敵地で伝統の一戦制す

庭球男子

 5セットマッチでダブルス3試合、シングルス6試合を戦う早慶対抗試合(早慶戦)。全国屈指の強豪校・慶大を相手にするこの試合はシーズン最初の団体戦でもあり、必ず制しておきたい一戦だ。1日目に行われたダブルスは3-0で全勝。2日目のシングルスでも勝利を重ね、8-1で早慶戦37連覇を達成した。

 ダブルスでまず1勝目を挙げたのは、ダブルス1の小堀良太主将(スポ4=東京・大成)・坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)組。「隙のない、ダブルス1らしい試合ができた」(小堀)と、ストレートで相手を下す。ダブルス3の齋藤聖真(スポ2=神奈川・湘南工大付)・高村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)組は第1、2セットともに6-1で押さえ、相手の1年生ペアを圧倒する。勝利を意識して第3セットを落としてしまうも、「第4セットで絶対決めるという気持ちだけは持っていた」(高村)と攻撃の姿勢を貫き、二つ目の白星を自陣に持ち帰った。ダブルス2で登場した松崎勇太郎副将(スポ4=神奈川・湘南工大付)・河野優平(スポ3=福岡・柳川)組の試合は、「3試合の中で一番タフな試合になると分かっていた」(河野)という言葉通りの拮抗(きっこう)した展開となる。勝敗の行方は最終セットに持ち越された。サービスキープが続き9-8で迎えた相手のサービスゲームで、最初のポイントから松崎がレシーブを決める。攻め急いだ慶大ペアにミスが見られ、ブレークに成功。3勝目をもぎ取り、翌日のシングルスにつなげだ。

ダブルス3での出場となった齋藤(前)・高村組

 3-0で迎えたシングルスでは、下位陣がしっかりと勝ち切った。終始優位に試合を進めたのはシングルス6の巽寛人(スポ4=福岡・柳川)。ラリーで機会をうかがい、攻めどころではきっちりとショットを打ち込む。相手を走らせて主導権を握り続け、6-1、6-3、6-2と圧倒的なスコアで勝利を収めた。早大の優勝まで、あと1勝。この場面で白星を挙げたのは、ダブルスでも出場したシングルス4の坂井。「相手が1年生ということもあり、勢いでプレーしてきた部分もあった」(坂井)と第1セットから白熱したラリーが展開される。2セット続けてのタイブレークとなったが、強烈なサーブや高い打点から叩き込むショットで攻め、セットカウントを2-0とした。第3セットには相手のプレーも乱れ始め、サービスエースでゲームセット。ここでチームの勝利が決定し、春秋通じた早慶戦連勝の記録を37に伸ばした。シングルス2では逸崎凱人(慶大)に意地を見せられ落としてしまったものの、残りの3戦では熱戦を制し、8勝1敗で早慶戦を終えた。

チームの白星を決定づけた坂井

 昨年の関東大学リーグでなかなか勝利を決められなかった記憶があるだけに、ダブルスで全勝しシングルス下位で勝負をつけられたことは今後につながる成果だ。それでも、主将の小堀は「課題はたくさんある。まだまだ未熟なチームなので、緊張感を持っていく」と気を引き締める。まずは全日本学生選手権に向けて、個々の力を高めていきたい。

(記事 熊木玲佳、写真 田中佑茉、網代祐希)

★ルーキーらが活躍、今後に期待

勝利の瞬間、ガッツポーズを見せた小林

 2日目の朝。シングルスを戦う選手が発表される中で、最後に叫ばれたのは小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)の名だった。この春入学したばかりの1年生が、チームの顔とも言えるシングルス1の大役に抜てきされた。

 序盤から慶大のエース上杉海斗が攻めてくる中で、小林雅はしっかりとショットを打ち返し食らい付いた。第1セットは落としたものの、次第にうまく相手を振り回してミスを誘えるようになり、波に乗って第2セットを奪取。しつこく球を拾われる疲労もあってか、中盤からは上杉が足を気にし始め、第4、5セットは完全に小林雅のペースになる。その後は1ゲームも落とさず試合を終え、「緊張していたが、やっているうちに雰囲気にも慣れてきた」(小林雅)と堂々たる団体戦デビューを果たした。「この勝ちを経験にさらに飛躍してほしい」(土橋登志久監督、平元教卒=福岡・柳川)と監督からの期待も大きい。

