TEAM | 1P | 2P | 3P | 4P | 計 | |||||
中大 | 4 | 3 | 5 | 5 | 17 | |||||
早大 | 3 | 6 | 3 | 4 | 16 | |||||
▽得点者 都田4、中村4、古谷4、加納(恒)3、永野 |
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関東学生リーグ戦(リーグ戦)の開幕から早1ヵ月。予選リーグは最終週に突入した。この日は、上位リーグ進出に向けた直接対決。現在4位の早大は、5位・中大との対戦を迎えた。両者勝つしかないこの試合は、やはり接戦となった。第1ピリオド(P)では1点リードされるも、第2Pで巻き返して逆転。しかし後半に入ると勢いを切らしてしまい、また逆転を許してしまう。最終Pはなんとか同点で迎えたが、再開直後の3失点が響き追いつけず。最終スコアは16ー17で、痛恨の敗北を喫した。
相手にペナルティスローを許した場面
第1P1分、中村大智(スポ3=埼玉・秀明英光)が流れてきたボールをワンタッチで押し込み、先制。その後相手にペナルティースローを与えるも、GK加納凪人(スポ2=三重・四日市中央工)が食い止めるなど、幸先の良い立ち上がりを見せた。しかし、この後3連続失点を許してピンチに。ようやく5分、相手の退水(※)を誘って数的優位に立ったところで、都田楓我主将(スポ4=鹿児島南)が得点する。6分にはカウンターからボールは加納恒心(スポ1=東京・明大中野)へ。右サイドから目いっぱいに投げ込み、ゴールを揺らした。最後に1点を献上したものの、3ー4まで追い上げて、第2Pに入った。「いい流れができていた」(加納(恒)。ここで早大オフェンスが覚醒する。まずは1分、古谷典也(スポ2=東京・明大中野)のバウンドシュートで同点に並ぶ。その直後には、永津智也(スポ3=熊本・済々黌)がシュートするも跳ね返されたところで、これを逃さず中村が一気に決め入れ、逆転した。さらに3分、相手ディフェンスが整っている中、加納(恒)がうまくコースを突いてバウンド気味にゴール。その後も都田が右サイドの急な角度から見事に得点を挙げれば、直後のカウンターからは中村がロングドリブルをかけ、またも都田にパスが。これもゴール真下に突き刺し、さすがの正確性を見せた。6分にも加納(恒)が右サイドからゴールを奪い、このピリオドだけで6得点。9ー7とリードして前半を折り返した。
ゴールを決める都田
「この流れに乗れば、余裕を持って戦えると思っていた(中村)」後半。しかし、狙い通りには進まなかった。1分に中村が得点し、早大ペースになると思われたが、その後2点を奪われ逆転される。相手の退水を取ったチャンスで、早大がタイムアウト。しかしこれも生かせず、さらに2点を奪われた。ようやく7分に加納(凪)の好セーブから中村、都田とボールが流れ、渾身の一発を決め入れた。8分には、都田から中村へのパスで一気に前線へ。圧のあるディフェンスを受けながらも、最後は加納(恒)が見事にゴールを決める。これが同点に追いつく大きな1点となり、全員がガッツポーズ。12ー12で、試合の命運は最終Pに委ねられた。何としても得点したい第4Pだが、なんと序盤から3失点。今日はベンチスタートであった司令塔・曵地孝太郎(スポ3=埼玉・秀明英光)も投入されるが、相手のパスコースを断つことができない。3分、永野冬惺(スポ1=東京・明大中野)がパスを出そうとしたところを、中村が「前に出ろ!」と声をかけ、自ら正面を切ってゴール。さらに加納(恒)がカウンターからボールを受けると、相手GKの隙を突いて得点を挙げた。再びゴールを奪われたが、すぐさま中村がループシュートで返したところで、中大のタイムアウト。残り8秒でラストチャンスを迎えたところで、早大もタイムアウト。最後は加納(恒)のシュートと同時に試合終了を知らせるブザーが鳴ったが、ネットが揺れることはない。スコアは16ー17で、悔しさの残る惜敗となった。
シュートのタイミングを伺い、フェイントをかける中村
