第4回に登場するのは、今波に乗っている2組のダブルスペアだ。男子からは、昨年の団体戦ではダブルス3として活躍し、全日本大学対抗王座決定試合(王座)12連覇に大きく貢献した齋藤聖真(スポ3=神奈川・湘南工大付)・髙村佑樹(スポ2=千葉・東京学館浦安)組。全日本学生選手権(インカレ)で悲願の個人戦タイトル獲得を目指す。剱持梓(社2=東京・早実)・森川菜花(社2=山口・野田学園)組は育成層ながら関東学生トーナメント(春関)でベスト4に進出し、大きな成長を見せている新進気鋭のペアだ。『育成層の星』として、全国の舞台でのさらなる活躍を誓う。
※この取材は7月8日に行われたものです。
躍進のシーズン
剱持(右)・森川組にとっては努力が結実したシーズンとなった
――はじめに今季の振り返りをお願いします。まず、剱持選手、森川選手、髙村選手は関東学生新進選手権(新進)に出場なさいましたが、ご自身で振り返ってみていかがですか
髙村 新進はシングルスだけで、優勝を狙っていったんですけどベスト8で負けてしまって、そこから長い間テニスができなくって辛い思いをしました。春関(関東学生トーナメント)までに疲労骨折が治って、でも春関で肉離れをしていてまた結構長かったです。
剱持 新進は大河(真由、スポ2=千葉・秀明八千代)と組んでいて、ダブルスはシードを頂いていたんですけど、年末に私がケガをしてしまったのであまり満足に練習できなくて、迷惑をかけてしまった部分もあって全然結果が出ませんでした。春関も正直ベストなコンディションでは臨めなかったというのが実際のところです。
森川 シングルで2個勝ったことがなくて、とりあえず1個目と2個目を勝とうと思っていたんですけど負けて。ダブルスは木村さん(優子副将、教4=千葉・秀明八千代)がその時3年生で新進は最後だったので、何とか優勝目指して頑張っていったんですけど、同士打ちでスーパータイブレークの6-3のチャンスボールを自分がミスして、そこから負けてしまって悔しい思いがダブルスにあったので、その悔しさを春関で晴らそうという気持ちはありました。
――次は関東学生トーナメント(春関)の振り返りをお願いします
髙村 僕はさっき言ったようにケガが長くて思ったように練習できない中でギリギリ春関に間に合って。インカレ本直はまず決めようって気持ちでいて、正直ダブルスは準決勝でかなり悔しかったんですけど、シングルスはやれることはできたのかなと思います。同士打ちで先輩には負けてしまったんですけど、やれることはやりました。ダブルスは少し悔しい気持ちが残りました。
齋藤 シングルス本戦決めたくて、ダブルスはしっかりシードを守ろうという気持ちで決勝進出を目指したんですけど・・・。内容も結果的に準決勝で負けたところが優勝して、決勝の内容を見ていてもまあ優勝するだろうなという感じだったので、そこはもう割り切って今回の結果で良かったんですけど。シングルスが結果的にベスト8で本戦決められたんで、僕的には満足です。
剱持 満足しちゃった(笑)。
一同 (笑)。
剱持 1年前の春関とかインカレとかがそれなりの結果しか出なくて、自分の中ではいい印象の残る試合が少なかったんですけど。ことしの春関では変なプレッシャーもなく、3回戦で第1シードと当たっても気負いなく楽しく。森川と私最強なんですけど(笑)。
森川 最強ペア(笑)。
剱持 そう、最強ペアなんですけど、楽しくやった結果がベスト4という感じだったので、そんなに結果を求めすぎずにやったのがよかったのかなとも思っています。準決勝で負けてしまったんですけどその相手とやってみて圧倒されるという感じはなくて、少し手応えも感じられたので、夏のインカレではそれぐらいの相手にはしっかり勝てるようにしていきたいです。
森川 去年は単複両方インカレ予選で、予選ちょっときついなと思ったんで(笑)。本戦からじゃないと体力的にも実力的にも上がるのが大変になるので。それなら関東で2個勝った方が楽かなと。とりあえず春関は両方2個勝つというのを目標にしていて、まずシングルがすごく競った試合だったのですが、チームのみんなが応援してくれてファイナルで取れて。大河にはすぐ負けちゃったんで悔しかったんですけど、また頑張りたいと思います。ダブルスは1個目はいい感じで勝てたんですけど2個目は第1シードということで夜遅くまで練習して。10時くらいまでやってて(笑)。
剱持 やってたね(笑)。
森川 変な自信と変なノリで勝てたんで(笑)。相手も疲れてたので。それでベスト4で少し自信になったのでインカレでもしっかり練習して自信もっていきます!