 ほかにもシングルス3の島袋将(スポ1=三重・四日市工)、ダブルス3の高村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)といった1年生がこの団体戦で勝利を収めており、ルーキーたちの可能性は未知数だ。秋の団体戦シーズンで、大きな戦力となってくれることだろう。

(記事 熊木玲佳、写真 佐藤亜利紗)

結果

男女とも優勝を飾った早大庭球部

 

○早大8―1慶大

ダブルス1
○小堀良太・坂井勇仁6-3、6-3、6-2上杉海斗・平山浩大(ともに慶大)
ダブルス2
○松崎勇太郎・河野優平4-6、6-4、6-4、3-6、10-8逸崎凱人・畠山成冴(ともに慶大)
ダブルス3
○齋藤聖真・高村祐樹6-1、6-1、4-6、7-5甲斐直登・福田真大(ともに慶大)
シングルス1
○小林雅哉5-7、6-0、3-6、6-0、6-0上杉
シングルス2
●松崎6-2、6(5)-7、6-3、4-6、2-6逸崎
シングルス3
○島袋将7-5、6-1、3-6、6-1韓成民(慶大)
シングルス4
○坂井7-6(3)、7-6(6)、6-1甲斐
シングルス5
○三好6-2、3-6、6-3、4-6、6-1畠山
シングルス6
○巽6-1、6-3、6-2福田

※通算成績=99勝83敗 、37連勝(新記録)

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コメント

土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)

――早慶戦(早慶対抗試合)を終えたいまのお気持ちをお聞かせください

男女ともしっかり勝てたという意味では、素晴らしかったと思います。日頃の努力が報われた瞬間だと思います。

――慶大の印象はいかがですか

早慶戦というのは、王座(全日本大学対抗王座決定試合)やリーグ(関東大学リーグ戦)ともまた違って独特な雰囲気があります。日吉の蝮谷での戦いというのは、いつもそういった雰囲気の中で、慶大の学生が食らいついてくるというもので。それは男子も女子も同じですし、そうした中で勝てたというのは大きいですね。それを目指して、みんなが春先から作り上げてきたというのが、すごく成果だなと思います。これがリーグにつながっていけば、さらに良い結果が出せるのではないかと思います。

――男子はシングルス1にルーキーの小林選手(スポ1=千葉・東京学館浦安)が起用されましたが

ランキング上、(シングルス1で)出さなければいけないというのがありました。ただ全日本選手権で上杉くん(海斗、慶大)に勝っているというのもありましたし、きょうも勝負できるのではないかなと思っていました。ポイントが決まってなかったら、また別の展開になったのかもしれないですが、決めることができていました。上杉くんは昨年の暮れぐらいから、ずっと膝を痛めていて、なかなか練習ができていない中での出場だったと思います。たまたま今回は、ああいった結果になったと思うのですが、夏までに彼も上げてくると思うので。この勝ちを経験に更に飛躍してほしいなと思いますね。

――女子の方のオーダーに関してはいかがですか

コーチ陣がいろいろと話し合って考えました。本来であれば金井(綾香、社3=東京・早実)や辻(恵子、教4=東京・早実)で一本取るというのが計算でした。(チームとしては)勝ちはしましたが、それが今回できなかったというのは大きな課題かなと思います。ダブルスでリードした展開だったから良かったものの、1-1や0-2であればそこで勝負が終わって、という流れになるので。ナンバーワンという気持ちを持つという意味で、そこの強化もやっていきたいと思います。

――男子8勝1敗、女子は5勝2敗でした。この結果はどのように受け止めていますか

思った以上に、スコアは良かったと思います。きのうの男子のダブルスでも相手のミスに助けられる場面もあり、自分たちが主導権を握っていた戦いではありませんでした。一つ一つが噛み合わなければ、リードした試合ではなかったので。8-1というスコアに関しては、選手たちを褒めてあげたいです。

