強さの秘けつ!?学生王者の練習に密着

庭球男子

 いよいよ本格的な学生大会シーズンを迎えようとしている早大庭球部。関東学生トーナメント(春関)や早慶対抗試合(早慶戦)まで残り1カ月を切った中、学生王者はどのような練習をしているのか?休日の練習模様をお伝えする。

 限られたテニスコートを有効に使用するため、男女で練習時間を分けている庭球部。この日は主に男子の前半練習にお邪魔した。10時に集合し、集中力や持久力を高めるための縄跳びトレーニングからスタート。ノルマは連続2000回で、引っかかってしまったらゼロからやり直しだという。11時には屋外コートで練習開始だ。まずはショートラリーで体を慣らし、徐々にロングラリーに移行。しばらくすると、5分交代のボレスト練習が始まった。4面中1面では渡邉隼ヘッドコーチ(平19スポ卒=静岡・庵原)を交えた2対1の練習が行われる。2人がボレーに入り、ストローク1人を時間いっぱい前後左右に振る。ボレーヤーはコントロールや反応が鍛えられ、ストローカーはどんな球でも返す練習になる。追い込まれてつらそうな様子を見せると周囲から「頑張れ」などと声が上がり、小倉孝介主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)は「早大ならではの、ベースになっている練習」と語ってくれた。

2対1の練習。終了後はかなり体力を消耗している様子だった

 5分ほど休憩を挟んだ後、練習はサーブリターンから再開された。部全体としても、最近は「打つ回数が一番多いので、こだわりはみんな強くなっている」(渡邉ヘッドコーチ)と、試合の基本となる動きに力を入れているようだ。その後は、渡邉ヘッドコーチや石井弥起コーチも参加するダブルス練習が行われた。7ポイント先取のゲーム形式で、1ポイントを終えるごとにペアで声を掛け合うなど、実戦を見据えたメニューとなっている様子だった。最後に行われたのは、30分ほど時間を取ったサービス練習。サービスコートにコーンなどで的を作り、各々が自分の課題と向き合いつつサーブを打ち込んでゆく。時折送られるコーチ陣からのアドバイスに、部員は真剣な表情で聞き入っていた。この日の前半練習は14時に終了。昼食の休憩を挟み、後半練習はさらにウエートトレーニングやダブルスの練習などを行う予定とのことだ。

全体として力を入れているというサーブ練習

 一つ一つの練習に集中しながらも、部員同士で声を掛け合い切磋琢磨(せっさたくま)している様子が印象的だった。現在は春関や早慶戦に向けた追い込み期間。一発勝負の早慶戦においては春関などで調子を上げている選手が起用されるため、レギュラーも気が抜けないという。「試合の終盤に疲れた時に力を発揮できるようにイメージした練習が多い」(石井コーチ)。球際の強さを身につけ、力を蓄えてシーズンを戦い切る。

(記事 熊木玲佳、写真 松澤勇人)

コメント

渡邉隼ヘッドコーチ(平19卒=静岡・庵原)

――まず、ヘッドコーチとしてのお仕事を教えてください

単純に部活を強くするために練習を管理する役目があります。最近では生活指導とまではいかないですが、人としてのあり方とか、ただ強いだけでは大学生として物足りないので、そのような面での指導もありますね。

――練習メニューもヘッドコーチが考えるとお聞きしましたが、どのように決めているのでしょうか

まず、例えば王座(全日本大学対抗王座決定試合)優勝する、インカレ(全日本学生選手権)優勝するといった大きなテーマを持ちます。そこから逆算して、この時期には体力トレーニングをしなくてはいけない、練習試合をしなくてはいけないだとか、後は本番の試合に出場させるだとか、1年が始まる頃にはスケジュールが決まっています。その中で調子が悪い子はたくさん練習を見たり、ケガ明けにたくさん練習し過ぎてしまうとまたケガをしてしまうので気をつけたり、強弱のつけ方はすごく慎重に見ていますね。

――出場する試合はJOPなども含め1年の始めには決まっているのでしょうか

半年くらいは一気に決めてしまいますね。授業もあるので一般の大会やプロの試合の数が限られていますし、例えば去年のインカレインドア(全日本学生室内選手権)の時にはこの6月くらいまでは決まっていました。

