【連載】インカレ直前特集『Let Waseda Reign Again』 第7回 小林雅哉×上唯希

庭球男子

 最終日に登場するのは、昨年の全日本学生選手権(インカレ)チャンピオンの小林雅哉(スポ2=千葉・東京学館浦安)と上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)だ。男子シングルス、女子ダブルスでそれぞれタイトルを手にした二人だが、ことしは該当種目で本戦スタートを決めることができなかった。挑戦者として、その思いを伺う。

※この取材は7月16日に行われたものです。

「打開策を見いだせなければインカレは厳しい」(上)

自らの課題を分析する上

――まず、新体制になって初の個人戦ということで全日本学生室内選手権(インカレインドア)を振り返っていただけますか

小林雅 インカレインドアはあまり結果を出せていないので、何も言えないですけど・・・。ダブルスでベスト4という今までで一番いい結果だったので、ちょっとは自信が持てたのかなという感じです。シングルスは1回戦負けだったのですが、正直気にしてはいないです。

 インカレインドアのコートがすごく速くて、私が速いコートが好きなのと地元開催というのもあって、インカレインドアという大会が好きです。1年生の時がシングルスベスト4でダブルス優勝で、2年生になったらその結果を超そうということで、シングルスは決勝までいけたのですが、6-0、4-0から12ゲーム連取されるという素晴らしいスコアで負けてしまいまして(笑)。でも相手がITFとかで優勝してプロで活躍されている高校時代の先輩(加治遥、当時園田学園女大4年)で、その相手にいいところまでいったので、あと2ゲームをどうすればいいかということを今になって考えることができていい経験だったかなと思います。来年のために準優勝だったとポジティブに考えて。ダブルスは1年生で優勝できて2年目ということで、決勝では負けてしまって悔しいと言えば悔しいのですが、負けをバネに、また細沼さん(千紗女子主将、スポ4=東京・富士見丘)と組ませていただくということでインカレでその相手(筑波大の森崎可南子・米原実令組)以外にもしっかり勝って、リベンジできるところまでいけたらいいかなと思います。

――加治選手と対戦してみていかがでしたか

 キープキープで進んでいった方が気持ち的にはやりやすかったのですが、いつの間にか6-0、4-0、いつの間にか4-6、0-6という風に、負けたのですが負けという感じもせずに、いつの間にか試合が終わっていて・・・。園田学園女大は地元なので四方八方に中高大の部員が全員いて、元先輩や後輩もいるし、すごくやりにくい状況だったのですが、その中でも応援に気を取られることもなくできました。内容はあまり覚えていないのですが、途中まで自分のテニスができていたからこそそこまでいけたと思うので。負けはしたのですが、自信にはなりました。準決勝でも筑波大の牛島さん(里咲)と当たって、好きなようにテニスができたので、インカレインドアは結構自信になった大会でした。

――ことしになってからは関東学生トーナメント(春関)がありました。まず上選手はシングルスで全日本大学対抗王座決定試合(王座)に続き森崎選手に敗れましたが、苦手意識はありますか

 自分から打つことに関しては好きなのですが、逆に森崎さんみたいにばんばん打ってこられると嫌なので、森崎さんが苦手というよりは森崎さんみたいなプレースタイルが好きではないと。そこに勝っていければ自信になると思うのですが、打開策を見いだせなければインカレは厳しいかなと思います。

――それでも王座の時より内容が良くなっているのではないでしょうか

 王座の時は、どこから打ってもノータッチを取られて、私がどれだけ頑張ってもいいボールが倍返しできて、しかもそれがオンラインとか手のつけようがないくらいで。でも森崎さんも個人戦になるとミスも・・・。

小林雅 春関ではチャンスがありましたよ。

 あったんですよ。でもまあ・・・。

小林雅 僕、応援していたので。

 ファーストが4-5で自分サーブだったはずなのですが、そこをアドバンテージもあったのに取り切れずに打開策がないまま取らせてしまったという感じでした。ダブルスは調子が悪かったわけではないのですが、細沼さんと私であまり気持ちが乗れていなかった部分があって、情けない負けだったのですが、岐阜に行けないわけではないので。1年目のインカレも予選からだったので、そこは別にマイナスに捉えることもなく、早くコートに慣れるんだとプラスに捉えて・・・。負けはしたのですが、引きずることはないかなと思います。

――小林雅選手も軽く振り返っていただけますか

上・小林雅 (笑)

 ダブルス勝ったじゃん、本直だよ?

