三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント(早稲田フューチャーズ)3日目には、シングルス予選決勝、そしてシングルスとダブルスの本戦1回戦の一部が行われた。シングルス予選決勝には早大から2人が登場。古賀大貴(スポ2=大分舞鶴)は野口莉央(明治安田生命)相手に思うようなプレーができずストレート負けを喫したが、坂井勇仁主将(スポ3=大阪・清風)はきのうに続きプロ選手を下し、本戦出場を決めた。本戦1回戦に臨んだ小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)、坂井主将・田中優之介(スポ1=埼玉・秀明英光)組はどちらもフルセットの接戦の末、勝利とはならず。早大勢の躍進は、あす以降に持ち越された。有力選手も登場し、盛り上がりを見せる早稲田フューチャーズ。あすも東伏見を熱く盛り上げてくれるだろう。
★小林雅、善戦するも一歩及ばず
ポイントを落とし、悔しい表情を見せる小林雅
シングルスはいよいよ本戦に突入。早大からは小林雅が登場した。先に流れをつかみたいところだったが、自らのサーブで始まった第1ゲームをブレークされると、立て続けに4ゲームを落としてしまう。なんとか3-4までは盛り返したものの、第1セットを献上した。第2セットは相手のしつこいラリーにもしっかり応戦し、チャンスをものにしていく。お互いがブレークし合う中、4-3で迎えたサービスゲームをキープするなど要所を締め、このセットを取り返した。キープキープの展開で進んだ最終セット。勝負の分かれ目は3-4で迎えた小林雅のサービスゲームだった。「相手が前に出てきたところに対して、後ろに下がってしまった」。リターンでも果敢に攻めてくる相手に対し、弱さが出てしまった小林雅。自らのミスも重なり、ラブゲームでブレークされると、善戦もここまで。本戦1回戦で姿を消した。それでも「あそこまで競れると思わなかった」と自らのテニスに手応えも感じたようだ。来週以降も大学フューチャーズが続くため、格上の選手との対戦を通じて、さらなるレベルアップを図っていく。
(記事 吉田優、写真 松澤勇人)
★坂井主将・田中組は惜しくも1回戦敗退
プロ相手に互角の戦いを繰り広げた坂井主将(左)・田中組
全日本学生室内選手権で優勝、フューチャーズトーナメントで通算2勝を挙げ、今や学生ナンバーワンダブルスと名高い坂井主将・田中組。「優勝したい」(田中)と意気込んで早稲田フューチャーズに臨んだ。1回戦の相手は中川直樹(IMG Tokyo)・清水悠太(イカイ)組。共にジュニア時代から世代トップを走ってきた日本テニス界期待のホープだ。試合は立ち上がりからレベルの高いラリーが続き、次第に観客の視線も集まるように。坂井・田中組は鋭いサーブを中心とした攻撃的なダブルスでポイントを重ね、サービスゲームはなんなくキープに成功する。しかし、リターンゲームでは相手のテクニックと力強さを兼ね備えたショットに苦しめられ、ファーストセットはお互い一歩も譲らぬままタイブレークに突入した。迎えたタイブレークでは先にミスが出た早大ペアが連続ポイントを許し、流れをつかめず。「悪い落とし方」(坂井)でこのセットを奪われてしまった。「出だしを集中してやればチャンスは来る」(坂井)と臨んだセカンドセット。そのプラン通り第1ゲームでいきなり中川のサービスゲームをブレークする。その後一度は追いつかれるも、中川サーブの第9ゲームで再びブレークに成功し、6-4でセカンドセットをものにした。勢いそのままに勝利をつかみたかったスーパータイブレーク。しかし、「取れそうで取れないポイントがたくさんあった」(田中)、「単調になってる部分があった」(坂井)と振り返るように、大事なポイントで好プレーを見せた相手ペアに流れを奪われてしまった。フルセットの接戦の末、勝利とはならず。同世代のプロ選手相手に学生の力を見せつけることはできなかった。「もう一つ二つ引き出しを増やさないといけない」と課題を口にした坂井主将。きょうの試合での反省を生かし、今後も学生テニス界を代表するペアとして、もっと上を目指してほしい。
(記事、写真 松澤勇人)
結果
▽シングルス予選決勝
〇坂井勇仁主将6-4、6-2竹島駿朗(Team REC)
●古賀大貴0-6、4-6野口莉央(明治安田生命)
▽シングルス本戦1回戦
●小林雅哉3-6、6-4、3-6竹内研人(北日本物産)
▽ダブルス1回戦
●坂井勇仁主将・田中優之介6-7(2)、6-4、6-10中川直樹(IMG Tokyo)・清水悠太(イカイ)
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コメント
坂井勇仁主将(スポ3=大阪・清風)・田中優之介(スポ1=埼玉・秀明英光)
――いまの率直なお気持ちはいかがですか
坂井 勝ちたかった・・・ですね。
田中 全然不完全燃焼ではないんですけど、なんかモヤモヤするというか、いい負けではなかったです。
