TEAM | 1P | 2P | 3P | 4P | 計 | |||||
早大 | 1 | 3 | 2 | 1 | 7 | |||||
慶大 | 1 | 2 | 4 | 3 | 10 | |||||
▽得点者 田中3、眞板2、寳田、中安 |
---|
関東学生新人戦(新人リーグ)を4試合終え、まだ勝ち星を手にできていない早大。1次リーグの最終戦となったこの日は、慶大との対戦に臨んだ。6月に行われた関東学生リーグ戦では1点差で早大が勝利、7月の早慶対抗戦と9月の日本学生選手権ではペナルティーシュート戦の末で早大が辛勝と、今季の両チームは互角の戦いを見せている。今回が新チームで臨む初めての慶大戦だったが、チームはイレギュラーな体制をとった。ゴールキーパーの松丸大紀(教2=福岡・筑前)をケガで欠いた早大は、代わりにドライバーの土橋玄(教1=埼玉・秀明英光)がゴールキーパーとして出場。規定の上限である13人がキャップを被っている慶大に対し、早大は7人のみとなり、交代メンバーのいない苦しい状況で戦うこととなった。試合は互いに攻撃のチャンスをうかがいつつ、ロースコアで進んでいく。しかし、第3ピリオドで慶大に連続得点を許すと流れを失い、そこからは追う展開となった。第4ピリオドでもダメ押しのシュートを決められ、7―10でゲームセット。早大はAリーグを0勝5敗で終え、5~8位決定戦に進むこととなった。
第1ピリオド序盤、慶大の退水(※1)から眞板晃生(スポ2=東京・明大中野)が先制点を奪うと、すかさず慶大も得点を返す。そこからは早大の徹底的なプレスディフェンスで相手に隙を与えず、ディフェンスからカウンターへの流れを作り上げた。しかし、慶大も守備の手を緩めず、1-1のロースコアのまま試合は進んでいく。第2ピリオドでは、田中要(スポ1=埼玉・秀明英光)が泳ぎこみ、キーパーの脇を抜いてシュートを決めるなど、テンポの良い攻撃で早大が勢いづく。ところが、終盤になって永久退水(※2)者を出したことで、早大のフィールダーが1人欠け、5人に。4-3と1点のリードは守ったものの後半での苦戦も予想される状態で試合を折り返した。
得点でチームに流れを呼び込んだ田中
点差を広げていきたかった後半だが、冒頭で3連続得点を許し、慶大に逆転されてしまう。しかし、早大は動きのあるディフェンスで相手のパスミスを誘発し、そこからカウンターへとつないで、食らいついていく。1点を追う形で迎えた第4ピリオドは、相手のシューターを限定させ守備を固めたものの、慶大が隙をついて得点。一方で、早大は攻めあぐねる時間が続き、点差を縮められないまま7-10で敗北した。今回の敗因について、「ゲームの流れを持っていく時に安易なミスをするのは、これから先あってはならない」と吉村崇(スポ3=大分商)は厳しく分析する。早大の個人技が光り、得点のチャンスは何度も生まれていたが、それを活かしきれなかった。粒揃いではあるものの少人数のチームであるため、体力面の課題も残る。その中でも、ミスなく第4ピリオドまで戦い続けることは、今後上位チームと戦う上でも不可欠となることだろう。
最後まで諦めずに戦った早大
「早慶戦という戦いで負けたのはとても悔しいし、人数が少ないことは負けた言い訳にはできない」(吉村)。両チームの意地をかけた戦いであっただけに、試合後の選手の表情は暗かった。新人リーグを1巡終え、白星は0。未完成の新チームとはいえ、『打倒日体』を掲げている早大が新人リーグでここまで負けを重ねてしまったという事実は、重く受け止めざるをえない。しかし、実践を通してチームが取り組むべき課題を明らかにすることもできた。各試合の修正点を翌週の試合に活かせるのが、リーグ戦の良さでもある。スローガンの通り『不撓不屈』の精神を見せ、残りの試合でこの悔しさを晴らしてほしい。
※1 重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
※2 退水が累積3回となった選手は、残り時間出場できない。
