雨の影響により一日遅れで各種目の準々決勝が行われた。ベスト4入りを懸けた戦いとあって、白熱した戦いが各地で繰り広げられるなか、男子シングルス1名と男子ダブルス1組がそれぞれ白星を獲得。2日後の決勝戦へ向けまずは1勝を手にした。
★逆転劇を演じ、準決勝へ
ファーストセットで0-4から挽回を見せた小倉
前日同士討ちを制し、準々決勝へ駒を進めた小倉孝介(スポ2=神奈川・湘南工大付)。「自分の出だしの悪さが出てしまった」と振り返ったように、序盤は相手のペースで試合が進む。強烈なサーブを放ってくる相手に押され、ゲームカウント0-4としリードを許した。だが、「しっかりラリーをしていれば、どこかでチャンスはあるという気持ちがあった」(小倉)とラリーでポイントを重ね、第5ゲームをキープ。次のゲームではブレークに成功し、徐々に調子を上げていった。一気に6ゲームを連取し、ファーストセットを獲得する。その後は両者一歩も譲らぬ攻防が続くが、先ブレークしたのは小倉だった。そこから流れを引き寄せ、チャンスをものにする。第7、8ゲームは相手に1ポイントも与えることなく、セットカウント2-0で勝利をたぐり寄せた。悲願のタイトル獲得まであと2勝と迫るなか、まずは翌日の準決勝に向け、「自信を持って頑張りたい」と意気込みを語った小倉。得意とするフットワークを生かしたラリー戦に持ち込み、決勝への切符をつかみたい。
(記事 佐藤亜利紗、写真 田中佑茉)
★気迫のプレーで準決勝進出!
スーパータイブレークを制し、勝ち星を挙げた岩崎(右)・三好組
強風の中行われたダブルスの準々決勝。三好健太(スポ2=埼玉・秀明英光)・岩崎歩(スポ2=神奈川・湘南工大付)組は、1週間前の明大との対抗戦で戦った相手と、再び対戦することとなった。1ゲーム目でいきなりブレークに成功すると、その後もしっかりとサービスゲームをキープ。順調に第1セットをものにし、良い流れに乗ったかのように見えた。しかし続く第2セットでは、「自分のプレーができなかった」(三好)と振り返ったように、相手の勢いに押され、ミスが目立つ。甘く入った球を次々に決められ、このセットを落としてしまうが、早大ペアが気持ちで負けることはなかった。声を出し気迫を前面に押し出したプレーで、本来の実力を発揮した二人は、着実に得点を重ねる。最後は三好が豪快なフォアハンドを決め、10-5でスーパータイブレークを制した。「ここまでお互いを信じて戦ってこれている」(岩崎)。強い信頼関係で優勝を目指す二人にとって、あすの準決勝は負けられない一戦となるに違いない。
(記事 田中佑茉、写真 佐藤亜利紗)
★激闘繰り広げるも、準々決勝で敗退
スーパータイブレークの末、惜敗した遠藤(右)・巽組
遠藤実(スポ3=三重・四日市工)・巽寛人(スポ3=福岡・柳川)組はベスト4入りを懸けて準々決勝に臨んだ。第1セット前半は遠藤・巽組のペースで進む。遠藤の力強いショットと前衛での巽の冷静なプレーが光り、着実にリードを広げていった。だが、4-2で迎えた第7ゲーム以降、連続でゲームを奪われ4-6でこのセットを落とす。続く第2セットは流れを再び取り戻したいところだったが、ミスショットが目立ち、ゲームカウント1-4と苦しい展開を強いられた。正念場の第6ゲームでは、サービスゲームをキープし2-4と盛り返すと、ここから一気に4ゲームを連取。試合はスーパータイブレークに突入し、両者の意地が最後までぶつかり合う。一時はマッチポイントを握ったが、12-14で力尽き、準々決勝で姿を消した。
(記事、写真 井口裕太)
結果
▽男子シングルス
準々決勝
○小倉孝介(6-4、6-2)野田哲平(慶大)
▽男子ダブルス
準々決勝
○岩崎歩・三好健太組(3-6、4-6)杉田曜・本城和貴(ともに明大)
●遠藤実・巽寛人組(4-6、6-4、12-14)小見山僚・前崎直哉組(ともに法大)
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コメント
岩崎歩(スポ2=神奈川・湘南工大付)
――1セット目はブレークで順調な滑り出しとなりましたが
1週間前の対抗戦で当たっていた相手だったのでどういう相手かは分かっていました。出だしでブレークできて、キープは集中してできたと思います。風が吹いていて結構やりづらかったのですが、キープを重要視してうまく1セット目を取れたという感じですね。
――2セット目を振り返って
2セット目の僕たちはあまり元気がなくて、そこをついてこられました。自分たちのリズムがあまり良くなくて、お互いぎくしゃくしていたところがありました。ファイナルセットはうまく立て直せた結果、取れたかなという感じです。
――スーパータイブレークはどのような気持ちで臨まれましたか
ファイナルのスーパータイブレークは強気でいけば取れると思っていました。ダブルスはノリなので、声を出してやろうとふたりで話していました。それがうまくできたので良かったと思います。
