ことしの女子部を率いるのは永井里佳女子主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)だ。その永井とペアを組むのは上原由佳(社2=群馬・高崎健康福祉大高崎)だ。今後のワセダを背負っていく上原と、主将としてチームを1年引っ張ってきた永井はインカレという集大成の大会を直前に控えた今、何を思うのか。
※この取材は7月24日に行われたものです。
「応援してくれる人がたくさんいる」(上原)
昨年から精神的にも技術的にも大きく成長した上原
――昨年は前主将の小泉友梨恵(平28社卒=和歌山信愛)選手と組んでいましたが、自身が主将を務める上でこうあろうという主将像はありましたか
永井 はい、ありましたね。でも代替わりした3年の時も主将としての気持ちは持ってそれに沿うようにやっていましたが、やっぱり4年生になってみると違う気持ちがあって。4年生、とりわけ主将にはいろいろな思いがあったんだなと思いました。3年の時は主将はワセダを背負ってプレーしなきゃいけないとだけ思っていたのですが、4年になってからはチームに対してどうやって主将として姿を示していくかということや、どうやったらチームが勝てるかということにまで意識を回すようになりました。主将は3年の時に思い描いていたより、たくさん考えるべきことがありましたね。
――4年生3人が抜けた穴は決して小さくはなかったと思いますが、どのようにその穴を埋めようとしましたか
永井 前にインタビューで杉脇(麻侑子、スポ3=東京・文化学園大杉並)も言っていましたが、チームの雰囲気は1年前より良くなっているなというのは自分でも感じています。1個上の良かったところを引き継いで、改善すべきところは改善して、自分たちの代はこういう風にやっていこうというのを4年生の中で話し合いました。それがチームに良い影響を与えていると思うし、一致団結して試合に臨めているのではないかと感じます。
上原 昨年の4年生はみんな本当に強くて。特に小林奈央(平28スポ卒=香川・尽誠学園)さんは絶対エースで、奈央さんに回せば大丈夫と言われるような存在だったので、すごく頼りにしていました。でもことしも春リーグや東インカレなど苦しい状況の中で戦ってきて勝利してきたので、1人1人が自分が勝つんだ、という自覚がミーティングなど話し合いを通して出て来たのではないかと思いました。なので勝ちにこだわる気持ちが昨年よりは強いように感じます。
――ミーティングはどのように行われていますか
永井 実はいつもこうやってやるというのは決まっていないんです。たとえばランダムに何人かにグループを分けてそこの中で話し合ったことを、再び全員で集まってそこのグループの1人が代表としてそこで出た意見を発表します。それ以外だとレギュラーのAチーム、あとはBチーム、Cチームと分かれてチームごとに話し合って、そこで出た課題を全体で共有したりします。あとはスタンダードにみんなで丸くなって1人ずつ意見を言っていったりとかですね。
――お2人はことしからペアを組みましたが永井選手から上原選手への印象は
永井 上原は普段から練習に対する意識が誰よりも高いと私は思っていて、だからこそ昨年のインカレ個人でも優勝できたのだと思います。もともとインカレまでの個人戦ではそこまで良い成績を残していた訳ではなかったのですが、その時からもし自分の前に立ってくれたら安心してプレーできる前衛だなと思っていました。
上原 昨年は1年生ということで仕事などもあり、さらには慣れない環境でのプレーということで、これだけ周りに強い人もたくさんいるしいつも緊張していました。1球1球どうやって打てばいいかなど、周りにたくさんいる手本の方々を参考にして練習するようにはしていました。高校の時は正直そこまで強い人が周りにたくさんいる訳ではなかったので、今の環境は外で試合をするよりもたくさんテニスを学べる貴重な場です。
――上原選手から永井選手への印象は
上原 自分は昨年団体戦には出ていなかったのですが、永井主将は試合経験も豊富です。なのでまだまだ自分のプレーが荒くミスが出てしまう時に一緒に崩れないでしっかりと立て直してくれるので、安心して試合に臨めます。
――ことし団体戦に出場するようになって、ご自身で成長したと感じる部分はありますか
上原 昨年1度交代要員として出させてもらうことがあったのですが、その時は出れてラッキーだという気持ちが大きかったです。でもことしに入ってから団体戦にキャプテンとのペアで出るようになって、絶対に勝たなくてはいけないと思い緊張してしまう場面もありました。でも逆にそれはプレッシャーというよりは力になりました。応援してくれる人がたくさんいて、後ろではキャプテンの里佳さんがしっかりと戦ってくれていて、自分のプレーが出来るようになったと思います。
――春季リーグでは立大に破れ三つ巴の末の優勝となりました
永井 もしあそこの負けが無かったら、王座はどういう結果になっていたか分からないなと振り返ってみて思います。あの負けがあったからこそ、チームが一つになって再び気を引き締めて課題に取り組めたのではないかなと思います。だから春季リーグは自分たちにとって良いターニングポイントでした。
――続く王座では6連覇を達成しましたがその際のみなさんの「6連覇の懸かるプレッシャーを楽しめるのは自分たちだけ」という言葉が印象深いです
永井 どんな人でも王座やインカレなどの大きな大会では緊張すると思うし、私もみんなもそうなんですが、やはり考え方をたとえ無理やりにでも普段から意識して変えていくようにすることでいつも通りの自分たちのプレーが出来るのだと思います。
上原 いや、自分はめちゃくちゃ緊張はしてますね(笑)。
永井 試合前とか緊張し過ぎて1人で意味分からない動きとかするんですよ(笑)!