――次に早慶対抗試合(早慶戦)の振り返りをお願いします
齋藤 髙村のケガの具合が万全じゃなかったので僕が引っ張らなきゃいけないという思いで、結構気合い入れて臨んでいて。頑張ったのはファーストセットだけだったんですけど。そのファーストセットをしっかり取ったっていうのが、セカンドダウンしても流れを完全に相手に持っていかれなかった理由だと思います。途中から髙村も調子を上げてきてくれて、ケガしながらも3セット目と4セット目はロースコアで勝てたので、去年の早慶戦よりはお互いいい緊張感でできたと思います。去年の早慶戦は浮足立っていて、(ことしも)本当はストレートでパチーンと勝ちたかったんですけど、雨で1試合ずつだったので最初が大事だと思って。まあ良かったです。
髙村 去年から早慶戦、リーグ(関東大学リーグ)、王座と経験させてもらって、その中でも早慶戦は緊張もかなりあってファーストセットとセカンドセットは緊張していて。さっき聖真さんも言っていたように、緊張している間聖真さんに助けてもらったというのが結構あって、それがなかったらと思うと怖いんですけど・・・まあそこで助けてくれるのが聖真さんだと思ってるんで。
一同 (笑)
髙村 そこは信頼してるので、あれもあとで考えてみると楽しいダブルスだったと思います。
齋藤 結果的に?
髙村 満足です。
一同 (笑)
――ここまで各大会を振り返っていただきましたが、総じてこの半年はどんな半年でしたか
齋藤 僕はことしすごく大会通して初日から体がきついんですよ。初日からきついので、あと1カ月間はどうベストに持っていけるか。ちゃんとしたいです。今シーズン本当にすごく頑張っているんですけど、頑張った分だけ疲労を残して大会に臨んでしまっているなと思って。頑張りすぎもよくないのかなって思ったり(笑)。まあ結果的に戦績は結果的に年々上がってきているのでそこは自信持って。でもやらなくてはいけないことというのは、練習ももちろんあるんですけど、コンディショニングもあるんでそこを気を抜かないでやっていくというのが夏に向けて大切かなと思います。
髙村 僕はあと1カ月間インカレまでケガをせずに安全にできれば、結果が出るのではないかなと思うので、しっかりケアをしたり、練習しすぎちゃうのでちょっと抑えていきたいと思います。頑張りすぎちゃうんで(笑)。
剱持 私も結構ケガをするのが課題です。自分の体調とか、ちょっと体調崩しやすいんですけど、もうすぐ二十歳になるので管理できるようにしないといけないし(笑)。あと、ケガしてると満足に練習できないので、今ちょうど治りかけているのでここで気を抜かないように。インカレまであと1か月しかないんですけど、ベストな状態で試合に臨めたことがあまりないので、ことしこそはベストな状態で夏を全力で乗り切れるように頑張りたいです。
森川 半年で去年よりは戦績が出ているので、みんなが言っていた通りに夏までにコンディションを整えて、頑張りすぎないように(笑)。練習めっちゃしちゃうんで、ケガをしない程度に抑えて頑張ります。
――齋藤選手と髙村選手は個人戦でのタイトル獲得への思いはありますか
髙村 去年のインカレがベスト4、関東学生選手権(夏関)準優勝、全日本学生室内選手権(インカレインドア)ベスト8、春関もベスト4で、上位ではあるんですけど優勝が一つもなくて。満足はしてないんですけど、僕は優勝したいんですけど。
齋藤 俺も優勝したいよ。
髙村 本当にそろそろタイトルが欲しいので、取れてないのはベスト4くらいでゆるんじゃうのかなと。去年のインカレとかインカレインドアも、二人とも勝って疲れがたまっちゃったりとか。そこはしっかり改善して、ダブルスタイトル僕は取りたいです。
