インカレ開幕!4人が1回戦を突破

庭球男子

 全日本学生選手権(インカレ)が13日、岐阜メモリアルセンターにて開幕した。初日から悪天候の影響で中断などイレギュラーな進行となり、男子シングルス1回戦の一部、女子シングルス1回戦が行われた。早大からは男女計4人が登場。6-1、6-2と快勝を収めた木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)をはじめ4人全員が1回戦を突破し、幸先の良いスタートを切った。明日は男子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルスの1回戦が行われる。

(記事 松澤勇人)

★好調の藤井颯、快進撃の予感

バックハンドショットを放つ藤井颯

 予選を勝ち抜き、ついに本戦1回戦を迎えた藤井颯大(スポ2=京都・同志社国際)は立命大の瀧本怜央(4年)と対戦。「(予選から)いいテニスができている」と好調ぶりを示すように、試合は一方的なワンサイドゲームとなる。ファーストセットから得意の強烈なサーブで相手を揺さぶり、ミスを誘った。途中、雨天中断で試合が夕暮れ後にまでもつれ込むハプニングが起こったが、藤井颯は集中を切らさず冷静に対処。試合再開後も自分のプレースタイルを貫き、終わってみれば6−2、6−2と相手を圧倒した。快勝で幸先の良いスタートを切った藤井颯が今大会、最大のヤマ場と位置付けているのが3回戦。坂井勇仁主将(スポ4=大阪・清風)との一戦だ。「(坂井主将を)倒してベスト4に入れるように」(藤井颯)——。今大会で藤井颯が起こす快進撃に注目したい。

(記事 中澤紅里、写真 平松史帆)

★唯一の予選上がり組・森川が本戦初戦も突破

森川はラリー戦で優位に立った

 9日から行われていた全日本学生選手権(インカレ)予選を勝ち抜き、早大勢で唯一女子シングルス本戦出場の切符をつかんだ森川菜花(社3=山口・野田学園)。初戦は中京大の佐野結花との対戦となった。序盤、サーブが安定しなかったがすぐに立て直し、ファーストゲームを奪取。その後は「(相手の)ミスが多かったので、自分から仕掛けずにラリーしていこう」という言葉通り、ラリーでミスを誘い森川ペースに。試合中に二度の雨天中断があったものの、集中力を切らさなかった森川は主導権を譲ることなく6-1、6-3で初戦を突破した。

予選の1回戦で身体がつってしまっており、きょうも自分の身体と向き合いながらの戦いとなった。シングルスの目標に関して「1個1個自分のテニスができたら」と語った森川。ダブルスも含めた、森川の挑戦が始まる。

(記事 平松史帆、写真 中澤紅里)

★接戦ものにし、インカレ初勝利

相手のショットに食らい付いた下地

 「初戦突破しました!」——下地奈緒(社2=沖縄尚学)は試合後、疲れを見せながらも晴れやかな表情でこう語ってくれた。1回戦敗退と悔しさを残して岐阜を去った初めてのインカレから1年、下地は第一の目標でもあったシングルスでのインカレ初勝利を挙げた。

 シングルス1回戦の相手は関西学生選手権優勝の堺愛結(姫路大2年)。高校時代は負け越していたという相手だったが、「同学年の選手には負けたくない」と意気込んでいた。しかし、ファーストセットは力強いストロークが武器の相手にエースを決められる場面も多く、2-6と簡単に奪われてしまう。それでも、「打たれたボールを深く返して、相手に打たれないボールを打つ」と意識して臨んだセカンドセットは粘り強くボールを拾った下地が主導権を握り、6-4でセカンドセットを奪った。降雨による二度の中断を挟み、インドアコートに移動してからの終盤、勝負の行方はタイブレークまでもつれ込んだが、「一本一本積み重ねることを意識した」と焦らずラリーを続けた下地が先にマッチポイントを迎える。最後はこの日初めてのバックハンドのダウンザラインを突き刺し、接戦を制した。目標としていた初戦を突破し、次戦の相手は第5シードの小松莉奈(東学大4年)と強敵が待ち受けるが、「名前負けしないように、しっかり勝ちに行く」と気合は十分だ。

(記事、写真 松澤勇人)

結果

▽男子シングルス1回戦

〇木元風哉6-1、6-2竹田真教(中京大)

〇藤井颯大6-2、6-2瀧本怜央(立命館大)


▽女子シングルス1回戦

〇森川菜花6-1、6-3佐野結花(中京大)

〇下地奈緒2-6、6-4、7―6(5)堺愛結(姫路大)


