早関戦優勝で4年生引退

軟式庭球

 全日本大学対抗選手権(インカレ)の激闘が終わり、しばしの休息を終えた9月3日、早関軟式庭球定期戦(早関戦)が所沢テニスコートにて開催された。現在のチームで戦う最後の試合ともなる今大会。競技人生最後となる選手も多くおり、4年間の思い出、感謝を胸に全力で優勝を目指し戦った。

  先陣を切ったのは内本隆文(スポ2=大阪・上宮)・星野慎平(スポ3=奈良・高田商)組。序盤、内本のミスが目立ち相手を突き放すことができない。しかし星野が要所でポイントを稼ぎ、ファイナルの末チームに貴重な先勝をもたらした。続いて登場した福井達輝(先理1=香川・丸亀)・大津悠平(スポ3=宮城・東北)組も1ゲームしか落とさず圧勝。高倉悠輔主将(商4=東京・早実)・井山裕太郎主務(基理4=埼玉・松山)組は1ゲーム目を強気なプレーでジュースを制し奪取するも、相手前衛のアグレッシブな動きに受け身になってしまう。最後まで攻めの姿勢を貫いたが、反撃の隙を見出せず敗北となった。残りの3ペアは相手に主導権を握らせることなく、チームに貢献。今大会男子部は殲滅(せんめつ)戦形式であったが、迎えた二次戦でも内本・星野組がしっかりと勝ち星を挙げ早関戦優勝を果たした。

早大の主将を務めあげた高倉

 女子部1番の小山舞(スポ2=和歌山信愛)・上原由佳(社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)組は惜しくも敗れ、もう落とせない2試合目に登場したのは木村理沙(スポ4=徳島・脇町)・平久保安純(社4=和歌山信愛)組。後半になるにつれて木村理のストロークの威力が増していき相手を苦しめる。平久保が得意とする多種多様な攻めでも相手を翻弄(ほんろう)していった。二人はのびのびと自分たちのテニスを展開し、集大成として最後の団体戦を白星で終えた。3番勝負、最後にワセダを優勝へと導くのは杉脇麻侑子(スポ4=東京・文化学園大杉並)・佐々木聖花(スポ4=東京・文化学園大杉並)組となった。「きょうは声を出して楽しんでプレーした」と重圧から解き放たれた杉脇は、何度も相手の決め球をしのぎ、佐々木へ攻撃のチャンスを作った。その好機を逃さまいと佐々木もボレーを次々と決め、4−1と圧倒的な力の差を見せつけた。二人は得点を決めるたびにはじけるような笑顔を見せ、最後は自分たちのテニスで勝利し早大軟式庭球部を引退した。

声をあげ、ガッツポーズする杉脇

 選手として貢献するものもいれば、応援としてチームを支えるものもいる。ワセダが第一線を走り続けることができるのは、その両者が『日本一』という同じ景色を寸分の違いもなく見つめているからだろう。試合後の4年生の全員のインタビューから全力でチームと向き合ってきたことがひしひしと伝わってきた。そういった先輩の姿は言葉にしなくとも後輩に伝わり、またワセダを一回り強くするのだ。

(記事・写真 栗林桜子、吉澤奈生)

※6ペア出場の殲滅(せんめつ)戦形式で、第6試合までが一次戦、第7試合は二次戦、第8試合を三次戦と呼ぶ。

結果

▽男子部
一次戦
〇早大 5-1 関学大
○内本・星野 4-3 吉川・中村真
〇福井・大津 4-1 田中・古賀亮
●高倉・井山 1-4 雁金・中村健
○船水・上松 4-0 美甘・二階堂
〇長尾・松本 4-0 古賀勇・遠藤
○安藤・内田 4-0 吉信・掃部
二次戦
○内本・星野 4-2 雁金・中村健

▽女子部
〇早大 2-1 関学大
●小山・上原 3-4 大山・黒田
〇木村理・平久保 4-3 秋田・野崎
〇杉脇・佐々木 4-1 大森・竹田

コメント

小野寺剛監督(平元教卒=東京・巣鴨学園)

