【不定期連載】『早稲田からWASEDAへ』第3回 坂井勇仁×田中優之介

庭球男子

 2018年1月、新年早々庭球部にうれしいニュースが入ってきた。坂井勇仁主将(スポ3=大阪・清風)・田中優之介(スポ1=埼玉・秀明英光)組が香港F6フューチャーズダブルスで優勝。フューチャーズで2つ目のタイトルを獲得した。昨年12月の全日本学生室内選手権でも優勝し、今や学生ナンバーワンダブルスとの呼び声が高い坂井・田中組。「早稲田からWASEDAへ」――早大から世界へ羽ばたこうとしているテニスプレーヤーたちが、今思うこととは。直前に迫った三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント(早稲田フューチャーズ)への意気込みも伺った。

※この取材は2月28日に行われたものです。

海外遠征を経験して

海外遠征の思い出話は尽きなかった

――先日トルコ遠征から帰国したばかりとお聞きしたのですが、疲れなどはありますか

坂井 月曜に帰ってきたんですけど、月、火と時差ボケで眠れなかったです。時差ボケするのが生まれて初めてで、夜4時くらいまで寝れないっていう、結構大変でしたね。

田中 しかも夜中眠くなくて暇なんですよ。でも誰も起きてないし、まじで暇でした(笑)。

――トルコでは観光などはできましたか

田中 キレイでしたよね、トルコ。

坂井 まあね。でも観光地というかリゾート地って感じだったので、海があって、テニスコートがあって、ゴルフ場があって、みたいな。

田中 モール行ったくらいですかね、あれ行ったうちに入るのかな(笑)。

――遠征はどんなメンバーで行ったのですか

坂井 坂井、田中、小林(雅哉、スポ2=千葉・東京学館浦安)、島袋(将、スポ2=三重・四日市工)、千頭(昇平、スポ1=愛知・誉)の5人で行ったんですけど、千頭はケガしてしまって途中で帰国しました。

――これまでの海外遠征と同じくランキングを上げたい人を募って、という感じでしょうか

坂井 そうですね、世界を目指していきたい人を集めてっていう感じです。

――トルコ遠征は全体的に振り返ってどんな遠征になりましたか

坂井 全体を通して、島袋が1ポイント取れただけで終わってしまったので、全体として成功とはいえない海外遠征だったかなと思います。でもシングルスは予選で強い選手を倒して本戦に上がれたり、収穫はあったかなと思います。

田中 そうですね、自分もポイントが取れなかったのは残念なんですけど、予選で世界ランク600位台の選手に勝てたのは自信になりましたね。

坂井 あと今回の遠征を通して、500、600位台より下なら、そこまで差はないなと感じました。その中でいかに勝っていけるかがポイントを取れるか取れないかにつながってくるのかなと思います。

――遠征での面白エピソードなどがあれば

田中 千頭と雅哉さんがずっとじゃれ合ってました。

坂井 こうやって、小林が足で千頭の頭挟んで。

田中 しかもずーーっとやってるんですよ、ほんとに。

坂井 1日10分×4セットくらいやってました。周りは、またやってるよって。

田中 その二人が一緒の部屋だったらいいんですけど、部屋割りが田中・千頭、坂井・小林、松崎(勇太郎、平29スポ卒=神奈川・湘南工大付)・島袋だったんで、俺らは被害者です(笑)。

――なにかハプニングなどはなかったですか

田中 あ、そう!僕と千頭が泥棒に遭ったんですよ!

坂井 二部屋がベランダでつながってて、自由に行き来できるんですけど、急に千頭が、「坂井さーん、部屋に誰かいるんですけど~」とか言って。

田中 部屋戻ったら僕のラケットがラケバにいれてあるはずなのに、そのへんに置いてあったんですよ。千頭が、「コイツこれ持ってたんだけど!しれっとここにおいて出ていった!」って言ってて。

坂井 そんで千頭に、「なんでお前取り押さえなかったの?」って聞いたら、「いや、殺されちゃうと思いました!」って(笑)。

一同 (爆笑)

田中 「焦った」とか言ってね(笑)。

――何も盗まれはしなかったのですか

田中 なんも盗まれてはなかった、はずです。

坂井 多分海外の選手だったと思うんですよね・・・ジュニアっぽかったかなあ。

田中 千頭が、「この距離だったから顔覚えてるわ、やばい」とか言ってて、次の日の朝に「あいつかもしれない」とか言うんですよ。

坂井 「え、まじで?」って聞いたら、そのあとも、「あ、あいつかも」って4回くらい言ってて、もう諦めました(笑)。

田中 あ、それから僕は体調不良にもなって、腹痛とか高熱とか、大変でしたね。隔離されてました。

坂井 優之介が下痢で夜中トイレに行くのを10回くらい繰り返すんですけど、部屋が二つに分かれて、でもトイレは一つしかないので毎回俺が寝てるベッドの横を通ってガチャってドア開けて。

