【連載】王座直前特集『全てはこの日のために』 第1回 小林雅哉×島袋将×髙村佑樹

庭球男子

 団体戦で大学日本一を決める全日本大学対抗王座決定試合(王座)の時期がやってきた。今回お話を伺ったのは、1年生ながら大車輪の活躍でチームに貢献した小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)、島袋将(スポ1=三重・四日市工)、髙村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)の3人だ。関東大学リーグ(リーグ)を終えて、初めての王座へ。大舞台を前に、1年目の振り返りやチームにおいてご自身が果たす役割についてお聞きした。

※この取材は9月28日に行われたものです。

自信

インカレでシングルス優勝を果たした小林雅

――まず、個人戦を終えてこれまでのシーズンをどう振り返りますか

髙村 春関(関東学生トーナメント)、インカレ(全日本学生選手権)、夏関(関東学生選手権)と、シングルスはあまりいい結果が出なかったのですが、思った以上にダブルスでいい結果が出て。思ったよりはいいシーズンだったのではないかなと思います。

島袋 僕も春関、インカレとあまり勝てずに悔しい思いはして、その中で迎えた夏関で優勝できたのは良かったですし、とても自信になる1年目でしたね。

小林雅 インカレで優勝できたというところは自分にとってすごく良かったというのはあったのですが、次の夏関ではチーム同士(島袋選手との対戦)で当たってしまって。そこで負けてしまったのですが、ダブルスではベスト4には残れたので良かったのではないかなと思います。

――団体戦では1年生ながら活躍されました。振り返っていかがでしょうか

髙村 リーグを全てダブルス3で出させていただいたのですが、全勝というかたちでリーグを終えて、取るのが当たり前のところでしっかり取れていました。王座でもダブルス3かはまだ分かりませんが、出られたらしっかり全勝して勝ちにいきたいと思います。

島袋 僕はシングルス2として出させていただいて、リーグでは1勝しかできなくて。明大戦で勝てたのは良かったのですが、やはり悔しい思いだったり課題だったり、そういう面の方が大きかったので。その反省を王座に向けて改善して、王座でしっかり勝てるように準備していきたいなと思います。

小林雅 自分はシングルス1として出させていただいて、全勝というかたちで終われたのですが、緊張する場面がやはり多くあって。そこで自分のプレーができていなかったというのはやはりあったと思うので、王座では緊張はすると思うのですが、自分のプレーをできればいいかなと思います。

――チームの勝敗が懸かった試合は他の試合とは全然違うのでしょうか

小林雅 そうですね、緊張するというか、震えるというか(笑)。

――大学1年目で掲げていた目標は達成できましたか

髙村 僕はまず団体戦に出て勝つことが目標だったので、1年目にしてはしっかりと目標は達成できていたのではないかなと思います。

島袋 僕も団体戦に出ることと、あと個人戦で優勝することが目標で。インカレはだめだったのですが、夏関で優勝できたのが良かったと思います。

小林雅 僕はインカレ優勝という目標と、リーグでしっかり勝つことを目標としていて。その目標はしっかりと達成できたので良かったと思います。

――それぞれの立場から見た今のチーム状況はいかがですか

髙村 シングルスは上に1年生2人がいて、坂井さん(勇仁、スポ2=大阪・清風)も上にいて、下級生が上に残っていて。そこに最後(勝敗が)懸かって、リーグは勝ってくれたから良かったのですが、王座でまた同じことになってもそこでどうなるか分からないので、そこにいくまでに勝ちを決めておきたいなと思いますし、またそこに懸かっても頑張ってほしいなと思います。

島袋 ダブルスに小堀さん(良太主将、スポ4=東京・大成)、松崎さん(勇太郎副将、スポ4=神奈川・湘南工大付)という4年生の素晴らしい先輩がいて、リーグでは小堀さんのダブルス2が負けてしまったりしたのですが、王座ではしっかり勝ってくれると思います。上に1、2年生がいるということで、そのダブルスとシングルス5、6の巽さん(寛人、スポ4=福岡・柳川)といった4年生がしっかり勝って、いい流れをつくってもらって、僕らがやりやすい雰囲気というか、状況の中でできるように期待というか。そこは託したいです。

ルーキーズ

夏関では男子シングルスでタイトルを獲得した島袋

――皆さんはジュニアの頃からよく知っている間柄だとは思いますが、お互いの印象は

島袋 髙村の印象は・・・。僕は1回全国大会でやったことがあって、その時は負けたのですが、イメージは本当に強いということです。バックハンドが誰よりもずば抜けているなという印象で。そんなにぺちゃくちゃしゃべっていたわけじゃないのであまり分からないのですが、雰囲気的には大人しくて、かっこいいので、クールなやつだと思っていて。厳しい面もあったり、きつく言ってきた面もあったり。そのギャップがまたかっこいいです。

