【連載】王座直前特集『挑戦』 第2回 古賀大貴×髙村佑樹×安上昂志

庭球男子

 第2回に迎えるのは2年生トリオ。今季ダブルスを中心に存在感を見せ始め、団体戦初出場を果たした古賀大貴(スポ2=大分舞鶴)・安上昂志(スポ2=福岡・柳川)と、昨季団体戦でダブルス全勝の活躍を見せた一方今季はシングルスでも上位進出を果たしている髙村佑樹(スポ2=千葉・東京学館浦安)だ。関東大学リーグ(リーグ)ではダブルスで貢献した三人は、全日本大学対抗王座決定試合(王座)においてもチームに勢いをもたらす存在になるはずだ。昨年の王座を経験した感想、選手の立場になり初めて分かったこと、2年目の王座へ懸ける思い――時に真剣に、時に笑いを交えて語ってくれた。

※この取材は9月26日に行われたものです。

「出られたことに満足するのではなく、5戦全部に出られるように」(安上)

リーグ初出場ながら堂々のプレーを見せた安上

――まず全日本学生選手権(インカレ)、関東学生選手権(夏関)といった直近の個人戦はどう振り返りますか

古賀 僕はシングルスはあまり思うような結果は出せなくて、ダブルスはもうちょっと上にいけたかなというのが正直な感想で。コンスタントでベスト8、16くらいの成績は出せていたのですが、そこのカベを破ることができなかったのがすごく悔しいというか。でも確実に上の選手たちの背中は見えているので、王座が終わってからもインカレインドア(全日本学生室内選手権)とかで一つでも上にいけたらいいなと思っています。

安上 僕はシングルスではインカレで思うような結果が出なくて、それが悔しくて夏関で頑張ろうと思って。三好さん(健太副将、スポ4=埼玉・秀明英光)にいいところまでいったものの勝ち切れなかったのですが(●6-3、5-7、4-6)、自信にはなりましたね。ダブルスは新進(関東学生新進選手権)からずっと古賀と組んでいて、春関(関東学生トーナメント)、インカレ、夏関とある程度の結果はアベレージで残せていると思うのですが、ベスト4懸けくらいでいつも負けてしまうので、ダブルスが好きですしもう一つ勝ちたかったなという気持ちが正直なところです。

――今の結果以上を出すために必要なことは何だと思いますか

古賀 上の選手とやる時、僕らが流れに乗った時に平常心でできていなかったということをコーチにも強く言われていて。大事な場面でいかに自分たちがいつも通りできるかというところがなかなか難しいのですが、一番大事かなと思います。気持ちの持ち方ですね。

安上 どんなに強い相手でも今までリードすることはできていたので、パートナーも言ったようにリードした時に今まで通り元気よくできるかどうかかなと。僕らは元気のいい方だと思うので、リードしてちょっとセット取れるかな、勝てるかなという時に緊張してしまうことなく、そのまま元気よくできれば技術であったりファイトする気持ちであったりは優勝している人たちと全然変わらないと思うので、そこかなと思います。

――髙村選手はインカレを振り返っていかがでしょう

髙村 インカレの1週間くらい前からしっかりと練習できるようになって、シングルスのイメージはすごくできていたのですが、動けるかなというところが自分の中で正直心配でした。でも試合をやる度に逆に動けるようになっていって、すごくいいプレーができるようになっているなと自分でも思っていて。三好さんとやることができて、負けてしまったのですが(●5-7、1-6)自分の中ではインカレのシングルスはすごく良かったなと思っています。でもダブルスは3回戦で負けて(●5-7、2-6今村昌倫・福田真大、慶大)、正直実力があまり上がってきていないなと自分も感じていて。相手が強かったというのもあるとは思うのですが、自分たちのプレーもあまり良くなってきていないなというのがあるので、ペアもまだ分からないのですが自分の能力をもっと上げていかないといけないかなと感じました。

――団体戦シーズンに入り、古賀選手、安上選手はリーグ初出場を果たしました。心情としては「やっと」、「ついに」などどのような感情がありましたか

古賀 「やっと」というよりは「ついに」ですね。

安上 去年は正直出る場所がないかなと思っていて(笑)、でも二人でサポートしていて「悔しいね」みたいな思いはあったので、(ことしは)出られて素直にうれしいですね。でもことしはチャンスはあるかなとは思っていました。

