全日本大学対抗王座決定試合(王座)から約2カ月、王座優勝を記念した祝賀会が染谷記念国際会館で行われた。会場にはOB、OGをはじめとする大学関係者が集結。アベック11連覇の快挙を祝った。
午後4時過ぎ、祝勝会は稲門テニス倶楽部の川地孝会長(昭43卒)の挨拶で幕を開ける。続いて河野洋平早大稲門体育会会長(昭59卒)、原田宗彦庭球部部長など関係者から祝辞が述べられ、岩井方男競技スポーツセンター局長が乾杯の音頭を取った。しばらくの歓談の後、土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)と嶋崎徹夫監督代行(平元商卒=神奈川・桐蔭学園)に花束が贈呈される。土橋監督は、組織にはシステム、資金、人材が重要であると語り、関係者の協力に感謝の意を表明。そして、「(王座では苦しい時間もあったが)乗り越えられたのも早大の歴史であるかなと思う」と、王者の勝負強さを発揮した激闘を振り返った。
謝辞を述べる土橋監督
そして、マイクは今年度主将の手に渡る。小堀良太(スポ4=東京・大成)は「たくさんのOB、OGの方々の支え、部員の協力のおかげで全戦全勝することができて本当にうれしく思う」と挨拶。林恵里奈(スポ4=福井・仁愛女)も「来年、再来年も後輩たちが連覇に向けて頑張っていくと思うので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします」と続けた。次にマイクを握ったのは新男子主将の小倉孝介(スポ3=神奈川・湘南工大付)。「来年もまたさらに厳しい戦いが予想される。部員全員でリーグ(関東大学リーグ)、王座と目標を達成し、またこのような会を開けるよう頑張っていきたい」と抱負を語る。次期女子主将の細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)は関東大学対抗選手権(秋季リーグ)のため欠席となったが、新体制のお披露目に、会場からは温かい拍手が送られた。続いて、1年間チームを率いてきた4年生部員が進路報告と共に一言を述べる。また、今年度の主な戦績が報告され、選手には記念品が贈呈された。鎌田薫総長(昭45法卒=東京教育大付駒場)からの祝辞が代読され、最後は春山亮太(法3=宮崎西)の指揮のもと早大校歌を斉唱。終始和やかな雰囲気の中、石井潔稲門テニス倶楽部幹事長(昭48)の言葉を以て、早大庭球部の1年間が締めくくられた。
力強く挨拶する小倉新主将
今回の祝勝会は、脈々と受け継がれてゆく庭球部の伝統を肌で感じる機会の一つであったはずだ。現在は秋季リーグの大会期間中。翌日の決勝は、男女ともに層の厚さを見せた早大の同士打ちとなった。アベック11連覇という歴史を刻み、新たな1年へ。きょうの経験も、次なる戦いへの原動力にしてほしい。
(記事 熊木玲佳、写真 佐藤亜利紗、熊木玲佳)
笑顔で記念撮影に応じる土橋監督、嶋崎監督代行、4年生部員たち
コメント
鎌田薫総長(昭45法卒=東京教育大付駒場)
この度の全日本大学対抗王座決定試合での11年連続男女アベック優勝誠におめでとうございます。輝かしい歴史の数々をつくり上げてこられたOB、OGの皆さま、現役選手諸君、日ごろから温かいご支援、ご協力をいただいているすべての関係者の方々に早稲田大学を代表して心からの敬意を表します。現役選手諸君には、これからの厳しい練習で磨き上げた力と技を発揮し、果敢に挑戦し続けることを期待すると共に、OB、OGの皆さまのますますのご活躍、ご健勝をお祈りしております。
原田宗彦庭球部部長
まだ部長になって6カ月なのでここでたくさんのことをしゃべれるわけではございませんが、一点だけ庭球部の男子12連覇、女子11連覇に関してお話しさせていただくとすると、早稲田スポーツの結晶だと思うんですね。経営学ではガバナンスという言葉を使いますが、統治機構が非常にしっかりしている。競技スポーツセンターがあって体育各部があって、OB会があって、学生がいると。全てのシステムがうまくいかないとこういう偉業は達成できないのだろうなと思っております。戦前は東大のサッカー部が20連覇したりだとか、戦後も水球のようなマイナースポーツで20連覇とかはあるのですが、こういうメジャーなスポーツで12連覇、11連覇というのは例がないと思うんですね。王座に就くよりも、維持する方が大変だと。ワセダ以外の大学は全て目標が決まっております。『打倒ワセダ』です。続けていくことは並大抵の努力ではないと思いますが、今いらっしゃる早稲田大学全体のガバナンスの中で、庭球部が代表的な見本になって、さらに続けていってほしいなと思います。微力ながら頑張っていくので、これからよろしくお願いいたします。
土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)