一同 (笑)

小林雅 僕は高校からずっと一緒なので、試合も何回も当たっているし、遊んだりとかもよくしていたので、何て言えばいいのかよく分からないのですが・・・。どんな人・・・ちょっと分からないですね(笑)。何ていうんですかね、分からないです(笑)。

――島袋選手の印象はいかがですか

髙村 入る前まではすごくイケメンでテニスがかっこいいので、憧れている部分はあったのですが、入ってみたらイメージとだいぶ違うところがあって。話がつまらないっていう(笑)。

島袋 ここで言わんでくれよ(笑)。

髙村 そこがギャップでまたいいんですけど(笑)、入る前まではもっと話も面白いんだろうなという印象でした。

――何か反論があれば

島袋 何もないです(笑)。

――小林雅選手は島袋選手に対してどんな印象をお持ちですか

小林雅 僕も髙村が言った通り、入る前はそんな感じだったのですが、入ってからは話がつまらないというのがあって(笑)。あとは結構ばかだった(笑)。頭良さそうなイメージがあったのですが、意外とばかだったというのが。

島袋 これ、記事に載るんでしょ?(笑)

一同 (笑)

――具体的なエピソードなどはありますか

髙村 何かあったっけ?何かあるよね、でも。

小林雅 何かあるかって言われたら難しいですけど・・・。

髙村 でもばかだよ。

小林雅 ばかです。

――小林雅選手の印象はどうでしょうか

髙村 高校から一緒だったのですが、その時からテキトーで、ばかっていうか(笑)。大学入ってもそのままだなと思います。

島袋 僕もしゃべっていて(小林雅選手が)頭良くないなというのは分かっていたのですが、テニスは強かったので尊敬する部分もあって。大学に入っていろいろなことが分かって、まあばかなんですけど(笑)。でもまあ、テニスの面では尊敬してます。

――ということで大丈夫でしょうか

小林雅 もう何もないです・・・(笑)。

――他大の1年生も活躍を見せていますが、刺激になっていますか

髙村 そうですね、高校の時から強かったやつが他の大学に行って活躍していて、自分ももっとシングルスでも頑張らなくてはいけないなという風にいい刺激をもらっています。

島袋 僕もそうで、負けてられないなという風に思いながら。

小林雅 ・・・そうですね(笑)。

島袋 言葉を失うっていう(笑)。

小林雅 (2選手が既に)言ってるんだからしょうがないじゃん(笑)。

――験担ぎでやってることはありますか

髙村 僕はないです。

――齋藤選手が、「ベンチの右側にラケットバッグを置きたいけれどいつも髙村に取られる」とおっしゃっていましたが

髙村 言ってくれないと分からないです(笑)。あまり僕はないですね、むしろ気にしない方が楽だというか。

――島袋選手はいかがですか

島袋 僕は初戦にいいかたちで勝ったらそれと同じかたちで最後までやり通す。例えば左側のベンチに座ったらずっと左側のベンチに座るとかだったり、フィッチだったり、そういう細かい部分を。(髙村選手とは)真逆ですね。

――ベンチを取る時は争いになることはないのでしょうか

島袋 さすがに先に入られてしまったら諦めるのですが、そういう場合は本当真逆のことをします。面倒くさいと思うんですが(笑)。

――小林雅選手はいかがでしょうか

小林雅 フィッチはないですけど、ベンチはあります。その前にコートでやっていて、そっちのベンチの人が勝ったらそっちに行ったりとか。

――1年生で流行っていることなどはありますか

髙村 映画?映画じゃない?

島袋 ああ映画かな。

一同 「君の名は。」(笑)。

――オフの日に見に行ったのでしょうか

髙村 そうです。すごかったです。

――3人で見に行ったのですか

小林雅 僕は行ってないです。

髙村 ここ(島袋選手、髙村選手)と、先輩2人で。うるうるしました。

一同 (笑)。

――高校までと大学で違っていた点、戸惑った点などはありますか

小林雅 やはり高校が緩かったというか、いやそこまで緩くは、まあ緩いのかな・・・。

髙村 (笑)

小林雅 緩かったかもしれないので、大学はやはりきついなというのはありました。仕事面でも、まあいろいろと。それくらいですかね、分からないですけど。

島袋 僕も高校時代の部活と比べると練習量も多いですし、トレーニングもきついですし、仕事量が一番違うということで。これだけ面数があって、毎朝毎晩掃除とかしたことなかったので、そういう面では大変でしたけど。最近慣れてきて良かったかなと。あと学業の面では、高校までは時間割があってそれをただ受けるだけだったのですが、大学は自分で選んで・・・みたいな面が変わりました。

