関東大学リーグ(リーグ戦)も最終日を迎えた。ワセダは、この日法大と対戦。ダブルスは3戦全勝し、シングルスも岡村一成(スポ3=岡山操山)を除く5戦で勝利をおさめ、8-1の大勝で大会を終えた。これにより、リーグ戦は5戦全勝で優勝。2位の慶大とともに、10月末に開催される全日本大学対抗王座決定試合(王座)への出場が決定した。
最初に行われたダブルスの試合。ダブルス1の田川翔太(教4=神奈川・湘南工大付)・遠藤豪(スポ4=三重・四日市工)組は、6-1、6-3で圧勝。対戦した松森裕大・大友優馬組に付け入る隙を与えなかった。ダブルス2は古田陸人(スポ3=愛知・名古屋)・今井慎太郎(スポ2=神奈川・湘南工大付)組。2日前に行われた慶大戦では、苦しい戦いとなり、フルセットの末勝利を掴み取った同ペア。しかし、この日は、6-4、6-2のストレートで相手を退けた。その隣で試合を進めていたのは、ダブルス3の大城光(スポ3=埼玉・秀明英光)・小堀良太(スポ1=東京・大成)組。ダブルス出場経験の少ないこのペアだが、法大主将ペアから勝ちをもぎ取り、ダブルスの3戦全勝に貢献した。
磐石なプレーを見せた田川・遠藤豪主将(左)組
続いてシングルスが始まる。「ダブルスで3-0とつけていたので、シングルスの選手は思い切っていけたのでは」と主将の遠藤豪が語るように、ワセダの選手の力強いプレーが光った。まず登場したのは、シングルス4、5、6に出場する大城、今井、古田の3選手。古田は、序盤なかなか相手を崩せなかったが、第1セットを7-5で制すと、第2セットもそのまま6-4で終えた。大城、今井も順調に試合を進め、ストレート勝ち。この時点で、ワセダの勝利が決定した。田川、遠藤豪主将も相手を圧倒し、シングルス全勝にも期待がかかったものの、シングルス3の岡村が苦戦を強いられる。何度か対戦経験のある大友に対して、第1セットを1-6で落とす厳しい展開。気持ちを切りかえて臨んだ第2セットは、タイブレークにまでもつれこむ。試合を終えた仲間も見つめる中、互いに譲らず、なかなか決着がつかない。しかし、最後はサービスエースを決められ、万事休す。唯一の黒星となってしまった。
リーグ戦5試合を終えて、全勝で優勝。9連覇を果たし、ワセダの強さを見せつけた。1ヶ月半後にひかえる王座は、4年生にとって最後の大会。「最高のかたちで終われるように全員で頑張りたい」と語る遠藤豪主将。同じく9連覇のかかる王座という舞台で、素晴らしいプレーを見せてくれるはずだ。
単複で活躍を見せた今井
(記事 吉原もとこ、写真 井上雄太)
結果
結果○早大8-1法大
D1○田川・遠藤豪主将組6-1、6-3松森裕大・大友優馬組
D2○古田・今井組6-4、6-2伊藤祐樹・中島佑介組
D3○大城・小堀組6-4、6-1戸田義人・塚越雄人組
S1○田川6-2、6-3竹内遥丞
S2○遠藤豪主将6-1、6-0戸田
S3●岡村1-6、6-7(14)大友
S4○大城6-2、6-4大塚拳之助
S5○今井6-2、6-3小村拓也
S6○古田7-5、6-4中島
コメント
遠藤豪主将(スポ4=三重・四日市工)
――全勝優勝を達成したいまの気持ちは
全勝優勝で王座に行けるというのは率直に嬉しいですし、王座に行ってもいまのチームならいけるという自信にもなりました。
――リーグ戦を振り返ってみていかがでしたか
松崎(勇太郎、スポ1=神奈川・湘南工大付)と岡村が出て負けた試合もありましたけど、やっぱりチーム戦ということで一人が負けたからといってチームが負けるというわけではないので、そこは他の選手がカバーして勝ったぶんチームとしては勝てているので、僕は主将という立場から見ても全員で勝ちきれたリーグ戦だったかなと思います。
――きょうの法大戦の戦いに関してはどのように感じていますか
どの試合もそうなんですけど、ダブルスにすごく集中するということで、きょうもしっかりダブルスで3-0とつけてシングルスにいけたので、本当にシングルスの選手は思い切っていけたんじゃないかなと思いますし、自分の持ち場でしっかりと頑張ってくれたので良かったと思います。
――リーグ戦を通して、シングルス3での敗戦が目立ちましたが、その選手起用について、どのように考えていますか
