連載第2回に登場するのは、松本貫太朗(社3=東京・早実)と廣川真由(社3=埼玉・浦和学院)だ。関東学生トーナメント(春関)では全日本学生選手権(インカレ)本戦を決められず、予選からの挑戦になる二人。育成層代表として、インカレ本戦に懸ける思いを伺った。
※この取材は7月2日に行われたものです。
「育成層の目標になる存在に」(松本)
上級生としての思いを語る松本
――ここまでのシーズン、関東学生新進選手権(新進)や春関を振り返っていかがでしたか
廣川 新進はダブルスでベスト4に入れて良かったのですが、春関ではダブルスも本戦2回戦で負けて、シングルスも1回戦で負けるという結果になってしまって。正直ギリギリインカレ(予選)出場ということになったので、もう少し勝ってインカレ本戦にいきたかったのですが、そこはインカレでリベンジしたいなという感じです。
松本 とにかく春関で岐阜(インカレ)に行くことを目標にしていて、新進では春関で本戦から出場できるところまで勝とうと思って計算して、48番目、何とか1回勝って進めました。まあ(春関では)1回戦で負けたのですが、コンソレで勝って(岐阜に)行けたのは良かったです。
――単複で見つけている課題はありますか
廣川 サーブが全然2月くらいから入らなくなって、春関でも入らずサービスゲームで苦労して全然キープできないということが続いています。夏はしっかりサーブを入れてキープできるようにしていきたいです。前よりは上がってきていると思います。
松本 勝ちたい試合の時に気合が入りすぎて、春関だったら2ゲーム目で足をつってしまったということもあって、調整が少し難しいです。
――3年目はどのような年になっていますか
松本 部に関わることが上級生になって増えました。
廣川 下級生も増えてきて、練習の中でも就活とかで4年生がいなくなると3年生が練習メニューを考えるので、そういう意味でも上級生として自覚ある行動をしていかなくてはいけないなと思います。
――この対談は育成層からのピックアップということになりますが、自分たちが底上げしていこうという意識はありますか
松本 去年森山さん(颯太、商4=埼玉・川越東)がインカレベスト32に入って育成層の目標になる存在になって、僕もそこを目指して頑張っていきたいと思います。
廣川 1年生とか育成層でも強い子が多くて、レギュラーに入れそうな子たちが出てきているので、下から私たちがどんどんプッシュして育成をできたらいいかなと思います。
学年、学部が一緒の二人
統括として共に早稲田フューチャーズを運営した二人
――ここだけは他の部員に負けないぞ、というところはありますか
松本 練習量では負けていないと思います。
廣川 (居合わせた部員からの「首の角度」という声に)ああ、首の角度は負けてないと思います(笑)。打つ時に曲がるんですよ。自分でもよく分からないですけど・・・。
――時々左に傾く印象はあります
廣川 その通りです(笑)。
――お互いの印象をお聞きしたいのですが、お二人が初めて会ったのはいつですか
廣川 入学した時かな。
松本 (廣川選手が)人の家に遊びに行くじゃないですか。勝手に冷蔵庫を開けて食べ物を漁るみたいな、そういう噂があったんですよ。ちょっと遠目な感じで見ていました。観察して、いいやつだったら関わっていこうかなと。お互い社会科学部で授業も一緒なので、テスト前とかになるとプリントとかを見せてくれたりして。いい人だな、と。
廣川 使ってるだけじゃん(笑)。印象は・・・。結構1年生って大声を出すことが多いのですが、声がすごく特徴的で、そこの印象がすごく強かったです。今は・・・あまり変わってないです(笑)。一緒に(三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメントの)統括とかして、いいやつだと思っています。
――松本選手の声のお話がありましたが、松本選手は庭球部ホームページの部員紹介でプレースタイルを「声は河野さん(優平副将、スポ4=福岡・柳川)、テニスは木島さん(平29スポ卒=東京・日野台)の劣化版」と書いていらっしゃいますね
松本 打つ時の声ですね、それは。間違いなく劣化版です。(テニスの方は)木島さんはそんなにうまいってタイプではないのですが、気合でストロークで押している感じが似ているかなと。その質は低いのですが・・・。
――せっかくの男女対談なので、それぞれ異性の部員で仲の良い人を教えてください