――今回の早関戦でチームが代替わりとなります。男子部、女子部の今代の印象を教えてください

高倉(悠輔主将、商4=東京・早実)たちの代は4年生がほぼ試合に出られない状況でチームを率いるということでどうなるかと思っていたんですけど、結果的に自分たちがテニスをやることでは引っ張れなかったけど3年生以下を指導するという形では井山(裕太郎主務、基理4=埼玉・松山)、高倉はもちろん、他の4年生も良くやってくれたと思っています。そういう意味では、こういった形はうちの部では珍しいので大変なことも多かっただろうけど、本当に最後まで頑張ったと思います。女子部の方は4年生が頑張らなくてはいけなかった状況で自分たちで負けているので、悔しいところも多かったと思うけども、良くやってくれたと思います。

――次期主将に船水(颯人、スポ3=宮城・東北)選手、上原(由佳、社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)選手がそれぞれ就任します。期待していることは

男子部に関しては戦力がダウンしないので、颯人の負荷は増えるとは思いますがそこまで心配していません。女子の方は今まで試合に出てこなかった選手が試合に出るという状況になります。大変だと思う反面、勝たなければならないというワセダの伝統というか縛りに解放されて、自分たちのやりたいことをどんどんとやるという前向きなチャレンジをしてほしいです。今までよりは勝つことに苦労すると思いますけど、新しい選手が出場して楽しみな部分も大きいので頑張ってもらいたいですね。

――今後、男子部女子部共に突き詰めていってほしい部分は

どうしても受ける部分が多いので、もっともっと自分たちからというか、他の大学がワセダに向かってくる時のような勢いを勉強してほしいですね。特に女子部の試合ではそういったことを感じることが多かったので、そういった意味ではきょう小山(舞、スポ2=和歌山信愛)は負けたけれども頑張っていたと思います。新しく出てくる選手はワセダだから勝たなければいけないではなくて、自分たちのやってきたことをコートで出すという形でチャレンジをしていってほしいですね。男子に関しては戦力は落ちないので学生を代表する以上に日本を代表するような、プレーだけでなく行動も求められると思うので、3年生以下には4年生がいなくなってもそういった引き締まった行動ができるよう期待しています。

高倉悠輔主将(商4=東京・早実)

――この4年間振り返っていかがですか

一瞬でした。入部した当時のことも思い出せないくらい4年間あっという間でした。4年生が濃かった分、早く感じたのだと思います。4年間振り返ると1、2年生の頃はすごく辛かったです。試合でも全然勝てないし、仕事量も多くて本当に自分が軟式庭球部の一員なのか、何のためにテニスをしているのかわからなくなる時期がありました。今主将をやれている上に、勝てたわけではなかったですが技術も向上したので1、2年生の頃に辛くても頑張ったのはよかったなと思います。

――今改めてインカレを振り返ってみていかがですか

後輩たちは偉大だなということはインカレの前からわかっていたことだし、信頼していたのですが、こうやってインカレで実際優勝してくれてワセダの強さを教えてくれて感謝しています。

――楽しかった思い出はなんですか

練習してる時は楽しいんですけど、辛さや厳しさもあります。僕は普段全然キャプテンをやるような性格ではないので、部長として気を張っていて疲れたりします。そういうのを考えると私生活や、同期と過ごしている時間は気を張らなくていいのでリラックスできた時間でした。

――同期に恵まれたということですか

この同期じゃなかったら、主将はやらなかったです。一個下の代は颯人(船水、スポ3=宮城・東北)だったり優作(安藤、社3=岐阜・中京)だったり慎平(スポ3=奈良・高田商)だったりすごくやんちゃで元気がいい代だと思います。けどもし僕に颯人のテニスの実力があったとしても、なかなかチームをうまくまとめることは出来ないです。そう思うと僕らの代は全員が真面目です。今の1〜4年生の中でも4年生が一番真面目な学年です。下からしたら面白くないとか静かだという印象を受けるかもしれないですけれど、4年生という代は誠実さが必要だと思うので、そういった同期たちにとても助けられました。

――最後にこれからチームを担う後輩へ一言お願いします

絶対今後も勝てると思います。主将も4年生も一人もレギュラーに出れない状態でもしっかりと勝てる頼もしい後輩なので、自分の代になったら力を存分に発揮できると期待しています。いくら船水もテニスが強いとはいえ、チーム作りの面では難しいところがあると思うので、困ったことがあるなら僕に聞いてくれたら嬉しいです。後輩のみんなは元気でやんちゃですけど、そこが一斉に同じ方向を向いたら、最強だし頼もしいと思います。

