初戦敗退、この悔しさを来季につなげる

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大
日体クラブ 21
▽得点者
深田5、池水2、深川

 社会人も含めた真の日本一を決める日本選手権が幕を開けた。早大にとっては、現チームで臨む最後の大会。目標の3位に向けて日体クラブとの一戦に挑んだ。試合は第1ピリオドだけで大量7点を許す苦しいスタートとなる。点差を縮め、同点そして逆転を目指していきたいところだったが、続くピリオド以降も主導権を奪い返せない。結局8-21と大差をつけられ、初戦で姿を消した。4年生はこの試合で引退となり、今シーズンの最終戦を終えた。

 日体クラブとは最終予選で1点差で勝利を収めた相手だけに接戦が予想されたが、序盤でつまずいた。第1ピリオド、開始わずか30秒で先制点を奪われる。直後に深田準輔(スポ4=鳥取中央)のゴールで同点とするも、その後は思うように試合を運べない。ペナルティースローの失敗などチャンスを生かせないでいると、逆に退水(※)からピンチを迎え得点を立て続けに許してしまった。このピリオド終了時のスコアは2-7。「先制点をぽんと入れられたあそこが全てだった気がします」(中嶋孝行監督、平13教卒=福岡工)。ゲームの流れを大きく左右する8分間となってしまった。

5得点を挙げ存在感を放った深田

 第2ピリオド以降も相手のペースで試合は進む。「自分たちのやるべきことが全くできなかった」と瀧川峻也主将(スポ4=京都・鳥羽)が振り返るように、細かなミスが目立ち苦しい展開を強いられた。点差は広がっていき、第3ピリオドを終えて5-15。最終ピリオドには深田が5得点目を挙げる場面もあったが、反撃には遠く及ばず。振り返れば大差での敗戦となり、目標の3位への道は断たれた。「5点取っても負けは負けでそれでは意味がない」と深田は悔しさをにじませた。

初戦で敗れ、肩を落とす選手たち

 日本学生選手権(インカレ)では4位、そして今大会では初戦敗退と決して満足のいくシーズンを送ることができなかった。「一番悔しい思いをしているのは後輩たちだと思うので、糧にしてらいねん以降頑張ってほしい」(傳田雅一、創理4=東京・早大学院)と後輩に向けて言葉を残した。チームの主力を担ってきた4年生の穴は全員で埋めていく。「インカレでは優勝、日本選手権では3位を取ってもらえればうれしい」(瀧川主将)。先輩の思いを受け継ぎ、新チームはこれから歩みを始める。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

(記事 井口裕太、写真 谷田部友香、滝沢凜)

コメント

中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)

――終わってみると大差での敗戦となりましたがこの一戦を総括していただけますか

点差はそれなりに開きましたけれど、1クォーター目があのようなかたちでスタートが遅れたというのは正直ありますし、先制点をぽんと取られたあそこが全てだった気がします。いつも先取点を取ればあまり負けることはないのですが、そこをもう少し慎重にいくべきだったのかなと。変にそこを意識せずにきょうはガンガンいこうと話はしていましたが、その辺をコントロールできていれば試合展開はもっと違っていたと思うので、1クォーター目で切れてしまった部分があるので、悔いは残りますね。

――最終予選で戦った際には接戦での勝利でしたが、きょうはどこに原因があったのでしょうか

向こうはそれなりの練習をしてきていたと思います。そして、うちへの対策もそれなりに考えてきていたと思います。あとは気持ちの面で違いがあったのかもしれないですね。

――ことしのチームは改めてどのようなチームでしたか

数字だけで見ると今までで一番弱いチームになりますが、4年生がスポーツ推薦で2人採れた初めての年で、フローターとフローターバックを採れた年でありこの4年間は助けられた部分はあります。彼らが最上級生としてチームを引っ張ってくれて、スタッフ陣としては非常に楽をさせてもらいました。逆にスタッフも含めてもう少しサポートできればよかったのかなとは思いますね。

――瀧川主将の活躍についてはいかがでしょうか

口酸っぱく1年生から3年生まできちんと面倒を見てくれるというか、いいところは褒めてくれるし、悪いところがあれば指摘してくれて練習以外の面でもお手本となるキャプテンだったと思います。

――これでまた新チームとなりますがどのようなチームを目指していきたいですか

目標としてはインカレで優勝することをぶらしてはいけないと思います。最低限の目標としては、ことし以上の成績を収めるというのは必須だと思いますね。

瀧川峻也主将(スポ4=京都・鳥羽)

――第1ピリオドで7失点となりましたが、原因はどのようなところだと思われますか

大きなミスというよりも小さなミス、自分たちが決めなければならないところを外してからの失点につながっているので、そこが大きかったですね。

――流れをつかめない展開となりましたが、その点についてどう思われますか

流れがつかめなかったとか言うよりも、自分たちのやるべきことが全くできなかった、やらせてもらえなかった、という言い方の方が正しいかもしれないですけれど。このチームを作ってきたのは4年生なので、流れをつかめなかった、そういう雰囲気にできなかったのは4年生の責任でもあるのかなと思います。

――最終予選の対戦相手が今回と同じ日体クラブでしたが、その試合と比べて今回の試合はどのような手応えでしたか

先ほども言ったようにシュートの決定値の差とかそういうことだと思いますが、手応えとしては今回はかなり最悪でしたね。やりきれなかったというのが大きかったです。

――これで引退となりますが、今の気持ちはどうでしょうか

結果としてはインカレから見て、インカレ4位、日本選手権初戦敗退という結果で終わってしまって、例年のワセダに比べれば不甲斐ない結果となってしまいましたが、正直僕はキャプテンとしてやり終えたことに、ほっとしています。結果は結果でも、このチームとしてワセダでできたことを僕は誇りに思います。

