慶大に競り勝ち、早慶戦26連覇を達成!

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P PT
早大 14
慶大 12
▽得点者
眞板5、池水3、中安2、吉村2、田中2
※PTはペナルティーシュート戦を指す

 ことしで89回目となる早慶対抗戦は、両校が誇りをかけて戦う伝統の一戦。会場は集まった応援団の熱気にあふれ、独特の雰囲気に包まれていた。「関東学生リーグ戦(リーグ戦)を通して慶大との接戦が続いていて、厳しい試合になることは予想できていた」と山田留唯(スポ4=岐阜・大垣東)が話してくれた。入念な準備をして臨んだが、慶大に先制点を許すと、試合は終始追いかける展開で進み、3点差をつけられた状態で最終ピリオドへ。早大神話もこれまでかと思われたが、強さを発揮した。怒涛の3連続得点で慶大に追いつき、勝負はペナルティースロー戦に。緊張で張り詰めた空気の中、早大は5人全員がゴールを決めて慶大を逆転し、見事勝利を収めた。

 試合開始直後に早大は退水(※)者を出してしまい、守備が手薄になったところで相手に先制点を奪われてしまう。その後は得点を決めきることができず、慶大を追いかける展開。さらに、強気で攻めてくる相手のロングシュートが連続で決まると流れは一気に相手へと移り、必死に食らいつくも3点ビハインドで最終ピリオドを迎えた。巻き返しを図るための戦略として田中要(スポ1=埼玉・秀明英光)は「最初は守備が下がったことで上からシュートを打たれて失点していたので、全力でプレスして上から打たせずに、守備の中に入れられても1対1で守る」ということチームで意識したと語った。攻守が冴え、早大は眞板晃生(スポ2=東京・明大中野)のゴールを皮切りに3連続得点を決めて慶大に追いついた。試合は決着がつかないまま、延長のペナルティースロー戦へとなだれ込んだ。

ゴールを決め、観客に向けガッツポーズ

 リーグ戦後、ペナルティースローの練習に力を入れてきた早大。「普段通りすれば必ず入ると思って緊張はしなかった」と眞板が語ったように、早大は4人連続でシュートを成功させる。慶大が4投目を外して、迎えた早大の最終ターン。決めれば勝利という重圧の中、5人目の吉村崇(スポ3=大分商)の放ったボールがゴールネットを揺らした。その瞬間、早大スタンドは歓喜に沸いた。早大は慶大との接戦を制し、早慶戦26連覇を達成した。

ペナルティースローを決めた池水勇太主将(スポ4=鹿児島南)

 入念な準備をしたことが勝利につながった。次に控える大会は制覇を目指す日本学生選手権(インカレ)だ。夏期に強化するべき課題として、守備では相手のカウンターを止めること、攻撃面ではセットオフェンスから得点に繋げることが挙げられる。リーグ戦を経て一回り成長したチームが抱える課題を見つめなおし、インカレに向けて好材料が得られた大会であった。

試合後肩を組む両校の選手たち

 ※重大な反則を犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加することができない。

(記事 上野真望、写真 糸賀日向子・井嶋梨砂子・上野真望)

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コメント

山田留唯(スポ4=岐阜・大垣東)

―–本日の試合前の意気込みをまず、お願いします

僕自身は5回目で最年長で臨んだ早慶戦ということで、絶対に勝たなきゃいけないという想いと、学生リーグを通して慶大と1点差で競っていた試合が3試合続いていて、厳しい試合になることは予想できていたので、しっかり準備して、個人としてもチームとしても万全の状態で試合に臨めたことが、勝ちに繋がったと思います。

――早大はずっと慶大を追いかける形でした。攻めきれなかった要因はどこにあると思われますか

2点あるんですけど、攻撃面はシュート。決めるところで決めきれなかったことですね。あともう1点は守備で、ストレートのシュートは止めることができたんですけど、ふわっと浮くループシュートが止めれなくて、そこが負けてた要因かなと思います。

――ご自身のプレーについてはどう評価されますか

前半はよかったと思います。第3ピリオドでは2連続で失点して、あれはチームにとってもだめな失点で、そこで流れが変わってしまったので、あまり良くなかったと思います。

―–慶大が強気で攻めてきて、遠目からのシュートがなかなか止めれなかったと思うんですけど、難しかったですか

距離的に絶対に止めれないといけないシュートで、しかも2本連続で入れられてしまったのは完全に自分のミスでした。

――本日の早大の守備を総評すると、良かったのでしょうか

そうですね、フィールドは良かったと思います。キーパーが僕と、途中で海田(陸、国教4=米国・Worthington Kilbourne High School)も出場しましたけど、得点を決められてしまったので、キーパーがもう少し強ければ失点も抑えられたと思います。

