ダブルス2試合、シングルス3試合の計5試合で勝敗を決める全日本大学対抗王座決定試合(王座)。まずダブルスの2試合を押さえられれば、チームは勝利にぐっと近づくことができるだろう。その一翼を担うと予想されるのが細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)・大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)組だ。関東大学リーグ(リーグ)では並み居る強敵を倒して全勝を収めるなど、さらに自信を強めている。早大が誇る元気印ペアに、目前に控えた王座への意気込みを伺った。
※この取材は9月24日に行われたものです。
「すごく自信になった」(大矢)
リーグでの戦いぶりを「全試合の中で一番元気のある試合ができていた」と振り返った大矢
――まず、今シーズンのこれまでの試合を振り返っていかがでしょうか
細沼 春関(関東学生トーナメント)ではシングルスがベスト16でダブルスが優勝で、インカレ(全日本学生選手権)では単複優勝を狙っていて。でも春関とはほぼ逆の結果になってしまって、シングルスが準優勝でダブルスがベスト16だったので。シングルスももちろん悔しかったんですけど、ダブルスで優勝を狙っていただけにすごく悔しくて。でもその負けを経験できたからこそ、リーグでの勝利がありました。私たちに強いペアを当ててくるというのはリーグでは分かっていて、それをはねのける実力というか元気を出してできました。負けた試合から学べたことがすごくあったので、今シーズンはダブルスが少し悔しいんですけど団体戦でしっかり残せたから良かったかなと思います。
大矢 インカレでベスト16というかたちで終わってしまって、春関で優勝していただけにすごく悔しくて。私はそのインカレの負けた試合より前にシングルスで負けてしまっていたので、ダブルスしかないという状態での試合でした。勝ちたいなという気持ちはすごく出ていたんですけど、それが空回りしてしまっていて。そこで1回負けていたのでリーグでは絶対勝たなきゃいけないと思っていたんですけど、変にプレッシャーを感じることが少なくなっていきました。気持ちに少し余裕ができたのも良かったことで、リーグでは全勝することができました。今も夏関(関東学生選手権)をやっていて、不安な部分がないわけではないですけど、それをお互いカバーしながらできているので、すごくいい状態でできているのかなと思います。
――お二人は夏関のシングルスで対戦されていましたが、あの試合はいかがでしたか
細沼 すごくやりづらかったです(笑)。
大矢 先輩ですしインカレでも結果を残されていたので、私はもう当たって砕けろという感じで、ただ自分のしたいことを前面に出していこうという感じでやっていました。
――細沼選手はどういった点でやりづらかったですか
細沼 前回の取材で「インカレに向けてどうですか」みたいな質問に答えた時に、大矢が「細沼さんとかに当たったらもう当たって砕けろみたいな感じなんですよ」と言っていて、それをすごく思い出しちゃって(笑)。「やばい、本当に向かってきてる」と思って、自分はインカレ準優勝しているし、変にプレッシャーを感じて縮こまっちゃいましたね。
――大矢選手は当たって砕けましたか
大矢 砕けました!
一同 (笑)。
――何か爪痕は残せましたか
大矢 どうですかね…。夏関は細沼さんに負けてしまったんですけど、初戦で慶大の西田さん(奈生)という、インカレでベスト4に入った選手に勝つことができて。夏関のシングルスを通して見ると、結構前に比べると成長できたのかなという手応えが残る試合だったと思います。
――対戦してみて、細沼選手が大矢選手の成長を感じられる部分はありましたか
細沼 ポイントとかではよく練習するんですけど、試合で対戦したのは私が高校3年の時のインターハイの準決勝以来かな、団体戦の。(○細沼6-3、6-4大矢)
大矢 ああ、やりましたね!