齋藤 僕ジュニア時代からダブルス準優勝しかしてなくて、最後の年に関東ジュニアで準優勝して、インターハイ準優勝で全日本ジュニア準優勝で。そのときはあんまりダブルスやってなくて、高校とジュニアでペアが違ったのでまあ大してやってないのに準優勝ならいいかなと思ってたんですけど。今すっごいやってるのにそれぐらいで。来年とかは就職の関係で今よりは満足な練習ができないと思うので、来年もあるんですけどことしがラストくらいの気持ちで優勝狙うっていうのは髙村とずっと話してるんで。・・・今話しました。
髙村 聞いてないんで。
一同 (笑)
齋藤 ちょっと優勝に対して特別な気持ちはあるんで、頑張りたいと思います。
――剱持選手と森川選手に関して、春関の際に嶋崎徹夫監督代行(平元商卒=神奈川・桐蔭学園)が「育成層でこれだけ勝てるのは大きい」と仰っていました。ご自身ではどう思われますか
森川 育成層の星ですね(笑)。
剱持 逆にレギュラーの方とかは勝って当たり前に思われて、プレッシャーを感じていると思うんですけど。それこそ本当に思い切りプレッシャーなくできるのがいいと思います。その辺がやっぱり違うと思うので。自分たちが勝つことによって同じ育成層で頑張っている選手も盛り上げていけるようにして、レギュラーの選手を倒してリーグとか出られるように、強くなれたらなとは思います。
――齋藤選手と髙村選手はシングルスで結果を残し始めていますが、手応えはありますか
髙村 僕はインカレインドアでベスト4に入って、インカレインドア前にすごい練習して、これはいけるかもとつかんでいて、それで本当に勝てました。でもそこで終わってからずっとケガだったんで、練習しっかりすれば勝てるなというのはわかったんですけど、ケガしてたら意味ないんで。しっかり短い時間で集中してやるのがいいのかなと思いました。
齋藤 僕は元々ダブルス得意じゃないんで、ダブルスが得意じゃないのに勝てるって感じで。1年生のときもたまたま決まった松崎さん(勇太郎、平29スポ卒=神奈川・湘南工大付)とのペアで春関ベスト4入ったりとか。実際1年目とか全くダブルスで期待されてなかったので。僕の中ではシングルスの方がワセダ入ってやってやるって思っていました。やっとそれについてきたかな。シングルスも勝ってダブルスも勝つのはすごく難しいと、ことしはすごく感じています。
――団体でもシングルスで出場されました
齋藤 早慶戦は春関での結果がすごく評価されたというのを聞いて、その時すごく積極的に攻めるというプレーを貫いていて。それはダブルスではずっとやっていて、俺はラリーでは負けないとか、一球で決めにいくっていうのを意識していたので、ダブルスで意識していたことがシングルスでも生きるようになったっていうのは感じています。
――単複それぞれで見つけている課題はありますか
髙村 僕はシングルスは守りは自信あるのですが、自分から攻めて押し切るプレーが苦手なので。でもそれができないと上ではポイントを取れないので、そういうプレーが課題です。ダブルスでももっと自分から取りにいく積極的なプレーをしていく。
齋藤 単複で言えることは体力です。シングルスは体力が上がるだけで全然結果も変わってくると思います。ダブルスはサーブリターンの確率ですね。少し上がるだけでダブルスも結果が変わってくると思うので、単純なことが多いかなと思います。ダブルスはファースト(サーブ)が入ればキープできるし、リターンが入ればブレークできるという感じなんで。僕らのダブルスは、ラリーが長くなればなるほど相手の得意パターンをつぶして徐々に自分のパターンに持っていくというダブルスで、一球でも多く入れれば得点の確率は上がっていくと思うので、そこが課題です。
剱持 目指しているダブルスが自分の中にあって。高校の時は後ろの人が返して、前で受けるっていうパターンがほとんどだったんですけど、大学生はそれがみんな上手いので、(自分は)抜きんでて上手いわけじゃないので。春関でチャレンジしたんですけど、男子のダブルスみたいなことをしたくて。2人とも前に上がったり、サービスダッシュができたらダッシュして上がって、前が得意なのを生かしてもっと勝てるダブルスになりたいなというのが課題です。あとは、聖真さんも言っていたんですけど体力ですね。体力がつけばもうちょっとしんどいところでも頑張れると思うので、そこは自分の中でも課題だと思います。