――瀧川さんはキャプテンを1年間務められましたが、そのなかで一番大変だったことはどのようなことですか

ワセダは日頃の練習から監督さんとかコーチがいらっしゃらないことが多いので自分たちでメニューとかミーティングとか全て行いますが、その戦術なり全てにおいて自分で考えるのがすごく大変で、それが上手くいかなかったときとか、上手くいったときもそうですが、また考え直して、という積み重ねがしんどかったです。それが逆に今となっては達成感はないですが、やりきったかなとは思います。

――今年のチームを振り返ってどのようなチームだったと思われますか

今年のチームはすごく我が強くて、個人個人はしっかりいいものを持ってましたが、それが一つにならないと本当に勝てないチームだったので。ちょっとしんどかったのかなというのはあります。

――後輩へのメッセージをお願いします

僕らの代では本当にかたちとしては何も残してやることができなかったですが、ワセダの看板を背負ってやっていくわけなので、しっかり胸を張ってやっていってほしいなと思います。それでインカレでは優勝、日本選手権では3位をしっかりとっていただければうれしいと思います。

深田隼輔(スポ4=鳥取中央)

――試合を終えていまの気持ちは

結果が結果なので涙も出ないですね。後輩たちには頑張ってほしいです。

――最後の大会でしたがどのような気持ちで臨まれましたか

最後だったので悔いなく終わりたいと思っていました。相手のチームに僕の高校の同級生などもいて、因縁ではないですが勝ちたいなと。結果こんなかたちになってしまったので残念だったなと思います。

――大差を付けられての敗北となりましたが、敗因は何だと考えますか

言い訳としてはスタートで出る選手たちが直前でケガや体調管理ができていなかったりしたので直前で練習ができなかったということがありました。チームとしてのかたちがガタガタだったので、敗因としてはありすぎて一から見直さなければいけないなと思いました。もう終わりなんですけどね(笑)。

――第4ピリオドでは4年生全員が出場する場面もありましたが、最後の8分間はどのような気持ちでプレーされましたか

結果的に10点差ぐらいつけられていて勝ちは望めなかったので、失敗してもいいやと思い切ってやろうという気持ちでやっていました。

――5ゴール決められましたが、ご自身の働きとしてはいかがでしたか

5ゴールしましたが、僕からの失点もあったので手放しに喜べるものではないですね。結局負けてしまったので、1点も取れなくても勝ちは勝ちですし、5点取っても負けは負けで、それでは意味がないので何とも言えないです。

――水球部での4年間はどんな4年間でしたか

幸せな4年間で感謝感謝です。父兄、スタッフ、後輩、同期、先輩と本当に人に恵まれた4年間でした。本当にありがとうございました。

――最上級生としてまとめたことしのチームはどんなチームでしたか

主将を中心に良くまとまっていた気がしたのですが、最後の最後で少し気が抜けたところがあったのかなと思いました。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします

ことしの成績が散々だったので、ことしの記録を超えていくという面では楽だと思うので頑張ってほしいですね(笑)。

吉成弘紀(法4=東京・早大学院)

――最後の試合は大差での敗戦となりましたがいまのお気持ちは

ちょっと予想はしていなかったので、早かったなという気がしますけど…。これが実力だとは思いますが、あまりうまく言えないです…。

――試合をご覧になっていた中でどのような気持ちでいましたか

予選のときに1点差で勝っていたので、(きょう勝って)最終日まで進みたかったです…。

――ことしのチームは改めてどのようなチームでしたか

4年生の瀧川と深田がプレーでも主力だったので、2人を中心に上級生が引っ張るようなチームでした。その反面、(2人が)いないときもあったのでそこを後輩たちが補うといういいかたちだったと思います。

――最上級生としてこの1年間どのような意識で臨まれていましたか

去年あたりまではたまに試合に出させてもらって、試合で1分でも30秒でも使ってもらえるような選手になれるように頑張ってきました。ことしは1年生も入ってきて、最上級生としてチームを支えるということでうまくバランスをとってやってきました。

――最後に後輩へのメッセージをお願いします

インカレに引き続き、選手権でもあまり結果は残せませんでしたが、この悔しさを糧にまた一から頑張ってもらいたいです。

傳田雅一(創理4=東京・早大学院)

――大差での敗戦となりましたがいまのお気持ちは

全員で勝ちに行って負けたので悔いはないです。

――試合をご覧になっていたなかでどのような気持ちでいましたか

練習でできていなかったことが本番でできていないといった流れから悪くなってしまった気がします。最後まで点は取りにいっていたので、ベンチが諦めたら終わりだと思うので、ベンチから盛り上げていこうという気持ちでいました。

――ことしのチームは改めてどのようなチームでしたか

主将の瀧川が不在になることも多く、その部分で後輩が率先してチーム作りに協力してくれたのかなと思います。

――最上級生としてこの1年間どのような意識で臨まれていましたか

僕は戦力としてチームに何かできることはないので、それ以外の部分で少しでもスタメンの人たちがプレーに集中できるように諸々のことをしっかりやるよう心がけていました。

――最後に後輩へのメッセージをお願いします

きょうの結果を一番悔しがっているのは後輩だと思うので、この悔しさをもとにまた一からチーム作りになると思いますが、らいねん以降頑張ってほしいと思います。