細沼 それ以来だったんですけど、なんか思った以上にうまくて(笑)。焦りました、すごく成長しているなと思いましたね。こんなすごく上から目線なんですけど、すごくうまくなっているなと思いました。
――改めてリーグのダブルスでは全勝でしたが振り返っていかがですか
細沼 私たちのダブルスで相手が取りに来るというのは分かっていたので、実質のダブルス1とやるという準備が結構大変でした。でも逆に私たちが取ればシングルスに絶対いい流れが行くというのも分かっていました。ダブルス1よりも全然元気はありましたし声も出ていたので、私たちが団体戦の雰囲気づくりをできたかなと思います。
大矢 今細沼さんが言った通りで。とにかく元気を出して、応援の方も向いて声を出してというのをずっと通してやってきていて。自分が思っているだけかもしれないですけど、全試合の中で一番元気のある試合ができていたなと感じています。個人戦だとさすがにそれ以上は出せていないんですけど、王座もあと3週間弱で始まるので、もう一回そういうふうに声を出せるような準備もしていきたいなと思います。
――団体戦はチームの代表として出場して、チームメートが周りで応援してくれるという状況もありますがやはり大きいですか
細沼 全然違うよね。
大矢 違いますね。味方をいかに盛り上げられるかってちょっと思っちゃいます。「こっちのコートは応援もすごく乗ってくれているな」というのがコートに立っていても伝わるので。逆に隣のコートの応援が静かだと「あまり雰囲気が良くないのかな」って思ってしまいます。そういう暗い雰囲気をあまり出さないようにしようというのはずっと努めています。
――応援を自分たちから逆に盛り上げようとしているのですね
細沼 そうですね。応援が盛り上がると自分たちの気分も上がってくるので。
大矢 お互いにって感じですね。
――なかなかプレーがうまくいかないときもあるかと思いますが、そういう場合はどのように持ち直すのですか
大矢 私はよくベンコ(ベンチコーチ)の方を見たりとか、それ以上に応援の方を見たり返事を多くしたりとか。応援している人にも返事をするようにしていますね。
細沼 シングルスでもダブルスでもベンコに山添(絵理、人3=千葉・渋谷教育学園幕張)が入ってくれるんですけど、同期ということもあってすごく信頼がありますし、顔を見れば結構安心もするので山添の方を見たり。応援の方を見ても結構安心するので、落ち着こうと思えます。
大矢 リターンの時にわざと後ろの応援の方まで行って、応援の人に「リターンだけだよ!」とか声を掛けてもらいます(笑)。
――ベンチコーチに誰が入るというのは元々決まっているのですか
細沼 そうですね、私たちは山添で。
大矢 人によって決めますね。何でだろう。
細沼 一応希望を取ってみたいな感じで。ここは私のシングルスのベンコが山添なので、ダブルスも山添で。
――リーグの早慶戦では吉冨愛子氏(平28スポ卒=現・橋本総業)がベンコに入られていましたね
細沼 そうですね。吉冨さんはすごくテンパってましたね(笑)。
大矢 OGの方がいらっしゃったときは入るって感じですね。 私は「もう少しストレート思い切ろう」と言われました。もっと振っていいよみたいな。相当縮こまっていたんだと思います(笑)。
――リーグを全勝で終えて、始まる前と何か変わった点などはございましたか
細沼 さらに自信がついた。
大矢 そうですね。私的には筑波大の米原(実令)・森崎(可南子)組にストレートで、スコアも2個、3個くらいで勝てたのがすごく自信になりました。私は後ろでプレーするのが苦手なんですけど、森崎と打ち合っていてもポイントが取れたりして。それが第2戦だったので、結構自信がついたなとその試合で思いました。
――以前から苦手とおっしゃっていた後ろからも打てるようになったのですね
大矢 森崎さんがすごくハードヒッターで、関東一フォアがいいくらいすごいボールを打つんですけど。その選手と後ろでいる時も打ち合って細沼さんにボレーを決めてもらってというポイントパターンができたので、そこで自信になりましたね。
――細沼選手はいかがですか
細沼 さっき大矢も言ったように、やっぱり米原・森崎組に勝ったのはすごく収穫でもありましたし、私たちもこんなスコアで勝てるんだなと思って。林さん(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女)と上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)がインカレの決勝で戦った時はもっと競っていたので、それよりも簡単だったというのは「私たちもやればできるんだな」って思いました。