――女子の方はいかがですか

最後、細沼(千紗、スポ3=東京・富士見丘)と林(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女)が勝てたというのはすごく良かったです。どちらかが負けて4-3ではいけないという気持ちと、王座では勝ちましたけど昨年9月の早慶戦では負けていて、優勝杯を奪還できたというのは、彼女たちにとっては大きな目標としていたことでした。緊張もあったと思うのですが、しっかり最後勝ち切ってくれたというのは良かったと思います。

――今後に向けてチームとして必要になってくることはありますか

いつも思うのですけれど、課題はたくさんあります。やはり部員の努力や一球一球丁寧にやることといった、スポーツの原点というのをどれだけ選手たちが真摯(しんし)に受け止めて日々やれるかというのが、きょうの試合を見て再確認できました。地道にコツコツとやるということが、テーマとなってくるかなと思います。

※1日目終了時

松崎勇太郎副将(スポ4=神奈川・湘南工大付)

――春関(関東学生トーナメント)から1週間ですが、疲れは残っていましたか

疲れはもちろんありましたが、しっかり休みを取りましたし、(疲れも)抜けて動き始めていたのでそこまで体がきついとかいうのはなかったです。

――きょうの第1から第4セットまではどう振り返りますか

緊張ももちろんあって、自分たちのプレーができなくて(第1セットを)落としたというのは分かっていたので、そこからどう自分たちの事に集中するかというのが重要になるゲームでした。第2、3セットをしっかり取りきれたというのは大きかったと思います。ただそこでもう1回同じことをやらなければいけなかったなというのが反省ではあって、4セット目で終わらせられる試合ではありましたし、第5セットまでいってしまうとどちらに転ぶかわからないのは当然で。やはり4セット目で正しく同じ選択をすることが大事だったな、というのがきょうの一番大きなポイントでした。もっともっと2セット取ったからもう1セット頑張ろう、という喝を入れなければいけなかったかなといまになって反省しています。

――第2、3セットのときに河野優平選手(スポ3=福岡・柳川)と話し合ったことはありますか

自分たちが粘っこく正確にやることができればセットにつなげられるというのはお互い分かっていました。特に何か話し合ったというわけではありませんが、もう一度緊張感を持って正しいことをやろうというのが共通認識としてあって。たぶんそれがお互いできていたからあのセット(第2、3セット)につながったのかなとは思います。特に変えたというよりは、気持ち的な部分が大きかったので、そこに関しては第1セットを落としながらよく辛抱できたのかなと。

――最終セットはかなりの熱戦で、相手も気迫のこもったプレーをしてきましたね

もちろんあそこまでいってしまえばどちらに転ぶかは気持ち次第ですし、どう気持ちを持っていくかというのがすごく大事な部分です。あちらも強いペアですし、あそこまでシーソーゲームになって最後差が出たのはどれだけ粘っこくリターンを通すだったり、派手なプレーではなく泥臭いプレーでポイントを取るかとだったりの点だったかなと感じます。あちらはチャレンジャーであって、派手なプレー、びっくりするようなショットもいくつかありましたが、僕たちがやることは派手なプレーではなく、決めるところはしっかり決めたり、相手にやらせて我慢したりというのが大事だと思うので。本当にちょっとした差でああいうセットになったのかなと思います。ただやはり、あそこまでいってしまうのはよくなくて、5セット目に入ってもっと勝負をつけておくべきだったとは感じました。少なからずダブルス3にも影響したと思いますし、僕らがもっと早く勝負を決めておくというのが大きなテーマなのかなと。きょうに関しては真ん中(のコート)でやっていますし。ダブルス1は簡単に取りましたが、僕らがもっと簡単に取れば、ダブルス3も1年生と2年生の初めてのペアだったので、もっと気楽にやらせてあげられたのかなと。唯一の救いは勝ちにつなげられたことかなと思います。

