木元・田中優組が第3シード相手に大金星!ベスト4入りを決める

庭球男子

 学生ナンバーワンダブルスが第3シード相手に大金星を挙げた!大会4日目を迎え、さらに熱気を帯びる三菱電機・早稲田大学インターナショナルオープン(早稲田オープン)。この日、早大勢からは男子シングルスの2回戦に島袋将(スポ3=三重・四日市工)が、男子ダブルスの準々決勝に木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)・田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)組が出場。島袋はATP世界ランキング535位(2019年3月4日付)の強敵を相手にストレート負けを喫し、2回戦で姿を消した。一方、男子ダブルスの木元・田中優組は格上の第3シードペアとの死闘を制し、ベスト4入りを決めた!

★島袋は強敵相手にストレート負け。2回戦で姿を消す

ストレート負けを喫し、肩を落とす島袋

 早大エースの早稲田オープンでの挑戦は悔しさの残るものとなった。1回戦で羽澤慎治(慶大)との早慶エース対決を制した島袋。2回戦では全豪オープンジュニアで2位に輝いた実績を持つ、第7シードのホン・ソンチャン(韓国)と相対した。

 「ファーストセットは相手の上手いプレーに自分が何も出来なかった」(島袋)。第2ゲームにいきなりブレークを許すと、相手の幅広く、精度の高いプレーに対して攻撃の糸口を見出せず。その後の第5ゲームでもブレークを決められ、為すすべもなく1−6でファーストセットを献上した。サービスゲームで粘れず相手を勢いづかせてしまっていた島袋だったが、セカンドセットでは第1ゲームでデュース戦の末にキープに成功する。その後も手堅くキープを重ね、迎えた第8ゲーム。この試合初めて得たブレークチャンスをものにし、このゲームを奪取。セットカウントを5−3とし、セカンドセット獲得に手をかけた。しかし、直後のゲームでブレークバックを許すと、持ち込まれたタイブレークを4−7で落とし万事休す。ストレート負けを喫し、2回戦敗退となった。

 「ダブルスは片山さん(翔、平24スポ卒=現・伊予銀行)と前回の全日本室内選手権で優勝して、すごくいい流れの中で臨んだ大会で初戦で敗退して、本当に悔しい結果になってしまった。シングルスも先週(亜細亜大学国際オープンで)ベスト4に入って、初戦で羽澤選手にも勝っていたので、もうちょっと上にいきたい気持ちは大きかった」(島袋)。シングルス、ダブルスともに手応えを感じながら臨んだ早稲田オープンは不完全燃焼に終わった。次の舞台は来週から開催される、同じくITFワールドツアーの1つ、甲府国際オープン。早稲田オープンでの屈辱を晴らすことができるか、期待がかかる。

★木元・田中優組が第3シードを撃破!ベスト4へ駒を進める

死闘の末に、第3シードペアを破った木元・田中優組

 前日の千頭昇平(スポ2=愛知・誉)・白石光(スポーツ科学部入学予定=千葉・秀明八千代)組との同士討ちを制した木元・田中優組は、この日の準々決勝で第3シードのブレイク・エリス/マイケル・ルック組(オーストラリア)と対戦。学生大会ここまで無敗の学生ナンバーワンダブルスと全豪オープンジュニアでダブルス優勝経験を持つブレイク・エリス擁するオーストラリアペアとの1戦は試合前から注目を集めた。

 ファーストセット序盤はワールドクラスの実力を見せつけられた。第1ゲームをラブゲームキープされると、続くサービスゲームでも簡単にブレークを許すなど、手も足も出ずに3ゲームを連取される。それでも、第4ゲームに木元の強烈なサーブから田中がボレーを決める得意のパターンでキープに成功すると、「リターンを少しづつアジャストできるようになった」(田中優)と第6ゲーム、第8ゲームで立て続けにブレークに成功。セットカウント2−4から4ゲームを連続で奪い、逆転でファーストセットを先取した。流れをつかんだ木元・田中組はセカンドセットも第5ゲームにブレークを奪い、試合を優位に運んだ。しかし、セットカウント5−4と勝利に迫ったサービスゲームをブレークされるなど、試合を決めきれず。タイブレークに持ち込まれたこのセットを落とし、勝負の行方はファイナルセットの攻防に委ねられた。スーパータイブレーク制のファイナルセットも緊迫したシーソーゲームとなった。それでも、互いに一歩も譲らずに13−13としたところから相手のイージーミスで勝利に王手をかけると、最後はこの日の生命線となった木元のサーブで試合を決めた。