落としたということに関しては特に深く考えるということはないんですけど、岡村と松崎(勇)は結果的には負けてしまいましたけど、あいつらが勝っていて、他の人が負けていても同じだったと思いますし、シングルスに出る選手は、きょうも岡村がコートに入った時点で勝負は決まっていたんですけど、シングルス4、5、6が試合を決めてくれているということがこのリーグ戦では多かったので、その後のシングルス3、2、1は自分たちもそうなんですけど、相手も試合が決まっているので思いっ切りくるというのはあって、その中でもワセダとして勝ちたいというのは本人の中にもあったと思います。それでも負けてしまったことに関しては凝ったり、深く追求したりする必要はないと思うので、次は王座もありますし、岡村、松崎(勇)はらいねん以降も団体戦に出るチャンスがあると思うので、今回の負けを生かして、らいねん以降頑張ってもらえたらなと思います。
――ご自身は4年間、リーグ戦に出場を続けてこられましたが、振り返ってみていかがですか
リーグ戦は王座に出るために絶対に勝たなければいけない試合でもありますし、もしもそこで負けてしまったら、僕が1年生、2年生、3年生のときは先輩方がその時点で引退が決まってしまうので、その4年生の方を絶対王座に連れて行って、優勝という良いかたちで終われれば良いなと常に思っていたので、いま自分がその4年生という立場で、もうあと数試合、王座の決勝まで行ってフルで出場できたとしても単複含めて6試合だけしかないんだなという実感が強くなってきているので、あと1ヶ月しかないですけど、悔いのないようにできたらいいかなと思います。
――ことしは主将として臨まれたリーグ戦でしたが、特に意識していたことなどはありましたか
まずは自分も選手として出ているので、自分は出ているところでなにがなんでも負けないというのは意識していました。あとは他の選手であったり、応援の人たちが見ていると思うので、全力で最後まで元気を出してやり切ることを意識していました。
――王座に向けての意気込みをお願いします
ずっと連覇はしているんですけど、このチームで王座を戦うのは初めてで、本当に自分を含め4年生にとっては最後の大会になるので、まだチームは未完成なんですけど、今大会はそれでも優勝できたということなので、より完成度をあげて、本当に最高のかたちで終われるようにこの1ヶ月間は全員で頑張りたいと思います。
大城光(スポ3=埼玉・秀明英光)
――シングルスの試合を振り返って
疲れもまあまあ溜まっていたのですが、その中でも絶対に落とせない試合で、特に自分は日頃は下で出ていますし、ダブルスは3勝していたので、5本で締めるために頑張りました。勝ててよかったです。
――勝因はなんですか
勝因というか、自分のプレーがしっかりできれば、状態も悪くなかったので、いけるだろうと思っていたので、そうですね、落ち着いてできたことかなと思います。
――ダブルスの試合展開はどうでしたか
今回3年目にしてようやくダブルスでも出ることになって、やっぱりシングルスに比べると気持ちにも余裕はなかったです。ただ、試合を重ねるごとに小堀とのペアリングもよくなってきて、最終戦のきょうは最初から自信を持っていけたのでよかったです。
――リーグ戦全体を振り返って
始まる前から単複全勝というのが目標で、それを一応達成することができたのでよかったですし、自分の役目を全うできたかなという感じです。
――今大会で見つかった課題は
特にダブルスにおいてはまだまだ不安定な部分もあるので、王座まであと1ヶ月くらいしかないですけれども、さらに磨きをかけていかなきゃいけないなという感じはします。シングルスも、ダブルス以上に絶対に勝たなきゃいけないっていう位置にあると思うので全力でやるだけです。
――王座に向けての意気込みを
ことしで9連覇がかかっているので、自分も上級生としてこの1年間活動してきて、いい形で締めくくれればいいなというのは思っていますし、ちょっと気が早いかもしれないんですが、来年にむけてもやっぱり今年の王座をとることによって、いいスタートがきれると思うので、そういうこともふまえながら、王座ではもっといいパフォーマンスができればと思います。
岡村一成(スポ3=岡山操山)