――マッチポイントを握った場面もありましたが、一度離してしまって気持ちが落ちてしまうことはありませんでしたか

ああいうゲームだと、マッチポイントを握っても取り切るまで何が起こるかわからないので。先にマッチポイントを取ったから何が起きるというわけでもないですし、取って終わりというところまでしっかりやらないとあそこからまくられるという空気もありましたし、僕らがあそこで落ちていたら結果が逆になっていた部分もあったと思います。マッチポイントを取ったからというわけではなくて、マッチポイントを取り切れなかったのがよくなかったですが、そこで気持ちが落ちたというのはなかったです。ポイントを握って勝てるかもというのはよぎりましたが、あれだけ緊迫した空気もあって、そう簡単に取れるものではないので。

――きょうは合わせて57ゲームを戦いました

僕は2年前もここ(早慶対抗試合)のシングルスで同じようなスコアを経験していますし、そこまでゲーム数や時間にこだわることないです。あれだけやって勝ち切れたというのがよかった点で、少なからずあしたにいい影響を及ぼすことができたかなと。僕はシングルも出ると思うので、あれだけ延ばしてしまったのは自分のせいですが、体もしっかり休めないといけません。あしたもたぶん厳しい試合になると思うので、体力を戻して、シングルスでもう一度勝負できるよう準備したいと思います。

河野優平(スポ3=福岡・柳川)

――関東学生トーナメント(春関)では準々決勝で対戦した相手でしたが

ダブルス2か3でくるということは分かっていて、おそらく2でくるだろうなと思っていました。3試合の中で1番タフな試合になるなっていうのは自分でも分かっていたので、ファイナルにいく準備もしていました。その中で、4セット目で抑えられるところはあったと思うので、そこは課題として残りましたし、ダブルスを引っ張っていく存在としては、もっとロースコアで、1番に終わってチームを引っ張らないとなっていうふうに思いました。

――サーブやボレーの調子はいかがでしたか

ボレーがちょっと、逸崎選手(凱人)がすごく打ってきて、けっこう当たってきたなと感じました。そのときに少し弾かれたりしたので、そこはしっかりもっと抑えて、抑えて、粘ってということが必要だと思います。サーブに関しても、もっと崩れるゲームというのが何ゲームかに1回はあるので、そのへんはしっかり修正していきたいなと思います。

――きょうの良かった点は

サービスキープが基本的にできていたのが良かったと思います。でもその中でも2回ブレークされています。まあ5セットマッチあって、2回は少ないかもしれないですけど、やっぱり基本はブレークされてはいけないと思います。まあでもサービスキープがしっかりできていたのが良かった点だと思います。

――体力面はいかがでしたか

ダブルスですし、5セットやる準備っていうのもできていたので、体力面では問題はなかったです。ファイナルセットにいっても大丈夫だなと思っていました。

――春関後に3本の内で1番良いプレーをしたいとおっしゃっていましたが

もしかしたら1番良くないダブルスだったかもしれないので、リーグ(関東大学リーグ)で引っ張れるように、まずはインカレ(全日本学生選手権)から頑張っていきたいと思います。

――チームとしてはダブルス全勝となりました

それも目標だったのでよかったのですけど、まだ5本は到達してないので、0-0もしくは追い込まれている気持ちで考えていいと思います。4、5、6の出る人で決めていきたいなというふうに思います。

齋藤聖真(スポ2=神奈川・湘南工大付)

――きょうはどのような気持ちで臨まれましたか

僕は対抗戦や公式な団体戦に出ることが、ここ最近なくて。春関(関東学生トーナメント)でベスト16に残ったペアが3組いて、そのうちのどこかが(きょうの試合に)出ると言われていました。春関が終わってからの一週間、自分とペアも含め、意識を高く持って練習していました。きのう、ダブルス3を任せたという風に言われて、しっかり準備してきたので、自信を持って臨めたと思います。

――ダブルス3で出場することが決まった時の心境は

先ほども言ったのですが、3組のうち1組が出れるという状況だったので、雰囲気もそうですが自分たちはいつ出ても良いように準備していました。任されたからには、120%の力で頑張りたいと思いました。

