4年ぶりの快挙 PSO戦の激闘を制し、悲願の日本選手権出場!

水球男子

日本選手権最終予選会

2025年5月25日(日)

横浜国際プール

試合結果

チーム 1P 2P 3P 4P 合計
稲泳会 3 1 1 2/3 10
山形SHARKS 4 0 2 1/1 8

得点者

小林3、古谷2、加納(恒)2、醍醐1、加藤1、永野1

 日本選手権出場への最後の切符を懸け、稲泳会は、山形SHARKSとの一戦に臨んだ。前後半を通じて、追いかける展開が続いたが、第4ピリオド(P)終盤、古谷典也(スポ4=東京・明大中野)の2連続得点で、7ー7の同点に。PSO(ペナルティーシュートアウト)戦では、GK加納凪人主将(スポ4=三重・四日市中央工)が圧巻のセーブを連発。激闘の末、10ー8で勝利し、悲願の日本選手権出場を決めた。

稲泳会初得点を挙げた醍醐

 斎藤昴泰(スポ2=神奈川工)のセンターボールで試合が幕開ける。開始早々2連続失点と、苦しい立ち上がり。しかし、1分半醍醐裕也(平22年度卒=埼玉栄)の見事なループシュートで反撃の狼煙(のろし)を上げると、加納恒心(スポ3=東京・明大中野)が右サイドから、加藤旺道(スポ3=静岡・磐田)が左サイドから、立て続けに攻め立てる。しかし、再び2失点、3―4で第1Pを終える。

 第2P、小林稜典(スポ2=岐阜・大垣東)が、鋭いカウンターから同点ゴールを奪うも、その後は、一進一退のカウンター合戦。第2Pから投入された渡辺浩基(スポ4=東京・明大中野)が好守で無失点に抑える活躍を見せ、4ー4で前半を折り返す。

ゴールを守る渡辺(浩)

 続く第3P、稲泳会は、相手の退水(※)を誘発すると、すかさずタイムアウトを要求。タイム明け、数的優位を生かし、全員で攻撃体制に入った。小林の放った一撃で得点するも、山形の粘り強い反撃で、再び逆転を許し、5ー6で最終Pへ。

 迎えた第4P。序盤に1失点し、2点差を追う苦しい展開の中、古谷が躍動する。2分半、迷いなく放ったミドルが、ゴールに突き刺さり、1点差。会場のボルテージが上がる中、終了まで残り50秒、古谷が放った渾身のシュートが再びゴールネットを揺らす。7ー7の同点に追いつくと、会場は、歓声に包まれた。

PSO戦へ繋いだ古谷

 運命のPSO戦。先陣の古谷が止められるも、加納(恒)、小林、永野冬惺(スポ3=東京・明大中野)が着実に成功。そして、守護神・加納(凪)が圧巻のパフォーマンスを魅せた。相手のシュートを3連続でシャットアウト。最後の砦としてゴールを死守し、10ー8で見事勝利。試合終了の笛と共に、プールサイドには、歓喜の輪が広がった。

観客席の応援に応えながら、勝利に喜ぶ選手たち

 4年ぶりに掴んだ日本選手権への切符。「強豪揃いで厳しい試合」(古谷)が予想されるが、「早稲田らしい水球」(渡辺)を貫いてほしい。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

 (記事 指出華歩、写真 指出華歩、長濱愛里咲)

コメント

醍醐裕也(平22年度卒=埼玉栄)

――最終予選会全体の振り返りをお願いします

 僕中心に、良くまとまったチームなので、僕のおかげで、本戦出場できたのかなと思います(笑)。

――日本選手権への意気込みをお願いします

 今年の日本選手権に出るチームの中で、僕が最年長なので、最年長として、光り輝くプレーを出したいと思います。

 

GK加納凪人主将(スポ4=三重・四日市中央工)

――PSO戦の時の気持ちを教えてください

 個人的には、1Pにスターティングメンバーで出場していたのですが、なかなか、調子が上がらずに、2Pからは渡辺(浩基、スポ4=東京・明大中野)に変わってもらって、僕は主将としても、一人のプレイヤーとしても不甲斐ないなと思いながら、試合を見ていました。ただ、味方が繋いでくれたPSO戦は、キャプテンとして、4年生として絶対に止めなければいけないという思いで入りました。

――試合全体を振り返っていかがですか

 相手が、もう引退したベテランの選手だったので、すごく試合運びが上手なチームで、難しい試合になることは、前々から分かっていたのですが、蓋開けてみたらやっぱり難しい展開が続いて、その中でチーム一丸となって、耐えて耐えて、最後同点に追いつくことができたのは、すごく良かったと思います。

――4年ぶりの日本選手権出場に向けて、意気込みをお願いします

 僕が入学してから、初めての日本選手権、最後の年に出場できて嬉しいです。

 

古谷典也(スポ4=東京・明大中野)

――山形SHARKS戦の展開の振り返りをお願いします

 前半負けていて、一時同点になったのですが、第3Pに逆転されました。いつも第3Pに負けていると勝ちきれないというチーム状況が続いていた中で、第4P目に同点まで追いついて、最後、ペナルティーで凪人が止めてくれて、勝てたというのは、本当に流れとしてよく勝ち切った試合だったと思います。

――第4Pに同点ゴールがありました。その時の気持ちを教えてください

 本当に良かったと思いました。ゴールに入る気はしていて、「いける」と思って打ったら、狙ったところにボールが飛んでくれたので、入ってくれて良かったなというのが、素直な感想です。

――4年ぶりの日本選手権出場に向け、意気込みをお願いします

 個人としては、初出場なので、強豪揃いで厳しい試合になると思いますが、チーム一丸となって、楽しめたらと思います。

 

渡辺浩基(スポ4=東京・明大中野)

――第2Pは、無失点でした。個人のプレーはいかがでしたか

 普段より、アップをしなかったら、良く動けました(笑)。一つ一つのプレーで、チームの目標である日本選手権への出場が決まるということで、集中してできたので良かったです。

――日本選手権への意気込みをお願いします

 予選会通り、早稲田らしい水球ができるように頑張ります。