森川 シングルスは相手がこういう攻撃をしているから自分もこう対応するというように、状況判断をできるようになりたくて。1つのことばっかりになっちゃうので、しっかり対応できる力をつけて、頭を使ったテニスを夏に向けてやっていきたいなと思っています。ダブルスは剱持が言ったように上がったりとか、アイフォーメーションみたいに形を変えたプレーだったりとか色々挑戦して、色々なかたちで相手を惑わすようなダブルスをしていきたいなと思います。あとは、単複あるのでみんなが言っているように体力をあと1カ月しっかりつけていきたいなと思っています。
――2年生の皆さんは、1年生が入ってきて変わったことはありますか
髙村 1年生結構みんな好きでみんな面白いんですけど・・・。特に同じ寮に田中(優之介、スポ1=埼玉・秀明英光)っていうのがいて、昔から知ってるんですけど、面白くていいやつです(笑)。1年生が入って僕らのやっていた掃除とかを1年生がやるようになって、テニスできる時間が少し増えて、やりすぎてケガしてしまったり悪化したりしてしまったのでやりすぎない。いつも聖真さんに怒られてしまうので(笑)。抑えていきたいと思います。
剱持 女子は1年生が元気で、それに圧倒されて2年生は影薄いみたいなところがあって。その分想定外なことが起きることがあって大変だったんですけど(笑)。3月、4月に比べたら1年生も慣れてきたのか、結構プライベートでも1年生とご飯いったりするんですけど、そうやって気軽にしゃべってもらえるような存在になれればやりやすいと思うし、怒るのは好きじゃないので仲良くしたいです。そんなに仲悪くないよね。仲いいよね。
森川 さっき髙村も言ってたんですけど、テニスする時間は確実に増えたっていうのは感じます。私は結構1年生好きなんで仲いいと思ってるんですけど(笑)。すごい話しかけてきてくれたり、練習中も私は結構盛り上がっちゃうタイプなんで、それについてきてくれてうれしいです。練習とかも元気があった方が楽しい練習になると思うし上達すると思うので、指導するという面もあるんですけど、楽しい面もしっかり持って1年生とは接していきたいなと思います。
尊敬し合えるパートナー
互いを尊重し、補い合う
――お互いの人柄について、第一印象と今の印象で変わった部分などありますか
髙村 齋藤さんに関しては、僕が小学校6年生で聖真さんが中学校1年生の時にお会いしたのですが、その時からのほほんとしているなっていう印象で(笑)。すごい大自然で育ったんだろうなって思ってました(笑)。今もそのままで、本当にマイペースで私生活とかもゆるいのでそこがいいところですね。悪くはないです(笑)。剱持は高校の時に会ったことはありましたが特にしゃべることはなかったので人柄の印象はあまりないですね。第一印象は・・・肩がすごいなって。
剱持 ねえ(笑)。
齋藤 ちょっと肩がって一瞬思ったくらいっしょ。
一同 (笑)
髙村今は2年生の女子みんな面白くて、しゃべってて楽しいですね。少し怖いところがあるんですけど。仕方がないことなのですが、1年生がちゃんとやることをやっていなくて剱持が怒った時に、怖い部分を見てしまったなって感じですね。森川は遠目で高校のときにみたことがあって、顔は分からなかったんですけど、すごい打ち方の奴いるぞって思って。詰まってんじゃん、みたいな(笑)。受験の時も会ってそこで初めて顔見たレベルで。フューチャーズ(三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント)の時に打ち方を見て、「あれ、どこかで見たことあるぞ」みたいな。それが森川で。今の印象はとにかく面白いです。剱持より面白いです。
剱持 印象打ち方と面白いって(笑)。
髙村 しょうがない(笑)。