――6-1、6-1と順調な滑り出しでしたが、振り返ってみていかがですか

ファーストセットは、ペアで話していたフォーメーションやポイントのパターンがうまくいきました。相手は慶大の1年生ペアで、ファーストセットとセカンドセットはあっさりいってくれたおかげで、自分たちもそれ以降、リードされる場面であっても強気でいけました。そこは良かったのかなと思います。

――逆に3セット目は、相手に押される場面もありましたが

自分のサービスゲームで、セカンドサーブでも攻められて、少し引き気味になっていた部分が、セットダウンしてしまった原因かなと思います。4セット目も苦しい場面があったのですが、反省を生かせたので、次に生きるかなと思いました。

――1年生の高村選手とのコンビネーションはいかがですか

ジュニア時代に一度、国際大会で組んだことがありました。いまは寮も一緒で、仲良く過ごしています。その分、試合だけでなく私生活から、お互いの意識を共有しながら高め合うことができていました。きょうは、しっかりとコミュニケーションを取りながらできていたので、楽しくできたとおもいます。

――このペアの強みは何だとお考えですか

サーブとバックのリターンです。僕は正直、リターンで強気でいく分、ミスも出てしまうのですが、ペアがしっかりとバックサイドでポイントを取ってくれるという自信がある中で、強気でいくことができるので。すごく頼りにしています。

――最後はサービスエースでしたが、きょうのサーブの調子はいかがでしたか

すべてのセットを通しては、常に良かったといえるわけではありません。1セット目はファーストサーブが入らないという場面もあったのですが、すぐ修正できました。そこはきょう、自分たちがサービスゲームを高い確率でキープできたところにつながったのだと思います。

――今季の目標をお聞かせください

去年はダブルスで春関ベスト4、インカレ(全日本学生選手権)でベスト8でした。ことしは違うペアで、団体でもこういう位置にいるので、しっかりアピールできるよう、インカレでももちろん優勝目指してがんばっていきたいと思います。

――あすはシングルスの試合が行われますが、チームとしてどのような戦い方をしていきたいですか

まだオーダーが決まったわけではないですが、チームメートに何かあったときのためにも、可能性のある選手全員できょう帰って練習したり、話し合ったりして、あすもきょう以上のチーム力で勝ちにいきたいです。

高村佑樹(スポ1=千葉・東京学館浦安)

――初めての早慶対抗試合でしたが、雰囲気はいかがでしたか

想像してはいましたが、だいぶ緊張して思うようなプレーはできませんでした。勝ちにつなげられたのはよかったかなと思います。

――第1、2セットはブレークが続きましたが、そこで先にキープできたのは大きかったのでしょうか

僕と齋藤さん(聖真、スポ2=神奈川・湘南工大付)のペアは出だしが課題だったので、出だしで一気に差をつけられたというのはよかったと思います。

――第3セットは少し苦しみましたが、やりにくかった点はありますか

第3セットは僕らが4-2リードだったので、勝ちが見えてきたというか、油断があったかなと思います。そこで相手も上げてくるのは分かっていたのですが、こちらは上げられなくて一気に第3セットを持っていかれたというのは反省点です。

――第1、2セットで圧倒していた分、第3セットを取られて気持ちが落ちてしまった部分はありますか

少し落ちてしまいましたが、第4セットで絶対決めるという気持ちだけは持っていました。どんな試合であっても取り切れたのがよかったです。

――隣で松崎勇太郎副将(スポ4=神奈川・湘南工大付)・河野優平(スポ3=福岡・柳川)組の試合が長引いているなというのは気付いていましたか

隣のコートはそんなに見ていなかったのでわかりませんでした。ダブルス1は早く終わって勝っていたというのは、第3セットの後の10分休憩で気付いて。そこは気持ち的に余裕ができました。

――きょうお二人のダブルスでよかった点は

序盤から相手にプレッシャーをかけ続けて、いつもよりさらにプレッシャーをかけられた点は一番よかったかなと思います。

――あすのシングルスに向けて大きな1勝だったと思います。きょう全体を振り返っていかがですか

3-0という、スコアだけで見るといい流れだったと思うのですが、まだまだ課題は残っているので、シングルスもしっかり6-0で押さえて、(全体スコア)9-0で終えられるといいなと思います。