上原 試合前はすごく緊張するんですけど、コートに入ってみたら案外大丈夫で。団体戦が好きなのでいつも楽しいです。自分や里佳さんが決めたりすると、応援してくれる人がわって一緒にみんなで喜んでくれる一体感のようなものが好きなので、試合が始まってみれば大丈夫です。
永井 上原には下級生に見えないような存在感があるんですよね。一緒に組んでいても安心感がありますし、相手にとっても、私もインカレで当たったことがあるのですが、その存在感でやりづらさは感じましたね。しかもやっぱり要所での勝負強さがあると思います。
――チーム内で応援のことに関しては話し合ったりしますか
永井 いつも試合前にはプレーに関するミーティングとそれにプラスアルファで応援に関するミーティングをしています。きょうの応援はこういうふうにやっていこうというのを話し合って試合に全員で臨みます。
――精神的に緊張をほぐすためお2人がやっているルーティンのようなものはありますか
永井 私は特にないですね。気持ちはいつも作ってから試合に入るようにはしています。
上原 試合前にやることというのは特にないのですが、試合が始まって追い込まれた場面などでは自分に話しかけています。
永井 自己暗示みたいなやつ?
上原 そうですね。自分の場合焦っている時には呼吸が乱れていることが多いのでまずは深呼吸して、思っていることを口に出します。「あー、やばいやばい絶対やばい!けど大丈夫な気がする」とか「すごい緊張してる」とか(笑)。レシーブする前とか里佳さんには聞こえないところでやっているんですが、副審とかにはすごい聞こえちゃってると思うので少し恥ずかしいんですけど(笑)。口に出すことで冷静になれます。
――上原選手は昨年から技術面での成長を感じました
上原 昨年はあれもやらなきゃこれもやらなきゃと、やらなくてはいけないことがたくさんあったのですが、ことしは余裕が出てきてやりたいことが増えたと思います。それはやはりことしはナショナルチームにも入れさせてもらって、選択肢が増えたのかなと思います。
永井 やっぱり練習の意欲があると思います。校内試合などでも勝ち負け関係なく自分たちのテニスをしようとしているので、それが普段のプレーにも表れているのだと思います。
――女子部のみなさんが今の永井選手の率いるチームの雰囲気が良いとおっしゃいますが、後輩という視点から見て現在のチームはいかがですか
上原 里佳さんを始めとした4年生たちと、ことし入ってきた1年生と私たち2年生の下級生とではやはり歳も離れている分考え方も違うと思うんですね。やはり4年生は大人ですし。でも下は下で子どもながらに思っていることはあって、その意見を判断してきちんと取り入れてくれるのですごいなと感じます。自分が上になった時にそうやって下からの意見を受け止めて取り入れることができるのかな、と思ってしまいます。そんな良い環境にしてくれているので、私からしてもすごくありがたいなと感じます。
永井 やはりラストイヤーですし、勝ちたいという気持ちはとても強いです。奈央さんというエースが抜けてしまったのですが、抜けたからこそその状況で勝利するのは違った味わいがあるのかなとも思います。
――4年生からは1人の出場ですが主力を担う3年生へ伝えたいことはありますか
永井 この間の東インカレを見ていても、木村(理沙、スポ3=徳島・脇町)・平久保(安純、社3=和歌山信愛)組は何度か負けてしまっていて試合後に話を聞いたら、1番で勝って次に繋げたいという思いが強すぎて積極的になりきれなかったと言っていました。1番には後ろも控えているからそういうことはあまり気にしなくていいとその2人には伝えました。私自身は緊張した試合の方が好きなので、たとえ結果は負けても雰囲気良く負けて次に回せるよう、思い切ってテニスして欲しいと言いましたね。
女子部の団結力のカギ
二人の話からはチームへの愛が伝わってきた
――自分たちのペアはどのようなペアだと感じますか