古賀 要するに「ついに」ですね。

一同 (笑)

――髙村選手は2年目のリーグになりましたが、余裕が出てきたなど気持ちの面で変化はありましたか

髙村 いや、やっぱり団体戦は全然慣れなくて。去年の最後の方が慣れていたんじゃないかなと。また逆戻りしている気がします。去年の初戦と同じくらい緊張しました(笑)。

――ご自身のリーグでの試合はどう振り返りますか

古賀 僕は以前の取材でも言ったのですが、安上と最初から元気を出していこうと言っていて。元気よくできて、それがいい結果につながったので、初めてだったのですがプレーとしては良かったと思いますね。でも(出場が)1試合目だけになってしまったので、5戦全部に出られるくらいの力をもっとつけないなと改めて感じました。

安上 初戦は(チームとして)大事だと思うのですが、そこで出してもらって二人でいいプレーができたということはすごく良くて。パートナーが言ったように中大戦とか法大戦、早慶戦に出たいなという気持ちは正直ありましたが、そうは甘くないぞということだと思うので、リーグに1戦出られたことに満足するのではなく5戦全部に出られるようになりたいなと思いました。最後の明大戦は髙村と組むことになったのですが、できることだけしっかりやろうという感じで。ファイナルに入ったところで古賀がベンチコーチに入ってくれたので気持ちが結構落ち着いたし、逆に気持ちを上げていくことができたので、僕はいいなと思っていました。ただ明大戦では緊張はそんなにしなかったのですが、どうしても競った場面になった時に思うようなプレーができていないなと感じたので、そこはちょっと反省だなと思いました。

――お二人は実際に選手として出場してみて、サポートとして見ていた時とのギャップは感じましたか

古賀 僕は応援が心強いなと思いましたね。応援が盛り上げてくれたらこっちも盛り上がるし、逆にこっちが駄目な時に応援にプッシュされることでもう一度頑張ろうと思うし。プレーどうこうというより応援の力がすごくありがたいなということは、選手になって初めて感じました。

安上 (ダブルス)1、2が強いので、僕らが気負うこともなく、気負うほどそんなに強くもないので、僕はチャレンジャー精神で臨めましたね。去年は出たら緊張するんだろうなとか思っていたのですが、実際は意外とやれるなということは感じました。

――髙村選手はご自身の試合をどう振り返りますか

髙村 慶大戦は齋藤聖真さん(スポ3=神奈川・湘南工大付)と出て、いつものペアだったのですが初戦ということもあったのか、二人とも緊張していて動きが硬かったと試合中から感じていました。うまくかみ合わない時間帯がかなり長くて、思うようなプレーができなかったなというところが少し残念なので、王座では絶対ないようにしないといけないなと。明大戦で組んだ安上とは練習で少しやったくらいで、そこ(のペアリング)で出ると言われたのが前日の夜でしたが、見ている感じだと僕の好きなプレーだったので合うのかなと思っていたし、実際にやってみたら結構合って、1回目にしてはかなりいいプレーができていたのではないかなと思いました。

――リーグでのチームの戦いぶりはどうご覧になりますか

古賀 中大戦まではすごくいい流れできていたと思うのですが、やはり慶大の時に向こうも力をつけていて、僕は出られなかったのですがダブルス1-2で折り返したのが一番問題というか、課題というか。僕らもこれだけの戦力がいるのですが、相手にも戦力がいる中で先手を取られたということはチームとして一番の課題だなと感じました。最終戦の明大戦もすごく出だしが悪くて、チームの中で浮ついた雰囲気があったということは選手一人一人の反省として出ていて。王座では一戦一戦トーナメントでの勝負になってきて、終わってから「出だしが悪かった」と言っても遅いので、もう一度気を引き締めてやっていかなくてはいけないなと感じました。

安上 去年よりは選手だけじゃなくて応援だったりサポートだったり、みんなで戦えているなということは、ことし立場は違うのですが感じていて。シングルス陣はすごく充実していて、油断はできないのですが安心していられるなとは感じたのですが、やはりダブルスでしっかり3-0にできるようになっていればもっと楽に試合を進められると思うし、シングルス陣ももっと伸び伸びプレーができるなと。早慶戦を見ても2-1になってしまった法大戦でも、ダブルス陣は頑張っているのですが勝ちを3本取れればシングルス陣も本当の強さを出せるんじゃないのかなとは感じましたね。