杉脇麻侑子女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)

――この4年間振り返っていかがですか

1年生の時はレギュラーで出させてもらっていましたが、勝つことよりも高校でやってきたことを出そうと思ったことが結果につながっていました。2年生では聖花とのペアを解散して、上原と組んだのですがうまくいかなかった時期がありました。レギュラーではなかったですが個人戦では勝ちたいという思いは強くて、上原(由佳、社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)を勝たせてあげたいと思ってやりきることができました。3年では永井キャプテン(里佳全女子主将、平29年スポ卒=東京・文化学園大杉並)への信頼が強くて、団体戦で3番に控えていても、心強くて思いっきりプレーすることができました。ことしに入って、主将という重みを意識しないでプレーをしていたつもりだったのですが、なぜか負けてしまうことが多く、インカレまで来てしまいました。

――きょうの試合では楽しそうにプレーされている

早関戦では絶対に競るということはわかっていました。今回3番勝負で回ってきた時も王座(全日本大学王座決定戦)の時みたいに絶対自分たちが必ず勝つから、2番も勝ってくれという気持ちで待っていたので前向きに試合に入れました。インカレで心残りなのが、負けたこともそうですけど、後半声をあまり出せていないことでした。なのできょう声を出して楽しんでプレーしました。

――4年生が一番苦しい時期でしたか

そうですね、それにとても早く感じました。もう一回インカレに戻りたいです。日体大戦もう一度最初からやり直したいです。

――逆に楽しかったことは

なんでもない毎日が楽しかったです。木村理沙(スポ4=徳島・脇町)さんがやはりネタになってくれるので、それをみんなでいじるのが楽しかったです。大会だと王座ですかね。王座で勝てたことは最高にうれしかったです。

――同期の4年生たちへメッセージはありますか

4年間団体戦に出れない子とか、去年出れたけどことしに入ってから出れなくなった子も多くいました。最後の一年間は、出てない子に対して申し訳ないって思うことが去年よりも強くなりました。試合に出てる分、他の子達が仕事をしてくれることが多かったので、そこの面では本当に感謝しています。

――最後にこれからチームを担う後輩へ一言お願いします

最初の試合が秋リーグ(関東学生秋季リーグ戦)になります。私たち4年生が出来る仕事はちゃんとやって、10人全員が試合に集中できるように全力でサポートしたいです。目標はインカレだけど、インカレまでにはたくさんの大会があるので、まずは一試合一試合目の前の大会に集中して頑張ってほしいです。

井山裕太郎主務(基理4=埼玉・松山)

――この4年間振り返っていかがですか

4年間とても早かったです。高地合宿まではチームの方針も決まらずまとまっていなかったので、すごく長く感じていたのですが、試合のシーズンが始まるとあっという間にインカレが始まりました。中学の頃からワセダ目指していて、高校もワセダの指定校推薦があり且つテニスが強いところを探しました。僕なりにワセダには努力して入学したので、後輩のおかげでもありますが、4年間インカレを全て優勝することができ、本当にいい経験をさせてもらいました。3年の後期から主務をやらせていただき、最初は不安が大きかったです。けれど主務をもしやっていなかったら、自分は全然変わらないままだったのではないかと感じています。主務をやることで本当にいろいろなことができるようになりました。周りをよく見るようになったし、OBさん方のありがたみも主務をやらなかったら分からない事でした。人間的に成長できたので早稲田に入ってよかったなと思います。

――4年間の1番の思い出はなんですか

そうですね、やはり4年のインカレですかね。6連覇というのは嬉しかったです。一瞬一瞬の思い出といえばインカレなんですけど、やはりそれ以外の過程の部分が僕の中で大きな財産になりました。

――やはり同期に恵まれましたか

きつく言ってしまうこともありましたが、なんだかんだみんなついてきてくれました。この同期じゃなかったらこの元気な後輩たちをまとめることはできなかったと思います。

――最後にこれからチームを担う後輩へ一言お願いします

早稲田大学はソフトテニスをやっているどこの大学からも目標とされる存在だと思います。テニスが強いだけじゃなくて人間的にも尊敬されるようなチームを目指してきましたが、まだ進化できると思います。インカレ6連覇していますし、レギュラーメンバーもこのまま変わらないので、普通にいけば勝てると思います。けどテニスだけではなくて人間的な部分などを意識して、ワセダの自覚を持って頑張ってほしいです。船水(颯人、スポ3=宮城・東北)と佐々木(一輝、人3=秋田・本荘)は楽じゃないと思うんですけど、応援してるので頑張ってください。

