三菱全日本選手権(全日本)では、2日間で男子シングルス、ダブルスの1回戦が行われた。早大からは計7名が登場。シングルスでは3名が、ダブルスでは小堀良太(スポ4=東京・大成)・江原弘泰(日清紡ホールディングス)組を含めた3組が2回戦進出を決めた。また、相手選手の試合スケジュールの影響で未消化だった小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)のシングルス1回戦、松崎勇太郎(スポ4=神奈川・湘南工大付)・河野優平(スポ3=福岡・柳川)組のダブルス1回戦は24日に行われる。
★強敵下し初戦を突破
今年度の総体王者を下した古田
高校生と対戦した2人が、大学生の意地を見せた。古田伊蕗(スポ2=静岡・浜松市立)の相手は今年度の総体王者・野口莉央(湘南工大付高)。第1セットは野口のミスを引き出し6-0で奪うが、相手の調子が上がり始めた中で守り続けてしまい第2セットを落とす。しかし「ミスしてもいいから自分から攻めることを意識した」とベースライン付近でプレーし、最終セットを6-1で取り切った古田が2回戦進出を決めた。島袋将(スポ1=三重・四日市工)は白藤成(西宮甲英高等学院)と対戦。年下選手を前に緊張もあったというが、強烈なサーブを武器に高校生を下し、同学年の高橋悠介(プロ・フリー)との一戦に駒を進めた。
坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)の試合は法大OBの杉本椋亮(協和発酵キリン)との一戦となった。焦りから第2セットを落としたものの、「落ち着いて一から立て直せた」と最終セットを制する。松崎は西脇一樹(明大)の4年生対決に臨んだ。キープキープが続き、観客を湧かせるショットも飛び出す拮抗(きっこう)した試合展開となる。しかし第1、2セットともに終盤でブレークを許してしまい、1回戦で姿を消した松崎。以降は河野と臨む最後のダブルスに懸ける。
2回戦はますますレベルの高い戦いとなるだろう。この大舞台での一戦一戦を楽しみつつ、強敵相手に自分のプレーを貫いてほしい。
(記事 熊木玲佳、写真 佐々木一款)
★3ペアが2回戦進出!
坂井・島袋組は完勝を収め2回戦へ進む
男子ダブルスでは、初日からレベルの高い戦いが繰り広げられた。
高村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)・齋藤聖真(スポ2=神奈川・湘南工大付)組が早大勢の先陣を切って1回戦に臨んだ。初めての全日本という緊張感からか序盤はミスが続いたが、次第に立て直して接戦で第1セットをものにする。調子を取り戻した第2セットでは持ち前のコンビネーションで相手を翻弄(ほんろう)し、7-5、6-1のストレート勝ち。関東大学リーグ、全日本大学対抗王座決定試合で好調だったペアは全日本でもまず1勝を挙げた。
小堀は江原とのペアで出場。第1セットをタイブレークで落とす苦しい展開となったが、続く第2セットで巻き返し、ファイナルセットも何とか逃げ切って勝利。2回戦進出を果たした。
2日目に登場したのは坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)・島袋将(スポ1=三重・四日市工)組。久々のペアリングであったが、それを感じさせぬ息の合ったプレーを披露。サーブ・リターンで相手を圧倒し、6-1、6-1と完勝を収めた。次戦以降も強敵が待ち受けているが、坂井は「チャレンジャーの気持ちでぶつかっていきたい」と意気込んでいる。2回戦以降も早大勢の活躍に期待したい。
(記事 松澤勇人、写真 佐藤亜利紗)
結果
▽男子シングルス1回戦
○古田伊蕗(6-0、6-7(2)、6-1)野口莉央(湘南工大付)
○坂井勇仁(6-3、5-7、6-0)杉本椋亮(協和発酵キリン)
●松崎勇太郎(4-6、4-6)西脇一樹(明大)
○島袋将(6-3、6-2)
▽男子ダブルス1回戦
○坂井・島袋(6-1、6-1)掛川昂(シンズテニス)・矢野洋(ケイエスシー)
○齋藤聖真・髙村佑樹(7-5、6-1)後藤翔太朗(三重GTC)・長船雅喜(テニスユニバース)
○小堀良太・江原弘泰(日清紡ホールディングス)(6-7(3)、6-2、7-5)喜多元明(日体大)・喜多文明(リコー)
コメント
坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)
――きょうのシングルスはラッキールーザーの杉本椋亮選手(協和発酵キリン)が相手でした。振り返っていかがですか
去年インカレ(全日本学生選手権)でベスト4までいっている選手でうまい選手というのは分かっていたので、きょうもファーストセットは良かったのですがセカンドで焦ってしまった部分があって。そこにつけ込まれた感じで落としてしまいましたが、ファイナルセットは落ち着いて一から組み立ててできました。