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コメント

藤井颯大(スポ2=京都・同志社国際)

――予選からの出場でしたが、調子はいかがですか

インカレは一年間の中で最も大切な大会なので少し緊張して、ポイントの重さを感じました。その中でも、1ポイント1ポイントを大事にして結構いいスコアで勝てているので、いいテニスができていると思います。

ーー本戦に入ってからも緊張はまだ続いていますか

はい、まだ緊張してます。でも、3回戦までいくと強い相手になって、そのために自分の全力のテニスができるように調整しているので今感じている緊張は仕方がないと思います。

ーーきょうは雨の影響もあって、試合が中断されましたが、気持ちの面で意識していたことはありますか

何時に試合が再開されるのかわからなかったんですけど、連戦で試合も続くので、自分の体力をなるべく消費しないように先を見ていました。

ーーきょうの試合を振り返ってみていかがですか

しっかり相手に無理をさせるようなプレーで揺さぶりをかけて、自分はミスをしないようにできているのでこのプレースタイルを続けていきたいと思います。勝ち上がれば相手も強くなるので自分の実力も十分に発揮していきたいです。

――今大会の目標は

まず3回戦に坂井勇仁主将(スポ4=大阪・清風)がいるので、倒してベスト4に入れるようにしたいです。

――次戦への意気込みをお願いします

1試合1試合大切に、次の試合にいい流れで入っていけるようなテニスをして、できるだけ長く岐阜に残りたいです。

森川菜花(社3=山口・野田学園)

――予選からの戦いでしたが、振り返っていかがですか

 初戦勝てばいけるかなというのはありました。6-2、6-0で勝ったんですが、つってしまって。予選もきょうの試合も相手と戦うというよりかは、自分の体と戦うような感じでした。体のケアだけしっかりとして悔いの残らないようにしたいと思います。

――つってしまうというのは、暑さも関係していますか

 暑さもあると思うんですけど、気持ちの面もあると思います。リラックスして試合に臨みたいと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

 今まで試合をしたことがある子だったんですが、ミスが多かったので、自分から仕掛けずにラリーしていこうということで、序盤そういうことができたので流れはできたかなと思います。

――サーブの調子はいかがでしょうか

 自分のサーブトスがしっかり上がれば、自然とサーブができるのであとはそれだけです。

――雨の中断もありましたが

 去年の初戦でも全身がつってしまっていて、暗くなって中断という似たような流れだったので。本当に集中しようと思っていました。去年の反省は生かせたかなと思います。

――セカンドセットはいかがでしたか

 5-2のときは雨が降り出してきて、試合を中断しようかと考えたんですが、このままやってしまえと焦ってしまって、ラブゲームを取られて中断だったので、嫌な感じはあったんですが、最後はインドアで応援の力もあって切り抜けることができたので、みんなに感謝しています。

――今回の大会の目標や意気込みはありますか

 シングルスは具体的な目標はないのですが、1個1個自分のテニスができたらいいなと思っています。ダブルスは去年のベスト8を超えられるように頑張りたいと思います。

下地奈緒(社2=沖縄尚学)

――「シングルスはまずは1回戦突破が目標」と話していましたが

初戦突破しました!結構負け越している相手だったんですけど、朝起きたらいける気がしていて、ギリギリだったんですけど勝てて良かったです。

――同学年対決ということで負けたくない気持ちも強かったのでしょうか

そうですね。相手は兵庫の子で、高校時代兵庫と沖縄の交流会とかでやったり、全国大会でやったりしていて、これまで結構負けてたんですけど。同学年ですし、勝ちたいなと思って頑張りました。

――相手は積極的に攻めてくる選手でしたが、どんなことを意識してプレーしていましたか

相手には結構な数にポイント決められたんですけど、そこは仕方ないと思って、取れるポイントはしっかり取ろうと思ってました。

――セカンドセットから挽回しましたが、よくなった点は

ファーストセットは流れで持っていかれてしまったので、しっかり切り替えればチャンスはあると思ってました。相手が打ってくるボールに対応できてなかったので、打たれたボールを深く返して、打たれないボールを打ってチャンスを待つ、と意識して一本一本重ねて行こうと思いました。

――中断後タイブレークまでもつれましたが、振り返って

タイブレークになったら行ける気がしたので(笑)、とにかく一本一本積み重ねることを意識してました。

――次戦はシード選手との対戦です。意気込みをお願いします

小松さん(莉奈、東学大4年)は実績も残している選手ですけど、これから勝ち上がっていくにはどこかでシード選手を倒さないといけないので、名前負けしないように、しっかり勝ちに行きたいと思います。