木村日奈女子主務(社4=群馬・高崎健康福祉大高崎)

――今4年間を振り返ってどのようなお気持ちがありますか

ありきたりですが、長いようで短かった4年間でした。でも今思い出してみると、1年生の時ははるか昔のことのように感じます(笑)。自分はテニスを大体14年ほどやってきたのですが、その中でも大半を占めるような大きく意味のある4年間だったと強く思います。自分の中で印象的だったのは、りりさん(安保利里那、平29スポ卒=岩手・盛岡女)とマネジャーペア(主務と副務)を組んだことと、レギュラーだった絵美菜(草野、教4=群馬・高崎健康福祉大高崎)とペアを組めたことですね。一つの決断であり、思い切りでした。自分にそうさせるきっかけをくれたのがこの2つだったので自分の中ではとても大きなことでした。

――主務としてチームをまとめてきましたが、同期にはどのような思いがありますか

私たちの代になる前から、全体としてワセダを引っ張ってきた学年でした。戦力で見ても人数で見てもチームの雰囲気をつくってきたと思います。その学年を自分たちの代で勝たせてあげることができなかったのが、主務としては申し訳ない気持ちがありますが、それでも最後までみんなは私のことをすごくマネジャーとして褒めてくれました。草野とペアを組むのを決めた時も、「日奈ならできるよ」と私が迷っていれば言ってくれましたし、一つ一つの主務としての仕事に対しても「やってくれてありがとう」と本当に大袈裟だと思うくらいに感謝してくれました(笑)。それには本当にありがとうの言葉しかありません。本当にみんなに救われたと思います。

――後輩たちに対してメッセージをお願いします

私たちの代は、戦力としても人数としても、キャラも濃いしすごい代であったなと客観的に思います。でもそんな先輩たちが達成できなかった日本一にさらに挑戦しなくてはいけないということで難しいと感じるだろうし、不安もあるとは思います。でも1〜3年生には後輩としてというよりは同じチームメートとして、日本一の後輩だと思っているので、自信を持って頑張ってもらえたらと思っています。

小西健人(商4=東京・早実)

――この4年間振り返っていかがですか

たくさんいろんなことがありました。試合に出た時もあれば出れない時もあって、悔しい思いもありましたが、出ている選手が必ず活躍してくれたのでそれがワセダに入ってよかったことだなと4年間を通して思いました。

――楽しい思い出などはありましたか

みんなと毎日テニスが出来たことも楽しかった思い出の一つですし、一個下の後輩たちとお酒を飲みに行って、部活の話とかプライベートの話をしたのも充実した楽しい時間でした。

――同期の4年生たちへの思いはありますか

仲いいんですけど、仕事仲間でもあり、友達でもありという感じでした。部活の時は各自それぞれの仕事をしてくれていい同期に恵まれたなと思っています。

――最後にこれからチームを担う後輩へ一言お願いします

テニスはすごい強いですけど、甘ちゃんというか、自分に甘い人たちも多いので大学3年生、4年生になるので自分に厳しく、自立してほしいです。次に会った時には大人になったなと思えるようになるといいなと思います。

林成美(教4=埼玉・春日部)

――この4年間振り返っていかがでしたか

自分はレギュラーではなかったし、練習についていくのも精一杯でした。辛い時もありましたが、先輩や同期のみんなに良くしてもらい、何とか続けてこれました。2年生くらいの時までは本当についていくのがやっとという感じでしたが、3年生になってからはチームという単位で色々考えるようになりました。チームの力になりたいという思いで特にことしは同期で話し合ったり、後輩に指摘をしたりなどして、プレー以外でチームに貢献しようとしていました。辛いこともありましたが、最後は良い気持ちで引退できました。後はワセダに入って印象的なことは毎年始めに新入生が入ってきて、前の年に引退した先輩などよりもさらに強い先輩が入ってきたりなどして、それが繰り返されることが衝撃的でワセダの強さだと思わされました。

