岡村、今井が本戦に出場!

庭球男子

 天皇杯獲得を目指すハイレベルな戦いが繰り広げられる全日本選手権(全日本)男子シングルス。選ばれし本戦出場者32名の中には、予選を勝ち抜いた岡村一成(スポ4=岡山操山)と今井慎太郎(スポ3=神奈川・湘南工大付)の姿があった。

粘り強くボールを追いかけた岡村

 ファイナルセットまで及ぶ消耗戦を制し、本戦の出場権を手にした岡村。第3シードの仁木拓人(柴沼醤油販売)との対決は、「完全に実力差が出てしまった」と振り返る厳しいものとなった。ラリーでゲームを組み立てようとするが、甘いボールをすかさずたたく積極的なプレーに押され主導権をにぎることができない。的確なコースを突くサービスにも苦しめられ、1-6でファーストセットを落とした。続くセカンドセットでは粘り強くボールを拾いポイントを奪う場面も見られたが、力及ばず1-6。強敵を前に涙をのむ結果となった。

サーブを決めガッツポーズをする今井

 1回戦は早大OBの小山慶大(中央教育研究所)との対戦。順調な滑り出しを見せた今井は、ベースラインから下がったポジショニングでストロークを打ち込み、着実にポイントを重ねる。「終盤は調子が崩れてあまりよくないポイントの取得の仕方になってしまった」と語ったが、サーブの好調も手伝い6-1、6-2で快勝した。翌日行われた2回戦は、拮抗(きっこう)した展開が続きタイブレークに突入。一時は7-6でセットポイントをにぎるも、その後逆転を許し6(7)-7でファーストセットを落とした。巻き返しを図りたいセカンドセットだったが、連戦の疲れが出たのか足の動きが悪くなる。メディカルタイムアウトを挟み試合を続行したものの、「自分のプレーができずにミスを連発してしまった」と反撃はならず。最後は相手のサーブに押し込められ、3-6で2回戦敗退となった。

 卒業後はプロ選手としてテニスを続ける岡村は、「ワセダ出身だということを背負って、しっかり頑張っていきたい」と高みを目指す意思をみせた。一方の今井も、次期主将としてチームをけん引する立場となる。今大会での経験は、新たなステージに立つ両者を後押しするに違いない。

(記事、写真 山本葵)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子シングルス

1回戦

●岡村一成(1-6、1-6)仁木拓人(柴沼醤油販売)

○今井慎太郎(6-1、6-2)小山慶大(中央教育研究所)

2回戦

●今井慎太郎(6(7)-7、3-6)菊池玄吾(エキスパートパワーシズオカ)

コメント

岡村一成(スポ4=岡山操山)

――予選を振り返っていかがでしたか

前日2試合で、しかも両方ともファイナルセットまでもつれこんだタフな試合だったんですけど、気持ちで乗り越えることができました。この2試合に勝てたことはとても大きかったと思います。

――きょうの試合を振り返って

きょうは体力的な疲労もありましたが、完全に実力差が出てしまいました。相手の方がサーブ力とか浅いボールに入ってくるスピードが上で、ペースについていけませんでしたね。これから頑張らないといけないなと改めて感じました。

――具体的にサービスのどの点が上だと感じましたか

サーブの威力はもちろん、角度やコース選びも素晴らしかったです。こちらが届かない範囲に打ってくるので、リターンが難しかったですね。

――学生テニスとプロの間で違いを感じる点はありましたか

プロのテニスはとにかくペースが速いです。普段だったら自分が落ち着いてラリーをして試合を作っていくところを、甘いボールを見逃さず先に入って来られるので、きょうは自分のペースをつかめずに終わってしまって。その部分の差がとても大きいと感じました。

――今大会でワセダ所属として試合に出場されるのは最後になりましたが、今どのようなお気持ちですか

最後だったので勝ち上がりたいと思っていて。その気持ちで本選まで上がれたのはよかったのですが、ここで終わってしまいました。これからは所属としてワセダの名前は出ませんが、ワセダ出身だということを背負ってしっかり頑張っていきたいと思います。

――改めて、後輩に一言お願いします

インカレや王座などの大学の大会も頑張って欲しいですが、そういった大会に出場することでしっかり個人のレベルアップも図ってもらいたいです。その上で、全日本(全日本選手権)や国際大会などにもチャレンジして、選手を目指す人が出てきて欲しいですね。上を目指してチャレンジする人が後輩の中でもっと増えるといいなと思います。

今井慎太郎(スポ3=神奈川・湘南工大付)

――前日のシングルスを振り返って

相手が小山さん(慶大、中央教育研究所)でOBだったのですが、そういったことは関係なしにぶつかっていこうと思ってやりました。うまく自分のプレーができて、それを終始続けることもできたのでよかったです。ただ、終盤は調子が崩れてあまりよくないポイントの取得の仕方になってしまって、王座(全日本大学対抗王座決定試合)から連戦だったので体力的にもきてるなというのを感じたのですが、何とか勝つことができました。

――試合のテンポも良かったと感じましたが

そうですね。自分のペースに持っていくことができましたし、自分の良さを出すことができたのでそれが勝因となったのではないかと思います。

――きょうの試合を振り返って

試合のカギとなった部分はタイブレークの7-6の時に自分が打ち込んだボールをたまたま相手がネットインして、といった部分だったと思います。そこから巻き返されてしまったのですがそういったことはテニスにはつきものですし、そこを除いて考えても足の動きが悪くてしっかり自分のプレーができずにミスを連発してしまいました。相手も僕への戦略を立ててループボールを使ったりしていたので、それに対しミスが出てしまったのが負けにつながったと思います。

――菊池選手(玄吾、エキスパートパワーシズオカ)のサービスはいかがでしたか

菊池さんの場合はスピードやコースはもちろん良いのですが、回転量を多くしてはねさせたりなどのバリエーションが多くて。そのうえ高速サーブも持っているので、特にサーブ力の差を感じました。

――シングルスでの課題・収穫は

技術的な課題や収穫も多く見つかりましたが、王座からの連戦の中で全日本でこのような結果になってしまったということだったので、フィジカル面をもっと鍛えなければならないと感じました。学生大会でも連戦になることはありますし、プロであってもこのように試合が連続することはあると思います。そうした中で勝ち進むのは大変なことだと改めて感じました。でも、フューチャーズなどいろいろな大会に出場していますが、今大会でも自分のプレーをすればプロと対等に戦うことができると感じたので、その部分は自信になりましたし収穫だったと思います。

――翌日のダブルスに向け意気込みをお願いします

相手は杉田さん(祐一、三菱電機)と小ノ澤さん(新、イカイ)のペアでかなりの強敵です。でも、全日本のダブルスは16ペアしかいないですし、1回戦から強敵にしか当たらないので、思いっきりぶつかっていこうと思います。