髙村 去年と比べてシングルスはものすごく力強くてメンバーがそろっていると思うのですが、ダブルスで法大を相手に1本落としたりとか慶大に1-2だったりとか・・・僕も1本落としていて、去年は全勝だったのでかなり悔しい敗戦で。ダブルスで有利に立たないとシングルスのメンバーにはストレスをかけてしまうと思ったので、改善していかなくてはいけないなと思います。

――ではチーム全体の課題はダブルスだということが共通認識としてあると

古賀・髙村・安上 はい。

――逆にリーグを通してチームとしての収穫や良かったところはありますか

髙村 シングルス陣が本当に強いなと再認識しました(笑)。

一同 (笑)

髙村 千頭(昇平、スポ1=愛知・誉)とかは1年生でもすごく安定しているなと感じられたのが収穫ですね。

――個人としての収穫、課題はいかがでしょうか

古賀 収穫はやはりリーグ戦でプレッシャーのかかる中でいつも通り戦えたというところで。課題としては先ほども言ったように、自分たちより上の相手とやる時、大事な時に平常心でできるかというところが一番ですね。それはなかなか簡単にいくものではないのですが、ここから残り2週間でもっともっと自信をつけて、少しでも克服できたらいいなと思っています。

安上 僕も団体戦で緊張した中でもしっかり戦えたというところは自分の中でも大きな収穫です。高校の時は緊張して思うようにプレーできないということが結構あったので、自信になりました。課題としては、強いペアを見ているとボレーだけではなくてストロークが良かったりリターンが良かったりということをすごく感じたので、ネットプレーももちろんそうですが、サーブリターンであったりストロークであったりという基礎的なところがもっとできるようになればもっと勝てるようになるなと感じています。

髙村 僕は収穫というものは今回あまりなかったのですが、自分の弱い部分を知ることができたのは逆に収穫だったのかなと思います。緊張した時にどうなってしまうのかとか、普段個人戦ではあまり出ない部分が出てきたなとすごく感じて。練習を積んで自信を持って、その部分をどう改善していくのかしっかり考えるということが収穫であって課題でもあると思います。

――個人戦、団体戦では違いますか

髙村 僕は高校時代から団体戦が苦手で。高校時代の方がもっとひどかったのですが・・・出たら負けるっていう(笑)。

一同 (笑)

髙村 大学生になって少しはましになったのですが、少し弱さを感じました。

――それは学校の名前を背負うプレッシャーなのでしょうか

髙村 なんなんですかね・・・。

古賀 勝たないといけないっていう。

髙村 長いスパンでおかしくなったりしたんで(笑)。まあ大学になって少しはましになったので、自分でどうにか改善できるのかなと思うんですけど。

よいしょ、ゴマすり、プロフェッショナル

まねされるという古賀のサーブ

――少しゆるめの質問もさせていただきたいのですが、まずお互いの印象を伺いたいと思います。髙村選手、安上選手は古賀選手にどんな印象を抱いていますか

安上 僕は寮が一緒で、学校でも教職を取っていたり選ぶコースが一緒だったりして同じ授業をずっと取っていて。周りからニコイチみたいに言われているんですけど(笑)。何をするにしても面白いです。

古賀 めっちゃ褒めてくれるやん(笑)。

安上 でもすぐ顔に出ます。疲れたり眠かったりするとすぐ分かりますね。

髙村 うん、出る。いつも面白いんで、逆に黙ってるだけで「あ、きょう機嫌悪い日だ」って。

古賀 そうなんですよ、言われちゃうんですよ。

安上 でも機嫌が悪いわけじゃないらしいです、ただ疲れただけで。

古賀 ただ黙ってるだけなんですよ。ただ疲れて、「ちょっときょうはいいよ」っていう。

一同 (笑)

安上 普段がアベレージが高いので、ちょっとしゃべんないと・・・。

古賀 「キレてんの?」って。

安上 でも誰もが面白いと感じていると思います。

髙村 僕も面白いと思います、面白いに尽きますね。コントとかしてくれるんですよ。僕と寮が違うのですが、寮でいろいろやっているらしくて、たまに動画見たりして。いろいろな人のサーブの物まねとかするんですけど、僕それが結構好きなんです。別に似てないんですけど(笑)。