(記事 井嶋梨砂子、写真 上野真望、佐藤萌)
コメント
吉村崇(スポ3=大分商)
――試合前のミーティングではどのようなお話がありましたか
人数が限られていたので、全員のプレスを強くして、1対1でまず負けないことを意識するようにという話がありました。さらにその中で、お互いにカバーしあってカウンター攻撃を仕掛けるということを話しました。
――これまでの新人リーグの4試合を経て、修正してポイントは何でしょうか
筑波大戦後に話し合ったことが、流れの悪い中でどうやってチームを組み立てていくかという内容だったのですが、その中でも特にオフェンスの終わり方を意識して臨むというものがありました。
――オフェンスの終わり方について具体的に教えてください
アーリーなミスや単調なオフェンスを無くし、シュートシーンでのカバーリングを充実させることで、相手チームに流れを持っていかれないようにゲームを組み立てるということです。
――今回の試合を総括していただけますか
正直なところ、早慶戦という戦いで負けたのはとても悔しいです。人数が少ない状況でもやれることはもっとあったと思います。人数が少ないということは負けた言い訳にはできません。早大に流れが来ている場面で永退者(永久退水)が出てしまってことや、1点差まで詰め寄った時のアーリーなシュートミスが敗因だと思います。永退で人数が1人足りなかったこと以外で問題点があるとすれば、ゲームの流れを持っていく時に安易なミスをしたことですし、これから先あってはならないことだと考えています。上位のチームとやる試合こそ、よりミスをしないことが重要になってくるので、改善したいです。
――あすの試合への意気込みをお願いします
あすは2部のチームと対戦するので、そこで気持ちを切らすのではなく、新人戦(新人リーグ)を全敗している現状だからこそ、2部のチーム相手にもチャレンジャーという気持ちを持つことが大切だと思います。勝つことは当たり前なので、その中で不用意な退水やシュートミス、ディフェンスの連携ミスなどの単調なミスをなくしていくことが必要です。コールドゲームで勝利するのが最良ですし、新しくチームで試せる戦略などあれば、試みたいと考えています。精度を上げて、気持ちとしてもチーム全体としても、勝ちに向けて努力しなければならないと思います。
田中要(スポ1=埼玉・秀明英光)
――ミーティングではどのようなお話をされましたか
戦術になるんですが、主将がフローターにいなかったり、寳田さん(皓貴、人3=東京・城北)さんがトップという高いところにいたりという感じで、ポジションを変えるということを話しました。
――慶大を相手とする試合での具体的な戦略はありましたか
左中心で攻めるという感じです。
――前半はロースコアでの展開となりましたが
慶応は勢いに乗るとどんどん得点するチームなので、僕としてはガツガツ行きすぎてミスをするのを防ぐために慎重にやっていました。そういう部分もあってお互いにロースコアになったのだと思います。
――相手の退水時のオフェンスはいかがでしたか
僕は一番左のポジションなんですが、僕が打つとばれてしまっていたので、みんなに任せるしかない状態でした。
――厳しくマークされていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
1対1に弱く、もっと強くなれば1人を回しこんで、2人を抑えられたのかなと思うので、練習が足りていないと思いました。あと、1人永退になって4ピリ目は全然体力が無い状態だったので、そういう部分もまだまだだと思いました。
――きょうでリーグ戦が1巡終わりましたが
僕が1対1に弱いので、決めるべきところを決めきれないことがありました。きょうも1対1で当たり負けしていたので、自分の弱点を痛感しました。
――チームの課題を挙げるとしたら、どこでしょうか
体力不足と、退水時のディフェンスですね。全然守れていなかったので、そこをどう守るかについて話し合いが必要だと思いました。