「それぞれが成長できた」、早稲田フューチャーズ全日程が終了!

庭球男子

 三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント(早稲田フューチャーズ)もついに最終日を迎えた。シングルス決勝戦に先立って行われたのは、庭球部員によるキッズ向けイベント。「子供たちにテニスを楽しんでもらって、その後そのまま決勝戦でトップクラスのテニスを見てもらえれば」(古賀大貴、スポ2=大分舞鶴)との思いで、ことしのイベントの目玉として立ち上げた企画だ。総勢40人ほどの幼稚園児から中学生相手に、4コートに分かれて部員が基礎から指導。初心者から上級者までどんなレベルでも楽しめる内容となっていた。イベントの最後に行われたサーブの的当て大会では、見事的中させた参加者に早稲田フューチャーズグッズやお菓子などがプレゼントされ、子どもたちも大満足の様子。「来年もまた来たい!」と笑顔でイベントを終えた。部員たちもテニスを教えることを通じて、テニスを楽しむ気持ちを再確認したようだ。イベントに参加した子供たちの多くはそのままシングルス決勝戦を観戦。きょうのイベントに参加した子どもたちの中には、数年後、今度は部員としてこのコートに立つ子どももいるかもしれない。この早稲田フューチャーズでの体験が、未来のテニスプレーヤーが生まれるきっかけになることを願う

キッズ向けイベントで子どもにサーブを教える藤原早気(社1=大阪・城南学園)

 シングルス決勝はDaniel NGUYEN(アメリカ)とTung-Lin WU(台湾)の外国人選手対決となった。両者一歩も引かないハイレベルなプレーの連続で、大勢の観客の視線もコートにくぎ付けに。大接戦の末、優勝を果たしたのはNGUYEN。本戦は全試合フルセットの試合を勝ち進んでの優勝だった。表彰式では藤井颯大(スポ1=京都・同志社国際)が流暢な英語でスムーズに司会進行を務めた。トーナメントディレクターを務めた石井弥起ヘッドコーチの閉会宣言を以て今大会全日程が終了。「みんなで『協力』という言葉をキーワードにやってくれて、本当によく頑張りました!」(石井ヘッドコーチ)と学生たちをねぎらった。1週間に渡って東伏見を盛り上げた早稲田フューチャーズは、大成功で幕を閉じたのであった。

決勝を戦った選手と記念撮影

 予選を含めて9日間行われてきた早稲田フューチャーズが終了。選手だけでなく、大会を裏側から支えた部員たちにとっては多忙な1週間だっただろう。しかし、彼らの顔には充実感が見て取れた。「みんな日を重ねるにつれて成長できた」(剱持)と振り返るように、今大会を通じてそれぞれの部員が自分の持ち場で成長を実感できたようだ。今後2週間大学フューチャーズが続くと、ついに本格的に学生大会シーズンに突入する。「1日1日を大事にしていかないといけない」(石井弥起ヘッドコーチ)。大会運営を通してチーム全体の絆が深めた庭球部。その活躍から、今後も目が離せない。

(記事、写真 松澤勇人)

最終成績※早大選手のみ

▽シングルス

本戦2回戦

田中優之介

本戦1回戦

坂井勇仁主将、小林雅哉、髙村佑樹

予選決勝

古賀大貴

予選2回戦

古田伊蕗副将、安上昂志、木元風哉、樋口廣太郎、藤井颯大

▽ダブルス

ベスト8

古賀大貴・安上昂志

1回戦

坂井勇仁主将・田中優之介

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コメント

トーナメントディレクター/石井弥起ヘッドコーチ

――全日程が終了しましたが、今のお気持ちは

ホットしました。ディレクターという立場はもちろん初めてで、不安もあったんですけど、金曜日だけ雨が降ってインドアというイレギュラーな状況になってしまったんですけど、大きな事故もなく、学生が頑張ってくれていてよかったと思います。

――トーナメントディレクターとして、大会の総括をお願いします

シングルス決勝戦に日本人選手が残らなかったということで正直寂しい部分もあったのですが、決勝を戦った2人のハイレベルのプレーを見ることができたし、日本人選手の注目選手でも中川くん(直樹、IMG Tokyo)、内田くん(海智、富士薬品)、清水くん(悠太、イカイ)といった将来日本テニス界を背負って立つであろう選手たちも出てくれたので、非常にレベルも高かったと思います。学生もみんな頑張ってくれていたのでよかったです。

――運営に当たった学生の動きはいかがでしたか

僕も初めて運営側に立って、学生は本当に大変だというのが分かったので、本当によく頑張ったなと思います。みんなで『協力』という言葉をキーワードにやってくれて、本当によく頑張りました!

――大学サーキットが2週続いて、その後は学生大会が始まります。新チームとしての意気込みをお願いします

4月から新年度になるんですが、このフューチャーズから新1年生も手伝いに来てくれていて、すでに始まっているという感じなんですけど、新たなチームをどうつくっていくかというのはこれからだし、春関はもうすぐそこでそれが終わればすぐ夏に向けてという感じになるので、本当に1日1日を大事にしていかないといけないなということですね。それがチーム力につながると思うので、まずは個人が頑張ることが大事だと伝えていきたいと思います。

統括/剱持梓(社2=東京・早実)

――全日程が終了しましたが、今のお気持ちは

長かったですね。2、3日目くらいにもう5日くらい経った気がしてて(笑)、前半の方は運営も長かったし、始まってみないと分からないことも多かったので長く感じたんですけど、特に大きな問題もなく、1日雨は降ったんですけど、一通り終わってとりあえずホッとしています。

――統括から見て他の役職の動きはいかがでしたか

実質新3年生以下がメインでやっているので初めての子も多くて、そこは統括2人でフォローしながら、、ちょっとワタワタした部分もあったんですけど、みんな日を重ねるにつれて成長できたかなと思います。

――「部員のみんなに楽しんでもらいたい」とおっしゃっていましたが

そうですね。優しい選手が多くて、あと同世代の選手も活躍してたので話しやすかったのもあったので、運営の部員たちも選手と交流できてたかな、と。これまでよりはみんなが試合に出てなくても関わろうという意識ができていたと思います。あとみんなから「温かい飲み物を売ってみたらどうですか」とかいろいろ提案してきてくれたりして、いろいろ考えながら、新しいことをやるという面でも楽しめてたかなと思いますね。

――きょうのイベントも楽しかったですか

いやー楽しかったですね。ワセクラで教えている子と同じ世代かもっと下の子が多かったんですけど、今日みたいなイベントがきっかけでもっとテニスをやりたいって思う子とか、もっとテニス見てみたいと思うきっかけになればいいなと思っていて。ちょっと手応えあったので、大学生としてのイベントを通しての役割は果たせたかなと思います。

――最後に、大会総括をお願いします

去年に比べてすごく学生メインで、そこに関してはうまく収まったというか、なんとかやり切った感はありますね。私もこのポジションに就いて初めて見えてくる部分がすごくあって、統括としても庭球部員の一人としてもいろんなことを知ることができたので、みんながそれぞれ自分の場所で成長できて、結果的にいい大会にできたと思います。私は大成功だと思っていますし、あとはみんなにとっていい思い出になってくれていればいいな。