――渡邉ヘッドコーチはどのようなかたちで練習に参加されるのですか

基本的に選手の状態を見る時は目だけでなく自分の感覚で受ける方が分かりやすいので、きょうみたいに一緒に打つことも多いです。疲れてくると弱いところが出るので、対面してやることが多いですね。後ろから指示を出すというよりは、コート上に一緒に立って対面して選手の強いところを引き出そうとも考えますし、弱いところをひたすら徹底的に狙うこともあります。最後ああやって(2対1で)しつこくやるのは、弱い部分が試合で出ないようにしなくてはいけないというところがあるので、そういう練習のかたちが多いですね。

――2対1の練習はかなり追い込む練習なのですね

そうですね。テニスは前後左右動かなくてはいけないので。テニスは単純にボールを全部返せれば勝てるので、コート上をたくさん走れる選手が強いですし、返せないボールがきた時に相手にポイントがいってしまいます。海外遠征で海外の選手がサーブが良かったり確率が良かったりということが新たに見えた課題だったのですが、そうだとしても体が強くないといけないので、ああいう練習が多くなるのかなという感じです。

――練習を進めていく上での苦労はありますか

オンコートは単純に疲れるので(笑)、選手も含め自分の体調管理には気をつけているかなというところです。後は一生懸命練習をするとケガをする子も出てくるので、そのバランスは難しいです。体調不良があったりもするので、そこが一番苦労します。みんな練習したいところを休ませたりというところが一番難しいですね。(見るのは)大きくはレギュラーになってしまいますけど・・・。部員が約60人いるので1人1分でも1時間はかかってしまいます。選択してやらなくてはいけないので、全員が均等になることは正直ないと思っています。だからと言って一番弱い子に興味がないというわけではないです。そういう意味ではそれが一番苦労するかもしれませんね。

――いつどの部員を見るかというところから考えなくてはいけないと

そうですね。誰を勝たせなくてはいけないのかというところです。みんな勝ちたいとは思うのですが。

――部全体として強化している部分はありますか

きょうはサービス練習を最後に30分ほどやっていたのですが、サーブリターンが一番打つ回数が多いので、そこへのこだわりはみんな最近強くなっているなと。ダブルスに関して言えば他の大学も強いので、ダブルスの強化はコート上だけではなくて画面を通して頭を使った練習は少しずつ増えていくかなというところはありますね。

――春関や早慶戦が迫ってきていますが、練習の雰囲気はいかがでしょうか

キャプテンの小倉(孝介、スポ4=神奈川・湘南工大付)だったり細沼(千紗、スポ4=東京・富士見丘)だったりが頑張っていて、それ以外の4年生もすごく頑張っているので、がむしゃらにはやってくれています。ただその状況状況に応じて言葉をかけられるようになったらもっといいなというところはありますね。まずはがむしゃらにやってその中で一つ一つ伝えて、こういう練習はこういう意味があるという風にやっていければ試合をイメージできるので集中力が上がってくるのではないかなと思います。雰囲気としては新しい1年生が入ってきて新しい風が入ってきているので、元気よくやっています。高校を卒業したばかりなのでケガだけには気を付けてほしいなと思います。

――きょうの練習に点数をつけるとすると

ベストは尽くしているとは思っていて、いつも100点は目指したいのですが、これをやったら絶対勝てるというものはないので・・・。きょうやってああまだここがだめだなというところが見つかってしまいます。60点くらいですかね。

――きょうの練習で光っていた人はいましたか

1年生いいかなと思いますね。千頭(昇平、スポ1=愛知・誉)も最後来たりとかして、みんな受け入れる体制もありますし、1年生が光るということは部としてはいいのかなという。清水(映里、スポ1=埼玉・山村学園)も頑張っていましたし、学生たちはそういう風にしたいと思っているでしょうし。小林(雅哉、スポ2=千葉・東京学館浦安)とかはきょうはいなかったのですがいつも練習いいんですよね、集中力が高いので。いつも一生懸命やろうとしているのは、最近は男子だと古田(伊蕗、スポ3=静岡・浜松市立)、坂井(勇仁、スポ3=大阪・清風)ですね。上級生になったという自覚が強いのかなとは思いました。坂井は春先で海外遠征も頑張っていましたがあまり目標を達成できていなかったので、春関、早慶戦という意味ではその二人はきょういい集中でやれていたのかなと。女子は細沼や大矢(希、スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)がいないのですが、その分上(唯希、スポ3=兵庫・園田学園)が集中力高くて、清水が引っ付いてやっていたので、その二人は良かったのかなと思います。