※2日目終了時

小堀良太主将(スポ4=東京・大成)

――8勝1敗という成績に関して、主将としてはどのように受け止めていますか

全体的に危ない試合もあり、慶大が力をつけてきているというのは確かにありますが、しっかり8-1で勝てたというのはチームとしても良かったのではないかと思います。

――きのうのダブルスでは3勝を挙げました

3-0で折り返せたのはすごく良かったと思います。去年の法大戦ではそこから巻き返されたという経験もあったので、もう一度気を引き締めるよう全員に呼びかけていました。結果、下のシングルスで勝負をつけることができて、良かったのかなと思います。それがきょうも生きて、8-1にすることができたので良かったですね。

――きのうのご自身のダブルスの試合を振り返って

僕らは春関(関東学生トーナメント)で優勝して、負けられない立場という変な緊張感もありました。上杉(海斗)・平山(浩大)組(ともに慶大)も春関ベスト4ということで、団体戦ではありますが、心境的にも勝たなければいけないという緊張もありました。しっかり坂井(勇仁、スポ2=大阪・清風)とコミュニケーションを取って、応援も一緒に戦うことができました。結果として勝ち切れたというのは、チームとしても良かったのかなと感じています。

――ストレートでの勝利になりましたが

1ブレーク、1ブレーク、2ブレークで勝つことができました。隙のない、ダブルス1らしい試合ができたのかなと思います。ダブルス2と3が勝てたというのも、分からないですが、ダブルス1が勝てたというのがあって、勝つことができたのかもしれないですし。それ全体を含めて、すごく良かったのかなと思っています。

――ことしの慶大のチームとしての印象はいかがでしたか

毎年慶大は決して諦めることなく、勝負に貪欲だなと感じています。ことしも最後上杉とかが勝負が決まっていて、体の状態が良くない中、あそこまで勝ちにこだわっていた点というのは慶大らしいプレーというか。まだまだ慶大の怖さはあるなと感じました。

――きょうの試合では小林選手(雅哉、スポ1=千葉・東京学館浦安)のベンチコーチに入られていました。何かアドバイスなどはされましたか

小林はまだ1年生で、アウェイというのもあり、試合展開的には上杉に追い込まれている場面がかなりありました。春の早慶戦(早慶対抗試合)は4回しかないですし、1年生で出場できるのは最初で最後なので。もっと楽観的に、ではないですけど、自分からゲームをして、自分らしくプレーすることがチームのためにもうまくいくのではないか、という話をしました。結果、上杉の状態が悪くなってしまったのはあるのですが、そこでも小林のプレーができていました。初めてベンチコーチという立場でやらせていただいたのですが、いつもとは違った角度でチームに携わることができたので、すごく良い経験になったと思います。

――早慶戦を通して、チームとして得た課題や収穫はありましたか

課題はたくさんあると思います。というのもダブルスに関しても、まだまだ詰めが甘かったり、セットを取ってリードしていたとしても油断が生じてしまったり。シングルスもそうですが、まだまだそこが甘いのかなと感じました。日頃の私生活や一日一日の練習の甘さが本番で出てしまったのかなと思っていて、リーグ(関東大学リーグ)と王座(全日本大学対抗王座決定試合)で優勝するためには隙のないチームになっていかないといけないと思います。まだまだ未熟なチームなので、ここからもう一度、僕や他の上級生から緊張感を持って、引っ張っていきたいです。

――インカレ(全日本学生選手権)に向けての意気込みをお願いします

ダブルスはもう、優勝しかないかなと思います。まだインカレでは満足のいく結果を残せていないので、4年生の集大成としての意地もあります。シングルスももちろん、優勝を狙っていきたいと思いますが、ダブルスに関しては、坂井と組む個人戦は最後になると思うので。後悔しないようなプレーをして、それが結果につながれば最高かなと思うので、優勝目指して頑張りたいと思います。