齋藤 髙村の第一印象はすごく昔の話になりますが、すごくキレやすいなって(笑)。アメリカに遠征行った時が初めて会った時だったのですが、全然冗談が通じなくてそれをネタにして、怒るのでそれが面白くてまたネタにして繰り返すってことをやっていましたね(笑)。僕はすごく好きだったのですが、好かれていたかは分かりません。中3のときにまた全国大会で会ったのですが、その頃には気が合うなっていうのは多分お互いに思っていましたね。そこで初めて相思相愛になれましたね(笑)。今は、お互い練習で組んでコーチにこのペアで組みたいと言って、去年結果を残して今も組んでるので、そういう意味では運命だったのかなと思います(笑)。剱持はテニスの印象になってしまいますが、僕はダブルス準優勝しかしたことがなかったので、ダブルスで優勝した人が入ってくると聞いてすごく興味があって。いざ会ってみたら女子にはいないタイプだと思いました。後ろで強い球を打つタイプだと思っていたのですが、前で身長を活かして軽く打つタイプだったのでびっくりしました(笑)。学部が違うので普段会うことないんですけど、今の印象としてはノリがいい人という印象です。森川は去年のフューチャーズの受付に座ってて、僕の同期の和田隼友(社3=栃木・足利工大付)からずっと『なのはな』と呼ばれていたので、下の名前をずっと『なのはな』だと思ってました(笑)。だから名前はそう呼びたいです。
一同 (笑)
齋藤 普段こういうやつ(髙村選手)とばっかり絡んでてじゃれてるせいで、普通の接し方をする後輩への印象がこっちに持ってかれてる気がします。(笑)。申し訳ないですけど、第一印象が変わった1学年下の女子が少ないので、森川の印象もあまり変わってないです。
剱持 髙村はもともとテニスが強いことを知っていて。私の中でテニスが強い人はあまり雑務を手伝ったりしてくれないイメージがあったのですが、髙村はすごく手伝ってくれたので印象としてすごく良かったです。
齋藤 教育したの俺だよ。
髙村 なんも引き継がれてない。
一同 (笑)
剱持 今はそういう雑務の部分もちゃんとやりながらテニスも頑張っているので、結果を残してほしいなと思います。聖真さんの第一印象はすごく気が抜けている印象でした(笑)。でもテニスしているときはギャップがすごくて、すごくかっこいいんですよ。テニスは人をこんなにも変えるのかと聖真さんを見て思いました。菜花は高校頃に団体戦で試合をしたことがあって、大石真珠美(文2=東京・早実)と試合をしているのを見ていて、2人とも足つっていて「すごく足つるな」っていう印象でした(笑)。高校の時は大会で当たっていたので、ライバル意識みたいな感じはあったんですけど。まさか大学でペアになるとは思わなくて、今思うとこっちも負けずに運命だったのかなって思います(笑)。菜花はすごくまじめだと思います。テニスでうまくいかないことがあったらその日のうちに解決しようと努力しますし。1年生のときに上級生のサポートが結構大変なのですが、うまく周りを見て行動できるので大人だなと思います。まじめです。
森川 ダブルスすごいなって思ってて。おっきいなって。
剱持 みんなそれしか言わない。
一同 (笑)。
森川 背が高いなって印象でした(笑)。高校の時に試合をしているのを外から見ていて、ダブルスを組んでいる人がミスしても笑顔で声をかけていたので絶対いい人だなと思っていました。今はその印象通りでしかもめっちゃ面白いし。感情豊かですね。落ち込む時もあるのですが、自分で自分なりに解決しているのですごいなと思います。目標に向かっていつも頑張っているのでそういう努力している姿はいいなと思います。聖真さんは名前は知っていたのですがどの人か分からなくて、テニスをやっている時に探していたらナイキの服を着ていて。それが目印になったので第一印象はナイキの人でした(笑)。あとこの人フォームめっちゃかっこいいと思いました。今の印象はすごくいい人です。
髙村 (髙村選手の印象は)なんも出てこない(笑)。