――お二人の代名詞はやはり試合中のハイタッチだと思いますが、細沼選手が下から手を出すというのはいつごろ決まったのですか
細沼 いや、どうなんだろう。
大矢 結構最初からですよ。最初に組むってなった時に「あ、めっちゃ多いなあ」と思ったのは覚えています。私が1年生の頃のここ(東伏見)での早慶戦の時も、写真を見ると千紗さんが下で。
細沼 え、そうなんだ! 最初からそうみたいです。多分下から出すのが楽だからじゃないですかね(笑)。
大矢 多いなと思ったのは2年になってからです。春関で組むってなってから、すごくハイタッチ多くなったなと思いました。
――1試合に何回やっているか分かりますか
大矢 何回だろう(笑)。
細沼 1ポイント終わってハイタッチ、ボールもらってやって、ポイント前でやって、3回…。100回は全然超えていると思います。今度(数えるのを)お願いします!(笑)
大矢 知りたいですね、ちょっと(笑)。1セットで何回やっているか。座る前にして、立った時にして、たまにチェンジコートしてからやって。それでサーブどっちが行くねってやって、ポイント終わってハイタッチ…(笑)。
細沼 めっちゃやってるよね。数えられると逆に意識しちゃうね、もっとやろうかなみたいな(笑)。
――リーグが終わって今はいよいよ王座に向けてというところだと思いますが、チームの雰囲気はお二人から見ていかがでしょうか
細沼 最高10として、10のうちの10ではないかなと思います。5以下でもなく、でも9にもいかないくらい。8もいかないかな。
大矢 5、6、7くらい。
細沼 そんな感じで、まあいいんですけど。
大矢 まだできるっていう感じはしますね。
――そこをあと2週間ほどで詰めていかれますが、それは技術的にまだ足りないというところでしょうか
大矢 私はチーム全員の雰囲気かなと思いますね。力がなんとなくまだ10じゃないかなと。
細沼 技術というよりは雰囲気とか、その辺だと思います。
――最近は気温の寒暖差も激しいですが体調面はいかがですか
大矢 気を付けないとやばいかも(笑)。
細沼 そうだね。結構大矢は体調崩しやすいので。
大矢 最近ましになったんですけど、1年前は本当にすごくて。2カ月に1回熱出して、試合から帰ってきたら熱が出てるみたいな。ひどかったです。もうこっちには慣れたんですけど、最近1カ月くらい前に39度くらい出て。普通に熱だったんですけど熱中症の一種みたいで、「塩分が足りていないから熱が出てしまうこともあるんだよ」みたいに言われて。そういうことで熱が出ちゃったので、ウイルスにしてほしかったなと思っちゃいました(笑)。
――ことしのチームカラーについて監督コーチ陣からは「バランスの取れたいいチーム」という声が聞かれますが、それについては
細沼 そうなんですね。バランス取れてるんだ。
大矢 去年は吉冨さんが(シングルス)1で、対校戦とかも競った試合が多くて、結構1が背負っているみたいな雰囲気がなんとなくあったんですけど。ことしはみんながみんな取って勝つみたいな雰囲気をなんとなく私は感じていますね。
細沼 去年の方がダブルスだけ、シングルスだけという人が多くて、単複兼ねている人があまりいなくて。でもそういう意味だと去年のがバランス取れてるのか。
大矢 どうなんですかね(笑)。でも上から下までみんな強いって感じはします。
細沼 そうだね。
大矢 ワセダのシングルス5と他大のシングルス1がやっていい勝負だけど、こっちはそれを5で出せるっていうところが強みかなと思います。
「ワセダの1、2を担っている者としての自覚を持った」(細沼)
インカレではシングルス2位入賞を果たし、単複での活躍が光る細沼
――約2カ月前にも対談をさせていただきましたが、何か最近面白いことはございましたか
大矢 あ~、なんかあったかな(笑)。なんかないかな。
細沼 次いつかな。来年までに面白いの用意しておきますね(笑)。
大矢 なんだろう、笑わない日はないくらい楽しいけど、何が面白いかと聞かれると分かんないですね(笑)。
細沼 3年生がすごくキャラが濃いんですけど、3年生で話している時は本当に楽しいです。みんな大爆笑して。何を話してるんだろう。分かんないですね。
大矢 でもすごくにぎやかですね、いつも。すごく色が濃い(笑)。
細沼 何の話してるか、ちょっと分かんないです(笑)。
――練習でお忙しいとは思いますが、夏はどこか行かれましたか
細沼 リーグ後のオフが4日間あったんですけど、私たちは2日間で。その2日後にまた夏関があったので、出掛けるというのが。
大矢 タイミングがなかったですよね。でも私、インカレが終わった日に実家に帰りました。
細沼 帰ったんだ!