巽寛人(スポ4=福岡・柳川)

――きょうはシングルス6の出場でしたがどのような気持ちで臨みましたか

去年もシングルス6で前日のダブルスの結果の流れですることがきまってくるポジションでしたので、前日はダブルス3だったので勢いを出すためにということで元気を出すことを意識してプレーしました。

――きょうの試合内容を振り返っていかがですか

全体を通して常に相手の主導権を握ることができた試合だなと思いました。いつもは本日の試合のようなかたちになることはほとんどなく、主導権を握られるやずっと守備にまわってしまう形が多いのですが、本日は主導権を握れたというか自分から攻めにいけた試合でした。

――相手の印象はいかがですか

一発で取れるようなショットはないですが、全体的にうまい、弱点があまりないようなイメージでした。

――チームとしては8-1での勝利でしたがその結果はどのように受け止めていますか

勝てたことはうれしいですが、チームで掲げていた目標は9-0だったので。勝負なので勝つのは一人だけなのでそういう点では仕方ないのかもしれないですが、9-0にできた試合でもあったのでちょっと残念な気分です。

――ラストイヤーにかける思いは

昨年の戦績を最低限超えることと、チャンピオンになることを目標に、ラスト1年頑張りたいです。

坂井勇仁(スポ2=大阪・清風)

――きょうのシングルスはチームの勝利を決めた試合でした

第1セットも第2セットも先にブレークはしたのですが、ブレークした後にすぐブレークバックされるという展開が続いてしまって。相手が1年生ということもありますが、勢いでプレーしてきた部分もあって、こっちがギアを上げて突き放せればもっと良かったなと思います。

――片山翔さん(平24スポ卒=現伊予銀行)がベンチコーチに入っていましたが、何か言われたことはありますか

高い弾道を使ってプレーすることで、相手が嫌がったり打ち急いで球が浅くなったりすることがあったので、そこをうまく使うように言われました。

――きょうよかった点は

チームに勝ちを持っていけたことは本当によかったのですが、試合内容としてはそんなによくはなくて。もっとできないとこれから先に不安が残るかなという感じでした。ただサーブに関してはこの早慶戦(早慶対抗試合)で単複通してよかったかなと思います。

――きのうはダブルス1として1勝目を挙げました。振り返っていかがでしたか

相手の上杉さん(海斗、慶大)は力のある選手ということはわかっていて、平山(浩大、慶大)も高校の時に総体で優勝しています。ただ(平山選手は)1年生なので、出だしが硬くなるというのは試合に入った瞬間にわかったので、そこは叩きつぶしにいくくらいの勢いで攻めることができました。なおかつ上杉さんを焦らせることはできたんじゃないかと思います。

――単複出場されましたが、今回の早慶戦を全体的に振り返っていかがでしたか

単複2勝できたのは自信にもなりますし、今後リーグ(関東大学リーグ)、王座(全日本大学対抗王座決定試合)で単複自分が出るぞという気持ちを持って、これからの練習に取り組んでいこうと思います。

――次の公式戦はインカレ(全日本学生選手権)になります。意気込みをお聞かせください

今回早慶戦はこういうかたちで勝てましたが、インカレはまた個人戦になります。個人戦は今回(関東学生トーナメントで)シングルスで慶大同士の決勝があって、ダブルスは早大同士の決勝でしたが、インカレでは単複で早大が上位を独占して、その中で僕も上位に食い込みたいです。去年はシングルスベスト8だったのですが、ちょっと調子が悪くなってもしっかり勝ち切れるようにもっと地力をつけ、これから対外試合でも絶対に勝って自信をつけて、インカレに臨みたいと思います。

小林雅哉(スポ1=千葉・東京学館浦安)

――初めての団体戦ということで、早慶対抗試合(早慶戦)の雰囲気はいかがでしたか

高校でも団体戦は経験してきましたが、味方の応援もすごかったのですけれど、アウェイということもあって相手の応援に対して圧倒されてしまって。最後に僕だけが1面で試合していた時も、周りに人がばーっといるのですが、相手の方が囲んでくるような人数の多さで。正直やりにくかったです。でも試合入る前は緊張していましたが、試合をやっているうちにその雰囲気にも慣れてきて、うまくできたのではないかと思います。