安上 ちょっとばかにしてまねしてます。

古賀 コロッケみたいな感じです(笑)。

――安上選手の印象は

髙村 僕は古賀と安上結構かぶっちゃうんですけど(笑)。ニコイチなんですよ。古賀は同じ高校に佐藤(祥次、スポ2=大分舞鶴)がいるんですけど、でも絶対に古賀・安上なんですよ、ニコイチは。大学入った時からそうで、二人とも面白くて、同期の中でも同じタイプですね。他は結構個性があるのですが、この二人は結構属性が似ているという感じですね。

安上 地方が一緒なので、わざと二人でみんなの前で方言でしゃべってます(笑)。

古賀 僕はいい意味でやんちゃかなと思います。お互いにちょっかいを出し合ったりとか、後輩の千頭(昇平、スポ1=愛知・誉)にちょっかいを出したりとか、寮でわちゃわちゃやってて。いたずら好きだけどちょうどいいいたずらだから面白いっていう。一緒にいていっつも笑ってますね、何かしら。面白いってことになるのかな、それは。面白いです。

――髙村選手の印象は

安上 結構ジュニアの頃全国大会で当たっていて。(三人は)みんな早生まれなんですよ。(ジュニアの大会で1つ下の年代の大会に出られるため)結構当たっていて、僕は(髙村選手が)因縁の相手です。

髙村 2回大事なところで当たったんですよ、13歳と14歳の時に。

安上 最初僕が勝って、その次は佑樹が勝ったのですが、僕の中ではそのイメージが結構強くて。で、高3の時に(髙村選手が)総体とかで勝っちゃってて、差を広げられたなと思って大学に入って。やっぱり1年生の時から活躍していたし、憧れでしたね。

髙村 絶対嘘だよ(笑)。

古賀 よいしょしてる(笑)。

安上 でもダブルスもすごいうまいし、シングルスもできないできない言いながら。

古賀 ね、できるよね!?

安上 僕がシングルス勝てなくて「全然勝てねえ」とか言ってると、「俺もだよ」とか言ってくるくせにしっかり勝つっていう(笑)。

一同 (笑)

安上 でもしっかり者だと思います。やる時はやるし、言う時は言うし。僕らの代って結構抜けているというか、わちゃわちゃしているのですが、そこを結構まとめているのが佑樹だと思います。でも真面目すぎない。わちゃわちゃにも混ざってくれる、素晴らしいポジションにいるのが髙村佑樹です。それが髙村佑樹です(笑)。

髙村 よいしょ半端ない(笑)。

古賀 僕もしっかり者というイメージが強いですね。・・・これもよいしょになるのかな(笑)。でも悪いところを挙げろと言っても出ない。あ、こだわりがあります。変なところにこだわり持ってる、「ここでこだわり見せるか」って。別にそれが嫌いとかじゃなくて、「お、おお」っていう。でもそれはいいんですよ、それが髙村佑樹なので。あとは安上が言ったみたいにテイストがちょうどいいですね。甘辛(笑)。

安上 でも佑樹の中で僕ら二人は評価高いと思います。下の名前で呼んでほしいらしいんですけど、周りが「髙村」とか「髙さん」とか呼んでる中で僕らは最初から「佑樹」なんで。

古賀 元祖なんで。第1、第2シードくらいにはいます。

一同 (笑)

――部内の推しメンは

髙村 僕結構千頭好きです。あいつも古賀と一緒でフォームをまねするんですよ、すごいばかにしてるけど特徴捉えてて。古賀のサーブを千頭がまねしてるのがめちゃくちゃ好きで(笑)。古賀ってサーブの前にこう(ボールを突く動作)するんですけど、ほぼ地面みたいな。

安上 まねする時、地面をこう(バンバンたたく)。

髙村 あれ好き(笑)。

古賀 僕もやり返します、千頭のやつを。

――完成度としてはどちらの方が高いですか

髙村 うーん・・・千頭(笑)。

一同 (笑)