永井 あー何だろう。面白いっていうか、変わってるペアかもしれないです(笑)。私が結構上原にズバズバ言うんですけど、案外上原も私にズバズバ言ってくるので、お互いにけなし合う感じです(笑)。私自身苦手意識も若干あり元々は後輩とあまり話すタイプではなかったのですが、主将になってからはそういうところを変えていかなくてはいけないと思い、ことしからはコミュニケーションを自分から進んですることによって、それがチームの雰囲気とか試合にも影響しているのかもしれません。
上原 コートの中と外ではみんなかなり違いますね(笑)。コートの中ではしっかりと強いワセダのオーラが出ているんですが中では…
2人 やばいと思う(笑)。
上原 みんな普通の女子大生だなあ、って(笑)。
永井 コートの中ではみんな真剣にテニスと向き合っているのですが、みんなコートから出てしまえば本当にオフですね。杉脇とかは天然なんで本当に次元を超えた意味不明な発言とかするんですよ(笑)!テニスに対しては本当にしっかりした考え持ってるのに…
上原 この間の東インカレの時とかも、部屋でみんなで月9とか見てキャー!!ってめちゃめちゃ盛り上がりましたよ(笑)!
永井 木村平久保に関しては2人で相撲取ったりしてるしね(笑)。あそこも私たちみたいにけなし合いのペアな気がします。佐々木はそういうのを外から見てて、たまに上原とかにズバッと突っ込む(笑)。上原も私たちに言われる時はそんなにめげないんですが…
上原 それはめげる(笑)。直球なんですよ本当に!
永井 昨年よりもコミュニケーションが取れているのでお互いにアドバイスが後輩の立場からでもしやすい雰囲気となっていると思うので、それが結構団体戦で活きているかなと思います。
――プレー面での各ペアの印象は
上原 たとえば早慶戦とか東インカレの初戦とか普通にやれば負けない実力差のある学校と戦う時に、私たちも含め先の2ペア(木村理・平久保組、永井・上原組)は割と0で勝ってこないでもたつくことがあります(笑)。でも杉脇佐々木はそういうところで隙を見せずしっかり0で勝ってくるので、そこが強さだなと思います。
永井 攻めも守りもできるペアです。木村平久保は安心して試合を見ていられるペアですね。ダブル後衛というのもあるのですが、2人ともミスが少ないし、木村は木村の攻め方のスタイルがあって、平久保は何でも出来るので安心して見ていられます。
上原 2人とも発想がすごく面白いです。技術があるからこそなんですけど、観客を湧かせるプレーができる力があると思います。杉脇佐々木は上手いな~って感じで、木村平久保は、えっそこに打つの?!ってプレーがよくあって、外から見ていても面白いんじゃないかなと思います。
永井 小山草野に関しては…小山は本当に普段から抜けてる(笑)。いや2人とも抜けてるか
(笑)。でもだからこそ何があってもあまり動じないペアだと思います。
上原 草野先輩も指示を出して自分でゲームを作りたい前衛だと思うので、小山と合っているかなと思います。でも小山も勝ちにこだわる気持ちはとても強くて、すごく負けず嫌いです。高校の同期だった子たちにも、負けたくないということはよく言ってますね。2人で1本が体現されたペアだなと思います。
――インカレ前の1日練ということで普段と違うメニューをするのですか
永井 王座終わってからけっこう変わった練習を取り入れたりとか、前衛と後衛に分かれて課題に対してどういう練習をするのかを考えてやっています。
――インカレ前ということで緊張感も高まっていますか
永井 一人一人緊張している部分もあると思うんですけど、緊張よりはやってやろうという気持ちが強いと思います。
――主将としてどのような声掛けをしていますか
永井 向かっていくという試合よりは自分たちのテニスをやりきるというのを徹底しています。ゲームの最初からギアを上げて自分たちで何をしたいかを決めてから入るようにしています。
――現在の女子部の雰囲気はいかがですか
永井 テニスの時はオンとオフの切り替えを徹底してやっていこうと決めていて。やはりそれがあるからテニスの時は、私はあまり厳しく言うタイプではないんですがそういうことも言わないといけないので気持ちを切り替えて厳しく言う、しっかり主将としての姿を見せるというのをやっています。練習が終わってテニスから離れる時にはチームでいろんな人と話したりだとか、悩んでいそうな子がいればその子に対してアドバイスしたり。オンオフの切り替えをしているのでテニスコートでの雰囲気もそれ以外での雰囲気も良くなっていると思います。
