【連載】インカレ直前特集『CHALLENGER』 第2回 木村理沙×平久保安純(7/31)

軟式庭球

 きょねんのインカレは万全の状態でない中、意地で相手に食らい付き勝利を奪取する最高のプレーを見せた木村理沙(スポ4=徳島・脇町)・平久保安純(社4=和歌山信愛)組。テニスでは真逆のタイプだという木村理・平久保組で迎えるインカレは2年目となり、ことしで最後だ。目の前に迫った最後のインカレにどのような思いを抱いているのかーー。

※この取材は7月22日に行われたものです。

「最後のインカレなので意地を見せれたらなと」(木村理)

チームの盛り上げ役木村理

――今シーズンを振り返りますが、まずは東京六大学リーグ戦についていかがですか

木村理 あの時は本当に調子が悪かったです。何をしてもだめな時期でどうしていいかわからなかったです。

平久保 私も春リーグ(関東学生春季リーグ戦)と全日本シングルス選手権が控えていたので、二人で練習する時間をあまり取れていませんでした。

――平久保選手は全日本シングルス選手権はどのような大会になりましたか

平久保 ずっと調子良くないまま大会を迎えてしまいました。結果は3位だったのですが、自分の中ではやり切った3位なので自分的には納得のいく大会になりました。

――春リーグでもシングルスで出られてましたが、団体戦と個人戦はやはり違うのですか

平久保 そうですね。特に1番が負けてきた時に回ってくるとプレッシャーをやはり感じます。シングルスだとやるのは自分一人だけなので。

――王座(全日本大学王座選手権)でも団体戦のシングルスで出場されました

平久保 2−0で勝てた試合だったのに私がシングルスで負けて3番に回してしまいました。1番もいい試合をしてくれただけに申し訳なかったです。

――最後涙を流されてたのが印象的でした

平久保 安心して涙が出ました。

木村理 あれはすごいよかったよね。

――木村選手は春リーグの団体戦に出場されましたが、団体戦で改めて感じたことはありますか

木村理 春リーグは1番に出たので、やはりチームに勢いを与えることが大切だと思いました。団体戦は流れを意識してプレーしました。

――様々な大会を経て、ついにインカレ(全日本大学対抗選手権)を迎えますが今の調子はいかがですか

木村理 いいのかな?悪いのかな?

平久保 知らないよ(笑)

木村理 でも東京六大学リーグの時よりは良くなってると思います。

――本当にその時はどん底って感じでしたか

木村理 大会の後は一週間くらい萎えました。

――そういう時ってどうするのですか

木村理 時が解決するのをひたすら待ちます(笑)

――平久保選手は今の調子はいかがですか

平久保 試合になってみないとどうなるかわからないですね。あんまり考えすぎずにインカレまで楽しく過ごせたらなって思ってます。

――インカレに向けて技術的に取り組んでいることはありますか

木村理 東一般(東日本選手権大会)で自分は球を打っていかないと調子が上がらないなって思いました。なので最近はいかに打点を高く、テンポよく早く打つかを意識して練習しています

平久保 私はいつも負けてる相手が球が早くて、先にどんどん攻められて、自分が返せなくなってしまうという流れが多かったので打たれた球に対して自分からしっかりと打ち返していくことに重点を置いて練習しています。あとは(木村理が)打って入ると言ってるので、相手の弱点を見極めれるように意識しています。

――話は逸れますが、お二人はダブル後衛でやっていますよね。相手を変えたら雁行陣を組むことも可能ですが、やはり二人の組み合わせがしっくりくるのですか

木村理 私と平久保のプレースタイルが真逆なのでそれがいい味出せてるのかなって思ってます。

平久保 きょねんのインカレは団体戦でこのペアでいい形で終われたので、今年もやればできると思ってます。ね?

木村理 そうだね(笑)

――仲の良さが伝わってきます

二人 全然そんなことないですよ。

「テニスに対しても、応援とかでもワセダはすごい誠実」(平久保)

最後のインカレに向け思いを語る木村理・平久保組

――きょねんのインカレでは4年生への思いが強かったと思いますが、ことしは最高学年としインカレを迎えます

木村理 4年生が主体のチームなので最後は暴れたいと思ってます。

平久保 上に頼る人がいないというのは大きいですが、4年生でレギュラーで出てる人が多いので盛り上げてやっていこうと思います。

――4年生が主体となって作り上げたチームはどんなチームだと思いますか

木村理 4年生の人数も多いのでそれぞれの役割分担がしっかりしています。まあ私は盛り上げ役ですよね。

――いつも円陣で声を出してるイメージがあります

木村理 あとは周りを見て指示出したりとかやってます。

平久保 4年生一人ひとりの思いは強いと思うので、その思いの強さを各自が発揮できれば最高のインカレになると思います。私の役割的には、結構団体戦に出てるので一つは背中で見せます。あとは盛り上げ役の付き人って感じですかね、、、

一同 付き人!?