小林雅 ダブルスしかないのですが、ケガして3日か4日後くらいだったので、結構治療して腫れも少し引いて、痛み止めを飲みながらやりました。ダブルスだからそんなに動かないと思ったので、コーチにも走らない、ジャンプをしないといった条件をつけられながら試合をした感じです。でも試合はやっぱり好きなので、普通に走ったりしちゃっていました。ただダブルスは本当に予選からにはなりたくなかったので、しっかり勝てて良かったのかなとは思っています。

 相手、絶対デフォると思ってたよね(笑)。

一同 (笑)

 「勝ったよ」とか言ってきたからめっちゃびっくりした。「勝ったの?」って(笑)。嘘だろと思って。

小林雅 自分もやれると思っていなかったので。そしたらまさか・・・「痛くないね」みたいな(笑)。簡単に取っちゃった、とか言って。「いけるわー」って島袋(将、スポ2=三重・四日市工)と話していました(笑)。(次の試合も)やっても良かったのですが、もうダメということでコーチから言われて棄権しました。

――その次には早慶対抗試合(早慶戦)がありました。まず小林雅選手は初めて単複で出場した団体戦になりましたね

小林雅 去年の早慶戦はシングルスだけだったので、ダブルスで出る気持ちというか、プレッシャーっていうんですかね・・・ダブルスがすごく大事だということは分かっていたのですが、いざ自分が出るとなると緊張しすぎてファーストセットは何も動けなくて。セカンドセットからはベンチコーチも変わっていろいろ言われて、そこから結構集中してできていたとは思います。ただ自分もあまり練習できていなかったので、大事な場面で簡単なミスをしたり、リターンをロブで逃げてしまったりというところがあって、結局つかまって打たれてしまうというパターンが続きました。ファイナルセットですごく長いジュースがあって、取り切ったのですがこちらのサービスゲームを簡単に落としてしまったりして、チャンスはあったのですが足を引っ張っていたのかなと言う感じでしたね、ダブルスは。負けた後はシングルスしかなくて、出られるかも分からなかったのですが、出られると信じてずっと練習して。シングルスは本当に負けたくなかったので、気持ちでぶつかったという感じです。

――上選手は上の学年が抜けてからの団体戦で気持ちの変化はありましたか

 自覚を持って引っ張っていかなくてはいけないんだぞ、ということは言われていて、ちゃんと自分が1本取らなくてはいけないんだなと。今回は清水(映里、スポ1=埼玉・山村学園)がシングルス1しか出られないので、勝った状態で清水に回すということを私たち上級生がしなくてはいけないんだなという自覚は持つようになりました。ダブルスは大矢(希、スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)と組んでいたのですが、体調とコンディションが素晴らしく悪かった日でして。ほとんど走れない状態だったので、「私走らないよ」と大矢に言ったら「いいよ、私もカバーしないから」みたいに言われて(笑)。大矢も無駄にカバーしようとして動きすぎないし、私も大矢の動く範囲はもう分かるので、いける範囲で取って自分たちのできる範囲のことをしっかりやっていきました。ファーストは7-6と少し競ってしまったのですが、セカンドからはちゃんと自分たちのペースにできてきたのかなと。シングルスは私の試合中に大矢が勝ちを決めてくれていたので、村瀬さん(早香、慶大)相手にセカンドは6-0だったのですが、ノンプレでひゅんひゅん打っていたら何でも決まるようになって。ただ(勝敗が)懸かっていなかったからできたテニスだったので、懸かっていてもそういうプレーができる選手にならなくてはいけないなと思いました。

――ダブルスについてお聞きします。改めてペアとのコンビネーションはいかがですか

 JOPで2大会組んでインカレインドアで一度組ませていただいたのですが、ホームで練習する時はあまり細沼さんと組んでいなくて。団体戦を重視したダブルスだと私と大矢、細沼さんと清水という風にやっていて、あまり練習はせずに春関で「あれ」ってなってしまって・・・。息が合っていないわけではないのですが、練習しなくてはいけないなとは思います。どこまで相手に任せていい範囲なのかとか、自分たちでも100%分かり切っているわけではないと思うので、インカレまであと2週間ありますししっかりやらなくてはいけないなとここ1、2カ月で感じています。