――同期のみなさんにはどのようなお気持ちがありますか

仕事やプレーの面ではみんなに多く迷惑をかけてしまったのですが、本当に良くしてもらってみんなのおかげで途中でやめることなく4年間続けてこれました。本当に感謝です。

――これから中心になる後輩たちへのメッセージをお願いします

みんな本当にテニスが強いと思うのですが、3年生以下はまだチームのことを考えられていないところがあるのかなと思うので、チーム力という面でことしより良いチームになれるようにここから頑張っていってほしいです。

池谷佳寿也(教4=埼玉・春日部)

――軟式庭球部で過ごした時間を振り返っていかがでしたか

自分は2年生から軟式庭球部に入部しました。井山(裕太郎主務、基理4=埼玉・松山)とはずっと小学生からの知り合いで、その井山の活躍などを目にしていて自分もやってみようと思ったのがきっかけです。その2年間はこの特別な環境でテニスをして、小学生からのテニス人生の中でも密度がとても濃いものになりました。これからの自分の人生の中でも生かすことのできる、その2年間以上のものを、後輩たちそして先輩たちから頂けました。

――井山主務も含めた同期のみなさんにはどのようなお気持ちがありますか

正直同期たちの助けが無ければ自分は2年間続けることができなかったと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。

――後輩たちへのメッセージをお願いします

今の3年生が1年生の時に途中入部してきたので、やりにくさはその代にとってあったのではないかと思います。でも3年生たちがいなければ、こんなに楽しく引退することは出来なかったと思います。今の1年生2年生もテニスが上手でとても刺激を受けました。

神崎龍征(スポ4=三重)

――軟式庭球部での生活を振り返って

僕は諸事情で1年間休部していて、ことしの4月に復帰しました。その関係で同期のみんなには多く迷惑もかけたと思います。その分より一層、部に貢献しようと思って行動してきたので、僕のその行動は関係があるかはわかりませんが、最後にこの代でインカレも早関戦も優勝できて良かったです。

――軟式庭球部での生活を通して印象に残っていること、得たものなどは

得たものというか感じたものは社会の厳しさです。高校のときは、周りに誰か支えてくれる人が多くいたんですけど大学では自分の行動に対して耳に痛いことは言ってもらえないので自分自身で律したり行動を決めるしかなく高校の頃よりも大人になれたと思います。

――同期の皆さんへの思いを教えてください

僕が休部してから戻るまでに1年間は時間が過ぎていたので、今までの作ってきた部の雰囲気だとかが壊れてしまわないかが心配だったんですけど、戻ってきてからも一人一人が僕のことを気にかけてくれたりケアをしてくれました。特に主将の高倉、主務の井山には本当に迷惑を掛けたなと。感謝の気持ちが同期には大きいです。

――後輩への思いもお願いします

ずっと後輩に支えられてきたと言いますか、僕らの代だったけど、僕たちの代わりに後輩が戦ってきてくれました。その分実力的には今後も他大に優っていると思うんですけど1番上の代になると上から言ってくれる人がいなくなるので自分たちで厳しく隙のないチームを作って頑張ってほしいです。

澤崎俊之(人4=福井・武生)

――この4年間を振り返って今、どのようなお気持ちですか

とにかく人に恵まれた4年間でした。先輩、後輩、同期と人として優れた人ばかりでした。自分はテニスが上手い訳ではなかったですが、頑張れたのはひとえに周りの人のおかげです。最後のインカレでは後輩たちが出ていない自分たちのためにという気持ちで頑張ってくれて日本一を取ってくれたことも印象深いです。4年生の中でも試合に出ないなりにできることはないかということを常に話し合っていたので、コミュニケーションをうまく取れて、後輩にも上手く伝わったのではないかと思います。

――人に恵まれたということですが、同期のみなさんにはどのようなお気持ちがありますか

とにかくありがとうです。こんな僕とも一緒にテニスをしてくれて、感謝しかありません。

――これからワセダを担う後輩たちにメッセージがあればよろしくお願いします

上手な選手ばかりなので、なかなか両立は簡単なことではありませんが、人としても素晴らしい人になれるように頑張ってもらいたいです。特に安藤くん(優作、社3=岐阜・中京)のテニスが好きなので、たくさん活躍してもらえるように応援しています。