大矢 でも夜10時くらいに着いて、次の日の夕方4時くらいに家を出たので、あんまり…。もっといたかったです。
――帰って何かしたというよりはのんびり過ごしたという感じでしょうか
大矢 そうですね。いつも行っているパスタ屋さんに行って、ちょっとだけ兄と会ってとか。全然ですね、ご飯食べて終わりました。
――インカレの前に「岐阜で行きたいお店がある」とおっしゃっていましたが、そちらには行けましたか
大矢 行ったんですけど、なんか去年と置いているものがあまり変わらなくて。つまんないなと思っちゃって。でも、つじひろ(辻紘子、教2=東京・早実)の誕生日プレゼントは買って帰りました。ハンドメイドのピアスです。写メれば良かった。木なんですけど星型なんですよ。「あ、かわいい!」と思って。でもまだ付けてくれてるところを見たことない。
一同 (笑)。
細沼 言いづらいね(笑)。
大矢 テニスの時は多分邪魔になるので付けないなと思っていたんですけど。
細沼 じゃあ学校始まったらだね。
大矢 はい、期待しています。
――大矢選手のごきょうだいはお兄さんがいらっしゃる他には
大矢 兄が2人います。7個上と5個上で。すごく優しいです。
細沼 すごくかっこいいんですよ。バリスタ。
大矢 そうなんですよ。一番上の兄がラテアートをやっていて。最初は趣味でやっていたんですけど、いつの間にか家に「これは30万なんだ」みたいなエスプレッソマシーンがあって(笑)。他にも豆を保管しておくものがあったりして。特にカフェに行って働いているわけではないんですけど、家で練習して、全国大会の書類審査に通って、人がいる中で入れて、みたいにやっているらしくて。すごくかっこいい(笑)。帰るたびにうまくなっている気がします。結構感動したんですよ、前にこれを作ってくれて。テスト勉強していたら「はい、あげる」ってこれが出てきて、「え!?」みたいな。たまにココアでも作ってくれて。
――かなり本格的ですね
大矢 そうなんですよ。カフェに行ってそこの人に教えてもらっていたりして。楽しんでいるみたいです。
――2番目のお兄さんはいかがですか
大矢 2番目もかっこいいんですけど(笑)。2番目はなんでもこなしちゃいますね。テニスは3人ともしていて、大学入った時に2人はやめてしまったんですけど、一番センスがあったのが2番目の兄で。フォームもきれいで、よく教えてもらいました。私が高校生でバリバリ全国に出ていても、「もうちょっとこうでしょ」とか教えてくれて。県でベスト16入らないくらいだったんですけど、でもかっこいいんですよ!
一同 (笑)。
――今の大矢選手があるのはそのお兄さんのおかげということで
大矢 そうです。一個上の兄にテニスを育てられたなと感じます(笑)。
――細沼選手もお兄さんはかっこいいですか
細沼 かっこいいです。なんかで2位になったらしくて、最近動画見たんですよ。競い合う大会で、1位にならないとさらに上の大会には行けないみたいなんですけど。かっこいいですよ、結構。
大矢 お兄ちゃん大好きっ子ですよね(笑)。
――前回は日焼けをすごくするとおっしゃっていました。夏もかなり落ち着いてきましたが、この夏の日焼け事情はいかがですか
細沼 これ見てください、腕時計焼けがすごくて。腕時計の穴の跡もあるんですけど。本当はこれくらい白いんですけど…。おしゃれな時計はつけられないですね、恥ずかしくて。
大矢 かわいいやつは全部細いですもんね(笑)。
――大矢選手は日焼けしましたか
大矢 塗っていたんですけど、まあ毎年のことながらあまり効果はなくて。ことしも黒かったです。
細沼 でもそんなに汗かかないんですよ、大矢は。
大矢 そうですね、細沼さんほどではないです(笑)。本当にすごく汗かくんですよ。そこまでじゃないけど、なんで焼けるんですかね。体質です。この前半袖短パンだったんですけど、コンビニの前で自転車の路上放置を整理している人に「お、良い色だね!」って言われて。全然知らないおじさんに言われて、「私そんな知らない人に言われるほど黒いんだな」って思って(笑)。
細沼 そういう時結構ショックだよね。
大矢 はい、ショックでした。これから長袖か長ズボンにしようと思いました(笑)。
