関東学生トーナメント(春関)はこの日、男子単複の準決勝までの試合が行われた。男子シングルスでの準決勝進出がかなわなかったワセダ。一方の男子ダブルスでは6ペアがベスト8に勝ち残っていた。まずは準々決勝、4試合を制したのは全てワセダだった。ベスト4を独占し、準決勝は壮絶な同士討ちとなる。そんな中、決勝へと駒を進めたのは岡村一成(スポ4=岡山操山)・梶修登(政経3=東京・早実)組と大城光(スポ4=埼玉・秀明英光)・小堀良太(スポ2=東京・大成)組。この2組が12日の決勝で相見える結果となった。
気迫を見せる岡村(左)・梶修組
準決勝で激突したのは、ともに準々決勝でワセダ対決を制した岡村・梶修組と今井慎太郎(スポ3=神奈川・湘南工大付)・古田陸人(スポ4=愛知・名古屋)組。第1セットは両者キープを重ね、このまま拮抗(きっこう)した展開が続くかに思われた。しかし第10ゲーム、一瞬の隙をついた岡村・梶修組がブレークし、僅差で第1セットを奪った。続く第2セットも勢いづいた岡村・梶組は、伸びるストロークと鋭いボレーを武器に流れをつくる。今井・古田組のミスを誘い着実にポイントを重ねていった。「プレーしながら一つずつ階段を上っているような感じ」と語る梶修の要所での活躍が光り、6-4、6-3のストレートで勝利を飾った。
男子シングルス敗退の悔しさを晴らしたい大城は、小堀とのダブルスで意地を見せた。準々決勝で強豪の慶大ペアを破ると、準決勝では後輩の河野優平(スポ1=福岡・柳川)・栗林聡真(スポ3=大阪・清風)組を相手に迎える。第1セットをタイブレークの末に勝ち取った大城・小堀組。そのまま突き放すように、第2セットもゲームカウント3-0とした。しかし栗林のサービスゲームとなる4ゲーム目、11回ものジュースが続く手に汗握る展開となる。粘りを見せた河野・栗林組が最終的にこのゲームを取るが、気迫を見せた両ペアに惜しみない拍手が送られた。その後は大城・小堀組が安定したプレーを披露。6-2でこのセットを取り、決勝進出を決めた。敗れはしたものの、ルーキーの河野は初の公式戦にしてベスト4という好成績。気合の入ったプレーで十分な結果を残した。
粘りのプレーで第1セットを獲得した大城・小堀(左)組
残すは12日の決勝のみ。シーズン初めの栄冠を手にするのは、波に乗る岡村・梶修組か、それとも昨季からペアを組む大城・小堀組か。白熱した一戦になることは間違いない。
(記事 吉原もとこ、写真 山本葵、松下優)
結果
▽男子ダブルス
準々決勝
○今井慎太郎・古田陸人(6-1、6-2)三好健太・岸田海
○岡村一成・梶修登(6-3、6-2)村松勇紀・岩崎歩
○河野優平・栗林聡真(7-6(4)、6-4)松森裕大・大友優馬(法大)
○大城光・小堀良太(6-3、6-4)井上善文・近藤大基(慶大)
準決勝
○岡村一成・梶修登(6-4、6-3)今井慎太郎・古田陸人
○大城光・小堀良太(7-6(2)、6-2)河野優平・栗林聡真
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コメント
大城光(スポ4=埼玉・秀明英光)
――きょうのダブルスの試合を迎えるにあたっての心境は
きのうは負け方はすごく不甲斐なくて、ショックは大きかったです。でもやはり、ここで汚名返上ではないですけれど、ダブルスで少しでも力を出せたらなと思っていたので、気合を入れて臨みました。
――準々決勝で第2シードのペアに勝利したことについて
この冬はダブルス強化をやってきましたし、その中でまだまだ課題はあるんですけれど、自分たちがいまできることをしっかりと忠実にできたことが勝因だと思います。
――準決勝では後輩ペアとの対戦でしたが、試合を振り返って
実際に練習試合で対戦したことはなかったので、初めてでした。同士討ちという中でプレッシャーもありましたが、自分たちの力が出せれば大丈夫だと話し合って、思い切ってプレーしました。
――競った場面もありましたが勝ち切れた要因は
