悲願のインカレ制覇はかなわず

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
日体大
早大
▽得点者
戸張3、池水

 3日間にわたって行われた日本学生選手権(インカレ)も、ついに最終日に突入した。迎えた決勝、コートに立ったのは早大と日体大。運命の頂上決戦で先にリズムをつかんだのは日体大だった。得意のカウンターからリードを許すと、中盤にかけて点差を広げられてしまう。最終スコア4-9で悔しい敗戦となり、第45回大会以来の優勝を果たすことはかなわなかった。

 4年連続で同じ顔合わせとなった決勝戦。近年は日体大に勝てない状況が続いているために、「1年間この日のためにやって来たといっても過言ではないくらい気持ちの入った試合」(戸張真寿主将、スポ4=埼玉・秀明英光)と選手たちのボルテージも最高潮だった。試合開始後から先手を取ろうと積極的にゴールを狙う早大。だが、前のめりになった隙を日体大は見逃さなかった。身上とするカウンターで好機をものにされ先制点を奪われてしまう。その後も自分たちのペースをつかめないまま第1ピリオドが終了した。

 続く第2ピリオドでは序盤の反省を生かし、一転してじっくりと攻めていく。落ち着いた試合運びを見せると、相手のカウンター攻撃にも冷静に対処。数的優位の状況をつくらせず、無失点に封じることに成功した。攻めては戸張のシュートが相手ディフェンスのブロックに弾かれるもネットを揺らす。2-3と1点のビハインドで前半を折り返した。

主将としてチームを引っ張った戸張

 「このペースでいけば勝てる」(武田望、スポ4=富山北部)。第2ピリオドを良い内容で戦い、そのままリズムに乗るかと思われた。しかし、第3ピリオドで深田隼輔(スポ3=鳥取中央育英)、深川幹徳(スポ2=福岡工)が2回目の退水となり、苦しい展開を強いられる。メンバーを固定して戦う早大に対し、日体大は途中でフィールドメンバー全員を一斉に交代するなど体力十分の選手を次々と投入。機能していたディフェンスが狂い始め、少しずつ点差を離されてしまう。退水(※1)のチャンスでもシュートを決め切れずにいると、攻め手を欠きこのピリオドを無得点に押さえ込まれてしまった。さらに最終ピリオドでは武田、深川が相次いで永久退水(※2)。最終盤に戸張が岩井雄太郎(文構2=東京・城北)の浮き球のパスから得点を挙げるも、日体大には届かない。そして無情にもおとずれた試合終了の瞬間。会場には、日体大側の歓声が響きわたった。

無念の結果となり肩を落とす選手たち

 またしても崩せなかった日体大の牙城。春の関東学生リーグ最終戦では引き分けと手応えも得ていただけに、試合後の選手たちからは「悔しい」という言葉が漏れた。それでも、主将としてチームをけん引してきた戸張は「いい仕上がりを持ったチームだった」とことしのチームを振り返る。「らいねんは絶対、日体大に勝って優勝」(武田)。4年生のインカレへの思いは、後輩たちへとしっかりと託された。

※1重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

※2退水が累積3回となった選手は、残り時間出場できない。

(記事 角田望、写真 芝原健輔、森健悟)

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コメント

戸張真寿主将(スポ4=埼玉・秀明英光)

――日体大との決勝戦、どのような気持ちで臨みましたか

1年間この日のためにやって来たといっても過言ではないくらい気持ちの入った試合だったので、何があっても止まらない、全力で全てを出し切るという気持ちでした。

――第1ピリオド、タイムアウト時には何を話し合っていたのでしょうか

オフェンスのミスからの良くない流れが続いたので、そういうミスをなくそうという話をしました。

――第2ピリオドではカウンターを封じ無失点でした

やはり第1ピリオドは焦り気味で、無駄なシュートが多くて、そこからのカウンターだったので、それをなくすことを出来たのが要因かなと思います。

――中盤からは徐々に離されてしまいました。焦りなどもあったのでしょうか

焦りは少なからずありましたけど、向こうの方が一枚上手の部分が多かったのかなと思います。

――試合が終わったときは何を思いましたか

自分が退水で2本同じように外して。ハンドアップのブロックを抜いて撃つのが自分の練習してきた得意なシュートなのですが、それをしっかりと研究されて。自分の練習法を悔やんだというか、あの場面は大事なところだったので悔やまれますし、いつも思うのですけど、後から悔やんでも意味がないのですが、本当に悔しかったです。

――今シーズンここまでを振り返っていかがですか

主将としてチームをまとめ切れたかは分からないのですが、後輩たちが東日本リーグでの敗戦をきっかけに意識が変わって。チーム内での濃い話し合いだったり、意見のぶつかり合いだったり、敗戦をきっかけに良くなったので。4年間できょうのこの試合に向けた自信は一番あったなと思います。いい仕上がりを持ったチームだったと思います。

――後輩たちにはらいねんのインカレをどのように戦ってほしいですか

ありきたりですが後から悔やんでも意味がないので、やれることを全てやって、もう一段上の練習だったり、日体大の対策であったり、考える水球をもう少ししないといけないのかなと思いますね。

武田望(スポ4=富山北部)