森川 違う違う(笑)。気軽にも話せるし、いつも元気でテニスに一生懸命なので、だからテニスも強いんだなと思います。髙村はSNSで帽子後ろにかぶってウインクしている写真を見つけて、絶対ナルシストだと思っていました(笑)。同期になるって聞いて、あのナルシストやばいだろって思ってて(笑)。実際会ってみたらすごく真面目で、ふざける時はふざけてて、オンとオフの切り替えがよくできる人だなと思いました。あとふくらはぎがすごい(笑)。いっぱい練習したんだなって思うし、同期なので頑張ってほしいです。
髙村 ありがとう。
――ペアでお互いの尊敬できるところと直して欲しいところを教えて下さい
髙村 聖真さんはテニスのセンスはすごいんですけど、きついことをするのが嫌いで、大会中で連戦になってくると疲れてしまってベスト4あたりで満足してしまう時があるので、そこを直して欲しいです。
齋藤 僕はフォアが武器なのですが、髙村はフォアが得意じゃなくて、たまに僕からするとひどい時があるのですが。フォアがこれほど苦手でもこのレベルでやれているので、自分には分からない強さをもっている部分を尊敬しています。直して欲しい部分としては、危機感があるのはいいことだと思うのですがケガが完治してないのに練習に参加して、またケガを悪化させてしまうところですね。
剱持 すごくシンプルなのですが、実家から離れて全部自分のことは自分でやって、テニスに対しても目標を見失わずに取り組んでいるのは本当に尊敬しています。直してほしいと言うほどではないのですが、集中したい時に笑わせてくるのはちょっとタイミングを考えてほしいと思います(笑)。
森川 尊敬している部分としては全てにおいて自分が今何をしなければならないのかよく分かっていて、計画を立てて実行できるところです。直してほしい部分は、一時期考えすぎてしまって悪循環に陥ってしまうことが長く続いたのでもっと気楽に考えてほしいと思います。
――他のペアには負けない部分はありますか
齋藤 息の合ったコンビプレーですね。僕たちはお互いの悪い部分を知っているので、その悪い部分を見せないように。自分たちをよく見せるのが上手いと思います。
剱持 森川の片手のバックボレーですね。とてもかっこいいです(笑)。ぜひ注目してみてください。
夏へ向けて
この夏こそ全国タイトルを手にしたい齋藤(左)・髙村組
――インカレが近づいての心境を聞かせてください
齋藤 僕は大きい大会が好きで、大きければ大きいほど闘争心が湧きますね。中学の時から3年周期で結果を残せているので、今年はそのジンクス通り結果を残せるよう頑張りたいですね。来年出さないという意味ではないですけど(笑)。根拠はありませんが自信を持ってやれるので頑張ります。
髙村 インカレで強い人と単複どちらも試合ができるので、自分の力がどれだけ通じるのかというのはすごく楽しみです。特にダブルスは上を狙えると思うのでタイトル獲得を目指して頑張ります。
剱持 私はダブルスのみの出場なのですが、まずは去年の結果であるベスト16を超えることですね。去年はテニスに限らず気持ちの面で安定していなくて、もっとやれたという部分がありました。今年は去年よりも1学年上がり、心に余裕があるのでしっかり自分を信じてあげてプレーすることが課題かと思います。高校の時からダブルスをやっていて思うことが、どんな状況でも楽しむことを忘れなければおのずと結果はついてくるといことです。楽しむことを忘れずに頑張っていきます。
<
森川 去年は単複両方インカレ予選で負けてしまって本戦という舞台に立てませんでしたが、今年は立てるので1試合目からテニスを楽しむということを忘れずに頑張っていきたいです。上にいくチャンスはあると思うので、もっと練習して単複両方で結果残せるようあと1カ月間頑張りたいです。
齋藤 すごく遅くて跳ねるコートですね。1年の時は大会を通してフォアのフィーリングが良くなかったです。そのイメージで2年目はガットやテンションなど道具の部分を変えて臨んだ結果、シングルスは負けてしまいましたがダブルスでは手応えをつかむことができました。春関の有明でも遅いコートで結果残すことができたのですが、その時に前日の練習がカギになるなと感じたので、その部分を集中してやりたいなと思いました。