状態は悪いわけではなかったので、やはり準々決勝と同じように、自分たちのできることをしっかりやっていくということを最後まで継続してできたのが勝因かなと思います。
――男子ダブルスはベスト4をワセダが独占しました。今大会のチーム状況は
今回ベスト8の中に6ペア残ったということは、ダブルス強化を図ってきた中で、その結果がついてきたということでうれしいですね。ただ、まだ今シーズンは始まったばかりです。今回はシングルスで残念な結果が多かったので、引き続きダブルス強化も図りつつ、そういうところはチームとしてしっかり改善していきたいです。
――決勝に向けての意気込みをお願いします
決勝は、また同士討ちになりますが、岡村(一成、スポ4=岡山操山)・梶(修登、政経3=東京・早実)組とは練習試合もやっていて、競ることもあります。どうなるかは分からないですけれど、最後思い切って小堀(良太、スポ2=東京・大成)と二人でプレーできればと思います。
梶修登(政経3=東京・早実)
――今季からペアの岡村選手との相性は
岡村さんはシングルスの力もあって、性格も含めとても信頼していていますし、1つ上の先輩ということもあって心の支えになっています。僕が思い切りプレーができるのも岡村さんのおかげですね。
――準決勝を振り返って
(対戦した今井慎太郎(スポ3=神奈川・湘南工大付)・古田陸人(スポ4=愛知・名古屋)組とは)普段から一緒に練習をしているんですけれども、いままでやってきた中で自分たちが全力を出さないと勝てない相手だと分かっていたので、1ポイント目から積極的にいこうと岡村さんと話し合いました。出だしからとばしていきましたね。自分の調子も良く二人のプレーがかみ合っていたので、僅差でしたけれど、そこを勝ち取れたのは良かったです。
――好成績を残している今大会の収穫は
冬からダブルスに取り組んできて、それがこういったかたちで結果に出ているというのは、自分でもプレーしながら一つずつ階段を上っているような感じがしています。まだ実感はないですけれど、またもう一試合できるのでそれを思い切り戦いたいです。
――決勝に向けて
ワセダ同士でこういった舞台で戦えるのはとても光栄なことです。1回戦からずっと優勝を目指してやってきたので、春関(関東学生トーナメント)の最終試合でもいままでと変わらず岡村さんと力を合わせて、絶対に勝ちたいと思います。
河野優平(スポ1=福岡・柳川)
――栗林聡真選手(スポ3=大阪・清風)とのダブルスの練習を始めたのはいつごろだったのですか
3月の早稲田フューチャーズ(早稲田大学フューチャーズ国際トーナメント2014)が終わったころからダブルスのペアリングを決める練習をしていて、そこで土橋さん(土橋登志久監督、平元教卒=福岡・柳川)に組ませていただいて、そこからですね。
――予選からの出場となりましたが、ダブルスベスト4という結果についてはどのように考えていますか
シードをかなり破ってベスト4まで来ることができたのはうれしいですけど、先ほどの試合もあと少しのところで負けてしまったので、非常に悔しいです。インカレ(全日本学生選手権)でリベンジしたいです。
――シングルスに関してはいかがですか
今大会はレベルの差を感じた大会になりました。こっちに来てから調子を落としているわけではなくて、レベルを上げていっていると思います。近いうちに全国上位に入れたらなと思います。
――大学テニスと高校テニスとの間に違いはありますか
大学生はしぶといなと思います。気持ちの面で粘りがあると感じますね。
――早大の1年生で活躍した選手が多いですが
ワセダの1年生はダブルスではほかの大学よりも活躍できたんですけれども、シングルスに関しては慶大の上杉選手(海斗)や中大の大和田選手(秀俊)など同学年の選手がビッグシードを倒して勝ち上がっているので、自分たちもそのレベルに達しないといけないなと思います。
――次の目標は
自分は弱点が多いので、それを一つ一つつぶしていきたいです。インカレ予選は出場できるので、本戦にあがって、上位の成績を残せるようにしたいです。