男子部にはダブルスで圧倒的な強さを誇る男がいる――。古田陸人(スポ4=愛知・名古屋)。これまでの3年間で、関東学生選手権(夏関)、全日本学生選手権(インカレ)、全日本学生室内選手権(インカレインドア)と、学生大会を次々と制してきた。自らの力を着実に示してきた古田だが、いまだ関東学生トーナメント(春関)でのタイトルを手にしていない。ラストイヤーを迎える今シーズン、その獲得に執念を燃やしている。
※この取材は4月20日に行われたものです。
ペアを引き上げる難しさ
古田
――新チームはどのような雰囲気ですか
チームとしては、6月の早慶戦(早慶対抗試合)に向けて取り組んでいます。主将は大城(光、スポ4=埼玉・秀明英光)なんですけれども、大城色に染まっているんじゃないかと思います(笑)。
――大城色とは
大城自体そんな表に出る方ではありません。やるときはやるという雰囲気が出ているのではないかなと思います。
――新しく入部した1年生にはどのような印象をお持ちですか
いまはまだレギュラーとしか絡んでいないんですけれども、すごく人懐っこくて。練習も頑張っている人が多いと思います。
――古田選手は役職につかれていませんが、ラストイヤーはどのような役割を果たしていきたいと思っていますか
役職にはついていないのですが、練習チーフというユニットがあって、それを任せられています。それを一生懸命やっていきたいです。仕事内容としては、ダブルスの練習メニューをまとめたり、新メニューを考案したりすることですね。
――ダブルスの強化を任されているということですね
そうですね、任せられています。
――昨シーズンを振り返ってみていかがですか
最も重要な大会であるインカレでは、シングルスで初戦負け、ダブルスもベスト4で、正直納得はしていません。(ダブルスは)2年目で優勝しているので、それと比べると納得のいく結果を出せませんでした。でもインカレインドアでは好成績を残せたのではないかなと思います。
――インカレのシングルスで、初戦で負けてしまった理由というのは
夏関後すぐにインカレがあって、疲れも抜けていなかったっていうのはあります。コートサーフェスも全然違いますし、自分のプレーができていなかったというのが原因ですね。
――ダブルスについて、2年次までは先輩と、3年次では後輩と組まれています。異なる点は何ですか
1年生のときは横山さん(良輔、平25スポ卒)や田川さん(翔太、平26教卒)と、2年生のときは廣田さん(耕作、平25スポ卒)と組ませてもらったんですけど、自分はついていくだけでした。全て全力でやっていれば良いというような感じでしたが、3年生になってからは今井(慎太郎、スポ3=神奈川・湘南工大付)と組むことになり、後輩を引き上げる立場に変わりました。自分のことをしっかりとやりながらも、後輩のペアを引き上げたり、良いところを出したりすることを気にしながらプレーする必要がありました。その点が難しかったですね。
――その大変さもある中で、団体戦での全勝やインカレインドアでの優勝など、勝利を積み重ねています
今井はもともとの実力がある選手ですし、自分がそんなに引き上げなくてもあいつ自身で盛り上げるタイプなので、すごくやりやすいです。しかしその中でも、練習中や試合中で競ってきたときに、落ち込んだり少しイライラしてしまったりする場面があります。そういうときに自分がどのように声を掛けるかというのが問題だと思いますね。
春関、そしてインカレのタイトルを
廣田(右)と組んだ2年次には日本一の称号を手にした
――春関を直前に控えていますが、どのような大会として捉えていますか
(6月に)早慶戦があるので、それに向けた試合かなと思います。インカレにつながる一つの試合ではありますが、ワセダとケイオーにとっては早慶戦につながる試合じゃないかなと思います。
――春関での目標を聞かせてください
ダブルスのタイトルを取りたいという思いがあります。春関以外のタイトルは1年生のときから全て取ってきて、春関だけ取っていません。今井と組むダブルスで、タイトルを取りたいと思っています。
――他校で注目している選手などはいますか
最近は明大が伸びてきているというか、新1年も入ってきていると聞いています。1回戦からそのような選手と当たる可能性があるので、集中していきたいです。
――いまはダブルスの話がメインでしたが、シングルスに関してはいかがですか
どちらかというとダブルスの方が得意というのがあるので、シングルスは正直いまの戦績で満足しているんですけれども…(笑)。でも最後の年くらいはシングルスのタイトルも欲しいなと思いますね(笑)。
――対抗戦などで得たことはありますか
自分は出ていなかったんですけれども、この前は専大とやりました。次は中大とやるのですが、そのようにして次に1部リーグに上がってくる学校とも試合をしています。いままで知らなかった選手のことも知ることができるので、そういう機会を次につなげられるようにしたいですね。
――最後に、ことしの抱負をお願いします
大学最後の年ということで結果も残したいんですけれども、チームで王座優勝に向けてやっているので、10連覇を目指していきたいと思います。節目の年ということもありますし、個人戦よりもそちらの方を重要視していきたいと思います。練習チーフとしての責任はしっかりと果たします。メンバーとしても単複ともに出る立場だと思うので、堅く2勝挙げられるように全力を尽くしていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 松下優)
◆古田陸人(ふるた・りくと)
1992(平4)年4月29日生まれ。183センチ、70キロ。愛知・名古屋高出身。スポーツ科学部4年。昨季の主な実績は関東学生トーナメント男子ダブルス2位、関東学生選手権男子シングルス2位、男子ダブルス優勝、全日本学生選手権男子ダブルスベスト4、全日本学生室内選手権男子シングルスベスト4、男子ダブルス優勝。温かいまなざしの中にも明確な目標を掲げる古田選手。ラストイヤーのことし、大活躍することは間違いありません!