廣川 後輩なのですが、安上(昂志、スポ2=福岡・柳川)、古賀(大貴、スポ2=大分舞鶴)とかは結構仲いいですね。
松本 金井さん(綾香、社4=東京・早実)ですね。高校から一緒で、いつも練習したりしています。
――お二人とも副将補佐という役職に就かれていますが、どのようなお仕事をしていらっしゃるのですか
廣川 副将の補佐なんですけど・・・。
松本 副将が就活でいられなかったりするときに僕たちが育成層の副将を担当しているので、育成層の底上げ、インカレや関東学生に育成層からどうやったら行けるのかということをリーダーシップをとって考えて、という感じですね。
――アシックスのウェアには数種類ありますが、お気に入りのものや気合を入れたい時に着る色はありますか
松本 白白ですね。ウィンブルドンで(笑)。
廣川 ピンクとグレーのものは結構いいなと思っています。ピンクピンクで着たいという人もいたりするのですが、「おお」って思って(笑)。団体戦の時は主将が何を着たいのかで決めるのですが。
「一つずつ勝てるように」(廣川)
まずは予選を突破することを誓う廣川
――インカレ本戦は遠い、厳しいというイメージはありますか
廣川 私は1年生の時にダブルスで本戦に行けたのですが、周りはみんな強くて、という感じなので。ただ予選もすごくレベルが高いので、そこを勝ち上がるのは大変だろうなと思います。
松本 そうでもないです。まず本戦に上がれるように頑張ります。
――あと1カ月ほどでインカレが始まりますが、今の調子は
松本 今ケガしていてあまりできていないのですが、何とか調整します。
廣川 私もケガをしていて、テニスはしているのですが何とか万全な状態に持っていけるようにしたいと思います。
――重点的に練習していたところは
廣川 サーブです。
松本 インカレのコートが遅いということもあって、ボールを上に上げる練習ですね。体力勝負に持っていきたいと思います。
――意識している選手がいらっしゃれば教えてください
松本 森山さんですね。テニスの考え方が素晴らしいなと思っているので。フォアとか結構ひどいのですが、その中でどうやって戦うのかという考え方ですね。あの人のレベルの中では技術がそんなにない方だと思うのですが、その中でも勝てているところは真似していきたいと思います。
廣川 私は大矢(希、スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)です。私は大矢のベンコなのですが、すごく(球を)取れるし前もうまいしというので、ああいうプレーができたらいいなという感じですね。
――ことしのインカレはどのようなインカレにしたいですか
松本 出し切れたらいいかなと思っています。
廣川 まず予選を単複勝ち上がって、本戦出場したいです。
――技術面でご自身のアピールポイントがあれば教えてください
廣川 ダブルスだったらボレーで(笑)。
松本 声は飛んでいるのですが、ボールが飛んでいないので。
一同 (笑)
松本 そこの緩急を。
――改めて、インカレに向けて意気込みをお聞かせください
廣川 単複は初めてなのでタフになるとは思うのですが、いつもトレーニングはよくやっているので、まず本戦出場をして、一つずつ勝てるように頑張りたいです。
松本 とりあえず声を出して頑張ります!
――ありがとうございました!
(取材・編集 熊木玲佳)
学年、学部が同じお二人の対談となりました
◆松本貫太朗(まつもと・かんたろう)(※写真右)
1997年(平9)1月31日生まれ。身長176センチ、体重70キロ。東京・早実高出身。社会科学部3年。プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手と共に練習したという松本選手。大坂選手のTwitterでは松本選手、土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)とのスリーショットが公開されています!
◆廣川真由(ひろかわ・まゆ)
1996年(平8)8月29日生まれ。身長168センチ。埼玉・浦和学院高出身。社会科学部3年。居合わせた増田啓孝さん(政経4=Nido de Aguilas International School)に「(見どころは)完全にクロスだと思わせて当たり損なってストレートにいくフォア」と茶々を入れられていました