――ことしのスローガンは『変革』と『自覚』ですが、何か自分の中で変革、自覚したなというエピソードなどはありますか
大矢 1年の時よりお菓子を作ることが多くなりました(笑)。『変革』ですね。自分の趣味が増えたという感じです。前に一度編み物にはまったんですけどやめちゃって、でもまた再来しています。
細沼 去年の12月までは寮に住んでいたんですけど、ことしから実家に戻って。寝る環境が変わりました(笑)。これ『変革』ですよね。すごく心地よくてぐっすり眠れるんですけど、その代わり朝は部の誰よりも早い自信があります。
――どちらの方が良いか難しいところですね
大矢 私は寝ていたいです。
細沼 そうだよね…。私もそうなんですけど、結構起きるの得意なので朝は大丈夫ですね。でも夜はきついです。電車に乗っている時に「ああ、みんな今ごろお風呂か、ご飯食べてるのか」と思うと結構つらいです(笑)。
――自覚したエピソードはございますか
大矢 自覚…。あ、練習中にアクエリアスを絶対飲もうと決めました、夏の間は。熱疲労というのになってナトリウムが足りなくなると言われて。ずっと練習中は水しか飲まなかったんですよ、塩分チャージとかも食べずに水だけで。でもそうなってしまったので、夏の間はポカリとアクエリアスとウイダーと塩分チャージを練習に持ってこようと。塩分不足を自覚しました(笑)。
細沼 じゃあすごくかっこいいこと言うんですけど…。
大矢 分かりますよ、あれですよね!(笑)
細沼 ワセダの1、2を担っている者としての自覚を持ちました。
大矢 おお~!
細沼 インカレで準優勝してからさらに思うようになりましたね。リーグでもダブルスはもちろん、シングルスでも一番応援と一体になっている試合をしないと、1、2で出ている意味がないと思っていました。下の方の人に勝ってもらっても私が勝たないと意味がないと思っていたので、その辺は結構意識をして、自覚をしています。
大矢 素晴らしいですね。
――趣味のことですが、大矢選手は最近何か料理を作られましたか
大矢 一回、Facebookで「○○フード」みたいなのが動画で回ってきて。アボカドが好きなんですけど、アボカドの中にチーズを入れてふたをして、周りにお肉をくっつけて揚げて。それを作って、食べて終わりました(笑)。
細沼 いいな、今度作ってきてよ。
大矢 アボカドの大きさだからこんな大きいですよ(笑)。
細沼 いいよ、アボカド好きだから(笑)。
――最初に比べて料理の幅は広がりましたか
大矢 広がったと思います。練習の時だとパッとできるものばかりで、フリーの時だとちょっと凝ったのにしようっていつも決めています。でもあまり一品に凝るというよりも、お皿の数を多くしようと思っていて。多くて6皿あるんですけど、少ないと2皿です(笑)。時間がある時はいろいろ作ろうと思います。
――細沼選手はEXILE系がお好きということでしたが、最近はいかがですか
細沼 リーグの最終日とその前日と、夏関の初日と2日目に東京ドームで公演があって。まあ申し込みから諦めていて、最近不足しています(笑)。この前の『ミュージックステーション』でEXILEが出ていて、もうかっこ良過ぎて。しばらく頑張れそうです(笑)。
――来月に映画が公開されますね
細沼 そうなんです! 10月8日かな。でも王座前なんですよ。王座前に行って頑張るか。でも時間なさそうだよね。
大矢 王座後の楽しみって感じになりそうですね(笑)。
細沼 でもなあ…(笑)。前に見てモチベーションを高めるっていう手もあって。
――まだNAOTOさん推しなのですか
細沼 そうです、変わらずに。今『モニタリング』っていう番組でレギュラーなので、毎週見ています。
大矢 でも『モニタリング』でNAOTO見て、「あ、かわいい」って思いましたね。
チームに必ず1勝を
ハイタッチは細沼・大矢組の代名詞かもしれない
――王座までいよいよ2週間と少しですが、今の心境は率直にいかがですか
細沼 今は、単複出場させていただいたら2勝取ってこられる自信はあります。
大矢 出させていただくことになったら初めての王座になるんですけど、シングルスと違ってコートの中で一緒に戦ってくれる人がいますし、不安はあるかもしれないですけどプレッシャーはあまりなくて。出ることになったら思い切って頑張ろう、1勝取ってこようっていう、結構前向きな気持ちです。