――自身の改善するべき点はどこでしょうか

今日の課題で言えばロングシュートかなと思います。そこはフィールダーが関係ないところなので、キーパーがしっかり止めれるようになればと思います。

――最後ペナルティースロー戦まで試合がもつれ込みましたが、どのようなことを考えてプレーされていましたか

自分が狙ったコースに打たせることを意識していて、1本目は逆に飛んでしまったんですけれども、あと3本は狙ったコースに打たせることができて、止められなかったですけれども、コースを絞らせることはできました。リラックスしてプレーすることができて良かったです。/p>

――次回はインカレとなりますが、目標をお聞かせください

今年のチームは例年と比べて弱くて、それはチーム員全員が分かっていることなので、早大は弱いという自覚を持って練習していけたらいいと思っています。

眞板晃生(スポ2=東京・明大中野)

――本日の試合前の意気込みは

とりあえず勝つことですね。学生リーグとかで結構競ってしまっているので25年間勝利し続けてきた歴史を崩さないために負けないことを目標にしていました。

――前半慶大にペースを握られてしまいましたが、攻めきれなかった理由はありますか

決めるところを自分たちが決められずにミドルシュートとか、あとは退水などでしてしまったところですかね。退水でもうちょっと守れたら展開も楽になったと思うんですけど、守れるところが守れなかったです。

――第4ピリオドで早大は連続3得点をして試合の流れを引き寄せました。休憩のときにきっかけとなる言葉などはあったのでしょうか

それまでは下がってディフェンスなどをしていたんですけど、3点差がついていたので思い切って全員プレスで、やれることをやってこいという感じで監督に押し出されました。だから全員で負けていることを考えずに全力でぶつかりました。

――ご自身が試合で4得点決めたことについてはいかがでしたか

もうみなさんのおかげで、ぼくはたまたま回ってきたボールを決めたまでです。

――ゴールを決めたあとにはピースなども見られましたね

早慶戦は祭りなので楽しく、応援している方への感謝の気持ちも込めてアピールしました。

――ペナルティースローの時はどのような心境でしたか

最近すごいあの練習はしていたので今まで通りやれば入るかなというふうに思いました。だからぼくは緊張しませんでした。ほかの人がガタガタに緊張していたので「大丈夫ですよ、キーパーが止めてくれるので。」と言いました。最後はやりきったまでです。

――成功していかがでしたか

久しぶりに結構嬉しかったです。

田中要(スポ1=埼玉・秀明英光)

――初めての早慶戦となりましたが、緊張はありましたか

いえ、そんなに緊張はしませんでした。26連覇がかかっていたので、絶対に負けられない戦いだと思って臨みました。

――試合は終始、慶大を追っていく展開となりましたが、振り返っていかがですか

流れが悪い部分もあったんですが、池水さんを中心に自分たちのペースを取り戻すことが出来たので、良かったです。

――流れがつかめなかった要因はどのような点でしょうか

当たり遅れなどがあって、上がフリーになっているところにシュートを決められてしまっていたので、そこを僕らが動いてプレッシャーをかけていれば失点はもっと少なかったと思います。

――3点ビハインドから、第4ピリオドで追い上げましたが

みんな全然諦めていなかったので、「絶対に追いつける」とピリオド間に意気込んでいました。

――巻き返すための戦略はありましたか

最初は下がったことで上からシュートを打たれて失点していたので、すべてプレスして上から打たせずに、中に入れられても1対1で守るということを意識していました。

――独特な雰囲気のペナルティースロー戦にプレッシャーは感じませんでしたか

学生リーグが終わってからずっとペナルティースローの練習をしていたので、いつも通り打てば入ると思っていました。そこまでプレッシャーは無かったです。

――夏の期間に取り組むべき課題はどのような部分ですか

カウンターが出てるのにそれが下手で潰れちゃったり、セットオフェンスでなかなか点が取れなかったりする部分があるので、そこは練習を積み重ねていって、コミュニケーションをとり、目を合わせるだけで相手が何をしたいか分かるようになれば良いと思います。