木村理沙(スポ4=徳島・脇町)

――今回の早関戦でチームが代替わりとなります。軟式庭球部での四年間を振り返って

思い返すと色々あるんですけど、ここまで来るの本当にあっという間でした。特にことしのインカレが終わってきょうのこの代替わりを迎えるまで、もうあと何日だというようにすごく早く時が過ぎて、もう終わってしまったという感じです。

――最後の団体戦である早関戦にはどういった思いがありますか

インカレで負けてしまったんですけど、気持ちをしっかりこの早関戦に切り替えて。4年生ですし、やっぱりこの代で最後の団体戦なので何としても勝ちたいと思っていました。平久保と団体戦で組むのも最後でしたが、特に話したことはないです(笑)。1番口数が少ないペアだったので、そこも最後だけどいつも通り(笑)。

――最後の団体戦の感想をお願いします

一本負けて回ってきたので楽に行く試合ではないと思っていました。最後の団体戦の勝利が自分たちにかかっているので、最初は力んでしまって取って取られての展開になってしまいました。でも1セットごとに気持ちをリセットしてしっかりと二人で強気で臨めたかなと思います。

――四年間を共に過ごしてきた同期にはどのような思いがありますか

自分たちの学年の約半分が選手で、いつも応援してくれている同期のみんなにはやっぱり絶対にきょうは結果を残して私たちの代を終えてあげたいと思いましたし、4年生全員で勝利して最後は終わりたいと思っていたのでそれが実現できてうれしいです。

――一言で表すとどのような代ですか

え、なんだろう(笑)。難しすぎるなあ。でも、個性が豊かであるのにみんながそれぞれのことを思い合っている代です!

――これからの軟式庭球部を担う後輩へのメッセージをお願いします

自分たちが9人もいたので、そこがごっそり抜けるのはチーム的にも大きな出来事だと思うんですけど、あまり気にし過ぎず自分たちの代の色を出していってほしいです。良い伝統は引き継ぎつつ、どんな形であれ、4年生のその代のらしさが出していければ良いと思うので頑張ってください。

草野絵美菜(教4=群馬・高崎健康福祉大高崎)

――4年間振り返っていかがでしたか

ひたすら濃かったです。同期のみんなのキャラクターが濃い分、私の4年間も濃いものになったと思います。印象に残っているのは、やはり2年生の時のインカレ団体戦です。今振り返っても壮絶な試合でしたし、思い入れも自分としてはとても強かったので。

――4年間の間で学んだことなどはありますか

私、成長しました(笑)。ワセダには本当に色々な人がいて、やはり高校とは環境が全く違いました。それぞれ違うテニスを習ってきた人が集まってやっているし、コーチもいない分、自分たちの意見をどんどん言ってつくっていくチームだからこそ「ああ、そういう意見もあるんだな」と新しく知らなかった価値観を知ることができました。最初は戸惑ってしまうことも多く自分に自信を持てなくなってしまうこともあったのですが、最終的にはしっかり自分で考えて正しいものを選ぶことができるようになりました。そういう意味で大人になれた4年間だったと今思います。

――同期のみなさんにはどのような思いがありますか

4年間本当に楽しく過ごさせてもらって、たくさん笑わせてくれてありがとうと言いたいです。

――対してこれからワセダの中核になる後輩たちに一言お願いします

私が残せるものはすべて残せたかなと思います。自分は後輩とはよく話す方だったので、インカレから早関戦までの間は一緒に練習した子に対してアドバイスなどを直接伝えてきました。あとは誰かに私のフィジカルキャラを受け継いでもらえればと(笑)。頑張ってほしいです。

佐々木聖花(スポ4=東京・文化学園大杉並)

――この4年間振り返っていかがですか

誰よりも一番団体戦に出てきたので、一番経験がある分負けた時の悔しさもコート上で一番味わってきて、思い出がすごく詰まった4年間でした。同期が多いので、密に話したりしてプライベートでも楽しかったし、練習でもメリハリをつけながら和気藹々としてて楽しかったです。

――辛い時期などはありましたか

2年生の時は奈央さん(小林、平28スポ卒=香川・尽誠学園)と組んでいて常にプレッシャーを感じていました。4年生の時も苦しかったですけど、違った苦しさが2年生の時はありました。