――春関では上選手がフォアサイドを守っていましたね

 1年目のインカレも2年目のインカレも、ペアは違いましたがずっとバックでやっていたので(細沼選手と組んだ2年目の)インカレインドアもそのままバックでやりました。それで負けてしまったというのと、2月の島津(全日本室内選手権)では大矢がバックサイドの人なので、私がフォアサイドやると言っていて、1月から2月にかけてずっとやっていたらフォアサイドのリターンも良くなってきたので、細沼さんがバックが得意ということでバックサイドもいいかなということで、チャレンジのつもりで変えました。

――小林雅選手は昨年に続き島袋選手とのペアリングになりますが、成長していると感じる点などはありますか

小林雅 1年生の時よりはボレーがまだましになっている気がします、1年の時はもっと下手だった気がするので。

 ちょん、しかしないじゃん(笑)。

小林雅 (笑)。本当にダブルスには自信がなかったので。あとは島袋が1年の夏関(関東学生選手権)で優勝してからだんだん結果を出すようになってきて、そこからは本当にストローク力が上がってきていて、たまに変なミスをするところは今でも変わっていないのですが、僕的には組みやすい人かなと思います。僕はさっきも言ったのですが本当にボレーができないので、後ろでストロークしていろいろロブ上げたりする感じです。

――ここまでで見つけている課題はありますか

 シングルスだったら打ってくる相手に対して自分が振られてからどうしたらいいか。自分から打つことはポイントパターンのシナリオがあるのですが、打たれてからの展開が相手のミス待ちになったりとか、そこから逆襲するパターンが少ないので、そこはちゃんと練習しなくてはなと。ダブルスはサービスゲームが大事になってくるのですが、リターンゲームで一回ブレークできれば自分たちのアドバンテージになると思うので、リターンミスがあるとすごくもったいないなと団体戦なども経験して思うようになりました。ダブルスは特にサービスリターンが大事かなと思います。

小林雅 今は正直あまりテニスをしていないので・・・。香港に行った時にまた同じところをケガしてしまったのですが。課題といったらシングルスもダブルスも詰めのボレーだったり、決めるところは決めるというところですし、シングルスは簡単なミスが目立つと思うので、もう少し去年のインカレを思いだしてミス少なくできればいいかなと思います。

互いに助言を送り合う

学年を越えた関係の二人

――お互いの印象からお聞きしたいと思います

 普段は頼りにならないのですが、テニスに関しては頼りになりますよ。

小林雅 (笑)

 去年夏関の時に私は何をしたらいいか分からなくて、良くない試合ばっかりしていたんですよ。それでも何とか勝っていたのですが、調子も気持ち的にもあまり乗れていなくて、サーブも入らないしストロークも走るの疲れてもう嫌だという時にすごくいいアドバイスをしていただきまして、勝つことができまして。そこはさまさまという感じですね。やっぱりインカレチャンプの言うことは一味違いました(笑)。でも普段は全然頼りにならないんですよ!一緒の授業とかあるんですけど、ここの学年の男子は席取っておくよう頼んでくるんですよ。私一応先輩なんですけど、島袋とか佐藤祥次(スポ2=大分舞鶴)とか。まあいいんですけど(笑)。私は席を頼むことは絶対ないんですよ。5分前とかに(2年生は教室に)絶対来ないし、頼りにならないので。プライベートでは頼らないです。テニスに関しては聞く耳は持ちます。

小林雅 僕が入る前には会ったことはなかったのですが、すごくバカって聞いていて。

 誰から聞いたのそんなこと!

小林雅 誰かな・・・とりあえずそんなバカなんだ、と思っていて。実際入ってみたら、ちょっと天然なのかな。

 違うんですよ!誰か一人がバカって言うと伝染するじゃないですか。見てもいないのにここの学年は私イコールバカみたいな方程式をつくったまま入ってきたので、ああやっぱりこいつバカだ、みたいな。でも私は単位も絶対小林よりちゃんと取ってるし。

小林雅 なんだかんだいいところはありますね。

 でも(具体的に)出ないんでしょ?

小林雅 まあ、そうですね・・・僕が落ち込んだ時とかテニスで勝てなくなったりした時はすごくなぐさめてくれたりとかしてくれて。

 いいこと言うじゃん。

――支え合いつつ、ということで

 そうですね!