髙村 何言ってんの(笑)。

島袋 自分でも分からない(笑)。

一同 (笑)

髙村 僕は、仕事の面も大きく変わったなと思ったのですが、テニスの面で、高校の時は僕らがやりたい練習をいっぱいできたりだとか、クラブに行っても好きな練習がいっぱいあってという感じだったのですが。大学に入ってからはやりたい練習というより、先輩が決めたことをずっとやるので、そこが変わったかなと感じます。

貢献

インカレ、夏関と結果を残し、王座ではダブルスでの出場が期待される髙村

――夏関も終わり団体戦一色のムードになっていますが、王座を控えた今の心境は

髙村 いよいよ王座が近づいてきていて、気付いたら本当にあと少しで。思ったより準備する時間がなくて、これからどれだけ内容の濃い練習ができるかという。上級生がリーグ終わってからすごくまとめてくれるというか、すごく変わりだして。そこで自分もしっかりと王座に向けて勝てる準備をしていきたいと思っています。

島袋 僕も今回1年目で初めての王座なので。リーグは経験したのですが、やはりリーグ戦と王座というのは違うものだと思いますし、リーグが終わってから髙村も言ったように4年生が王座に向けて動き出して。チームを変えようとしている最中なので、僕らも4年生にしっかりと付いていって、王座でしっかりと戦える準備をこれからしていきたいと思います。

小林雅 もうあと2週間と少ししかないので、自分ができることをしっかりとやるだけなので。頑張りたいと思います。

――初めての王座ですが、ご自身の役割は何だと考えてらっしゃいますか

髙村 どこで出るかは分からないのですが、リーグと同じようにダブルス3だったら、絶対に取ってくる1本にしたいなという風に思います。

島袋 僕も出られるか分からないですが、出る場合はシングルス2ということで、相手も強いですし、その中で勝っていかなければならないので。しっかりと勝てる準備をしていきたいです。

小林雅 僕も同じで、出られるか分からないのですが、出るとしたらシングルスだと思うので。相手は絶対強いので、そこは思い切ってできればいいのかなと思います。

――王座でのご自身のアピールポイントを一言で表すと

小林雅 『走る』で。

島袋 『気合』ですかね。

髙村 『吠える』ですかね。

島袋 変らんやないか(笑)。

髙村 パクった、ちょっと(笑)。

――王座への意気込みをお聞かせください

小林雅 もし出させていただいたらシングルスなので、しっかりと勝てるように頑張りたいと思います。

島袋 もし出させていただいたら、自分の役割をしっかりこなせるように、しっかりと勝っていけるようにしていきたいですし、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

髙村 出させていただいたらしっかりと全勝して、チームの勝ちに貢献できるようにしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 熊木玲佳)

※王座への意気込みを書いていただきました!

◆小林雅哉(こばやし・まさや)(※写真左)

1997年(平9)9月22日生まれ。身長170センチ、体重65キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部1年。今季の主な実績は、関東学生トーナメント男子シングルスベスト8、男子ダブルスベスト16、全日本学生選手権男子シングルス優勝、関東学生選手権男子ダブルスベスト4。全日本学生ランキング男子シングルス3位(2016年9月付)。髙村選手に「テキトー」と評された小林雅選手ですが、試合になると一変。真剣にプレーして白星を挙げる姿を王座でも期待したいです!

◆島袋将(しまぶくろ・しょう)(※写真中央)

1997年(平9)7月30日生まれ。身長182センチ、体重75キロ。三重・四日市工高出身。スポーツ科学部1年。今季の主な実績は、関東学生トーナメント男子ダブルスベスト16、関東学生選手権男子シングルス優勝、男子ダブルスベスト4。全日本学生ランキング男子ダブルス18位(2016年9月付)。色紙を書く際、文字のバランスに苦戦していた島袋選手。他のお二人にアドバイスをもらいながら完成させてくださり、1年生の仲の良さがうかがえる対談となりました。

◆髙村佑樹(たかむら・ゆうき)(※写真右)

1998年(平10)1月10日生まれ。身長175センチ、体重67キロ。千葉・東京学館浦安高出身。スポーツ科学部1年。今季の主な実績は、関東学生トーナメント男子ダブルスベスト16、全日本学生選手権男子ダブルスベスト4、関東学生選手権男子シングルスベスト16、男子ダブルス2位。全日本学生ランキング男子ダブルス13位(2016年9月付)。色紙に書いてくださったのは、島袋選手にも「すば抜けている」と言われた「バックハンド」。「(色紙に)特別感がない・・・」とおっしゃっていましたが、島袋選手の色紙を見て「島袋よりはましか!」と切り替えていました。