この敗戦により、自力での上位リーグ進出の可能性は消えた。ロースコアゲームを理想とする早大にとって、乱打戦の様相を呈した今回の試合は難しいものであっただろう。しかしまだリーグ戦は終わったわけではない。「自分たちのできることをしっかりやる」(中村)。まずは次の日大戦で勝利を収め、再び前を向きたいところだ。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事、写真 中村凜々子)
コメント
中村大智(スポ3=埼玉・秀明英光)
――試合全体の振り返りをお願いします
守備に関しては1人欠場者が出ていて試合に出られなかったので、作戦を変えて相手のキーマンに自分たちのエースである都田をつけて戦おうとしていました。守りに関してはよかったところと悪かったところが露呈したと思います。
――悪かったところというのは具体的に言うと
個人の技術が見えてしまったところがあります。例えば、水球はよく言うゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスに分かれるのですが、今日はマンツーマンの方をやっていたので、ゾーンでみんなをケアしようというよりは、マンツーマンで一人一人が戦おうねという形だったのでした。しかしそうするとすぐに個人の技術というのは見えてしまって、そこが足りなかったかなと思います。
――相手からも1対1のディフェンスを強く浴びているようにも見えました
1対1の瞬間は何度かありましたが、1対1が終わってヘルプで帰ってきてゾーンを敷かれてしまうという形が多かったです。そういうことを考えても、あまりうまくいっていなかったなと思います。
――第3Pで逆転されましたが、どのような状況でしたか
2ピリ目がうまくいっていたので、この流れに乗っていければ余裕を持って戦えるのかなと思っていたのですが、連続失点した時にどう戦うのかというのをもう少し考えないとなと思いました。
――同点で始まった第4Pでしたが、どこが鍵になりましたか
ピリオドの最初に、僕が左サイドで回しこんで得点できるチャンスがあったところを(得点)できなかったので、責任感がもっと必要だなと思いました。
――最後のタイムアウトでは何を話されていましたか
水球は新ルールからキーパーもハーフラインを超えられるようになったので、7対6という数的優位に立っていました。そこで、早稲田の特徴であるシュートを打つ人が決まってしまっている状況の中で、逆にキーマンじゃない人が打とう、中でしっかり得点しようというのを話していました。
――最後に明日の意気込みをお願いします
自力での突破はなくなってしまったため頼ってしまうところはあるのですが、自分たちのできることをしっかりやって、勝てるように頑張ります。
加納恒心(スポ1=東京・明大中野)
――今日はどんな気持ちで試合に臨まれましたか
この試合に勝てば上位リーグ確定というところで大事な試合だったので、チーム全員勝ちたいという気持ちが非常に強かったです。やはりそこで勝ち切りたかったなと思います。
――試合全体を振り返るといかがでしたか
結果的に負けてしまって、自分のミスもいくつかあって。良いところではいい流れで点を決められていたり守れていたりしたので、最後小さなミスで失点に繋がったりしたことが本当に悔しいです。
――シュートの正確性が光っていたように見えました
オフェンス面では、先輩方が強い中で、僕は最後のパスを受けてしっかり決め切るということが重要なので、そこは良かったと思います。ですがディフェンス面で、個人の1対1の場面でやられるところがいくつかあったので、そういったところをもっと修正したいと思います。
――第2Pと第3Pで流れが変わりましたが、どこが要因と考えられていますか
2ピリオド目は僕の得意なカウンターをたくさん出せていて、そこでチャンスが生まれて決め切ることができていました。ですが3ピリオド目は相手も警戒してきていて、思うようにカウンターを出せませんでした。それでも、自分が空いた時にチャンスがあれば、シュートを打ち切るということは常に考えていました。
――明日以降に向けての意気込みをお願いします
上位リーグに行ける確率というのは低くなってしまったのですが、明日の日大戦もしっかり勝ち切って、下位リーグだとしても少しでもいい順位にいけるように頑張りたいと思います。