小林雅 はい(笑)。

――個人戦で気合を入れたい時に着るウェアの色はありますか

小林雅 オレンジ。黒はあまり好きじゃないんですよ。黒が入っているやつとか、特に夏は暑いので。明るい色しかあまり着ないですね、着替えがなければ青、黒とかも着ますけど・・・。オレンジ、白とかですかね。

 私も黒・黒とかはあまり着ないです。ことし紺・紺の組み合わせもありますが、去年のピンクを出してピンク・紺にしたりとか。濃い系・濃い系はあまり・・・。でも勝っていったら洗濯のルーティーンで一番上にあるものを、という感じなので。洗ってますよちゃんと(笑)!試合になったら毎日洗濯するのですが、夏はすぐ乾くので。初戦は明るい色を着ています。

――仲のいい異性の部員はいますか

 男子ならこの学年と仲がいいです。先輩と思われていない分友達みたいな感じでしゃべってるから(笑)。ご飯とかも行ったりしています。同期の男子も結構仲いい・・・。あ、でも私小林紀輝(スポ3=千葉・秀明八千代)は嫌です。

小林雅 書かれますから(笑)。

 紀輝だったら書かれてもいいよ(笑)。授業とかも絶対隣で受けたくないタイプの人なので。そいつは嫌ですけど、同期は授業は一緒に受けたりして。

小林雅 僕はこの代だったら上さんと・・・。そんないないかな。たまにしゃべるくらいですね。でも同期もみんなしゃべるし、4年の女子もしゃべる人はしゃべるし。1年だと清水映里がスクールが一緒だったので仲もいいし、米原(さくら、スポ1=埼玉・秀明英光)も。

――部内の推しメンは

 私齋藤(聖真、スポ3=神奈川・湘南工大付)のテニスめっちゃ好きです。テニスは、ですよ!中身は本当に私並みのザコなんですよ。サーブのフォームはあまり好きじゃないんですけど、打った後のプレーは全部好きです。フォアとかの打ち方も結構好きですしボレーもうまいし、ポイントの取り方とか・・・。ちゃんと1セットまるまる試合を見たことはないのですが、ぱーっと見た時に廣川(真由、社3=埼玉・浦和学院)とかも「聖真のテニスかっこいいね」とかって言ってて。齋藤は推しプレイヤーです。

小林雅 女子の中では米原ですかね。プレースタイルというわけではないですけど、気合が結構好きです。男っぽいというか。米原の「カモン」の言い方はあまりいないですね。

 初めての対抗戦で、この子本当に初めてなのかっていうくらいすごかったんですよ。剱持(梓、社3=東京・早実)と二人で組んでいて、1年生は最初おどおどしてしまうところがあるのですが、「あ、3年目ですか」っていうくらいの(笑)。

小林雅 ジュニアの頃から気合だけはすごいんですよ。スーパージュニア(世界スーパージュニア)とかでもダブルスで出ていたのですが、相手がどんなに強くても「よっしゃ来いや」みたいな感じで(笑)。その気合は好きですね。

 米原はテニス以外でも「よっしゃ来いや」みたいな感じですよ。性格がそんな感じ。

小林雅 僕は面白くていいと思います。

「挑戦するしかない」(小林雅)

ノンプレッシャーでインカレに臨むという小林雅

――去年のインカレを振り返っていただけますか

小林雅 シングルスは1回戦から法大の同期の人で(藪巧光)、1セットを落として何とかファイナルで勝てたのですが、その危ない試合があったから勝っていけたのかなというのもあって。その後も坂井さん(勇仁、スポ3=大阪・清風)と当たってファイナルでギリギリ勝って、足も疲れてきていたのですが、調子的にもすごく良かったし。法大の太田くん(悠介)とも昔当たっていたので戦い方のイメージはできていたし、上杉さん(海斗、慶大)とも去年は何回もやってきているので・・・。決勝がすごく厳しい戦いだったかなと。あれだけ暑いと体力勝負だなと改めて感じました。ダブルスは勝てると思っていなかったので。青学とのペアとファイナルの10-8で島袋のサービスエースで終わったのですが、結構危ない試合だったのかなと。最後は松崎さん(勇太郎、平29スポ卒=神奈川・湘南工大付)、河野さん(優平副将、スポ4=福岡・柳川)とやって「これがダブルスなんだな」と見せつけられた感じで(笑)。ボレーの精度だったりサーブの精度、リターンの精度が自分たちと全然違うし、変なミスがないなと感じました。どんなにいいサービスがいっても相手に打たせていたと思うので、打たせればチャンスがあるんだなと。そこをもう少し真似できれば良かったかなと思います。