――上級生になった3年生と、新しく入った1年生が頑張っているというところでしょうか

ああ、そうですね。そういう感じになっていましたね。

石井弥起コーチ

――まずコーチのお仕事について教えてください

僕の場合、月に10日を目安に来ています。週末をメインにして、平日の来られるときに来ています。渡邉ヘッドがいるので、その元でうまくコミュニケーションを取りながら僕なりに考えて練習メニューを組んだり、こういうことをやっておいてくださいと言われることもあります。早大の庭球部がずれないようには気を付けています。

――ずれないように、というのは具体的にどのような軸があるのでしょうか

小手先の技術よりは、しっかり球数を打ってしっかり走って、練習量を多くして。本質的なところを見失わないように練習にしようかなと心掛けています。

――石井コーチの目から見て、早大の練習の特徴は

人数が多いので個々の細かいことをやっていくことは難しい部分はあります。しっかり追い込む練習というんですかね、2対1が多いですし、その中で先ほども言ったように走ってボールを打てて、試合の終盤に疲れた時に力を発揮できるようにイメージした練習が多いですね。

――そこで差をつけていこうと

そうですね。球際の強さを求めています。

――コーチはどのようなかたちで練習に参加されるのでしょうか

打てる時は打ちたいと思っているのですが、やはり人数が多いので、なかなか入れないのが現状です。僕の場合は練習の台になるときはありますが、一緒になって打つということはそんなに多くないですね。

――では見ていて気になったことをアドバイスするというかたちが多いのですね

そうですね。後ろから見ていてとか、ボールを出してあげるとかですね。

――春関や早慶戦も迫っていますが、練習の雰囲気としてはしまってきているのでしょうか

嫌が応でもこの時期になると意識してきますから。徐々に徐々にそれに向けて上がっている段階じゃないかなと思います。

――きょうの全体の練習を振り返って点数をつけるとしたら

合格点、70点くらいですね。残りの30点はまだまだ厳しさだったりやり込んでいないところだったりがちらほら見えたかなというところですね。

小倉孝介主将(スポ4=神奈川・湘南工大付)

――きょうの練習メニューはどのような狙いで組んでいるのでしょうか

5月の頭に春関があって、その次の週に早慶戦があるので、追い込み期間です。平日も2部練習というかたちで授業がない時は練習をしていて、練習前も田無ランで追い込んでトレーニングもあってという中で、きょうは体がきつかったと思います。早慶戦、春関に向けて気持ちが入っていて、午前中は技術的なものというよりは心拍数を上げたりとか、左右の動きの中でしっかりコントロールするというものです。目的としては、毎日試合が続くのでハードな中でも走り続けられるようにというところで追い込んだという感じですね。ダブルスのポイントもあったと思いますが、サービスダッシュを多く取り入れていくという。苦手な人でもできるようになることが1つ増えれば戦略も増えて、慶大にはない情報になったりするので、自分たちがまだ挑戦していないものに練習から挑戦して試合で使えるようにという目的があります。

――練習は主将が引っ張るのでしょうか

隼ヘッドコーチがいない時は僕が仕切って、練習メニューを考えて。4年生で引っ張っていきます。

――練習の中で工夫している点は

もちろん練習メニューを考える中で僕にも苦手なものがあるので、ダブルスだったらダブルスが得意な人が練習メニューを考えて、どういう意図でどういう練習をするのか言った方が説得力があります。やはり僕はテニス的にはみんなより劣っている部分もあるので、僕はトレーニングメニューだったりフォームの修正だったり、トレーニングを自分に負けないようにプッシュしたり。技術的な面は他の同期に助けてもらっていますが、一人一人に役割があるのでうまく回していけていると思います。

――春関や早慶戦に向けて早慶戦の雰囲気はいかがですか

緊張感があります。特に1年生はポイントがなくて1次予選からなのでかなり緊張するみたいで、逆に緊張しすぎて体が縮こまっている部分もあるのですが、大学の大会独特の雰囲気にも慣れてもらわないと早慶戦でも戦えないと思うので、雰囲気は自然と緊張感ある練習になってきます。その中で僕らも緊張感の中でどれだけ自分のテニスができるのか大事にするようにしています。

――きょうの練習の中で光っていた人はいますか

新1年生が、全体的に慣れない練習の中でここ2週間続けてきて、その中で自分なりにがむしゃらにやったり、自分が今まで一番だったのにここに入ったらそうではない中でどうしたら自分が先輩たちを倒していけるのか試行錯誤したりで日々のマッチ練をこなしていると思うので、そういう面でも1年生が頑張っているかなと思います。