上原 同じで、オンとオフの切り替えができていますね。ワセダは4年生のチームなので、たとえばうまくいかないことがあると4年生が声を掛けてくれて、気負う必要ないから好きにやったらいいよって話してくれるます。きょねんも小泉キャプテンに、団体戦に出ていても気負う必要ないから、負けても私たちが勝つから好きにやったらいいと言われて。そういう雰囲気が代々あるのがワセダのすごいところだと思います。
――ミーティングで絆は深まりましたか
永井 はい、ミーティングをしている分テニスコートにおいての団結力は高いです。チームでミーティングの最後にこういう気持ちでやっていこうというのを私の口からまとめてそこから練習に入るのでそれ(団結力)は他の大学と比べても高いですし、なによりいい雰囲気です。
――永井さんの考えが共有されているのが感じられます
上原 4年生が先にミーティングして今回の試合はこういう風に戦っていこう、自分たちもそうやって戦うためにはどうしたら良いのかを個人個人でこういう風にしますと言ったりします。だから今回はこういう気持ちで臨みましたというのが一緒なのだと思います。
――上原選手は後輩が入ってきて心境に変化はありましたか
上原 自分は後輩にどうこう言うのが得意じゃなくて。自分のことで精一杯で周りを見るのが大変なので、アドバイスを言うのが大変だなと思います。下を指導するためにはもっと自分がしっかりしていないといけないなと思いました。その部分では下が入ってきてプラスになりましたね。でもまだまだ視野を広げていかないとと思う部分がありますね。
――1年生が3人で、仕事を2年生が手伝っているところをよく見ます
上原 大会で自分がでると同じ代の子がすごく手伝ってくれて。何かあったら同期が1年生に伝えてくれますし助かっています。自分の代で出ているのは私だけなので、すごく応援してくれるし助かっています。
――1年生3人の印象はいかがですか
上原 強いですね(笑)。
永井 強いし、印象としては花園(優帆、スポ1=東京・国本女)は、入学当時はまだ高校生という感じが強く自分をコントロールできていなくて、この子大丈夫かなと思ったんですけど。だんだん関わっていく内に1年生の中で一番しっかりしているなと思ってきて。仕事も3人の中で一番できるし、周りを見て動こうとしているし、そういうところが東一般とかでの勝利につながっていると思います。花園に関しては一番しっかりと思います。小山(舞、スポ1=和歌山信愛)はやはり3人の中では一番技術をもっていると思うので技術で引っ張っていくというか、テニスの面で1年生全員を引っ張っていますね。山本(沙奈、社1=和歌山信愛)に関しては一番性格が優しい子だと思うので、普段悩んでいる顔とかあまり見せないですね。周りを明るくしようというそういう思いが伝わってくるので、1年生の中でもそういう雰囲気を作れているし、良い影響をもたらしていると思います。入学当時はどうやっていくのかなと不安はあったんですけど徐々に3人それぞれの役割の良いところが出てきているので、チームの土台を作れているんじゃないかと思います。
上原 3人とも実績をもってワセダに来たので本当に上手だと思います。3人ともすごくユニークな発想をもっていて、これから上がどんどん抜けていくと自分たちの代が来た時に下に頼らないといけない時が必ず来るので、信頼関係を築いていきたいです。良いチームになるためには欠かせない3人なので、3人と自分たちの代はこれからですね。
――代替わりまでわずかですが同期の間で話し合うことはありますか
永井 プライベートではそんなに遊んだりはしないんですけど、テニスの時はなるべく一緒に活動したり、一緒にいてチームの話をミーティングだけでなく他愛もないところで、「こういう風なチームにしていきたいよね」とか「インカレは絶対こういう風にしていこう」とかさりげなく言ったりだとかそれで思いを共有しあっています。