――ことしはダブルスも勝ちたいという気持ちが大きいですか

小林雅 そうですね。体力がもてば・・・(笑)。

――やはり予選があるときつい部分もあるのでしょうか

小林雅 そうですね・・・シングルスは予選2つあるので、頑張らないといけないなと。

――上選手はいかがですか

 シングルス初戦で慶大の主将(安形玲耶)と当たってファースト3-6ダウンで、死にそうで死にそうで負け寸までいっていて。試合時間も長くて時間も遅くて、体力をすごく奪われて足がバキバキで次の日動けなくなってしまって、何とか勝ってベスト8までいったのですが・・・。次は慶大の西田さん(奈生)でしたが、完璧に体力で負けたなと。打ちたいところにも腰が痛くて飛んでいかない、走りたくても足が痛くて走れないという感じで体力負けしたので、ことしはそういうことがないようにケアとかも気をつけていかないとなと思いました。ダブルスは・・・。

小林雅 余裕でしたもんね。

 全試合でお互いのいいところを引き出し合って、決勝も森崎・米原と当たったのですが、一度もブレークされることもなく。恵里奈さん(林、平29スポ卒=現福井県体育協会)も単複決勝だったので疲れていたと思うのですが、そこも見せずにしっかり私をリードしてくださって、私もそれにしっかりついていけたので、本当にいいかたちで優勝できたかなと個人的には思います。

――インカレの大会のイメージ、コートの相性はいかがでしょうか

小林雅 すごく遅いイメージがあって、僕は遅いのが嫌いではないのですごくやりやすいかなと思っています。何とか勝てそうかなという感じで。

――逆にインドアではやりたくないですか

小林雅 そうですね。僕の1回戦がインドアで、外に比べたら速くて、すごく打ってくる相手だったので、やりにくかったかなと思います。

――上選手はいかがですか

 速いのは好きですが、遅いのも嫌いじゃないんですよ。夏関クレーでやったんで。嫌いなコートはないので、コートがどうのこうのということは。インカレという大会は好きです。関東だと当たる相手が限られてくるのですが、いろいろな人とできるし、自分の体が元気な間は楽しいです。去年は2日目から結構きていたので、体がバキバキで試合があまりという感じだったのですが。折り返し地点になるとピークも過ぎて体も結構動いてくるので、そのあたりからは楽しくなってきます。インカレは好きな大会です。

――小林雅選手はケガをしているとのことですが、今の調子は

小林雅 動けるかは分からないのですが・・・。今週の水曜(7月12日)から始めているのですが、そんなに動かずにその場での練習で。感覚的に悪くないかなという感じなので、動いたときにその感覚がちゃんとあればいいんですけど・・・。まあ大丈夫だと思います(笑)。

――上選手は以前の取材であまり調子のアップダウンがないというお話でしたが

 アップダウンがないのですが、私もケガでテニスをしていなくて、ケガでやってまた悪化して、という風になっていて。きのう対抗戦があって、早慶戦以来シングルスで1面を守っていなくて。きのう本当に良くない試合をして非常に怒られまして・・・。調子としては、フィーリングは悪くないのですが、動けない、コート1面を守れなくて。動きが入ると、ダブルスとかもポーチに出られなかったり、やりたいことと体がマッチしていない状態ですね。自分で何をしたらいいか分からない状態で、きのうもずっとベンコに「こうしなさい」「分かった」みたいな。個人戦はもう自分一人で戦わなくてはいけないので、2週間で何とかします。

――重点的に練習している箇所はありますか

小林雅 僕はストロークを全体にやっています。攻めるということもあるのですが、ボレーも大事ですけどまずストロークができないと話にならないので、ストローク全般ですね。

 とりあえず1面を守る。振られたところからの切り返しが、自分の足を守っている部分があって動けていないので。まっすぐ走る分には全然問題ないのですが、勝ち上がっていったら私よりうまい人ばかりなので、1面を動かされた時にちゃんと逆襲できるよう、今はコートを目いっぱい走ろうと思って動くようにはしています。