――きょうはトレーニングとして縄跳びをしていましたが、他にはどのようなものがあるのですか

きょうはこの後ウエートもあります。基本的にトレーナーがメニューを組んでくださって、それに沿って1週間のスケジュールをトレーニング委員が組み立てています。きのうはダッシュ系を多くこなしましたし、体力測定も定期的に行っています。自分の体力やウエートで自分がどれだけ持ち上げられるかということを知ってから、それに沿ったトレーニングをしています。

――早大ならではの練習メニューはありますか

2対1は僕が入ってきた時から基本的なものです。根性論的なところもありますし、決められた時間の中で振られて振られて振られてひたすら返して(笑)、自然と試合の中で振られても何とか返すということが身に付きます。後はボレーヤーももちろんただ振るだけではなくて相手が取れるか取れないかのところにコントロールしたり、反応したりというところが早大ならではの基本的なベースになっているのではないかなと思います。

――2対1の練習には基本的に渡邉ヘッドコーチが入るのでしょうか

隼さんは金曜から月曜までであまり平日はいらっしゃれないので、僕らがやります。その時に、隼さんやコーチ陣の方々が入っている時と同じように厳しくできるかと。隼さんは相当ボレーがうまくていやらしいので(笑)、僕らでもクオリティーを保ってできるかというところですね。

――練習で苦労している点は

やはり僕らは練習時間もかなり長いので、どこかで誰かが集中を切らしてしまったり元気がなくなったりということはあるのですが、そこでそれを許してしまうと全体がゆるくなってしまうので、そこは気を配って周りを見て、気持ちが入っていないなとか、そういう面は厳しく言っていくようにしています。プロは長い時間やらなくても緊張感がヒッティングにいった時などにもすごく伝わりますし、雰囲気はすごく大事だと思うのですが、自分たちで作り上げていくのはなかなか難しいです。

――大会がない期間は練習も変わってきますか

特に冬場はトレーニングもテニスも追い込み期間があるので。ポイント系よりは心拍数を上げたりだとか、実戦とは遠い部分も取り入れています。

――きょうの練習を全体的に振り返って点数をつけるとしたら何点くらいになりますか

75点ですね(笑)。後の25点はやはり本当に早慶戦に自分が出るとなるとありえないようなミスを全員がまだまだしていたり、それを本当に試合でやるのかと言われたらできないようなプレーがまだ見受けられたり。どこかまだ自分に負けている部分があるので、その分かなと思います。

澤田実梨(文構3=奈良・帝塚山)

――きょうの練習内容を教えてください

明日ダブルスの試合がある人がいたので、ダブルス練習が中心でした。サーブからのクロスラリーで前衛がポーチに出る練習だとか、試合形式の練習を多めにしました。

――普段は毎日同じような練習をするのですか

色々あるのですが、ツーボレーツーストローク(ボレー2人、ストローク2人)でやる練習が多いですね。

――春関、早慶戦前ですがそれに向けて特別な練習はしていますか

例えば試合が8ゲームマッチだったり3セットマッチだったら、それに合わせて練習をしますね。スーパータイブレークの試合形式で練習するときもありますね。試合を意識した練習はしています。

――練習をまとめる上で、難しいことや工夫していることはありますか

人数と使えるコートの面数を考えながらやらないといけないので、そこは難しいですね。その中で、始める前にそれぞれの課題だとかやりたい練習を聞いてからメニューを決めるようにしています。

――個人の課題も消化しながら、ということなのでしょうか

そうですね。それから、今週はボレーを強化しよう、今週はサーブを強化しようみたいに決まっているときもあるので、そういうときはある一つの練習を多めにやります。

――長い練習時間を取れない平日はどのような練習をしているのですか

平日は基本的にその時間に授業がない人が集まって練習するのですが、1人3時間半くらいの練習の中で、できるだけシングルスとダブルスの練習両方ができるようにしています。2人だけしかいない時もあるのですが、そういう時はダブルスの練習はできないので、個人の課題にじっくり取り組めると思います。人数が少ないときの方が自分のやりたい練習ができますね(笑)。