――きょうの試合を振り返って
やっぱり第1セットがひどすぎて、第2セットは出し切ったんですけれども、1ブレークアップだったし、タイブレークもあと少し勇気を持って攻め切れていればとれたので、悔いが残る試合でした。
――第2セットはどのような気持ちで臨みましたか
緊張して自分が勝手にミスしているだけだったので、もうやれることをやろうという気持ちでいきました。
――第2セット序盤4-1でリードする展開で追いつかれた要因は
ずっとペースは変えずに、粘って粘って4-1になったけれども、同じようなペースで紙一重でとられて、という感じだったので、リードしてから何か、思い切っていくとか変えるべきだったかなとは思います。
――競った展開だったタイブレークでの心境は
相手のほうが結構思い切りプレーしてきて、自分はもう1セット落としているし、とられたら負けっていうことで、勇気をもって頑張ってはいたんですけれども、最後もう一本がとれなかったですね。
――何度か対戦経験のある大友選手ですが対策などはあったのですか
毎度毎度ぎりぎりの戦いばかりなので、対策はしてはいるのですが、やっぱり粘るしかないなという感じです。
――リーグ戦全体を終えて、シングルス3という立場にプレッシャーは
本当にプレッシャーにだけ負けてしまった感じです。状態はそんなに悪くはなかったのですが、緊張で自分の実力を結局出し切れずに終わってしまったので、そこの改善は必要だと思います。
――1ケ月半後に控える王座に向けて
チャンスがあるかどうか、出られるかどうかは分からないんですが、今回かなり不甲斐ない結果だったので、へこむのではなく、しっかり反省をして、それを生かして練習を頑張っていきたいと思います。
古田陸人(スポ3=愛知・名古屋)
――試合を終えての感想を
全勝できて良かったです。
――ダブルスの相手の印象は
対校戦でも何回かやっていてそのときはスコア的には簡単に勝てていたんですけど、今回はリーグ戦ということもあって相手も気持ちが入っていたので、諦めないしつこいプレーをされて大変でした。特に伊藤選手がダブルスがうまくて、ボレーとかが上手なので嫌でした。
――中島選手はシングルスでも対戦しましたが
東海地方出身で高校のときからずっとやっていて苦手意識がありました。スライスとか多彩なプレーをしてくるので。きょうは最後にブレークして勝つことができたんですけど、危ない試合でした。
――きょうはシングルスでのバックハンドのミスが多くありましたが
フォアハンドの方が調子は悪かったんですけど、きょうの試合ではバックハンドの方が打てなくて。振り切れてないというかネットのミスが多くて、「もっとボールを飛ばせ」とずっとベンチコーチの浅井さん(龍雅、スポ4=兵庫・明石城西)に言われていました。
――全試合単複ともに出場しましたが、体力的にはいかがでしたか
早慶戦が1番きつかったです。ダブルスがファイナルセットまでいって、シングルスでも権選手がしつこいプレーをしてきたので。
――今回のリーグで見つけた課題は
やっぱり自分はフォアハンドが得意ではないので、試合で自信を持って打てるように練習したいと思います。あと今大会すごくサーブの調子が良くて、ファーストサーブが入る確率がすごく高かったんですけど、まだまだセカンドサーブなどに課題があるので王座に向けて頑張りたいと思います。
――最後に王座に向けての意気込みを
単複出ることになって特にシングルスはシングルス6とかでの出場になると思うので、下の方でしっかり勝って、チームの勝ちに繋げられるように頑張りたいと思います。
今井慎太郎(スポ2=神奈川・湘南工大付)
――きょうの試合を振り返って
ダブルスに関しては伊藤選手と中島選手のペアだったんですけど、(今回のリーグ戦で伊藤・中島組が)慶大の矢野隆志・高田航輝組とやっていたときに0―6、2―6で負けていて、普通にやればかちに繋げることができるんじゃないかなとは思っていました。でもワセダが相手ということもあって思いきってやってきて、苦しんだ部分もあったんですけど、そこで焦らずに対処できたというのは本当に良かったんじゃないかなと思います。同時に課題もたくさん見つかったので、王座に向けて練習に励んでいこうと思います。シングルスに関しては去年も小村選手とやっていて負けていて、今回対戦したのは良い機会だなと思いながら試合をやっていました。勝ちにこだわって自分のテニスをやるだけだったんですけど、それがうまくできて、最後の方で少し苦しんだ部分もありましたが、勝ちきることができたのは良かったなと思います。