田中 ほんとに10回くらい行きました(笑)。30分に1回くらい。

坂井 そのたびにトイレから聞こえるんですよ。嘔吐する音とか。下痢の音も。「ギュルギュル~」って(笑)。

一同 (爆笑)。

田中 辛かったですよ、ほんとに(笑)。

坂井 まあいい思い出ですね。

――12月から1月にかけては香港にも遠征に行っていましたが、そちらも同じメンバーですか

坂井 香港は、僕、古田(伊蕗副将、スポ3=静岡・浜松市立)、田中、小林でしたね。

――香港遠征は全体的に振り返って

坂井 香港の1週目は、雅哉が本戦からだった以外は、僕、古田は予選決勝負け、田中は出る資格すらなかったという、しかも僕と田中のダブルスもギリギリ出れなくて、本当に散々な結果でしたね。

田中 向こう行ったのに試合に出れなくて、正直モチベ上がらないじゃないですか。「マジか~」と思いながら、練習はちゃんとやってたんですけど。

坂井 2週目もこんなんだったら帰って合わせる顔がないなという状況だったので、最後の最後でダブルス優勝してなんとか成功っぽくはなったんですけど、裏を返せばシングルスは全然勝てなかったって感じでした。でもダブルス優勝は、あのレベルで優勝できたというのは本当に自信になりましたね。

田中 全日本(三菱電機全日本選手権)で準優勝したことある選手とかに勝ったり、決勝で勝った今井さん(慎太郎、平28スポ卒=現東通産業)・仁木さん(拓人、三菱電機)とかも日本ランク3、4位ですし、そういった人たちに勝てたというのは、自信になりました。

――香港は満喫できましたか

田中 僕は香港の方が楽しめなかった感じがします。クリスマスとお正月が遠征と被ってて、僕らクリスマスも年末も香港だったんですよ!みんながSNSで、「クリスマス~」とか載せてるの見て、うらやましいってなりながら、僕試合に出てすらなかったんで(笑)。

――香港の年越しはいかがでしたか

田中 部屋でグダグダしてました。

坂井 みんなで日本からカップそば買って持って行って、11時くらいに年越しそば食って、さあ寝ようと思ったら外がお祭り騒ぎみたいになって、寝れないっていう。なんか花火がすごかったです。

田中 でも以外と中国って旧正月の方がお祝いって感じらしくて、そこまでみんな「あ、花火ね」みたいな感じで。朝も全然人いなかったし。

――4年生の方々が旅行で遊びに来たと聞いたのですが

田中 あー来ました。

坂井 僕らが真剣に練習してたら、なんか後ろでフェンスの隙間から覗いてる人がいて、誰?と思ったら増田さん(政経4=チリ・Nido de Aguilas International School)と森山さん(颯太、商4=埼玉・川越東)でした(笑)。

田中 國定さん(慶太郎、社4=福岡・筑陽学園)はめっちゃ写真撮るし、表紙に『香港・マカオ』ってドンって書いてあるガイドブック片手に。

――観光もできたのですか

坂井 僕と優之介はあんまり行ってないですね。でも賑わってる街?というか、新宿みたいなとこが近くにあって、いつもそっちにご飯食べに行って、お店見たりしながらみんなで歩き回るって感じでしたね。

――お二人はこれまでに海外遠征の経験があると思いますが、率直に海外遠征は好きですか

田中 僕はジュニア時代からずっと行ってて、正直僕は成績によって違うかなと思います。1回戦負けとかで残ってたらつまんないってなるんですけど、大学入ってからの海外遠征は正直めっちゃ楽しいです。やっぱりメンツが、面白いんで、すごく楽しめます。

――大人数での遠征は楽しい、と

田中 そうですね。ずっと僕はコーチと二人とか、少人数で行ってたので。つまんなかったわけではなかったんですけど(笑)。

――坂井さんはいかがですか

坂井 ジュニアの時は1回も行ったことなかったですし、去年のインドネシアで初めてで、今年香港、トルコと行かせてもらって、楽しさもあるんですけど、僕はどっちかというと興味があって。もっとジュニアの時から行ってればよかったかなと思います。

――昨年は6月の昭和の森国際男子オープンで優勝するなど国内フューチャーズにも参戦していましたが、やはり国内のフューチャーズと海外のフューチャーズの雰囲気は違うものなのですか