――他のお二人の推しメンはいかがでしょう

安上 僕はやっぱり主将(小倉孝介、スポ4=神奈川・湘南工大付)ですね。

髙村 うわ、主将に(ゴマ)すりにいった(笑)。

安上 寮の部屋が廊下挟んで目の前なのでしょっちゅう行ってるんですけど、なんといっても優しいです。よいしょしてるわけではなくて、これは本当に(笑)。僕はあんまり一人が好きじゃないので暇さえあれば小倉さんの部屋に行ってベッドに寝転がって、みたいな。ちょっと僕がボケるとすぐツッコんでくれるので、僕はそれを楽しんでいます。

――そうした普段の姿と主将としての姿のギャップは感じますか

安上 モードに入っている時は分かりますね。「あ、今ボケちゃ駄目だ」みたいな。

一同 (笑)

――古賀選手はどうでしょうか

古賀 長倉(謙信、スポ1=静岡)が面白いなと。すごく一生懸命な部分もあるし、先輩に対してふざけられる部分も両方兼ね備えているので、かわいいですね。

安上 憎めないよね。

古賀 先輩みんなから愛されてます。謙信、謙信ってすごくいじられたりとかもしていて。僕は長倉すごく好きですね。

――インカレ直前対談の時は河野優平副将(スポ4=福岡・柳川)が安上選手を推していました

安上 でも僕も本当に大好きです!

髙村 うわ。(最初に)出てこなかったなー。

安上 いやいや、ワセダの(庭球部ホームページの)選手のプロフィールには僕の尊敬する人物のところに河野優平って書いてあります。高校の時からすごくかわいがってもらってて、僕がワセダに入学したら「俺がいたから来たっしょ」とか言ってくれるし、高校も僕が高1の時に「俺がいたから来たっしょ」って同じこと言ってたので。

――実際はどうだったのでしょうか

古賀 正直?

安上 正直ワセダに行きたかったです、僕は。

一同 (笑)

安上 先に河野さんがいた(笑)。でもたどりました、(高校、大学)ダブル先輩ですね。

――部のスローガンが『挑戦』ですが、個人的に挑戦したこと、したいことはありますか

髙村 まあし続けてるから、俺は。

安上 お、おお~。

古賀 はい拍手。

一同 (拍手)

古賀 全日本(三菱全日本選手権)に挑戦したい。いずれは挑戦したいです、僕は。

安上 難しい・・・。でも挑戦してないって嫌だな。

髙村 何かに挑戦してるけど、その本体が分からない。得体の知れないものに挑戦し続けてる、俺は。

古賀 ・・・何それ、プロフェッショナルなの?

一同 (笑)

安上 でもワセダの庭球部にいる人はみんなテニスで強くなりたいという気持ちを持って取り組んでいると思うので、それも一つの挑戦かな、と。・・・これカットですね。

「自分が出たら絶対に勝つ、他の試合も応援で全部勝たせる」(髙村)

髙村は試合中のみならず、応援時でもチームの力となっている

――王座へ向けての質問に戻りたいと思いますが、改めてことしのチームはどのようなチームだと思いますか

髙村 結構まとまってるよね。

古賀 まとまりがすごくあるなと。4年生がすごく後輩がコミュニケーションを取ろうとしてくれていて、テニス以外でもご飯にいったりだとか、部室でもすごく話しかけてくれたりだとか、4年生の存在が大きいので、すごくまとまっているチームだなと思います。

安上 4年生が積極的にきてくれるので自分たちからもいきやすいですし、それを見た1年生も僕たちに積極的にきていて、相乗効果みたいな、よりまとまっているなというのはあると思います。

髙村 去年をベースにして考えるとまとまっているというか、仲がいいね。2年生はどことも仲良くさせてもらっています。

――王座を2週間後に控え、今のチームの状態は

髙村 僕はもう少しダブルスに危機感を持った方がいいのかなと正直感じます。まだちょっと足りてないかな。僕もそうなのですが、自分が絶対勝たなくてはいけないという気持ちをもう少し出していきたいなと思います。

安上 僕はこのチームが王座で連覇しているチームじゃなかったら状態としてすごくいいと思うのですが、連覇しているチームだから(相手に)チャレンジャーでこられるじゃないですか。もちろんダブルスもそうなのですが、シングルスの人たちも本当に向こうは負けて元々くらいでくると思うので、そこを踏まえた上でもっと状態を上げていくとか、気持ちを上げていくとかは必要かなと思いますね。去年見ていて明大とかはすごくガンガンきていたし、ことしもそういう大学は多いと思います。慶大は特にワセダにリーグで負けていますし、チャレンジャーとして向かってくる慶大は本当に強いと思うので、全体として上げていくことは必要かなと。

