全日本のカベは高く、ダブルス2組が敗退

庭球男子

 前人未到のアベック13連覇に沸いた全日本大学対抗王座決定試合(王座)から2週間。大阪の地で日本一の座を懸けた戦い、三菱全日本選手権(全日本)が開催された。この日、早大からは田島尚紀(TEAM YONEZAWA)とペアを組む島袋将(スポ3=三重・四日市工)が2回戦に出場。また、王座でも早大のアベック13連覇に大きく貢献した清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)・下地奈緒(社2=沖縄商学)組が1回戦に臨んだ。しかし両ペアとも要所でポイントを取り切ることができず、それぞれ悔しい敗退となった。

★島袋・田島ペアは第1シードの壁を破れず


「初めてにしては上出来だった」と振り返った島袋・田島

 1回戦となった坂川広樹(楠クラブ)・白石光(SYSテニスクラブ)組みとの対戦を6−3、6−1のストレート勝ちで破った島袋・田島組。迎えたこの日の2回戦では第1シードの今井慎太郎(イカイ)・仁木拓人(三菱電機)組と激突した。ファーストセット序盤はデュースにもつれた接戦をものにするなど7ゲームまでに5−2の優勢の展開となる。しかし、その後4セットを連取され追い上げを許すと、タイブレークの末にファーストセットを落とした。それでも一進一退の展開となったセカンドセットを7−5で制し、勝負を懸けて臨んだファイナルセット。セカンドセットの勢いそのままに試合を運びたい島袋・田島ペアだったが、「絶対勝ちたいっていう気持ちの部分で差があった。僕たちは気持ちが浮いていた」と1ゲームも奪うことができないまま0−6で万事休す。第1シードの貫禄を見せつけられ、2回戦で敗退となった。
 「うまくペースがつかめずに気持ちが落ちてしまった、気持ちのブレというのが大きかった」と今回の敗因を述べた島袋だが、「勝つチャンスはあったので、誰にでも通じる、ちゃんと戦えるっていうことは今回改めてわかりました」と手応えも感じていた。ダブルスでは敗退となった島袋だが、全日本ではシングルスと混合ダブルスの試合が残されている。早大が誇る絶対的エースは、国内最高峰の舞台で意地を見せることはできるか。

★力を発揮できず、無念の初戦敗退


ストレート負けを喫し、肩を落とす清水・下地組

 王座でも早大に勝利を手繰り寄せる活躍を見せるなど成長著しい清水・下地組。ペアとして初めて臨む全日本の舞台でもその成長を示したい清水・下地組は1回戦で内藤祐希(TEAM YONEZAWA)・本玉真唯(フリー)組と対戦。ファーストセットは幸先よく2ゲームを先取したが、直後に相手にブレークリターンを許すと、その後は相手の強烈なショットに対応できず。そこから6連続でセットを奪われ、2−6でファーストセットを落とした。セカンドセットでも、先にブレークに成功するなど優勢な展開で試合を運び、清水の力のサーブやストロークも冴え、4−1までリードを広げる。しかしここで相手がメディカルタイムアウトを取るとここから流れは徐々に内藤・本玉組のペースに。意表を突くサーブや、ペアの間を抜くフォアハンドショットに翻弄(ほんろう)され、5−7でゲームセット。ストレートでの1回戦敗退となった試合後、清水・下地組は悔しさを滲ませていた。
 この日の試合では清水・下地ペアが武器とするパターンが影を潜めた。「自分たちのプレーをやり切れなかった。勝ちに対する執念が相手の方が強かった」と振り返った清水。国内最高峰のカベの高さを痛感させられる結果となった清水・下地組だが、この日の敗戦を糧とし、さらなる成長を見せたい。

(記事、写真 林大貴)

結果

男子ダブルス
▽1回戦
◯島袋・田島 6−3、6−1 坂川・白石
▽2回戦
●島袋・田島 6(4)—7、7−5、0−6 今井・仁木

女子ダブルス
▽1回戦
●清水・下地 2−6、5−7 内藤・本玉

コメント

島袋将(スポ3=三重・四日市工)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

ファーストセットでチャンスがあったんですけど、それを取りきれず落としてしまって。セカンドセットはなんとか取れたんですけど、そのぶんファーストセットで取れなかったことが悔やまれるかなと思います。ファイナルセットの出だしが悪すぎて1ゲームも取れずに終わってしまったことが悔しいですね。

――きょうの試合は第1シードのペアが相手でしたが、対策等はありましたか

今井さんと仁木さんのペアとやったことはなかったんですけど、どういうプレイヤーなのかっていました。相手は第1シードで僕らはシードがなかったので、チャレンジャーであることは変わりはなかったので、元気出して自分たちのプレーをしようと思っていました。