――きょうの試合では楽しそうにプレーされていました

インカレの緊張感とは違った緊張感でした。3番勝負で0−1でリードされて焦っていたのですが、麻侑子(杉脇女子主将、スポ4=東京・文化学園大杉並)「やるしかないよね」と話し合いました。最後は私たちのペアで締めくくれたらいいかなと思っていたので勝ててよかったです。

――同期の4年生たちへの思いはありますか

いっぱい衝突もしてきたのですが、試合に出たくても出れない子も半分以上いたし、ずっと応援で大変だった子もいました。衝突もたくさんしたけど、いっぱいサポートしてくれて感謝してるし、かけがえのない仲間になれたかなと思います。

――最後に後輩へメッセージをお願いします

自分たちはずっと試合に出ているメンバーが多くて、そこが一気に抜けてしまうのはプレッシャーだと思います。けれど新しいチームになる分、相手も新しいワセダだから去年よりはわからない部分が多くなるので、がむしゃらに向かっていって欲しいです。自分たちも応援するし、練習も行こうかなと思ってるので頑張ってください。

中村裕梨(教4年=東京・早大本庄)

――今回の早関戦でチームが代替わりとなります。軟式庭球部での四年間を振り返って

すごく強い選手が揃っているのがこの代で、最後インカレで自分と同期の二ペアを勝たせてあげたかったんですけど、勝たせてあげられなかったことがやっぱり悔しい印象として強く残っています。けれども、私たちの代の集大成であるこの早関戦で、四年生の二ペアが勝つことができて、チームも勝ったのでそれはすごく良かったです。

――軟式庭球部での四年間で得たものや成長した部分は

そうですね、4年生になってからはわたしはトレーナーをやらせてもらいました。1つ上の先輩が引退なさって、主務の木村に声をかけられて始めたので、経験もなかったので最初はすごく不安だったんですけど、チームのために何か自分が力になれたらとの思いでやってきました。そのトレーナー業を通して、今までの応援の立場だけでなく、より選手と近くなって様々な角度から物事を見られるようになったと思います。すごくいい経験になりました。

――トレーナー業をされてから軟式庭球部はどのように映りましたか

ワセダを背負って戦ってくれている子たちはやっぱり1年生から強いとか、長年組んできたペアだとかで相手から研究し尽くされてきて、4年生になってからはすごく苦しかっただろうし、なかなか自分たちのプレーができず辛かっただろうなと。トレーナーとして試合の合間にマッサージをしたり近くで二人が話し合っているのを聞いていた分、その苦しさは感じました。トレーナーという近くの立場から見ると、応援が本当に選手のためを思ってたくさん声を出しているのもわかったし、選手がみんなのことを背負っているからこそこんなに苦しんでいるという、お互いに思いあっていることが本当に伝わってきます。そこがワセダのいいところだと思いますし、自分自身にとっても良いきっかけとなりました。

――四年間を共に過ごしてきた同期にはどのような思いがありますか

私たちの代のメンバーはずっとワセダを引っ張ってきてくれた子たちなので日本一を経験させてくれてありがとうという気持ちと、やっぱり私たちの代は選手として戦ってきてた子が多いのでその中で同じくサポートをしていた二人は悔しい思いも沢山してきたと思うんですけど一緒に頑張ってきて本当に良かったと思っています。

――これからの軟式庭球部を担う下級生に対しての思いを教えてください

今の4年生がレギュラーも数も多いので、不安な部分とか周りに言われる部分もあると思うんですけど、後輩は気持ちを強く持っている子たちばかりだから、そんなプレッシャーとかも全て一回受け止めた上で自分たちのやりたいようにやりきってほしいです。特に小山・上原に関しては来年に向けて勝たせてあげたかったんですけど、この日の悔しさをエネルギーに変えて来年ぶつけてほしいなと思います。

永田ちなみ(スポ4=熊本工)