――他大で意識している選手はいますか

小林雅 やはり中大の望月(勇希)ですね。フューチャーズも準優勝、優勝しているので・・・。強敵というか、何というか。

 ライバルじゃない?去年のインカレの決勝もね。ファイナル1-3って聞いて(自分の)ダブルス入ったんですけど、まじ負けたと思ったもん。試合終わって「負けた?」って聞いたら「勝ったよ」って(笑)。最後まで見たかった。

小林雅 やばかったですね。1-3で足つっちゃったから、やばいなみたいな。そこからバックのストレートが3連続くらいで決まっていって、そしたら望月もおかしくなったというか、ラリーを嫌がってて。ドロップばっかりやってくるから(笑)。

 私は同期ですね。筑波だったら牛島(里咲)、森崎で、慶大だったら押野(紗穂)とか、ワセダの同期の辻(紘子、教3=東京・早実)とか大矢もみんな強いので、そこはいい仲間というか、競争し合える人たちだなと。ジュニアの時から当たっているようなメンバーなので、競い合っていければいいなと思います。3年生が勝ったら「3年強いな」ってなるじゃないですか(笑)。そこで自分が勝っていければいいなと。

――小林雅選手は前年度シングルス王者、上選手はダブルス2連覇中ということで、プレッシャーなどはありますか

 もう予選からになっちゃったら意識することもないですよ、本当に(笑)。

小林雅 同じです(笑)。むしろもうノンプレです、仕方がないので。挑戦するしかない。みんな強いので。

 挑戦者ですよ。予選上がったらいきなり第1シードのところに入る可能性も。

小林雅 入ったら入ったで勝つしかないので(笑)。やるだけです。

 去年は去年だよね。

小林雅 終わったこと。

――単複でのアピールポイントを教えてください

小林雅 シングルスはずっと一緒なんですけど、走ることと、得意のバックのストレートということで。ダブルスは・・・何かあるかなあ。

 いかにポーチで決めているか僕のボレーを見てください。

小林雅 えー、ダブルス・・・。何回ロブで抜けるかで(笑)。

 単複共にどこまで動けているか。体力負けしないように。暑いのは好きなので大丈夫なのですが、疲労の方の体力が・・・。春関でもバキバキになっちゃったりしていたので、単複で毎日試合をやって勝ち上がっていったら、私たちは予選からなので1週間以上あるので、いかにいいコンディションで試合に出てコートを動き回っているかがカギですかね。

――最後に、改めてインカレへの意気込みと目標を教えてください

小林雅 単複共に挑戦ということで。思い切りいければいいかなと思います。シングルスは優勝、ダブルスは優勝を目指しているのですが、正直難しいというのは自分でも分かっているので、それはペアに任せるんですけど。頑張って上位を目指してベスト8以上にいければいいかなと思います。

 ノンプレでいって、守りに入ったら負けだと思うので、自分のプレーをどこまでできるか。数字としては、去年以上・・・ダブルスは去年以上とかないか(笑)。一戦一戦だと思っているので数字は何の大会でも意識はしないのですが、自分のプレーができれば結果はついてくると思います。岐阜で1試合でも多くできるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 熊木玲佳)

挑戦者として再びトップを目指します!

◆小林雅哉(こばやし・まさや)(※写真右)

1997年(平9)9月22日生まれ。身長170センチ、体重64キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部2年。全日本学生ランキングシングルス4位、ダブルス11位(2017年6月付)。去年岐阜で食べたもつ鍋がおいしかったという小林雅選手。予選も含めた長い期間では、おいしいものを食べてリフレッシュしてほしいですね

◆上唯希(うえ・ゆいき)

1996年(平8)11月2日生まれ。身長167センチ。兵庫・園田学園高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な実績は、関東学生トーナメント女子シングルスベスト8。全日本学生ランキングシングルス1位、ダブルス4位(2017年6月付)。梶谷桜舞選手(平28スポ卒=東京・富士見丘)と組んで臨んだ1年時のインカレでは予選からのスタートでしたが、一戦ずつ勝ち上がって優勝トロフィーを手にしました。ことしも細沼選手と一歩ずつ頂点を目指してください!