田中 僕のイメージは、日本のフューチャーズは、どちらかというと全日本とかに出るような日本のトップが出るので、「強いな」と感じるんですけど、海外のフューチャーズはほとんど外人の選手でいろんな国の選手がいて、そういう選手が「あ、この人あそこのフューチャーズで優勝したんだ」とか思うことは結構あります。

坂井 優勝したときは、全員日本人ペアと当たったのでフューチャーズっていう感じはあんまりしなくて、香港でも日本人対決はあったんですけど、準決勝はアメリカの大学生と当たって、そういうのが刺激になりますね。例えば自分たちが勝った相手が違う大会で勝ってたりするとこっちもモチベーション上がりますし、逆に僕らが負けた相手が次の大会で変な相手に負けてたりしたら、浮かれてられないなみたいなのもあります。

――坂井さんは主将として、学生が在学中から海外遠征に行くことについてはどんな考えを持っているのですか

坂井 僕自身は、庭球部にいる限りはできるだけ上を目指してほしいというのがあって。この部にいる以上、上級生でそこまで強くないとサポートに回る人が出てくるので、でも早稲田の部員はみんなテニスの実力は高いですし、自分の持つ目標さえきちんと定められれば僕の後輩たちはみんな全日本の予選に出てもおかしくはないくらいのレベルだと思っているので、ここにいる以上は上のレベルを目指してほしいなと思っています。その一環として、上位層は『ここまでいけばOK』みたいな上限は取り払って、どんどん上にいってほしいというのはあります。

「自分ももっと頑張ればいけるんじゃないか」(田中)

坂井(左)・田中組はインカレインドアで優勝するなど、今や学生ナンバーワンダブルスだ

――同世代ですでにプロとして活動している選手と対戦する機会もあると思いますが、刺激は受けますか

田中 そうですね、刺激になります。ほんの昨日のことなんですけど、慶應チャレンジャー(慶應チャレンジャー国際テニストーナメント)で一個下でことし慶大に入る羽澤くん(慎治、慶大入学予定、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス866位)が、アジア1になったことのある韓国人選手に勝って、すごいなと思う半面、頑張れば僕も行けるんじゃないかというのは感じます。錦織(圭、日清食品、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス25位)が勝ってるから行ける、とかよりももっと身近な気がするので、自分ももっと頑張ればいけるんじゃないかなというのはあります。

坂井 清風出身では上杉さん(海斗、慶大4年)や望月(勇希、中大2年)が学生ながらどんどんランキングを上げていて、シングルスでは上杉さんや望月に全然及んでいないんですけど、それでも刺激にはなりますね。そういう身近な人が上に行っているので、部員のみんなには、あの人たちがやってくれていることを、焦る必要はないので、いい風に捉えててやってくれるといなと思います。

田中 ジュニア時代に対戦して勝ったことある選手がもう300位台とかにいたりしますもんね。あ、これは極端な話なんですけど、デニス・シャポバロフ(カナダ。ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス44位)とか、アレックス・デミナー(オーストラリア、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス167位)とかも同じ大会に出てて、シングルスではボコされたんですけど、ダブルスでは勝ったことあったりするんですよ!そういう選手が世界のトップになろうとしていると思うと、あの時から何か違ったのかなって思っちゃいますよね(笑)。でもその反面、500位とか600位とかにいる選手もたくさんいるので、僕もなにか一ひねりあればいけるんじゃないかなというのはありますね。

坂井 僕は誰が同年代かも知らない・・・

田中 チョン・ヒョン(韓国、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)男子シングルス26位)とか?坂井さんの一個下かな。

坂井 同い年とかでそういう位置にいるって想像できないですよね。自分はこれまでウィンブルドンとか見たことなかったんですけど、去年楽天オープンを見に行って、そこで初めてゴファン(ベルギー、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス7位)とか、ラオニッチ(カナダ、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス38位)とか、世界のトップ10に入るような選手たちを見て、あの試合を見てから価値観変わったなと思います。まさに、『百聞は一見に如かず』ですね。

――お二人の好きなテニスプレーヤーは誰ですか

坂井 ミーシャ・ズベレフ(ドイツ、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス53位)と、デニス・シャポバロフですかね。あ、あとジェイミー・マレー(イギリス、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)ダブルス8位)です。ジェイミーはダブルスが面白いですよね。フォアはスライスしか打たないんですけど、そのスライスが奥深いんですよ。スライスだけで沈めたり、ロブ打ったり、相手を翻弄(ほんろう)するのが、深いですね。