髙村 僕はあまりコートとかボールとかを気にしないのでよくわかりませんが、暑さはすごくあったので工夫して暑さを乗り切りたいと思います。
剱持 聖真さんもおっしゃっていたのですが、コートがすごく遅くて。私はそんなに足が速くないし速い球を打つわけでもなくて、速いコートだと追いつかない球も岐阜のコートだったら追いつくことができるので、そういう意味では相性はいいです。去年はシングルスだったら勝てないような相手の速い球でも、岐阜のコートだったら取れたのでギリギリの球でも最後まで取りにいきます。
森川 私も速いコートだとフォームの関係で取ることができなかったり詰まったりしてしまうのですが、岐阜のコートなら余裕を持ってフォアを返せると思うのでフォアを生かして走って頑張りたいと思います。
――今の調子はいかがですか
髙村 僕はケガ明けなのでよく分かりませんが、テニスの調子自体は悪くないと思うのでこれから上げていきたいと思います。
齋藤 体がきつくて思ったように打てないことが多いですね。テニスの状態が悪いことはあまりないです。
剱持 私は細かいことをあまり気にしないので分かりません。ケガをしていたのでテニスを久しぶりにやったのですが、その割にはそんなに体の状態は悪くなかったのでそこは良かったです。ちょっと良ければ良いと捉えるタイプなので、今の状態としては悪くはないけれど、夏に向けてもっと上げる必要があるかなと思います。
森川 私は一度狂うとすごく考えてしまうタイプなので、今月の目標としてプラス思考という目標を掲げました。調子はよくありませんがプラス思考で前向きに考えて頑張っていきます。
――インカレに向けて強化しているポイントは何ですか
髙村 僕は今リターンとストロークを重点的にやっていて。リターンは聖真さんも僕も苦手で、それが課題だと以前から言われていて課題をなかなか克服できていないのですが、OBの方に教わってつかんできているのでインカレに間に合わせたいです。ストロークはまだまだインカレインドア(全日本学生室内選手権)の調子が良かった時に比べると足りないので、もっと調子を上げて間に合わせたいです。
齋藤 僕は昔からの課題でサーブの成功率があって。今シーズンになってやっと成果が出てきたので、継続して体に覚え込ませて、この1カ月間で絶好調とまではいかなくても安定してできるように頑張っていきます。
剱持 みんな上手いので、普通の典型的な女子の戦い方ではないやり方で何か1つを極めて。真っ向勝負するのも大事だとは思うのですが、それよりも頭を使ってコートを広く使うことで試合を有利に運んで、試合の重要な場面ごとにどの選択をするかを今意識して取り組んでいます。もっと試合形式の練習を増やすことで実戦の時にできるようにしていきたいです。
森川 私も聖真さんと一緒でサーブに課題があるので、たくさん練習して今は前よりはサーブが打てるようになりました。だから前よりも結果が出るようになったのかなと思います。インカレでは暑い中何試合もやるので、サーブを練習通りできるように1ヶ月間頑張っていきます。あとストロークがすぐ浅くなってしまうので継続的に深いところに打てるようになる練習していきます。
――インカレで注目してほしいポイントを教えてください
齋藤 僕は強化しているサーブですね。今までよりもサービスエースが取れると思います。自分のフォームが好きではないので球だけ見てください(笑)。
髙村 守備力、守備範囲の広さですね。僕の強みはバックにどれだけ振られても返すことができるところなのでそこに注目してほしいです。
剱持 前衛でのプレーですね。背が高いので嫌でも目に入ると思います(笑)。勢いで相手を吹き飛ばすほどのボレーを打ちます。
森川 私はスライスからのフォアですね。スライスで魅せたいと思います(笑)。