――三好健太(スポ2=埼玉・秀明英光)選手とのコンビネーションはいかがですか
見ての通りです(笑)全日本学生選手権の時から組んでいて、ここのところ練習でも良い感じですね。2回戦からお互いあまり調子が良くなかったのですが、ここまでお互いを信じて戦ってこれているかなと思います。
――今大会での目標をお聞かせください
優勝したいですね。きょねん悔しい思いをしたので、ことしは絶対優勝したいです。
――冬場に取り組んできたことなどはありますか
体づくりの面を意識してやっていました。ウエイトトレーニングを増やしたり、走りこみをしたりして、夏場に備えるようにしています。良い状態でこれているので、体調管理をしっかりして、もう少し鍛え上げていきたいと思います。
――あすの準決勝に向けて意気込みをお願いします
あしたの相手はダブルスがうまいので、第1シードではあるのですが、チャレンジャー精神を持ってやっていきたいと思います。
小倉孝介(スポ2=神奈川・湘南工大付)
――1セット目は0-4からのスタートとなりましたが
自分の出だしの悪さがきょうも出てしまいました。相手への応援が多い中で相手に勢いに乗らせてしまうことがないように、とやっていたのですが、こういうかたちになってしまったので。どう改善するか考えて次の試合に臨みたいなと思っています。しっかりやれば0-4から最終的に7ゲーム連取できたということで、自分のテニスを最初から最後までできるように次回も頑張っていきたいと思います。
――気持ちの切り替えは
0-4でもしっかりラリーをしていれば、どこかでチャンスはあるという気持ちがありました。それを信じて戦うことができたので、勝つことができました。
――相手の選手の印象はいかがでしたか
序盤はサーブが良くて、なかなかブレークできませんでした。0-4から1ゲーム取っただけで崩れてくれたので。気持ちの面ではあまり強い選手かなということだったので、そこにつけこんで自分からしっかり打つことを意識していけばやれると思いました。
――今大会での目標をお聞かせください
まだ学生の大会では結果を残すことができていなくて、今大会では4回戦までに2回同士討ちがあって、その同士討ちをしっかり制して勝つことに意味があると思います。強敵を倒して優勝することは僕が3年生になってからの立場として重要になってくると思うので、優勝を目指してやっています。
――冬場に取り組んできたことはありますか
特にボレーなどネットプレーの練習をしていました。今までフォアで攻めた後でもそのまま前に出ずに、ゼロに戻ってしまうことがあったので、ボレーにつながるプレーを意識してやっていました。あとはウエイトトレーニングなど体づくりや走りこみをしっかりして、この大会に備えてきました。
――あすの準決勝に向けて意気込みをお願いします
あすの相手は背も高くてパワーもある選手なのですが、自分の足を生かしたラリー戦では絶対に勝てる相手だと思うので、自分に自信を持って頑張っていきたいと思います。
三好健太(スポ2=埼玉・秀明英光)
――きょうの試合を振り返って
先々週に明大と対抗戦をして、同じ相手とやっていたので、どんな感じかは分かっていました。きょうは風も強くて状態はお互い悪かった中で、僕は自分のプレーができていなくて、特にサーブリターンが全然良くなかったです。僕らのプレーはストロークで押してボレーで決めるっていうかたちにしたいんですけど、きょうはそれができていなかったのを感じました。
――岩崎歩(スポ2=神奈川・湘南工大付)選手とのコンビネーションはいかがですか
全日本学生選手権(インカレ)でも組んでいたんですけど、あんまり練習することはないです。試合のときに、お互いどういう仕事をしていこうって話し合ってるんですけど、どっちかが良くてどっちかが落ちていることが多いので。そのときにしっかり話し合っていかないと、準決勝、決勝は勝てないと感じています。
――タイブレークに入ったときは何を意識されましたか
やっぱり僕が全然だめだったので、僕が上げれば勝てると思ったので、とりあえず声を出して気持ちでプレーしようと思いました。
――冬場はどのような練習をされていましたか
この時期だと試合があまりないので、自分のモチベーションを上げることです。難しいんですけど、この時期の追い込みやトレーニングを頑張らないと、インカレや関東学生トーナメントで体力負けしてしまうので、そこを意識して取り組んでいます。
――今大会での目標をお聞かせください
きょねん新進は単複出ていたんですけど、シングルスは1回戦で負けて、ダブルスは棄権してしまいました。良くなかった大会で、ダブルスの優勝っていうのもあんまりしたことがないので、ここで優勝したいですね。
――次戦への意気込みをお願いします
関東学生選手権でやった相手で、岩崎とは違うペアでやっていたので、どうなるかは分からないんですけど、声を出して自分のプレーをすることを心がけていきたいと思います。