田中 結構前にミーシャ・ズベレフがアンディ・マレー(イギリス、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス29位)に勝ったときの動画を坂井さんがずっと見てて、「俺サーブアンドボレーヤーになるわ」って言ってたんですけど、あれどこいったんですか?(笑)

坂井 あれはあれで心の中にずっといます。ただジェイミーは参考にはならないです(笑)。ただの趣味です。

――田中選手はいかがですか

田中 キリオス(オーストラリア、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス20位)です。見てて楽しいじゃないですか、僕には到底真似できないような。自主練とかで真似してます。

坂井 自分は左利きなんで、昔は「ナダル(スペイン、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス2位)って言っとけばええやろ」って感じでしたね。

――お二人はご自身のランキングはご存知ですか

田中 シングルスは1700、1800くらいで、僕1点しか持ってないんで、気にしてたら恥ずかしいくらいです。

坂井 ポイント取ったら気になるくらいじゃないですかね。取ったのに気にならないとか言ってる人は、僕の予想なんですけど、ただの強がりだと思います。

田中 ダブルスは900位台後半くらいですか?

――田中選手が910位、坂井選手が911位です

坂井 なんでお前の方が一つ上なんや。

田中 俺は2大会しか出てないからじゃないですか。

坂井 あーそっか。俺去年早稲田フューチャーズ出たからか。

――プロ選手と対戦する中で、通用したと感じたところはありますか

田中 僕は、フォアハンドで逆クロス打って、返っててきたのをストレートみたいな、フォアハンドでの展開力は、ミスもあるんですけど通用したなと思います。ただ、通用してるところ以上に通用してないところが分かりやすいですね。

――具体的に課題として挙げられるのは

田中 バックハンドの強化ですかね。あと、スライスの返球の仕方が全然違うなと。僕はそんなにスライスうまくないんですけど、外人選手はバックハンドがうまくなくてもスライスでカバーしてたりするんで。あと試合見てて思ったのは、トルコで僕らは全然勝てなかったんですけど、僕らよりも年下の台湾人選手とかが勝ち上がっていて。そういうのを見て、もっと頑張ろうと思いました。

坂井 16、か17で、ジュニア3位くらい、みたいな子で。エグかったよな。

田中 エグかったっすね。

――坂井さんはいかがですか

坂井 僕はショットの質は田中もそうなんですけど、通用はしてると思っていて、あとは駆け引きだとか戦術面で、あともう一つ二つ引き出しを増やせないといけないなと感じました。勝負センスを磨くというか、頭使わないといけないなと思いましたね。こっちだとある程度サーブとかパワーで押しきれる試合もあるんですけど、それが通用しない試合が多いので、頭使わないとって感じです。もっと頭使ってやりましょう!

「格上をなぎ倒して進んでいく選手が必ず出てくる」(坂井)

昨年の早稲田フューチャーズでの坂井

――ここからは早稲田フューチャーズの話に移ります。まずは昨年の大会を振り返っていただけますか

田中 シングルスの本選ワイルドカードをいただいて、仁木さんと当たったんですけど、当時は4-6、4-6で競れたことに満足した自分がいて、仁木さんはすごく強いイメージがあったんで、途中勝ってた場面もあったのに気が抜けてしまった場面もあったなと思います。なのでことしは勝ちに行く大会にしたいと思います。

坂井 僕は正直早稲田フューチャーズにいい思い出があまりなくて・・・今年はやっぱり主将なんで、しっかり照準を合わせて戦っていきたいと思います。目標は、やることをやれば結果はついてくると思うので、観客のみなさんや大会をつくってくださった皆様に感謝の気持ちを込めて、それが現れるプレーを見せて、最後までファイトしたいです。

――ことしの早稲田フューチャーズでの目標は

田中 ダブルスは優勝したいです。シングルスは、優勝とか目指してたら空回りしちゃうので、一戦一戦出し切っていきたいと思います。

――ずばり今大会の見どころはどんなところでしょうか

坂井 海外からも選手が集まりますし、そういう日本のトップや海外選手相手に学生がどこまで戦えるかというのが、僕目線の毎年の楽しみではありますね。

田中 全日本選手権でトップになった選手とか、若手の、期待のホープたちも出場しますし・・・

坂井 お前も若手のホープやで。

田中 いやいや、自分はそんな・・・清水悠太選手(イカイ、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス666位)とか、中川直樹選手(IMG Tokyo、ATP世界ランキング(2018年3月5日付)シングルス590位)とか、期待のホープたちを見れるのも見どころの一つだと思います。