――午後の練習メニューも決まっているのですか

毎回の練習にはその練習のチーフみたいな人がいて、その人がみんなの意見を聞いてメニューを決めるという感じです。

――コーチがいらっしゃる時は

コーチがいらっしゃる時は、こういう練習をしようと言ってくれるので、それを見てもらいながらやるという感じです。コーチがいる時は2対1の練習をよくやります。ボレーが2人でストロークが1人で、ストロークの人がめちゃくちゃ左右に振り回されるというものなのですが、すごく体力を使います。コーチが追い込んでやってくださって、みんなもそれにプッシュされていつもよりしっかり動けていると思うので、とても練習になりますね。

――きょうは林恵里奈さん(平29スポ卒=現福井県体育協会)が練習に参加していましたが、OB、OGの方はよく練習にいらっしゃるのですか

ここを練習拠点にしているOB、OGの方もいるので、平日とかも結構来てくれますね。プロの方はやはりレベルが高いので、部員にとってもすごく刺激になります。

――春から新入生も練習に参加していると思いますが、新入生の様子はいかがですか

4月になって2週間くらいですが、だんだん馴染んできたのかなと思います。ことしの1年生はのびのびとやってくれていて、元気いっぱいなので、上級生も頑張らなきゃなと思いますね。

――チームとしての雰囲気はいかがですか

みんなが元気よく盛り上げて練習ができていると思います。良い雰囲気ですね。

――きょうの練習で特に目立っていた人はいましたか

うーん、誰だろう(笑)。私はきょうずっと4人でダブルスの試合やっていたので、その中だったら1年生の山田(菜津子、文構1=石川・大聖等)ですかね。いつも一生懸命やってくれていて、きょうも積極的にプレーできていたと思います。

――今後のチームとしての目標をお願いします

チームとしてはまずは早慶戦ですね。早慶戦に男女ともに絶対勝つという目標でやっているので。個人戦でもそれぞれが良い結果を出して、関東大学リーグ、王座に向かっていきたいです。王座では連覇はしていますけど、それよりもことしのこのチームで日本一になる、というのを目標に、日々頑張っていきます。

千頭昇平(スポ1=愛知・誉)

――高校3年間を振り返って

僕は高校1年生の時にMUFGジュニアや総体ベスト4と全日本ジュニア16歳以下で優勝してそのままプロになる予定だったのですが、2年生の終わりに膝を故障してしまって、手術をして1年間思うようにテニスができなくて。ケガをしたから大学に入ったというわけではなく、一から自分のテニスを見直して、僕は高校3年間自由にやってきたので、社会に出るための勉強も必要だなと思いました。大学の中で一番強くて、プロも出ている早大で練習したいなと思いました。大学を選ぶにあたって、一番いいところを考えた時に最初に浮かんできたのが早大で。高3の半ばくらいにお話をいただいて、東京五輪もありますし、昔はプロの試合を回れなかった中で今早大はどんどん世界に出ていく選手をつくろうという方針で、僕もそれに賛成で、プロになりたいと思っているので、すぐ決めました。

――ケガの調子はいかがですか

高校3年生の試合が大学の試合に考慮されるらしくて、僕は3年生の時に何も出られていなかったので1次予選からなのですが、何事もなく痛みもなくできたのがまず良かったですね。インカレ優勝に向けて自分のやるべきことをしっかりやってどんどん上にいきたいです。

――プレーの強み、改善点を教えてください

何が強いというわけではなくて、自分は粘り強くしっかりボールをつないでチャンスがあれば中に入って打っていく、前にいってボレーで決めるというタイプです。気持ちを強く持ち続けて最後までファイトすることが僕の強みです。最近練習試合もちょこちょこやらせていただく中で、自信がないのか不安な部分もあったのですが、本番の試合は約1年ぶりで、やってみると強い気持ちを持って戦えて、やっとこの状態に戻ってこられたなと思っています。今はいい状態です。ケガをしていて一からのスタートなので、改善点は特になくて、全部を上げられるように頑張ります。

――早大の練習に交じってみていかがですか

まず思ったのが、上下関係はそこまで厳しくないなと。この部活内では上下関係がはっきりしているのですが、部活外ではフレンドリーに接してくださって。居心地のいい場所だと思いますし、練習もしっかりしていて毎回工夫されているので、自分もこの練習に合っているなと思います。

――高校までとの練習の違いは感じますか

親がテニススクールを経営していて、高校までずっとテニススクールでした。だいたいやることは一緒だと思うのですが、選手の質、インカレで優勝している選手やプロの試合でいい成績を残している選手がたくさんいて、普段テニスクラブでやっていたものとは1と100違うので、質の高い練習ができています。