本日はこのように大勢の方に来ていただき学生たちも喜んでいると思います。本当にありがとうございます。また河野会長(洋平、早稲田大学稲門体育会会長)を始め大学関係者の方にも心より感謝を申し上げます。おかげ様で男子は12連覇、女子は11連覇のアベック11連覇を達成することができましたが、これは学生たちの努力の成果だと感じています。私は今まではほぼ住んでいるくらいのかたちでサポートしていましたが、今はなかなか大学の方に顔を出す機会がなくて。今はナショナルチームで女子の担当として頑張っているのですが、先日JOCのコーチアカデミー(JOCナショナルコーチアカデミー)といって、各競技団体の方が東京五輪を目指すために勉強する会を8週間受けてきました。生まれて初めて勉強したなという感じがしていて、一番前の席で授業を受けるというのはなかったのですが、最初から最後まで受けることができましたし、出席は100パーセント、(「自慢か?」という野次を受けて)自慢ですね。ワセダのためにと思ってですね、いつも頑張っています。学生の頑張りが、自分は自分のやれることを一生懸命やろうということにつながっていて刺激を受けています。ありがとうございます。その中で――(「(アカデミーでの)成績が一番だったことを言え!」)後で言おうと思っていたんだけど・・・。そうなんですよ、実は。出席点で稼いだ、完全に戦術勝ちなのですが。何とかテニスの代表として、そしてワセダの代表として、庭球部の代表として、何か一つできたかなという風に思っています。その中で、組織というのはシステムが大切だ、そして人材が大切だ。そして資金ももちろん大切なんですね。大学の関係者の方々から豊富な資金をいただき、そしてOBOGの方からも支援をしていただいていて、チームは本当に恵まれた活動ができるような準備をしていただいていると思います。またシステムにおいても、早稲田アスリートプログラムのような素晴らしいシステムにより、今学生は競技だけではなくて、ボランティア活動や、そういう意識を持つことによって人間力を磨くことができていると思います。そして最後に人材ですけども、いろいろな部署で、例えばリクルート担当であったり、OBOGの皆さまとの交流であったり、そういうことによって一番大切な人材を確保することができている。この4年間、そしてさらにこういう場で自分たちを磨くことができているということがこの連覇につながっているのではないかなと考えています。勉強してみるとなかなか面白くて、システムを覚えると強化が見えてくるなと思います。今までは何となくがむしゃらにやっていて自然にそのシステムができていた時代ですが、そこから今度はシステムを利用して世界に挑戦する、そして学生も世界に羽ばたくような人材を育成できればと思っておりますので、今後とも早稲田大学庭球部をよろしくお願いいたします。いつも温かい応援をしていただいて、私も連覇が懸かっているとすごく不安ですが、OBOGの方々の顔を見て、頑張るぞと言っていただけると「いけるのかな」と思いますし、何よりも学生が頑張っている姿、緊張している姿を見ながらいつも刺激をもらっています。ことしはすごくギリギリの試合でした。男子も準決勝で負けるという瞬間が一瞬ありました。女子ももし細沼(千紗、スポ3=東京・富士見丘)がセカンドセットを落としていればという瞬間も・・・もちろん林(恵里奈、スポ4=福井・仁愛女)を信じていますよ。だけど危ない時間は確かにありました。だけれども、そういうことを乗り越えられたのも早稲田大学の歴史であるかなと思います。本当はここで成績を発表するはずで(笑)。一番良かったのはまさかのプレゼンテーションで、その時に早稲田大学の『この一球』を使わせていただいて、テニスを本気でやることについてプレゼンさせていただきまして、それが評価されたということを言いたかったので。よろしくお願いします。最後ですが、河野会長にはいつも「お嫁さんどうした」と心配していただけたのですが、ことしはその話がなかったので、遂に諦められたのかなと(笑)。50歳になりましたが、今後とも我が可能性を生かしていきたいと思います、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
小堀良太前主将(スポ4=東京・大成)
こんにちは。今年度男子主将を務めさせていただきました、スポーツ科学部の小堀良太です。ことしは春の早慶戦(早慶対抗試合)から夏のリーグ(関東大学リーグ)、そして王座(全日本大学対抗王座決定試合)、本当に苦しい場面が多くあったのですが、たくさんのOB、OGの方々の支えもあり、部員の協力のおかげで全戦全勝することができて本当にうれしく思っております。来年も新しいメンバーが新たな挑戦に向かって頑張りますので、今後とも早稲田大学庭球部の応援のほどよろしくお願いします。ありがとうございました。
林恵里奈前女子主将(スポ4=福井・仁愛女)
まずはじめに、このような素晴らしい祝賀会を開いていただきありがとうございます。ことしも男女アベック優勝を果たすことができて、本当にうれしく思います。こうして優勝することができたのも、たくさんのOB・OGの方々の応援や支えがあったからだと思っています。来年、再来年も後輩たちが連覇に向けて頑張っていくと思うので、今後とも応援のほどよろしくお願い致します。ありがとうございました。
小倉孝介主将(スポ3=神奈川・湘南工大付)
3年の小倉孝介と申します。まずはじめに、このような会を開いていただきありがとうございます。またお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。王座(全日本大学対抗王座決定試合)ではかなり厳しい戦いがありましたが、来年もまたさらに厳しい戦いが予想されます。そこに向かって部員全員でリーグ、王座と目標を達成し、またこのような会を開けるように頑張っていきたいと思います。個人戦におきましては、インカレ(全日本学生選手権)やフューチャーズ大会、全日本選手権など幅広く目を向け、頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。