――田島選手と組むにあたって意識した点などはありますか

彼はまだ若いですけど、ダブルスのタイトルであったり、実績はすごいあったので、頼るところは頼って、引っ張るところは引っ張ると僕自身考えていて。すごい思い切りのある選手なので、勝てるチャンスはあるなと思っていました。

――実際に組んでみていかがでしたか

めちゃめちゃ悪かったわけでもなく、初めてにしては上出来なダブルスだったんじゃないかなと思います。

――第1セットはリードした展開から4連取を取られてタイブレークで落とすかたちとなりました

5−2でリードして、5−3で取りきれなくて、5−4も3回セットポイントあったんですけどやはりそこも取れなくて。チャンスがあったんですけど、それを取り切る力がなくて、まだまだ力不足だったかなと感じています。

――現状、差がある部分としたらどこだと思いますか

勝負所のプレーというよりも気持ちの上げ方ですかね。例えばファイナルセットのファーストゲーム。向こうはセカンドセット取られて、絶対勝ちたいっていう気持ちがあった中のファイナルセットのファーストゲームで、そういう雰囲気をつくっていたにもかかわらず、僕らは気持ちが浮いた、ふわふわしてしまって。そういった部分で差があって1ゲームも取れずに終わってしまったというふうに感じています。

――逆に手応えを感じる部分はありましたか

勝つチャンスはあったので、誰にでも通じるというか。ちゃんと戦えるっていうことは今回改めてわかりましたね。

――自身のきょうのパフォーマンスとしてはいかがでしたか

そうですね・・・60点ぐらいですかね。いいときもあったんですけどうまくペースがつかめずに気持ちが落ちてしまった、気持ちのブレというのが大きかったかなと思います。田島選手は18歳で、僕は21歳なので、もっと引っ張っていけるような、存在になりたいです。

――ダブルスはきょうで敗退となりましたが、シングルスと混合ダブルスの試合が残っています。今後の全日本での戦いへの意気込みはありますか

どっちもタフな相手ですけど、まずは自分のパフォーマンスでできるように準備するのと、シングルスもミックスダブルスもすごく相手が強いので、チャレンジャー精神を忘れずに頑張りたいなと思います。

清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)・下地奈緒(社2=沖縄商学)

――悔しい結果になってしまいました

下地 うまくいかなくても勝てるようにならないといけないなと思わされた試合だったかなと思います

清水 セカンドセットは勝つチャンスがあった中で、取りきれなかったのが敗因かなと思います。

――2セットともリードした中で逆転されて取られてしまうかたちでしたがその部分で感じることは

下地 相手は2人ともすごい強打の武器があって、1発でポイントを取れるショットがあるっていう中で、私たちは試合をつくって2人で頑張ってポイントを取るっていうスタイルなんですけど。強打のショットに対してうまく対応できなくて、しっかり自分たちの武器をもう一回うまく発揮できるようにならないと。状況を打破できるような武器がないといけないなと思います。

清水 ファーストセットは相手もまだ慣れていなかったので、サービスキープしてっていう展開があったんですけど、セカンドセットは自分たちがいいプレーをして試合をつくるというのが続かなくて。(相手と)プレースタイルは違うんですけど、自分たちのプレーをやり切れなかったっていうのが敗因だと思います。

――きょうの試合を通じて今後に繋がる部分はありましたか

下地 相手が強かったっていうのもあるんですけど、私たちが4−1のときに相手がメディカルタイムアウトをとって、そこから簡単にポイントが入ってしまって。そう入った流れの駆け引きっていうのを自分たちに手繰り寄せるぐらいの実力や試合勘を磨いていく必要があるなと思いました。

清水 勝ちに対する執念が相手の方が強かったので、そこの差を痛感しました。

――今後は全日本学生室内選手権(インカレインドア)なども控えていますが、意気込みはありますか

下地 清水とのペアになるかどうかはまだ決定しているわけではないんですけど、清水とのダブルスは自分の中で大事にしているものでもあるので、一歩一歩経験からもっと強くなって、もっと勝っていきたいなと思います。インカレインドアではこれまでチャレンジャーだったのが相手から警戒される状況にもなると思うので、そういったところで2人で力を合わせて、絶対勝てるようなダブルスになれたらいいなと思います。

清水 この大会は王座が終わってすぐの大会で、団体戦とは違って自分たち個人で考えて2人でやりくりしないといけない中で。インカレインドアも上手くいくことばかりではないと思うので、その中でいかに自分たちの力を出し切れるかっていうのを、自信を持てるぐらい練習していかないとダメだなと思ったので。勝ちたいのはもちろんですけど、このままだと中途半端なままで終わってしまいそうなので、もう1回下地と一からしっかり練習していきたいと思います。