 衝撃的な番狂わせを演じた。「僕らがやることをやればチャンスがある相手だと思ったので、向かっていく気持ちを忘れずに、ファイトすることができた」(田中優)。その言葉の通り、自分たちの持ち味を出し切り、世界を舞台に戦う相手との死闘を制した木元・田中優組。あすの準決勝では全日本王者の今井慎太郎(平28スポ卒=現イカイ)・仁木拓人(三菱電機)組と相まみえる。勢いに乗る学生ナンバーワンダブルスの快進撃はどこまで続くのだろうか。

(記事 林大貴、写真 小原央)


結果

男子シングルス

▽2回戦
●島袋 1−6、5−7 ホン・ソンチャン(韓国)



男子ダブルス

▽準々決勝
◯木元・田中優組 6−4、6(5)–7、15−13 ブレイク・エリス/マイケル・ルック組(オーストラリア)

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コメント

島袋将(スポ3=三重・四日市工)

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合はファーストセットの相手の上手いプレーに自分が何も出来なくて、1―6というスコアで取られてしまって。でもセカンドセットから切り替えて、自分の出来ることをやったんですけど、最終的には届かなかったです。

――相手は全豪ジュニアで2位に入った相手でした。試合前の印象はいかがでしたか

そうですね。同年代で相手が強いことも分かっていたんですけど、過去の戦績はあんまり僕は気にしないタイプなので。でもすごいタフな相手だとは分かっていたので、勝負がつくまで、自分が出来ることを精一杯やろうと思っていました。

――試合で意識したことはありますか

相手はなんでも出来る選手なので、ストロークも上手くて。でもどっちかというと武器がある選手ではないので。僕は逆にフォアという武器があって、それを使える場面でどんどん使って、ネットプレーだったり、攻撃的な部分でどんどん行こうと考えていました。

――試合ではそのスタイルがはまらなかったということでしょうか

そうですね。相手がしつこかったので、自分のミスだったり、逆に向こうも僕が出る前にネットプレーを使ってきたり、相手の試合運びが上手かったです。

――今大会の結果をどのように受け止めていますか

ダブルスは本当に悔しい結果になってしまって。片山さんとは前回の全日本室内選手権で優勝して、すごくいい流れの中臨んだ大会で初戦で敗退してしまって、すごく悔しくて。シングルスも先週(亜細亜オープン)でベスト4に入って、いい流れで迎えて。初戦で羽澤(慎治、慶大)選手にも勝って、もうちょっと上にいきたい気持ちは大きかったんですけど、これが現状と受けとめて。また来週からもあるので、頑張りたいです。

――来週の甲府オープンにも出場されるということですか

そうですね。

――最後に今後の意気込みをお願いします

次の甲府オープンになるんですけど、初優勝目指して頑張りたいなと思います。

田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)・木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)

――今の率直なお気持ちはいかがですか

木元 めっちゃ嬉しいです!

田中優 全豪オープン3回戦に行った相手に勝ったということは収穫ですね。

――ワールドクラスとの試合を振り返って

田中優 僕らがやることをやればチャンスがある相手だと思ったので、向かっていく気持ちを忘れずに、ファイトすることが出来ました。

木元 ファーストセットで0−3になった時は全然リターンも入らなくて、サービスゲームも奪われていたので、「これが世界か」と思ったんですけど、そこから諦めずになんとかくらいつけてよかったです。

――ファーストセット序盤は苦しい展開となりましたが、そこから逆転できた要因というのは

田中優 リターンを少しづつアジャストできるようになったのがよかったかなと思います。

――ファイナルセットはどういう心境でプレーしていましたか

田中優 僕は木元くんにファーストセットの途中から「ファイナルセット頑張ろう」。って言っていたので(笑)。

木元 めちゃめちゃ序盤だけどね(笑)。

田中優 そう、ファーストセットの0−2で(笑)。やっぱり勝ちたいという気持ちが強くなりましたね。

木元 めちゃめちゃ緊張したんですけど。最近(接戦での戦績が)あんまりなので、それがよぎって仕方なかったんですけど、なんとか田中くんも助けてくれたので、勝ちきることができました。

――今日の勝利でITFワールドツアーの1つである早稲田オープンでベスト4となりましたが、率直にどう受け止めていますか

田中優 ベスト4じゃ全然満足しないので、優勝しか見えていないです!

木元 僕はもうベスト4という響きだけで最高なんですけど(笑)。あすも今井さんと仁木さんが相手なので、チャレンジャー精神で勝ち越したいなと思います!