平久保 アシスタント的な感じです(笑)

――きょねんのインカレでは怪我をしながらも奮闘する木村理選手が印象的でしたが、きょねんの収穫などはありますか

木村理 インカレとなると雰囲気も独特で、本当にコートに立って試合をするまでどうなるかわからない怖さがあります。最後の最後は気持ちでボールに食らい付いた方に軍配が上がるのだと強く思いました。ことしも簡単にいく試合はないと思うし、4年生で最後のインカレなので意地を見せれたらなと思います。

平久保 きょねん初めてインカレ団体戦に出ました。きょねんは1番に出て、後ろに控えてるペアたちがすごく頼り甲斐のある人たちばかりで自分たちものびのびと出来ました。ことしは何番に出るかはまだわからないですけどチーム的に頼れるポジションになりたいなとすごい思いました。

――レギュラーの中での唯一の後輩組である小山舞(スポ2=和歌山信愛)・上原由佳(社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)組について印象などを教えて欲しいです

木村理 小山は面白い、上原はお母さん。

平久保 お母さんと娘って感じ。上原の包容力がすごいですね。3年と2年のペアだけどお互いの信頼感がすごいあると思います。

――小山・上原組は今までのインタビューでも4年生の勝利に貢献したいと言っています

二人 嬉しいです。

――小山選手は高校の時に自分が負けたから平久保さんを勝たせてあげられなかったと気にしていて、だからこそ大学では優勝をあげたいと言っていました

平久保 永田(ちなみ、スポ4=熊本工業)いるじゃないですか、4年生に。高校の時にファイナル6−2でマッチとってたのにそこから逆転されて負けたんですよ。でも、あんまりそういうこと気にせずに、何も考えずのびのびプレーして欲しいですね。思い切ってやってくれたら勝っても負けてもいいです。

「チーム的に頼れるポジションになりたい」(平久保)

チームについて話す平久保

――インカレで強敵になるところはどこになるでしょうか

木村理 日体大、神戸松蔭女子大と明大ですかね

――強敵が多い中で、それでもワセダが勝てる強さってどこだと思いますか

木村理 軸がぶれないところです。周りに言われたことに対して揺らいだりせず、今までやってきたことをしっかりやり続けることだと思います。

平久保 テニスに対しても、応援とかでもワセダはすごい誠実にやるなと思っています。やはりそこが強みなのかなって。

――この一年、そういったチームを作り上げてきた主将である杉脇(麻侑子、スポ4=東京・文化学園大杉並)女子主将についていかがですか

木村理 麻侑子はすごい真面目です。細かいところまでチームを良くしようと努力しているのが伝わってきます。多分最初の頃はキャプテンということが彼女にとっては重荷になってたと思うんですけど、上から目線になってしまうんですけど、すごい成長したなって思ってます。

平久保 はじめはすごい不安がってたと思うんですよね。でも、みんなでやっぱりキャプテンは麻侑子がいいよねっていう話になったので、それから自信持ってやってくれるようになったのかなと思ってます。

――ことしのインカレは3連覇がかかっています。プレッシャーなどはいかがですか

木村理 私たちが1年生の時も3連覇がかかっていて、目の前で優勝を逃すのを見てきました。ことしの私たちも4年生になって3連覇がかかるという同じ状況です。あまり3連覇というのは考えたくないんですけど、やはりチラついてしまいます。なるべく考えないようにして頑張ります。

平久保 結構不安もあるんですけど、逆に3連覇ってワセダ史上初なので楽しみな部分もあります。負けたら4年生の所為なので、当たって砕けろで臨みたいです。もちろん勝ちにいきますけど、プレッシャーに負けるのもなんか嫌なので負けたら負けたでやり切って負けたいなと思います。

――インカレが迫るにつれて息が詰まることもあると思いますが気分転換にすることはありますか

木村理 一人カラオケです!2時間くらいいきます。声出すと発散されますね。平久保はあんまりカラオケ行かないよね?

平久保 行かないね。結構どこか買い物とかに出かけますね。逆に部屋に引きこもるかどっちかです。お金をパーっと使いたかったら出かけます。

――では最後にインカレ団体戦、個人戦への意気込みをお願いします

木村理 インカレ団体戦は最後の年でいろんな想いがあるので、絶対ここは譲れないっていう気持ちで優勝目指して頑張ります!個人戦はきょねん全体的にうまくいかなかったので、ことしはインカレで勝ちたいという思いもあるので上を目指します。

平久保 最後のインカレなので悔いの残らないように楽しんでやりたいです。個人戦はきょねんあんまりだったので、先のことは考えず、目の前の一試合一試合に集中して臨みます。シングルスは本当に体力勝負だと思うので燃え尽きるまで頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 栗林桜子、吉澤奈生)

二人の集大成のプレーに注目です!

◆木村理沙(きむら・りさ)(※写真左)

1995年(平7)8月1日生まれ。身長161センチ。徳島・脇町高出身。スポーツ科学部4年。チームの盛り上げ役だという木村選手。人一倍熱い思いのこもったプレーでコートを駆け回り、観客までも魅了します。チームの熱気を最高潮にさせる木村選手のプレーには注目です!

◆平久保安純(ひらくぼ・あすみ)(※写真右)

1995年(平7)8月8日生まれ。身長165センチ。和歌山信愛高出身。社会科学部4年。テニスではクールなイメージの強い平久保選手ですが、対談ではチームのことを笑顔で語り、熱い思いを伝えてくださいました。最後のインカレでは息の合った木村選手と躍動し、自らの力でワセダを勝利に導きます!