――決勝の日体大戦を振り返って

途中で退場してしまいましたので、やはり最後まで戦えなくて悔しいです。

――決勝はどのような気持ちで臨まれましたか

全然ずっと勝てていないので、勝って歴史に名を残すといいますか、後輩に何かを残せたらいいなと思って臨みました。

――チームで話し合っていたことはありますか

ずっと戦ってきた相手なので、出し切ろうということだけでしたね。

――前半は1点差で終えられましたが、どのような気持ちで終えられましたか

2ピリオド目で1−0でこっちがピリオドを取りましたので、このペースでいけば勝てるなと思って波に乗ろうという気でいました。

――後半はいかがでしたか

後半は3ピリオド目で失点が多くなってしまいましたので、そこで集中力を切らさないでいこうと思ったのですが、なかなか上手くいきませんでしたね。

――日本学生選手権(インカレ)全体を振り返って

個人的にいえば、以前までお世話になった先輩方のように頼られる選手になりたいなと思っていたのですが、結果としては結構足を引っ張ってしまって不甲斐ないことが多かったので、悔しいですね。

――良かったところはどこですか

今まで引き継いできた準優勝という結果を落とさずに後輩に引き継げたことは良かったです。

――最後にらいねんのインカレでの後輩に向けてメッセージをお願いします

らいねんは絶対、日体大に勝って優勝してください!

瀧川峻也(スポ3=京都・鳥羽)

――9-4という結果で準優勝になりましたが、どのようなお気持ちですか

日体大はやっぱり強かった。そう思いましたね、負けた瞬間に。リーグ戦では日体大と2回試合を行ったのですが、1回目は2点差で負けて、2回目は同点で終わって良い流れだったので、本当に優勝を狙っていたんですけれど、リーグ戦終わってからの詰めが甘かったのかなと感じました。

――準優勝という悔しい結果に終わってしまった原因はなんだと思いますか

一対一のディフェンスにおいて、きょうはすごく退水が多くて、そこから点を決められたというのもあるので、一対一のディフェンスが課題となるのかなと思います。

――ご自身の反省点はありますか

僕はセンターバックなので、司令塔としての役割をもらっているのですが、僕も焦った部分があるので、周りを見れずに指示を出せなかった時が少しあったので、そこが反省点だと思います。これからの課題点は一対一のディフェンス、そして泳力だと思います。

――いままで1年間、日本学生選手権(インカレ)優勝を目指して練習をなさってきたと思うのですが、練習の成果は十分に発揮できましたか

できました!現在のチームはディフェンスをすごく重視していて、普段の練習や練習試合においても、シーズンが始まってからも、いちからみんなで相談してディフェンスをやっていきました。オフェンスに関しては、打てるひとがいるので問題はないと思います。なので、今後の課題はディフェンスですね。

 

深田隼輔(スポ3=鳥取中央育英)

――決勝を終えて、率直な感想をお願いします

めちゃくちゃ悔しいですね。本当にこれしかないです。4年生に申し訳ないです。

――決勝へはどのような意気込みで向かわれましたか

本当に最初から勝つイメージしか持っていなかったんですけど、苦しい展開になることは覚悟していて我慢して勝ちにいこうと思っていました。

――1点差で第2ピリオドを終えましたが、そこまでを振り返って

結局リードされたまま終えてしまって、どこかで追いついてひっくり返したいと思っていたんですけど。追い付くべきところで追い付けなかった、決めるべきところを決められなかったというところが悔しかったです。

――点差をつけられてしまった後半を振り返って

カウンターから点を取られるシチュエーションばかりだったので、もうちょっとディフェンスの意識を持ってカバーするべきところをカバーするべきだったかなと。しんどくなった時に少し雑になってしまったかなと思います。

――ご自身で得点を挙げることが出来ませんでしたが

欲しいタイミングでボールが入ってこないというところもあったり、オフェンスでの連携がうまくいかなかったかなって感じました。

――チームとしても動きたいように動けなかったということもありましたか

相手の元気な選手たちにプレスをかけられて崩されてという感じだったので、ぐちゃぐちゃになってしまったのかなと思います。

――ご自身の課題を挙げるとしたら

外周の人たちが気を使って入れなくても、僕が多少のことはカバーしてシュートまでいけるようになるべきだなと思いました。

――最後に、今大会はどのようなものでしたか

僕自身調子が良くなかったっていうのはありました。でもきょねんと一緒のかたちで終わることが出来て、良くはないのですが、とりあえずまあって感じですね(笑)。

高島丈司(社2=東京・明大中野)
――試合が終わっていまのどのような思いでしょうか
悔しいです。
――第2ピリオドを1-0で制すなど、前半流れをつかめたのは何が要因だったのでしょうか
第1ピリオドに浮足立っているところがあって、第2ピリオドに修正しようとして、カウンターを守るという意識はできたのですけど、その流れが第3ピリオド、第4ピリオドにうまくつながらなくてこうなってしまいました。
――第3ピリオドに流れを持って行かれたポイントで思い当たるものはありますか
うちは退水で一本も決められなかったですね。得点として退水で決められないというのは厳しいかなと思いました。退水でせっかくチャンスなのにそこからカウンターで失点というのは精神的にもくるので。
――日体大を相手に9失点。ご自身でどう評価しますか
もうちょっと止められるシュートはあったと思いますし、あとは自分はゴールしか守れないので。前にボールを取りに行けるような選手になりたいと思います。
――らいねん以降の日本学生選手権をどのように戦っていきたいと思いますか
僕らは交代できない、選手層が薄いというのは毎年チームが始まるときに言っているんですけど結局きょうもスタメンが二人永久退水して余計に上手くいかない、退水二つ重ねても変えることができないという状況なので、らいねんは岩井(雄太郎、文構2=東京・城北)や桜井(祐太、人2=東京・城北)が主になって、控えのレベルを少しでも上げて全員水球できたらいいと思います。