――1年目の目標を教えてください

何事もなくケガもなく1年間戦い続けることが目標です。それができれば自然と結果もついてくると思うので、まずはケガをしないように気を付けて戦っていきたいなと思います。

――4年後にはどのような自分になっていたいですか

足りないことだらけですが、自分ができると信じて1日も無駄にせず毎日毎日ひたむきに練習していければチャンスは絶対出てくると思います。もしその目標がかなわなかったとしても、一日一日ちゃんとやり続けた日々は絶対将来の財産にもなりますし、必ず生きてくると思うので。覚悟を持って飛び込みたいです。

清水映里(スポ1=埼玉・山村学園)

――高校3年間を振り返って

中学の時に私はあまり勝てていなくて、高校3年間で段々テニスが良くなってきたのですが、ケガもあったり勝てなくなった時期もあったりと濃い3年間でした。亜大に進んだ松田美咲さんといつもライバルとして頑張ってこられたのがすごく大きくて、違う大学に進んでまたライバルとしていられるのはすごくうれしいです。いい思い出の方が多いですね。

――どのような理由から早大を選んだのですか

高校2年生くらいからプロになりたいなという意識はあって、でも高校最後の夏であまりいい成績が残せなくて、プロにいくという自信が持てなくて。ずっと嶋崎さん(徹夫監督代行、平元商卒=神奈川・桐蔭学園)や渡邉隼さん(ヘッドコーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)が声をかけてくださっていたので、何度か練習していって、早大は本当にすごい伝統があって、王座(全日本大学対抗王座決定試合)も女子は11連覇していて、環境としては日本一の場所ですし、テニス以外のところでも精神力とか礼儀を学べるなと思ったので、早大を選びました。

――今のテニスの調子はいかがでしょうか

良くはないんですけど悪くはないです(笑)。でも春関の2次予選が来週から始まるので、この1週間で調整していかなくてはなと思います。

――大学の授業も始まっていますが、もう慣れてきましたか

ちょっとだけ慣れましたけど、まだいろいろミスをしてしまったり、まだまだですね(笑)。でも同期がいっぱいいるのでみんなが頑張ってくれて、男子とかも協力してくれるので、同期には恵まれています。

――プレーの強み、課題を教えてください

私は左利きなので、サーブとフォアを生かしたプレーをするのが好きなのですが、攻撃的なプレーをする反面精度が噛み合っていなくて、調子がいい時はいいのですが、少し崩れたり粘り強い選手に当たったりしたときに精度がファイナルセットまで続くかというと続かないので・・・。今は精度を上げることと、精度を上げ過ぎて質を下げない、というところが課題ですね。後はフットワークです。

――きょうの練習の振り返りをお願いします

風がすごく強くてコントロールがしにくかったのですが、足をしっかり動かして少しスピードを落としながらコントロール重視でできたことが良かったのかなと。最後にダブルスの練習をやったのですが、前衛の動きにまだ苦手意識があって、(春関で)シングルスは本戦にいけたのですがダブルスはポイントがなくて2次からなので、もう少し前衛の動きを良くしないといけないなと思います。

――高校の練習と早大の練習は違いますか

もう全然違って・・・。私はクラブ通いだったので、一球一球「いきます!」とか「すみません!」とかあまり言ってこなくて(笑)。後球出しはあまりクラブではやらなくて、大学では当たり前のようにあるのですが、威力のないボールをしっかり打つということが苦手で、それも大事な練習だなと思っています。少しずつ慣れていきたいです。

――1年目の目標を教えてください

存在感を出せるようにしていきたいのと、しっかりインカレ(全日本学生選手権)に出場して春関で優勝、インカレでベスト8以上に入りたいなと思っているのですが。後はダブルスはあんまりで、全日本ジュニアもダブルスで1回だけ全国にいったり、本当に苦手なので。ダブルスが得意になればシングルスのボレーでも生かせるようになると思っているので、頑張りたいなと思っています。シングルスは団体戦に出させていただくことと、ダブルスはインカレで勝つことを目標にしたいです。

――4年後にはどのようになっていたいですか

プロになりたいと思っていて、でもなれなくて大学を選んだわけなので、しっかりプロになるまでの道のりをつくっていきたいです。大学は試合が重なるので、空いた時間で国際大会に出て、大学に行かずにプロにいった子たちに後れを取らないようにポイントを稼がないといけないなと思っていて。後は少しずつ英語もやっていかなくてはいけないなと思っています。