いよいよ最終戦を迎えた三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント2015(早稲田フューチャーズ)。シングルス決勝の対戦カードは、前日のダブルスで準優勝を果たした今井慎太郎(スポ4=神奈川・湘南工大付)と、第1シードの仁木拓人(三菱電機)の対決となった。決勝戦にふさわしい白熱した戦いは、仁木の逆転勝利で終幕。今井は単複準優勝という成績で今大会を終えた。
フォアハンドでコースを狙う今井
仁木とは亜細亜大学国際オープン2015の本戦でも対戦している今井。その時は敗れており、約1週間ぶりのリベンジマッチとなった。ファーストセットは互いにキープし合い、ゲーム差の開かない展開が続く。5-5で迎えた11ゲーム目、的確なリターンを返した今井がブレーク。ゲームカウント6-5としたが、すぐさまブレークバックされそのままタイブレークにもつれ込んだ。一進一退の攻防が続く中、緩急をつけて相手を揺さぶりポイントを奪った今井が勢いに乗る。ライン際のコースに放った力強いストロークも決まり、7-4でこのタイブレークを制した。
試合終了の瞬間、今井はその場にうずくまった
「仁木さんは絶対にここから上げてくると思っていた」。このように語った今井。気合いを入れ直し臨んだセカンドセットだったが、第1ゲームをいきなりブレークされてしまう。「ファーストサービスの確立が非常に低くなってしまった」と、武器としていたサーブがなかなか決まらない。ゲームを奪われてもすぐさま盛り返すが、次第に相手の粘り強いプレーに押される。ストロークでのミスが出始め、4-6でこのセットを落とした。勝負の行方が託されたファイナルセット。気迫のこもったプレーで第1ゲームをキープした今井だったが、その後は相手に先に攻め込まれペースを乱される。「最終的には自分から崩れてしまったかたちになった」と、一気に1-5まで引き離された。それでも意地を見せ、続くサービスゲームをキープした今井。最後まで相手に食らいつく姿に観客席からも応援の拍手が送られたが、挽回には至らず。2-6でゲームセット。最後のショットがアウトになった瞬間、今井は悔しげにその場にうずくまった。
ワセダ勢が真価を発揮した今大会。プロ相手に底力を見せ、多くの選手が貴重な経験を得た。大学シリーズ後半戦、さらには本格的なシーズン開幕を迎える学生大会に向け、選手たちの目線は常に前を向いている。また、早稲田フューチャーズは早大庭球部が中心となって運営を行っており、「昨年の10月、11月くらいから準備を始めていた」(木島駿、スポ3=東京・日野台)という一大イベント。出場選手のみならず、こうした運営スタッフの活躍も光った大会となった。
(記事、写真 山本葵)
※記事中の学年は新年度のものです
結果
▽シングルス
決勝
●今井慎太郎(7-6(4)、4-6、2-6)仁木拓人(三菱電機)
コメント
今井慎太郎(スポ4=神奈川・湘南工大付)
――シングルス準優勝おめでとうございます。いまのお気持ちは
悔しい結果になってしまいましたが、まだまだ未熟な部分というのがたくさん見つかっりました。この大会が最後ではなくてまだあと2週残っていて、まだまだ試合は続くので、ここで得た課題を次の試合に生かしていけるよう気持ちを切り替えていこうと思います。
――ホームコートでのシングルス決勝戦となりましたが、緊張などはありましたが
緊張は特にありませんでしたが、ホームコートな分たくさんの方々が応援して下さったということで、その気持ちに応えようと思って頑張りました。
――ファーストセットはタイブレークとなりましたが、振り返っていかがでしたか
ファーストセットは途中の0-40でブレークチャンスがあったゲームを取れなかったりだとか、ブレークしてもすぐブレークバックされてタイブレークになってしまったりだとか、そういった部分でしっかり取り切れなかったというのはまだまだ自分の甘さだと思います。結果的にセットを取ることはできましたが、ごたごたした試合の流れだったので。もっと自分のかたちで取り切って、強い気持ちを持って積極的に取りに行くというプレーができるようにしていきたいと思います。
――セカンドセットとファイナルセットは相手に取られてしまいました
出だしが悪かったですね。あと、仁木さん(拓人、三菱電機)は絶対にここから上げてくると思っていたので気持ちをもう一回入れなおして臨んだのですが、自分の調子が崩れてしまって。ファーストサービスの確立が非常に低くなってしまったりだとか、リターンミスが多く出てしまったりだとか、そういった簡単なミスが多くなってしまって。そこがセカンドセットを落とした原因だったと思います。ファイナルセットもそれが続いてしまって、最終的には自分から崩れてしまったかたちになってしまいました。
――仁木選手のどういった点に苦しめられましたか
もちろんサービスがいいというのが一つあります。あとは粘り強い部分ですね。ストロークの粘り強さがあって、スピンの質も良くて。そういったところにペースを乱されてしまいました。
――大学シリーズの残り2週が終わると、本格的な学生大会のシーズンとなります。今後への意気込みをお願いします。
あと2週あるフューチャーズは頑張っていきたいですし、このフューチャーズ期間に得た課題をまた今後に生かしていきたいと思っています。絶対にこの経験を無駄にしないように、また次へ次へと臨んでいきます。
木島駿(スポ3=東京・日野台)
――きょうで早稲田フューチャーズ(三菱電機・早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント2015)の全日程が終了しました。学生実行委員を務められたということですが、いまのお気持ちは
大会を無事終了することができて、いまは安堵の気持ちでいっぱいです。
――早稲田フューチャーズの準備はどのくらい前からされていたのですか
昨年の10月、11月くらいから準備を始めて。年明けから本格的にスタートして、2月末にはもういつでもいけるぞという準備態勢で臨んできました。
――特に苦労した点は
毎年学生の担当が変わってしまうんですけど、ことしはその引き継いだ内容が昨年とはかなり違っていて。スポンサーも三菱電機さんがしてくださるというのがまだ決まっていなかったので、そういった外部とのやりとりであったりだとか、今回はUstreamでのライブ配信も行ったので、その日程調整をどうするかとか、新しいこともたくさんあって。そういった部分が大変でしたが、終わったいまはこうした取り組みをしっかりできて良かったなと思います。
――今後の早稲田フューチャーズに生かしていきたい改善点などはありますか
改善点としては、これは裏方も裏方の話になってしまいますが、この大会はOB・OGの方々に支えられて運営している状況なので。ことしは表彰式の司会進行を学生がやりましたが、そういうふうに少しずつでもいいので学生ができることをどんどん増やして、もっと学生主体で運営できるようになればいいなと思いました。