもはまってくれたのでいい試合ができたと思います。

安上 しっかりキープするところをキープして、ブレークするところをブレークできたので、上手く試合を運べたと思います。

――大事な場面でポイントを取りきれていた印象があります

安上 こっちの方が気持ちに余裕があった分、いい場面で取りきれたと思います。

――準決勝は力負けという印象でしたが、振り返っていかがですか

古賀 もうちょっといい試合をしたかったんですけど、相手がお互いの良さをすごく生かしてきて、実力もそうなんですけどもう少しできることがあったんじゃないかなと思います。

――ベスト4という結果についてはどう受け止めていますか

安上 優勝を狙っていたので、悔しいですね。

古賀 悔しいです。優勝したかったです。

――今大会自信になった部分というのはありますか

古賀 勝つべき相手にしっかり勝つことができたことです。疲れもあったんですけど勝ち上がれたというのは大きいですね。早慶戦も近いですし、勝つイメージをつかめたと思います。

――ラストイヤーでのタイトル獲得へ向けて強化していきたい部分はありますか

古賀 僕自身としては選手としてもっと幅のある選手になっていきたいです。今村に打たれて何もできなくなってしまった部分もあったので、もっと厚みのある選手になって2人でもっといいダブルスができればいいと思います。

安上 ダブラーと思われているのはサーブとかボレーがうまいからだと思うんですけど、そこにストロークとかを兼ね備えていければプレーの幅も広がって、攻撃やディフェンスのパターンも増えると思うので、そこをもっと強化していきたいと思います。

千頭昇平(スポ3=愛知・誉)・白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)

――準々決勝で勝ち切れた要因というのは

千頭 スーパータイブレークに持ち込めたっていうのは良かったと思います。相手よりも大胆にいけたのでタイブレークも勝てたのかなと思います。

白石 リターンからボレーに持っていくかたちにはすごく落ち着いて持っていけていたので、セカンドセットの5−4の場面でもポイントを取れたんじゃないかなと思います。1試合目はそこは良かったですね。

――準決勝を振り返っていかがですか

千頭 1試合目、2試合目通してファーストセットの出だしが悪かったというのがあって、大会を通じて、ファーストセットをしっかりと取り切れていればもっと楽に勝てたかなと思います。それが今後の課題でもありますし、いい意味で伸び代がある部分だと思います。

白石 ちょっと疲れていましたね(笑)。疲れていた中でしっかり攻め切れてはいたんですけど、川橋くんのところに打ち切れなかったというのがありました。川橋くんのところに売ったらいいボールが返ってくるんじゃないかって警戒をしすぎて。もう少し川橋くんにストロークさせても良かったんじゃないかなと思います。

――ベスト4という結果についてはどう感じていますか

千頭 悔しさはあるんですけど、本番はインカレなので。インカレで勝った奴が強いので。そこまで時間があって、僕達はまだ組んで間もないんで、そこまでに改善できる部分というのはたくさんあると思うので、インカレで優勝すればいいので、僕が単複で優勝します。

白石 嬉しいという気持ちが半分、悔しいという気持ちが半分です。

――今後へ向けて一言お願いします

千頭 まず早慶戦があって、何年も連続で勝っているので、先輩たちが積み重ねてきた結果を途切らせないようにすることと、それを意識しすぎずにプレーしていきたいです。その後にはプロの試合もあるので、インカレまで時間もあるので、夏の間までどれだけ自分が強くなれるのか、プロの試合で勝てるのか楽しみですね。

白石 インカレは1年生だからという気持ちはできるだけ無くして。何も気負うことはなくてできると思うので、優勝を目指していきたいですね。

木元風哉(社3=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ3=埼玉・秀明英光)

――きょうの結果については率直にどう受け止めていますか

田中 不甲斐ないです。

木元 悲しいです。

――序盤から調子が上がらなかった印象を受けましたが振り返っていかがですか

木元 出だしもちょっとフィーリングも良くなくて、モヤモヤしたままブレークをされてしまったので、どんどん悪循環に陥ってしまったと思います。

田中 ファーストセットはほとんどのリターンゲームでブレークポイントがあって、そこを僕たちが取りきれなくて、僕らが落ちたときに向こうに攻め込まれてしまいました。

――最後まで修正することができませんでした

木元 修正も全然できなくて、セカンドセットの後半は少し盛り返せはしたんですけど、根本的には修正できていませんでした。

田中 修正というよりは僕らの強みが出せなくて、もどかしい時間が続きました。片方がうまくいかないときにもう片方が頑張ってよくなっていくっていうのが僕らの強みなんですけど、今大会を通じてそれが1回もなかったなと思います。

――今大会通じてプレー面では満足できていないのでしょうか

木元 僕らの初戦のファーストセットも僕らのサービスで0−40までいってしまうこともあって、その時はギリギリキープできていたんですけど、そういう場面も含めてなかなか歯車が噛み合っていなかったなという印象です。

田中 良いか悪いかで言ったら間違いなく悪かったです。

――今大会の敗戦はどう活かしていきたいですか

田中 きょうの敗戦がよかったと今後言えることができるように。去年は決勝で負けたんですけど、去年の負けは今後につながるいい負けだったと思っているので、きょうここで負けておいてよかったんじゃないかと今後言えるように、これから練習していきたいと思います。

木元 これを前向きに捉えて、次につなげないといけないと思うので、いつまでも引きずっていないで、次また勝てるように練習していきたいです。