古賀 僕も状態としてはいいと思うのですが、相手を圧倒するためにはまだまだ上げていかなくてはいけないと思うので、そこは髙村が言っていたように危機感を持つことが重要だと思います。ここから2週間の上げていき方がすごく大事になってくるなと今は感じています。

――慶大、関大、近大など他大のチームとしての印象は

古賀 関大、近大も力をつけてきているのは間違いなくて。前は関大がきたらちょっと嫌だなと思っていたのですが、関大も近大も戦力が拮抗(きっこう)していてどちらがきても脅威になると思います。でも逆に、準決勝でそこを圧倒して勝てればチームとしていい流れで決勝に臨めると思うので、準決勝、決勝ですごくタフな戦いになると思うのですが、このチームならいけると僕は思っています。

安上 一番の敵は慶大ですけど、関大、近大も力があって、実際に春に関大、近大とも対抗戦をやっていくつか黒星をつけられているので。準決勝でどちらと当たっても9-0をつけられるように準備して、そこから慶大戦に向けて、というところかなと思います。先を見過ぎても良くないと思うので、一つ一つ頑張っていきます。

髙村 関大、近大も単複共に実力は上がってきていると思うので、準決勝でどちらと当たるかは分かりませんがそこで勢いをつけるような勝ち方をして、決勝もつなげられるようにしていきたいなと思います。

――優勝に向けてのキーポイントはやはりダブルスですか

古賀・髙村・安上 ダブルスです。

髙村 もうダブルスでしかないですね。

――優勝に向けてのキーパーソンは

古賀 僕は河野さんだと思います。

安上 僕もそう思っていました。

古賀 河野さんがここ3年くらいずっとダブルスを引っ張ってこられていて、去年(の王座決勝)も河野さんが勝って2-1になってましたよね?河野さんに頼りすぎるのも良くないとは思いますが、やっぱり河野さんの勢い次第でダブルスの流れがすごく変わると思うので、キーパーソンは間違いなく河野さんだと思います。

安上 古賀は頼りすぎるのも良くないと言っていたのですが、僕はもう高1、(河野選手が)高3だった時から頼ってばかりだったので、4年生で引退されてしまうし最後まで頼っていこうかなと(笑)。

一同 (笑)

安上 でも本当に勢いがあるので、ガンガンいく時は。それに応援が乗るだろうし、隣でやっているダブルスも嫌でも目に入るんですよ。なので河野さんがキーかなと。普段はああやって温厚で面白いんですけど、試合に入ってこう(一直線に)なった時の河野さんは本当にすごいと思うので、それを楽しみにしていてください。

髙村 僕は坂井さん(勇仁、スポ3=大阪・清風)ですね。リーグ全勝で、早慶戦でもすごく大事な2本を持ってきてくれて、あれがなかったら僕ら本当に今こんな状況じゃないと思うので(笑)。

古賀 確かにね。

髙村 あの2本は本当に坂井さんじゃないと取れないと思うので、王座でもダブルスの1本はまず坂井さんの、あのダブルスなのか分からないストロークでぶっ放してきてほしいなと思います。

一同 (笑)

――坂井選手はリーグで好調を維持していましたが、まだ調子は良さそうですか

安上 絶好調です。きょうももう・・・。

髙村 ぶん殴ってたね、ボール(笑)。

安上 怖い怖い。

――「王座で優勝して初めて1年頑張ってきた意味が分かる」という声をよく聞きますが、去年王座優勝を経験してみていかがでしたか

髙村 自然と涙が流れました。

安上 僕もサポートだったのですが、優勝が決まる瞬間が特にきましたね、島袋(将、スポ2=三重・四日市工)か坂井さんかみたいなところで。人もめっちゃ多いし、みんなそこに懸けているというところが周りからも伝わってくるので。選手としては出られなかったけれどやってきて良かったなと思ったし、来年は選手として出たいなと思いましたね。

古賀 ワセダが王座で連覇しているのはこれだけやっているからなんだな、と初めて思ったんですよ、ワセダの一員になって。連覇するためにはこれだけやらなきゃいけないのかと思ったし、自分がそれだけやってきたからこそ優勝した時の喜びが・・・。「この瞬間のために頑張ってきたんだな」と僕は思いました。