坂井 あ、あと大会には中学生がボーラーに来てくれるんですが、僕は早実の担当をしていて、最初みんなあたふたしちゃうんですけど、それすらもかわいらしく見えてくるんですよね(笑)。「あー、頑張ってるじゃないかあ」って(笑)。中学生のボーラーにも注目です。

――早大勢で注目選手はいますか

田中 茶番ですけど(笑)、島袋さんは学生の中でもトップなので、どこまでいけるか楽しみというのはあります。例えば島袋さんが上に行ってくれたら、普段の練習でも刺激になると思いますし、まあエースには頑張ってほしいです。

坂井 お前も頑張れや。

――坂井さんはいかがですか

坂井 注目選手は・・・まあ僕なんですけど・・・

田中 おお~(笑)

坂井 やっぱ今のなしで。みんな注目です!(笑)毎年ワイルドカードから上がっていく選手がいるので、去年だったら古田とか安上(昂志、スポ2=福岡・柳川)とか、格上をなぎ倒して進んでいく選手が必ず出てくるので、ワセダの選手が大会を通して成長していく姿も見れるいい機会だし、部内争いもあると思うので、そういうところも楽しみですね。

――早稲田フューチャーズには早大OBのプロ選手も出場すると思いますが、刺激にはなりますか

田中 そうですね。大学卒業してからでも遅くないというのを分からせてくれる人なので、それはすごく尊敬しています。

坂井 片山さん(翔、平24スポ卒=現伊予銀行)も今井さんも、卒業後もすごいですけど大学時代からすごい選手だったので、大学時代から単複ですごいと言われる選手を目指してほしいなと思います。先輩方のように、大学卒業してからでも遅くないと言えるような実力をつけて、今の選手たちには羽ばたいていってほしいなと大いに思います。

――ワセダの選手にとってはホームコートで試合ができるというのは大きいのでしょうか

坂井 海外に行って思ったんですけど、ボールやコートに入って調整する時間がいらないというのは大きいなと思います。初めて来るコートだったら、「ここはこういうコートだからこういううプレーをしよう」と調整しないといけないんですけど、その点いつもここでやってる僕らは思いっきりやればいいだけなんで、そこはアドバンテージかなと思いますね。

田中 とは言っても、正直すごく特徴的なコートではないと思うので、そこまでアドバンテージにはならないかなと思います。

――早稲田フューチャーズにはどんな人に見に来てもらいたいですか

田中 あんまりテニスに興味ない人でもフラーっと来てもらって、テニスってこんなスポーツなんだっていうのを知ってもらえるだけでもうれしいですし、あとは、「このレベルでこんなにすごいなら、世界のトップはどんだけすごいんだろう」って思ってさらにテニスにハマってくれる人もいると思います。

坂井 早稲田の学生にもっと広めたいですね。東伏見キャンパスからすぐ近くですし。学内にもっと宣伝したいですね。

――最後に、この記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします

坂井 先いいよ。

田中 えーっと、この記事を読んでくれた方は、きっと僕らのプレーを見に来てくれると信じているので、待ってます!少しでも勝てるように頑張るんで、応援してください!

坂井 この記事を見てくれた方々、いつも早スポをご愛読ありがとうございます!庭球部の前半の一大イベントの一つなので、ぜひ見に来てください!あ、あと配信するんやっけ?

田中 Youtube配信はするみたいですよ、たしか。

坂井 配信もするんで、もしどうしても足が動かないという人は、お家で寝転びながらでも、コーヒーを飲みながらでもいいので、ぜひご覧ください!よろしくお願いします!

――ありがとうございました!

(取材・編集 松澤勇人)

◆坂井勇仁(さかい・ゆうと)(※写真左)

1996(平8)年12月14日生まれ。身長177センチ、体重64キロ。大阪・清風高出身。スポーツ科学部3年。ATP世界ランキング(2018年3月5日付)ダブルス911位。昨季の主な成績は、昭和の森国際男子オープンダブルス優勝。今季の主な成績は、香港F6フューチャーズ男子ダブルス優勝。入学以来何度も色紙を書いていただいてきた坂井選手。最近は英語で書くことにハマっているそうで、「Next Stage」と書いてくださいました!

◆田中優之介(たなか・ゆうのすけ)(※写真右)

1999(平11)年3月3日生まれ。身長178センチ、体重70キロ。埼玉・秀明英光高出身。スポーツ科学部1年。ATP世界ランキング(2018年3月5日付)ダブルス910位。昨季の主な成績は、昭和の森国際男子オープンダブルス優勝。今季の主な成績は、香港F6フューチャーズ男子ダブルス優勝。「色紙書くの苦手なんですよね~」と話していた田中選手。坂井選手にペンの持ち方から指導されながら、丁寧に書き上げていました!

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