前日同様に強い風が吹き付ける白子の地で行われた東日本大学対抗競技大会(東インカレ)二日目。前日にベスト8入りを果たした男子部Aチームと女子部が強敵を前に奮闘するものの、男子部は明大に敗れ準優勝、女子部も明大に敗れ準々決勝で敗退という結果になった。
男子部、準々決勝は日体大との対戦。2番には吉岡藍(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)荒木駿(社3=山形・羽黒)組が登場。序盤荒木のボレーミスが目立ち、相手に先制を許してしまう。持ち直して追い上げるものの、攻めきれず相手に余裕を与えてしまいファイナルへと持ち込まれてしまう。ファイナルゲームでは2-0と好調な滑り出しを見せるものの、2-6までテンポ良くとられてしまい窮地へと追い込まれる。ここで早大は怖じけずシュートやボレーで積極的にポイントを取得し、4-6まで粘りを見せた。しかし最後はサイドアウトで失点してしまい、あと一歩のところで届かず悔しい試合になった。3番に登場した吉田樹(法2=東京・早実)増田達四郎(スポ4=北海道科学大高)組も展開の早いうちからのミスが目立ち、敗北してしまう。1-2となり殲滅(せんめつ)戦に持ち込まれ、1番に登場した矢野颯人(社2=奈良・高田商業)端山羅行(社2=石川・能登)組が再び登場した。連続で2戦行われたため、体力的に厳しい試合ではあったが気を抜かずに攻めきり危なげなく2勝。チームを支えた。
ボレーを決める端山
準決勝は法政大との対戦で準々決勝と同じオーダーで出場した。3番の吉田増田組は相手の先制攻撃に苦しむものの、なんとか粘りをみせファイナルへと持ち込む。ファイナルゲームでは両校ともに勢いに乗って競った試合となり、どちらが勝つか予想できない戦いとなったが、最後は相手の甘くなったミドルのボールを吉田がクロスにシュートで叩きこみ、勝利。準決勝も殲滅(せんめつ)戦に持ち込まれてたが、3-1という結果で無事決勝進出を決める。
ガッツポーズをする吉田・増田組
決勝戦では強敵である明大との対戦。各試合、各ゲームで競り、積極的に攻撃を仕掛ける早大であったが、明大も攻撃に対して揺るがずにカウンターをしてポイントを取得していた。安定感という面でも一歩足らなかった早大は、なかなかゲームを取り切ることができなかった。3番に登場した吉岡・荒木組は0-3で行われたデュースゲームで激しい攻防戦をみせ、ゲームを取得するかと思わせたが、窮地に追い込まれても踏ん張りを見せた相手前衛に強力なポーチボレーを決められ、悔しくも敗退してしまう。両校に大きな実力差があるわけではないため、明大に及ばなかったこの試合は非常に悔しいものとなった。
女子部は準々決勝で明大と対戦した。初日と同じように2ペアでの出場であったが、強敵明大に対して奮闘する。2番に登場し殲滅(せんめつ)戦でも戦った半田穂乃花(スポ1=宮城・東北)松井菜摘(スポ2=愛知・岡﨑城西)組は半田の持ち前のストロークで相手に果敢に攻撃し、ストレートにシュートを打ち込み、ポイントを取得するシーンも多く見られた。しかし圧倒的で安定した攻撃力で攻めてくる明大に及ばず準々決勝で敗退。殲滅(せんめつ)戦で長丁場の試合でもあったため、体力面での課題も残した。
ハイタッチをする半田・松井組
男女ともに悔しい結果に終わった東インカレ。しかし、春からの成長も、今ある課題もしっかりと確認できた試合ではあった。優勝を一番の目標に掲げたインカレまであと1カ月ほど、選手一人一人の意識の向上とチームが一丸となってまた再び立ち向かっていくことが期待される。
チームを応援する男子部
※3ペア出場の殲滅(せんめつ)戦形式で、第3試合までが一次戦、第4試合は二次戦、第5試合を三次戦と呼ぶ。
(記事、写真 石村莉理)
結果
▽男子部
準々決勝 ○早大A3-2日体大B
一次戦
○矢野・端山4-0山之上・小林
●吉岡・荒木3-4大村・菊池
●吉田・増田1-4増田・戸田
二次戦
○矢野・端山4-1大村・菊池
三次戦
○矢野・端山4-0増田・戸田
準決勝 ○早大A3-1法政大A
一次戦
○矢野・端山4-0内藤・桑山
●吉岡・荒木0-4根本・福田
○吉田・増田4-3山本・広岡
二次戦
○矢野・端山4-2根本・福田
決勝 ●早大A0-3明大A
一次戦
●吉田・増田1-4白川・田中
●矢野・端山1-4金山・鈴木
●吉岡・荒木0-4米川・池口
▽女子部
準々決勝 ●早大1-3明大
一次戦
●大島・寺井0-4原口・西東
○半田・松井菜4-3木瀬・武田
●R-4斎木・北川
二次戦
●半田・松井菜1-4原口・西東
コメント
増田達四郎(スポ4=北海道科学大高)
――インカレの前哨戦である東インカレへ臨んだ気持ちを教えてください
インカレ前にある最後の学生の大会でした。春リーグで負けてしまっているのでそこから一から見直して臨みました。
――試合をおえてみて、どのような気持ちですか
力不足でした。決勝も良くなくて、その前の試合もペアの後輩に助けられて、自分は全然良くなかったです。今のままだとインカレ優勝には程遠いです。