――ダブルスの試合は振り返っていかがですか
相手は一度一般の大会で対戦したことがあって弱点は分かっていたので、うまくそこを突いて。こちらは久しぶりにペアを組んでいたのですが、お互いにうまく噛み合わせながらやっていけたかなと思います。
――具体的に良かったところは
僕たちはサービスゲームが軸になってくるので、しっかりキープすることをまず意識してやっていました。その上でリターンゲームを思い切ってできれば、チャンスは絶対来ると思うので。
――次への意気込みをお聞かせください
シングルスもダブルスも相手が格段に強くなるのですが、チャレンジャーの気持ちでぶつかっていきたいと思います。
古田伊蕗(スポ2=静岡・浜松市立)
――全日本大学対抗王座決定試合(王座)から1週間経ちましたが、三菱全日本選手権(全日本)にはどのような気持ちで臨みましたか
王座では、どちらかというと自分より格下の相手にしっかり勝つというのが目標でした。東日本の大会で優勝して今大会のワイルドカードをもらえることになったのですが、出場している選手は自分より格上の選手ばかりなので、自分より強い相手にどうやったら勝つことができるかを試行錯誤しながらやっていきたいと思って臨みました。
――初めての全日本ですが、大会の雰囲気はどのように感じていますか
ジュニアの大会や大学の大会と違って、本当にプロの大会なんだなと感じています(笑)。
――今大会の目標は
とりあえず一個勝つというのが目標でした。次の相手は菊池玄吾さん(福井県体育協会)というシードの方なので、勝てるかどうか分からないのですが、しっかり自分のプレーをするのが次の目標です。
――きょうの相手は高校生の野口莉央選手(湘南工大付高)でしたが、対戦してみての印象は
以前練習試合をしたことがあって、とても展開が早く、前に出てくしっかり攻めてくる選手だというのは分かっていました。きょうもその通りスピーディに攻めてきたので、その中で自分はいかに守りながら逆に甘いボールを攻めていけるかということを考えていました。
――まず第1、2セットを振り返っていかがですか
第1セットは、守っていたら相手が先にミスをしてくれて、簡単に6ー0となったんですが、第2セットで相手の調子がだんだん上がってきて、そこで自分から攻めていくことができなくなってしまいました。守り続けている中で、どんどん自分が下がって相手に前に入られてしまったので、そこは自分の戦略が悪かったと思います。
――最終セットを振り返って
第2セットで自分が下がりすぎていたというのは感じでいたので、最終セットでは始めはミスしてもいいからベースライン上くらいに立って自分から攻めることを意識しました。その結果、6ー1というスコアでしっかり取ることができたと思います。
――最後に、2回戦に向けて意気込みをお願いします
相手は本当に格上なので、自分のテニスがどれだけ通用するか分からないのですが、できる限り自分のプレーをして勝ちにつなげられたらいいなと思います。
島袋将(スポ1=三重・四日市工)
――シングルスの試合は白藤成選手(西宮甲英高等学院)が相手でした。振り返っていかがでしたか
初戦で相手が年下ということで最初は緊張していたのですが、変なミスもありながらも自分のペースでゲームを進めることができました。サーブが良かったので、サービスゲームで困ることなくプレーができたのが良かったかなと思います。
――ダブルスを振り返っていかがですか
久々のダブルスでした。あまり練習していなかったので最初は不安だったのですが、思った以上に自分たちの持ち味を出していいプレーができたかなと思いますし、初めから先手先手で自分たちのペースで試合を進められたかなと思っています。
――具体的に良かった点は
サービスゲームで変にポイントを落とすことなくキープできたことが良かったです。
――お二人の強みはサービスになりますか
サービスであったり、坂井さんもストロークも(勇仁、スポ2=大阪・清風)がいいので、ストローク戦で二人で気迫で押すプレーであったりが持ち味かなと思います。
――次戦への意気込みをお聞かせください。まずシングルスは高橋悠介選手(プロ・フリー)との一戦になります
同年代の、ずっとずっと雲の上の存在でした。(対戦経験は)小学校のときに1回だけあるのですが、1ゲームしか取れなくて。そのリベンジも込めて、この大きい舞台で倒したいです。
――ダブルスはいかがですか
次はプロということで自分たちよりも経験があって格上の人なのですが、全日本(三菱全日本選手権)という舞台でその人たちと戦えるということが楽しみですし、思い切りやりたいです。