――2年目の王座は皆さんにとってどのような大会ですか

古賀 島袋が(シングルス、ダブルス)1でやっていたり小林(雅哉、スポ2=千葉・東京学館浦安)も入っていたり僕らも出られるかもしれないという、2年生としてチームに絡んでいる中で、2年生の僕らなりの色を出してチームとして勝つことができればそれはすごくいいなと。4年生に最後笑って終わってほしいので、僕は2年生がチームの軸となって戦えるような王座にしたいです。

安上 去年終わって来年は選手として出ると自分に誓ったので、せっかくなら出たいですし、出られなくても自分ができることはやって4年生を優勝で送り出したいですね。連覇することはすごく大変だなと去年もことしのリーグでも思ったのですが、それだけのことはやっていると思うので、やってきたことは全部出したいなと思います。悔いの残らない王座にしたいです。

髙村 どんなかたちであっても優勝するということだけを意識して、自分が試合に出たら絶対に勝つのは当たり前ですけど、他の試合も僕らが応援で全部勝たせるということを意識してやりたいと思います。4年生が本当に最後なので、今までいろいろしてきてもらったことをここで恩返しできるように頑張りたいです。

――チーム内での自分の役割は

古賀 僕はまだレギュラーには定着できていないので、僕が調子を上げて上の選手たちに危機感を持たせるじゃないですけど、プッシュできたらいいなと。あとは練習中も元気よくやっているつもりなので、誰よりも声を出してチーム全体を盛り上げられたらいいなと思います。

安上 言ってみればまだ下級生なので、引っ張るのは上級生が引っ張ってくれるのでそれにしっかりついていくのと、古賀が自分が一番声を出すと言っていたので、僕は古賀よりも声を出して(笑)。元気があるチームの方が絶対楽しいと思うので、盛り上げたいですね。

髙村 僕は元気の良さとメリハリですかね。さっき言われたように真面目なので(笑)、練習が好きなので。

安上 ついに自分で言った(笑)。

髙村 練習の時は真剣にするし、オフの時はわちゃわちゃしていますし。メリハリをつけることですかね。

――ご自身のアピールポイントは

古賀 元気の良さです。

安上 プレーだとボレーのキャッチなので、どんなボールがきても絶対返す。寝転んでも返す。古賀・安上で組んでいる時は僕が取ってコートに寝転ぶと大概ポイント取るんですよ(笑)。なので寝転んでも返すというところがアピールポイントです。

髙村 僕もボレーなのですが。僕が触ったら決めます!

――では最後に、改めて王座への意気込みをお聞かせください

古賀 もし僕が出ることができればチームに勢いをつける試合をしたいなと思いますし、出ることができなくても誰よりも声を出して選手を応援して、結果チームが勝てれば僕はうれしいです。持ち前の元気のよさを出して王座優勝します!連覇します!圧倒します!

安上 優勝します。男女で優勝します!

髙村 僕が絶対1勝して王座優勝します!

――ありがとうございました!

(取材・編集 熊木玲佳)

※王座への意気込みを書いていただきました!

◆古賀大貴(こが・だいき)(※写真右)

1998年(平10)3月16日生まれ。身長173センチ、体重65キロ。大分舞鶴高出身。スポーツ科学部2年。「誰よりも声を出す」と言っていた古賀選手ですが、ここまでの試合でも個人・団体かかわらず一際大きな声で選手へ声援を送っていた印象です。王座でもそのパワーでチームを優勝に導いてほしいですね

◆髙村佑樹(たかむら・ゆうき)(※写真左)

1998年(平10)1月11日生まれ。身長175センチ、体重67キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部2年。同期の中でもメリハリがしっかりした存在だという髙村選手。普段の取材でも早スポ記者の質問に明瞭に答えてくださる一方、対談中のクッションタイムではふと飛ばす冗談で一同の笑いを誘っています

◆安上昂志(やすがみ・たかし)(※写真中央)

1998年(平10)3月9日生まれ。身長171センチ、体重63キロ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部2年。対談の中で同期の活躍の話題が出た際、「僕らが4年生になった時に、同期みんなで試合に出て王座優勝したい」と語ってくれました。まずはことしの王座で2年生の存在感をアピールしたいですね!