――インカレに向けて強化したいことを教えてください
まずは前衛としてディフェンス力を上げて、相手がどんどん強気で打ってくるボールをしっかり抑えていきたいです。早稲田は展開を作ってラリーをしっかりするのが持ち味なので、展開を作って勝負どころで確実にポイントを取っていきたいです。また、サーブレシーブは関東リーグから課題として練習していたのですが、また課題として残っていると感じています。
――法大戦では巻き返してファイナルで勝利した試合でしたが振り返っていかがですか
相手後衛と自分はよく試合をやっていて、自分に苦手意識を持ってくれている分相手は勝負しきれてなかったと思います。序盤、相手前衛にやられて負けていたのですが、自分達でラリーを作りながら着実にやってかたちにして勝負していこう、と話し合ったらファイナルで勝ちきれました。負けている時や状況が良くない時、どうしても先にこちらから何かをしなきゃ、となってしまいがちですが、話し合ってまずは形を作ってラリーして勝負することが大事だな、と感じました。
矢野颯人(社2=奈良・高田商業)
――インカレの前哨戦である東インカレへ臨んだ気持ちを教えてください
やっぱり目標はインカレ団体個人ともに優勝することで、東インカレもそこまでレベルが変わらないので、ここでしっかり優勝して、また1カ月追い込んでインカレに臨みたいとおもっていました。
――試合を終えてみて、どのような気持ちですか
僕が不甲斐ないために決勝で負けてしまいました。僕のミスでゲームが進んでいく展開が多かったです。普段から明治の事は意識して練習しているので、悔しいです。改善点はいくらでもあって、いい意味で伸び代がたくさんあると思います。ですがインカレまで時間があまりないのでとても焦っています。
――インカレに向けて強化したいことを教えてください
精度にこだわりたいです。自分の持ち味は攻撃的なところなのですが、その分波があるので、入らなかったら簡単にリードされて、焦って負けてしまいます。攻めるボールの精度を上げて、要所で耐えきるディフェンス力も上げたいです。レシーブもボレーされてしまうことが多くて弱みだと思うので改善したいです。また、全体的にボールが浅くて、ペアの前衛を全然使えていないので申し訳ないと思っています。深い球で押し込んで、ペアの前衛にポイントさせて相手の後衛を心理的に追い込めるようにしたいです。
吉岡藍(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)
――インカレの前哨戦である東インカレへ臨んだ気持ちを教えてください
キャプテンの水木さんが欠席だったため代わりに出場しました。少しでも勝ってチームに貢献したかったのですが、頼りない結果になってしまい悔しいです。
――試合を終えてみて、どのような気持ちですか
まだまだ技術が追い付いていなくて、レベルが低いな、と感じました。練習量がまだ足りでいないです。
――チーム全体を振り返っていかがですか
キャプテンがいなかったことももちろんあるのですが、チーム力が足りないと感じました。インカレまであと1カ月程ありますが、先輩方が上から来てもらうよりも、自分も含めた後輩たちが下から追い上げて上を脅かすぐらいに頑張ってチーム全体の力を底上げしたいです。
半田穂乃花(スポ1=宮城・東北)
――試合を終えてみて、どのような気持ちですか
自分の出来ることはやり切ったと思います。悔いも無いわけではありませんが、練習の成果が出せました。自分よりも強い相手に対して向かっていくということもできて、一勝のみでしたが、しっかり勝てたことも良かったです。
――インカレに向けて強化したいことを教えてください
やっぱり殲滅(せんめつ)戦なこともあって体力的な問題が試合の後半に課題として出てきたので、体力を付けたいです。また、サーブの精度も上げていきたいです。
松井菜摘(スポ2=愛知・岡﨑城西)
――インカレの前哨戦である東インカレへ臨んだ気持ちを教えてください
初めての殲滅(せんめつ)戦だったので、体力面が心配でした。また、最近あまり勝てていなかったのでインカレに向けて少しでも勝ち負けにこだわろうと思っていました。初心に帰ってとにかく楽しんで勝ちに繋げる意識を持っていました。
――試合を終えてみて、どのような気持ちですか
全体的に普段と比べて自分のポイントで終われたり、たくさんラリーに絡めました。前衛は抜かれてもいい分多くポーチに出たいのですが、普段よりは思っている通りにできたと思います。ですが、試合終盤は体力が厳しかったです。インカレに向けて体力を付けたいです。
――インカレに向けて強化したいことを教えてください
自分が狙って取りに行ったボレーは良かったのですが、不意に来たチャンスボールに手を出せず、後衛に任せてしまうことが多かったです。そういうボールを確実に取れたらもっと楽にポイントをとれるのではないか、と思います。