――この4年間振り返って

印象的だった試合は、2年の時のインカレ団体です。ずっとその当時のエースの小林さん(奈央、平28スポ卒=香川・尽誠学園)に憧れていました。本当にすごい技術を持った人でしたが、そんな人があそこまで追い込まれてしまうのがインカレだと驚きました。それを見ている時も、普段あまり打つタイプではない聖花(佐々木、スポ4=東京・文化学園大杉並)が思い切りスマッシュしたりしていて、安純(平久保、社4=和歌山信愛)とずっと手を繋いで泣きながら応援をしていました。個人としては、自分は高校の時はずっとレギュラーでエースとキャプテンを兼任していました。それでも結局この4年間で団体戦にレギュラーメンバーとして出場することはありませんでした。それが自分の中ではとても大きかったと思います。

――そのような中でどのような取り組みをされてきましたか

1年生の時からずっと練習後は残って自主練をしていました。もちろん自分の実力向上という目的はあったのですが、同時にチームの中で下からの底上げとして全体の原動力になれればいいなと思ってやってきました。

――同期の4年生たちへの思いはありますか

先輩からもよく言われていたのですが、自分は暴走してしまいがちなところがあります(笑)。でも「もし暴走しても、周りの同期がそれを止めてくれるから大丈夫だよ、好きなようにやっていいよ」とも言われました。そんな風にストッパーとして止めてくれてありがとう、という気持ちです(笑)。

――最後にこれからチームを担う後輩へ一言お願いします

後輩は良い子たちばかりで、本当に後輩とは思えないほど頼りがいがあります。なので、来年はインカレ優勝できるように頑張ってほしいです。

 

畑井香穂(文4=三重・木本)

――この4年間振り返って

私たちの代は1年生の頃から団体戦に出て、4年生のために頑張ってきた子が多くいました。だからこそ苦しいことも多かったと思うのですが、きょうの早関戦で1番の後輩ペアが負けてしまいましたけど、4年生の2ペアがしっかり勝ってくれて嬉しかったです。思い残すことはないです。

――1番心に残った思い出などありますか

何かの大会などではなく、所沢で同期とずっと過ごしてきたことや、1〜3年に付いてきてもらって、この場所で練習してきた時間が大切な思い出になりました。

――同期の4年生たちへのメッセージをお願いします

私は2年生から入部したのですが、同期が8人もいて、すごい環境だなと最初はびっくりしました。みんなとても優しくて途中入部の私を受け入れてくれてとても感謝してます。この同期だからやってこられました。ここまで私を受け入れてくれて、一緒に戦わせてくれて、日本一を目指させてくれてありがとう。最高でした。

――最後に後輩へ一言お願いします

1年生は二人しかいないけれど一生懸命仕事をしてくれていて、2年生も仕事を手伝ってくれました。3年生が一番人数の多い代になります。自分たちが抜けても、やることは理解していて一人一人頑張れる子たちなので、私たちの代が抜けることによってワセダが変わってしまうのではなく、自分たちの良さを生かして日本一を目指してほしいです。

平久保安純(スポ4=和歌山信愛女)

――今回の早関戦でチームが代替わりとなります。早関戦を振り返って

インカレで負けている分、しっかり最後は勝利で終わりたかったので勝てて良かったです!あまり緊張もせず、最後だし楽しんでやろうと考えていて、リラックスして自分たちのテニスができました。

――軟式庭球部での四年間を振り返って

そうですね、振り返ると長かったなと(笑)。色々な団体戦に出させていただいたんですけど、4年生になってからしんどさとか辛いという気持ちを感じました。毎年4年生って大変だとは分かっていたんですけど、やっぱり自分が4年生になってから本当の意味で実感したなって。ワセダは今まで競ってもなんだかんだ勝つというシーンが多くて、先輩方が戦うのを見てこんなに簡単に勝てるのかなとは思っていました。いざ自分たちの学年になると、本当にその苦しさが分かったといいますか、伝統のプレッシャーや重みがすごくてそこの部分に勝てなかったというのが強く残っています。

――四年間を共に過ごしてきた同期にはどのような思いがありますか

一人一人が目標が高いのが私達の代です。テニス面ではもちろんのことですが、私生活や考え方などにいたっても良い刺激をもらえました。本当に成長できるし、成長し合える関係だと思っています。

――これからの軟式庭球部を担う後輩へのメッセージをお願いします

結構4年生がメンバーだったので不安もあると思うんですけど、下の代は思い切りだとか勢いを強く出していけるチームだと思うのでその勢いを大事にしてこれからのことを乗り切って行ってほしいです。