――下級生の時から先輩の姿を見てきたと思いますが、王座という大会に対してどういった印象をお持ちですか
細沼 1年生はダブルスだけで、2年生の時は1回戦ではシングルスでも出てという感じだったんですけど、3年生になって改めて「よくあの舞台で緊張せずに伸び伸びやっていたな」と思って。やっぱり全国大会の決勝戦とかになると緊張するよね(笑)。それを伸び伸びやれていたので、逆に過去の自分を尊敬する大会(笑)。あまり緊張していない緊張ですね。でも年を追うごとに変なプレッシャーとか感じちゃったりして、緊張しちゃうと思います(笑)。
大矢 4年生の最後の試合というイメージが去年は強くて。去年は優勝を林さんが決めて、その時に隣で試合をしていた宮地さん(真知香前女子主将、平28社卒)が試合中なのに泣いていて。その時に「優勝するために本当に頑張ってきたんだな」というのを感じました。その時私はちょうどケガをしてしまっていて、練習にも参加できなくてボーラーとかもできていなかったので、選手と関わることが少なかったんですけど、でも4年生になったらこうなるのかなと思って。でもまだ4年生の引退試合だなというくらいしか感じていなくて、他の試合との違いは私自身まだ分からないですね。細沼さんの時みたいに伸び伸びやれるかなという感じです。
――今まで一緒にプレーしてきた4年生は引退となりますが、4年生に対しては今どういった思いがありますか
細沼 4年生がいなくなったら自分たちが最上級生になるので、最上級生のプレッシャーや大変さをすごく抱えていると思います。それはあまり見せないんですけどすごく大変そうだなと思って、その中でテニスも就活も頑張っていらっしゃった先輩もいたので、本当に尊敬しています。
大矢 4年生は私たちよりもいっぱいしんどいことを経験しているので最後は笑顔で終わってほしいなと思っていますし、その力になれるように私もコートの内外で頑張りたいなという気持ちです。
――今ダブルスで強化している点などはございますか
細沼 毎回一緒になっちゃうんですけど(笑)、大矢が後ろで私が前のパターンですね。
大矢 他の組と対戦したりします。
――お二人の、王座でここに注目してほしいというポイントは何でしょうか
細沼 いやあ、やっぱりハイタッチですね。
大矢 じゃあ、応援との一体感ですね。
――最後に王座に向けて意気込みをお願いします
細沼 出た試合は絶対勝ちを持ってこられるように頑張ります!
大矢 ダブルスに出ることになったら、最初の試合なのでコートの中も外も盛り上げて、絶対1勝を持ってこられるように頑張ります!
――ありがとうございました!
(取材・編集 中丸卓己)
※王座への意気込みを書いていただきました!
◆細沼千紗(ほそぬま・ちさ)(※写真右)
1996年(平8)3月26日生まれ。身長169センチ。東京・富士見丘高出身。スポーツ科学部3年。今季の主な成績は関東学生トーナメント女子シングルスベスト16、女子ダブルス優勝、全日本学生選手権女子シングルス2位、女子ダブルスベスト16。全日本学生ランキング女子シングルス6位、女子ダブルス10位(2016年9月付)。ひと夏を越え、単複共にさらに自信がついたという細沼選手。言葉の節々からもその自信ぶりがうかがえ、特に「ワセダの1、2を担っている者としての自覚を持ちました」と語ってくださった時は横にいた大矢選手も感激していらっしゃいました。ただ最近は忙しさからか、モチベーションとなるEXILEが不足して苦労しているそうです。ぜひ王座までに充電してほしいところです!
◆大矢希(おおや・のぞみ)(※写真左)
1997年(平9)1月25日生まれ。身長163センチ。愛知・名古屋経大高蔵高出身。スポーツ科学部2年。今季の主な成績は関東学生トーナメント女子ダブルス優勝、全日本学生選手権女子ダブルスベスト16。全日本学生ランキング女子ダブルス9位(2016年9月付)。どんな話題に対しても笑顔で答えてくださった大矢選手でしたが、二人いるというお兄さんの話になるとさらに笑顔が止まらず。「とにかくかっこいい」と自慢げに語ってくださいました。お二人とも以前はテニスをプレーしていたそうで、王座ではお二人の思いも背負って頑張ってほしいですね!