――1年生ながらシングルス1として出場されましたが、プレッシャーはありましたか

負けたくないというのはありました。ダブルスが3-0ついて、シングルス4、5、6が取って(全体スコア)6-0になった時に、自分も取らないとまずいのかなという気持ちになって。プレッシャーではないのですが、9-0つけたいという気持ちもあったので、取らなくてはいけないかなという思いが強かったです。

――上杉選手(慶大)とは昨年の全日本選手権以来の対戦だったと思います。試合展開のプランは考えていましたか

やはり5セットマッチは長くて、僕のテニスはパワー系のテニスではなくて、どちらかというと足の細かさ、テンポの速さでうまくついていくというプレーなのですが、上杉くんのフォアの逆クロスの強打が怖くて。全日本選手権でも、それを打った後のネットプレーの速さが怖いなと思って。それは正直防ぐことはできないのですが、ミスを誘うことはできると思ったので、なんとかしのいでしのいでという感じでやりました。

――第1セットを振り返っていかがですか

3-1から3-5までいってしまったのですが、セットポイントを握られながらも5-5までもっていけたのはよかったかなと。ただ5-5までいったのなら、しっかりと相手のサーブでも簡単に取らせないようにできればよかったかなとは思いました。そこで簡単に取られたせいで自分のサービスゲームでも簡単に取られてしまったのかなというのがあって。そこはもう少ししっかりやっておけばよかったかなと後悔しています。

――第2セットの途中からはネットに出る場面も見られました。どう振り返りますか

第2セットでは相手のミスも多くなって、自分もだんだん足が動いてきたというのがあって、相手の逆クロスにも少し慣れてきました。うまく深く返して、相手がミスしてくれたのかなと思います。ネットプレーでもプレッシャーをかけていかないといけないので、そこが第2セットではうまくできたかなと。

――第3セットでは粘って拾ってチャンスをつくる場面もありましたが、振り返っていかがですか

第2セットを6-0で取って、第3のファーストゲームをうまくブレークできたのでその流れでいきたかったのですが、その次の自分のサービスゲームで取れなかったのが相手に流れを持っていかせてしまったのかなと思いました。その後キープキープにするべきところをまたブレークされてしまって、1-5までいきました。そこから粘って、粘って3-5までいきましたが、やはり粘るだけではだめで、大事な場面でも自分から攻めていければよかったかなと思います。

――小堀良太主将(スポ4=東京・大成)がベンチコーチに入られたと思いますが、何と声を掛けられましたか

まずはしっかり自分の試合に集中するということと、ミスが多くなった時は足が止まっているから、足をもっと動かすということ。あとは上杉くんに関しては打ってくる時と打ってこない時の差があって、打ってこない時を見逃さないでうまくコートの中に入って打てればよかったのですが、それが第3セットではあまりうまくいっていなくて。どちらかというと僕が下げられて、相手が前に入ってきてずっとネットプレーをしていました。

――チャンスを自分からつくれなかったということでしょうか

そうですね。やはり球が浅かった部分があって、あちらも強引に出てきて自分がなんとか返してもスマッシュを打たせてしまって。そこはきつかったというか、逃げるときにロブばっかりで、相手はでかくてスマッシュもうまいので、だいたい決められるときはスマッシュ、ネットプレーが多かったです。

――きょう振り返って良かった点はどこですか

第4セットの初めで相手が足を気にし始めていたのは気付いていて、そこでしっかり自分のテニスを貫き通すことができたのはよかったのかなと思います。やはり最後に1ゲームも渡さずにしっかりと締めることができたのはよかったかなと。

――次の公式戦は全日本学生選手権(インカレ)になりますが、意気込みをお聞かせください

1年生というのもあるのですが、気にせずに思い切ってできればいいかなと思います。目標は優勝しかないので、優勝目指して頑張ります。