――インカレにおいて他大で意識している人はいますか
髙村 誰ということはないのですが4年生に勝ちたいです。4年生と試合ができる大会がこれで最後で、これで負けたらもう終わりなので、4年生には負けたくないという気持ちは強いですね。
齋藤 個人的に去年のインカレでダブルス優勝した片方の畠山成冴(慶大)が幼馴染なのですが、事あるごとに「まだ(齋藤選手には)負けてない」ということを僕に言ってくるので畠山にはライバル意識を持っていますね。これから単複で団体出場すると対戦する機会が増えると思うので、負けたくないです。
剱持 春関でシングルス優勝した松田美咲(亜大)には高校時代一度も勝ったことがないので、もし対戦することがあったら高校の時のリベンジをしたいと思います。
森川 去年はインカレ予選で単複ともに関西の学校の人に負けてしまったので、関西の人には負けたくないです(笑)。
――最後に単複それぞれでの目標と意気込みを聞かせてください
髙村 シングルスはベスト8以上を目標に。ダブルスは二人でタイトルを取りにいく気持ちで臨みたいと思います。
齋藤 単複両方優勝したいです。自分のプレーに満足しがちなので、これからは結果に対して満足せずにやっていきたいと思います。
剱持 いけるところまでいきたいのはあるのですが、強いペアにすぐ当たる可能性もあります。でも最強ペアなので負けるわけにはいかないです。インカレは1年に1回の特別な大会なので、全部出し切ったと言えるような大会にしていきたいです。
森川 ダブルスは最低でも去年の成績より上にいけるように。シングルスでは目標高くベスト8ぐらいにいきたいです。本当に1年で一番大会なので、終わった後に悔いが残らないよう頑張っていきたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 小田真史、佐々木一款)
ダブルス間の掛け合いが印象的な対談になりました!
◆齋藤聖真(さいとう・しょうま)(※写真中央左)
1996年(平8)12月14日生まれ。身長177センチ、体重64キロ。神奈川・湘南工大付高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な成績は、関東学生トーナメント男子シングルスベスト8、ダブルスベスト4。全日本学生ランキング男子シングルス13位、ダブルス4位(2017年6月付)。普段は優しくてゆるい人だという齋藤選手。テニスになるとかっこいいというギャップを発揮し、息の合ったコンビプレーで大好きな髙村選手と優勝をつかみ取る姿に期待です!
◆髙村佑樹(たかむら・ゆうき)(※写真左)
1998年(平10)1月10日生まれ。身長175センチ、体重67キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部2年。今季の主な成績は、関東学生トーナメント男子シングルスベスト16、ダブルスベスト4。全日本学生ランキング男子シングルス10位、ダブルス4位(2017年6月付)。普段からまじめで、練習も雑用もしっかりとこなす髙村選手。インカレでタイトルを獲得して、齋藤選手とのかっこいい写真がSNSに上がるのが楽しみです。
◆剱持梓(けんもち・あずさ)(※写真右)
1998年(平10)1月26日生まれ。東京・早実高出身。社会科学部2年。今季の主な成績は、関東学生トーナメント女子ダブルスベスト4。森川選手から今も昔も「優しくて絶対いい人」と言われる剱持選手。時折見せる怖い一面も後輩を思ってのこと。インカレでは『最強ペア』として全てを出し切る姿に注目です。
◆森川菜花(もりかわ・なのは)
1998年(平10)1月28日生まれ。山口・野田学園出身。社会科学部2年。今季の主な成績は、関東学生トーナメント女子ダブルスベスト4。真面目で大人で面白いという森川選手。試合前には剱持選手と夜10時まで練習したことも。インカレでは片手バックボレーに注目です。