――インカレで小村選手と対戦したときは「攻めあぐねる部分があった」とおっしゃっていましたが、今回はいかがでしたか
確かにインカレのときは攻めあぐねたというのがあったんですけど、最終的には自分のテニスをして6―2、6―0で打ち切ることができました。今回は団体戦で応援もあって、相手もなかなか隙を見せなくて最後の最後で調子を上げてきたりもしたので、最後まで打ち切って勝つことはできませんでした。
――今大会は全戦ダブルスでの出場がありましたが
スタートですし、ワセダの流れを決めるのがダブルスだと思うので、大事な立場だったと思います。去年は春の早慶戦は出ましたけど、リーグと王座ではまったく出ていないので、そういう立場にいまいるということはすごく自分にとってプラスになっています。プレッシャーもありますけど、その中で頑張っていくことでこれからの自分にとって必要なことになっていくんじゃないか、そのような立場で出させてもらっているということを思いながらプレーしています。
――リーグ戦を通しての課題は
団体戦では対ワセダということもあって相手が120パーセントの力でやってきて。そういうところで引いてしまうということが、今大会何度かあったので、そういう場面で自分のやってきたことを信じて自分のテニスを貫くことがもう少し必要なんじゃないかと思います。ただことしは昨年と比べて冷静に対応することができるようになったので、そこはすごく成長した部分かなと思います。
――最後に王座に向けての意気込みを
まだまだシングルスもダブルスも、特にダブルスに関しては課題がいっぱいあるので、1ヶ月という短い期間ですけどしっかりとできるだけのことをやって、できるだけ良くないところを消して王座に臨めるように思いっきり頑張っていこうと思います。
小堀良太(スポ1=東京・大成)
――ダブルスの試合を振り返っていかがですか
今大会3戦とも出させていただいて、僕1年生でリーグは初めてだったのでけっこう不安があったんですけど、先輩たちの応援とかで強気のプレーができて出し切ることができて、なおかつチームに貢献できたのですごく満足しています。
――出た試合は全勝ということについていかがですか
全勝というよりも、1個1個勝ち星を挙げようと思っていた結果セットも落とさずにしっかり勝てたということなんで、1試合1試合全力で取り組んだ結果が出てるかなというのがありますね。ワセダって勝って当たり前という感じがあって、ダブルス1やダブルス2はインカレで結果を出している中でダブルス3は団体用のペアだったので、僕も1年生ですし不安なところはあったんですけど、終わってみればダブルスは3-0でどの試合もできたのですごく良かったなという感じですね。
――初めてのリーグ戦に出てみて雰囲気などはいかがでしたか
個人戦とは違った独特な雰囲気は確かにありましたね。でも先輩たちの応援もあって、弱気になるところで先輩たちの必死な顔を見つつ自分の強気のプレーをできたので、すごく良かったです。
――緊張はしましたか
緊張はどの試合もしましたね。
――リーグ戦1位で王座進出を決めたということについてはいかがですか
リーグ優勝というより、僕はダブルス3でチームに貢献したことが嬉しいなと思って。リーグ優勝も嬉しいんですけど、とりあえず自分の仕事をしっかり果たしたということに満足感を得ています。ダブルス3でしっかり勝てたというのと、小堀使えるなというのをみんなにアピールできたかなと、そっちのほうが僕としては嬉しいですね。
――これから強化していきたい部分やリーグ戦を通して見つけた課題などはありますか
全体的に良かったんですけど、まだ最後の最後になんでもないミスとか最初のほうでも簡単なミスがあったので、そこをしっかり修正していけばもっと隙のない堅いプレーヤーになれると思うので、そこは小さなことなんですけど地道に練習して積み重ねてやっていきたいです。