早慶戦勝利も課題が浮き彫りに

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 14
慶大 11
▽得点者
深川6、山田3、中安2、岩井、吉村、眞板、
   

 ことしも年に一度の伝統ある一戦、早慶対抗水上競技大会(早慶戦)が行われた。今季、慶大に1勝1敗でむかえたこの試合。序盤はなかなかシュートを決めきれず1-1とロースコアでのスタートになったが、その後は点の取り合いに。最終的に第2ピリオドでつけた3点差が物を言い、14-11で今大会の連勝を24に伸ばした。

 大歓声に包まれた早慶戦独特の雰囲気の中、先制したのは早大だった。池水勇太(スポ3=鹿児島南)のパスを受け、山田太一(スポ2=埼玉・秀明英光)が相手ディフェンスに押さえられながらも先制点を挙げる。しかし、その後は追加点を奪えず、逆に慶大に反撃を許し第2ピリオドへ。第1ピリオドは攻撃が噛みあわない状況が続いたが、第2ピリオドでは深川幹徳主将(スポ4=福岡工)が立て続けにシュートを決め、流れを引き寄せる。慶大がゴールに迫る場面もあったが、高島丈司(社4=東京・明大中野)の好セーブに助けられ、6-3で前半を折り返した。

試合前、円陣を組む選手たち

 勢いにのりたい後半。第3ピリオドは慶大のゴールで始まったものの主導権は渡さなかった。深川の鋭いシュートが2連続でネットを揺らすと、岩井雄太郎(文構4=東京・城北)もゴールを決め、5点までリードを広げる。しかし、ここから徐々にディフェンスが崩れ始めた。「相手にいらいらしてしまう部分もあって退水(※)が増えてしまった」と吉村崇(スポ2=大分商)が振り返るように、主力選手が相次いで退水に。ピンチを切り抜けられず、慶大に追い上げられてしまう。第4ピリオドは一進一退の状況が続くも、粘りを見せた早大。最後までリードを守りきり、14-11で試合を終えた。

この試合、6得点を挙げた深川主将

 勝利はしたものの、ディフェンス面に不安が残る試合だった。高島は、「ここからインカレ(日本学生選手権)に向けて一気に伸ばしていくためにも、練習の取り組み方を改めて考えてやっていかないといけない」と語る。チームとして、また個人としてどれだけ完成度を高められるか。この夏のレベルアップに注目だ。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

   

(記事 松富リサ、写真 糸賀日向子、木村綾愛)

  

コメント

 

高島丈司(社4=東京・明大中野)

――きょうの試合の内容を振り返ってみていかがですか

結果としては勝ちましたけど、内容としては本当に良くないですね。

――失点の多さが目立ちました

1、2ピリ目は失点を抑えてこられたんですが、3ピリ目で一気にやられてしまったのは、4年生がいい雰囲気を作れていないから、チームの気が全体的に抜けてしまったからそのような結果になったと思います。組織のマネジメントのようなものが足りないと感じました。

――退水からの失点が多かった印象を受けました

後半はやっぱり集中力が持たなかったと思います。うまく崩されたというよりはハンドアップで当たらなかったとかそういう部分もあったと思うので。退水時ではあのようになってしまうとは思いますけど、そもそも退水になってしまうのが問題だと思いますね。

――普段とは違った早慶戦ならではの雰囲気はいかがでしたか

例年は学生リーグでは負けない相手で、今回は負けてしまった中での早慶戦でした。いままでの1年生から3年生までのときの早慶戦とは少し違う緊張感がありました。

――来週からの試合はどのような意識で臨んでいきたいですか

慶大に対しては14点取った中で結局11点取られてしまったので、そのあたりを修正して1ピリオド目から4ピリオド目までコンスタントに失点を抑えていきたいです。日曜日の専大戦については、学生リーグでも一回やった相手で、ある程度お互いの手の内は分かっているので、その部分は対策をして力を試せたらなと思います。

――夏以降に向けて、どのあたりを強化していきたいですか

足りない部分がすごく多いので、何とも言えないですけど、まずは退水時の攻めですね。プラスして、個人のディフェンスの能力、泳力、フットワーク、挙げたらきりがないですけど(笑)。いままでの夏休みの練習の方法や練習の量だと、たぶん伸びにも限界があるので、ここからインカレ(日本学生選手権)に向けて一気に伸ばしていくためにも、練習の取り組み方を改めて考えてやっていかないといけないと思います。

吉村崇(スポ2=大分商)

――いつも以上の大歓声に包まれた会場でしたが

緊張感は無かったんですが、勝ちたいという思いが応援のおかげでよりいっそう強くなったと思います。

――今季1勝1敗となった相手でしたが何か対策はありましたか

下がってくるというのがわかっていたのでそこの対策と、ディフェンス面での退水を減らすということを考えました。

――第1ピリオドは1-1とロースコアでのスタートとなりましたが

実際、僕のシュートミスが多かったというのもあるんですけど、1点目を取れたのでそこからの流れもまあ良かったかなと思います。

――試合全体を通してディフェンス面はいかがでしたか

途中、相手にいらいらしてしまう部分もあって退水が増えてしまいました。

――退水時のディフェンスはいかがでしたか

退水のディフェンスは、相手のポイントゲッターに打たれたというのが課題だとは思いますが、中でやられなかったのは前回の試合から改善できたかと思います。

――14-11という結果はどう捉えますか

14点取れて11点取られるというのは課題なので、これからインカレに向けて夏合宿などで失点を減らしてカウンターにつなげるという流れをワセダらしく意識できれば良いと思います。

――失点の原因はどこにあると思いますか

プレスしていたので、そこで1対1でやられてしまったり、相手に前に入られたときに退水になってしまったりするところですね。

――次の試合の相手も慶大ですが、修正したいところはありますか

3戦連続の慶大戦ということで、お互い油断はしていないと思うんですけど、学生リーグと早慶戦で2連勝できたということは大きいので、この波に乗ってしっかりと対策していきたいですね。