――どんな部分が勝敗を分けたと思いますか
坂井 いけそうでいけない、取れそうで取れない、突き放せそうで突き放せないというのがあって、チャンスはたくさんあったんですけど、それを取るより逃すことが多かったかなと思います。
田中 タイブレークでも取れそうで取れなかったポイントがたくさんあって、それが取れれば流れも変わったと思うんですけど、取れなかったから相手に流れがいってしまいましたね。
――ファーストセットはタイブレークの末落としてしまいましたが、セカンドセットにはどういった意識で臨みましたか
坂井 ファーストの落とし方がいい落とし方ではなかったんですけど、セカンドセットの出だしを集中してやればチャンスは来ると思っていたので、声掛けあって、出だし2-0と離せたところまではよかったかなと思います。
田中 ファーストセット落としたときは、これまではトイレに行ったり二人で話し合う時間を作ってたんですけど、先週の亜細亜もそうだったんですけど、普通のチェンジコートと同じように取ってしまったかな、と思います。
坂井 セカンドセットにかけて淡々とやりすぎたというか、短い中でもうまい時間の使い方を意識しないといけないなと思いました。
――ファイナルタイブレークを振り返って
田中 僕は相手の片方が落ちてきてるなと思ったので、そこに付け入ればいけると思ったんですけど、相手もプロなんですぐに復調してきて、そう簡単にはいかなかったですね。
坂井 僕らが単調になってる部分があって、そういったところでもう一つ二つ引き出しを増やさないといけないなと思いました。
――ダブルスでの今後への意気込みをお願いします
田中 優勝しても、すぐ次の大会で初戦負けみたいなことが多いので、コンスタントにフューチャーズでベスト4、決勝にいけるようになりたいと思います。
坂井 2回優勝したんですけど2回1回戦負けしてしまったのでチャラというか、また一から地道に積み上げていきたいと思います。
――坂井さんはきょうのシングルス予選決勝を振り返っていかがですか
坂井 竹島さん(駿朗、Team REC)はタッチがうまいタイプの選手なんですけど、それに合わせずに自分のペースで試合を進められたのはよかったと思います。
――あすの試合への意気込みをお願いします
坂井 とにかくいい試合をして、相手はインカレインドア(全日本学生室内選手権)優勝してる選手ですが、早稲田の主将として挑みたいと思います。
田中 相手は早稲田の主将なので、胸を借りるつもりで、暴れたいと思います。
小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)
――きょうの相手選手にはどのようなイメージを持っていましたか
イメージっていうのはあまりなかったんですけど、左利きで結構やらしいプレーをしてくるっていうのは思っていました。それに対してしっかりとラリーしていってチャンスが来るまで待つっていうのを考えていました。
――ファーストセットは0-4に離されてしまったのはかなり大きかったですか
自分のサービスゲームを2回落としてしまったっていうのは本当に不利な状況なので、3-4まで頑張って持ち直しても向こうが1ブレークアップだったので、そこはせめて0-3までで自分のサーブは取っておきたかったです。
――セカンドセットはブレークが続いた中で先にキープできました
セカンドは3-2からブレークして4-3の時の自分のサービスをキープできたのは本当に大きかったかなと思います。その時のサービスゲームは正直緊張していてファーストサーブが重要になるのかなと思っていました。そのゲームはファーストサーブもしっかり入ってポイントにつなげられたのかなと思っています。
――ファイナルセットはお互いにキープが続いた中で、先にサービスゲームを落としてしまいました
そうですね。3-4のサービスゲームですね。そこが自分の凡ミスもあったり、相手が結構プレッシャーをかけてきていたかなと思って。自分の球が結構浅くなってしまっていた気がすごくします。ファーストサーブもあまり入ってなかったかなと思うので、相手に前に入られていた気がするんですけど、それに対して自分が下がってしまいました。もったいないゲームだったかなと思います。
――試合を通してラリーがよく続いている印象でした。収穫や手応えはありましたか
正直自分もあそこまで競れるとはあまり思っていなかったので、逆にチャンスもあるんだなと改めて分かりました。あとは試合中相手のバックばかり狙っていたんですけど、途中から(相手は)バックの方が上手いのかなと思って。もう少し相手のフォアにもしっかり狙えればよかったのかなとか、戦略的にももっと考えなければならないところだなと思いました。
――今月は大学フューチャーズが続きますが、来週以降どういった戦いをしていきたいですか
自分らしいテニスをしていければいいと思います。緊張もせず思い切って、しっかり打てるところは打って、ネットプレーに出るところは出て、楽しくできればいいのかなと思います。