――4年生として出場は一人ですが同期の思いを背負う感じですか
永井
4年一人だからというのもありますが、ワセダの自分たちの代で優勝したい気持ちも強いです。4年が一人だからこそチーム全員を勝たせたいという気持ちもありますし1・2・3年生に優勝の瞬間を味わわせたいという気持ちでやっています。
「インカレが今までの私たちの集大成」(永井)
永井がインカレに懸ける思いは人一倍だ
――続いてインカレについてです。インカレが迫ってますが現在の率直な気持ちを聞かせてください
永井 インカレが今までの私たちの集大成だと思っています。そこで引いたりこけたりしたら結局何も残らないと思うので、後悔しないようなインカレにしたいと思います。
上原 インカレまで時間がないようであってあるようでないので、残りの時間、インカレ当日になって後悔しないようにとりあえず何日か1日練習があってそこから向こうで事前合宿をしてインカレに入るんですけど、その時間を大事にしていきたいと思っています。
――一昨年敗退する瞬間に立ち会い昨年は優勝し、勝ち負け両方を知る立場としてインカレの舞台とはどのようなものですか
永井 東インカレ、関東リーグや王座では優勝しているんですけど、やっぱりインカレはそんなに簡単に勝てるものでもないし、今まで勝ってきてはいても負けてしまうかもしれないのがインカレです。自分自身でも気を抜かずにやろうとか向かっていこうという気持ちでやったりはしていて。他の試合で勝ってもインカレで負けてしまうことはあるというのも頭の中にあるので、少し不安な部分もあるんですけど、そういう不安な気持ちはインカレに絶対持って行かないようにという思いで練習に臨んでいます。
――インカレは気が抜けない舞台なのですね
永井 そうですね。絶対に隙を作らないようにしているし、それをチームに共有したいです。
――連覇のかかる中で重圧はありますか
永井 あんまり感じていないですし、感じちゃいけないと思っています。王座もそれ以外のリーグとかもずっと奈央さんが抜けたからプレッシャーがあるだろうとみんなから言われてたんですけど、自分の中ではプレッシャーは試合では感じないようにしようとしているのでインカレに対する重圧とかもあまり感じてはいないです。
上原 自分は昨年出ていないのであまり連覇とかは意識したことがないです。昨年は優勝したなという感じです。そんなに意識はしていないです。
――インカレは殲滅戦方式ですが独特の雰囲気がありますか
永井 インカレは他の大会とはやはり何か違うと思うので、インカレ独特の雰囲気はあると思います。
――会場全体がそういった雰囲気なのですか
永井 そうですね。だからこそ絶対ここの大学が勝つと思っても違う大学が勝ったりというのがあるのでワセダも気が抜けないですね。
――東インカレでは殲滅戦の実戦ができまませんでしたが不安はありますか
永井 逆に点取りより殲滅戦の方が気持ち的には楽なんじゃないかと。
上原 後がいるのでむしろ殲滅もいいかなと思うんですけど、逆に変に負けると後のペアに疲労がたまってしまうので勝てるところはしっかり勝ちきらないといけないと思います。
――上原選手は初めてのインカレ団体出場となりますが下級生1人となる可能性もあります
上原 チームだったら下級生という立場ですが、コートに立って相手の大学と戦う時には学年は関係ないと思っています。相手が4年生で最後の年に懸ける思いは相手も相手で強いと思うんですけど、でも自分も代表として出させてもらっているので。自分も4年生と同じくらいの気持ちでやっているつもりで、そこは気持ちを強くもってやってます。逆にワセダとしては一番下になる可能性もありますが、そうなった時にはしっかりと自分にしかできない何かがあると思うので、そういった役割をきちんと果たしていけたら良いと思います。
――チームの強みは何でしょうか
永井 団結力。
――手強いと感じる大学や選手はいますか
上原 どこがと思うことはないですね。
――個人戦は同士討ちの可能性もありますが意識するペアはいますか
永井 意識はしないですけど、やっぱり4年というのもあるので個人戦、同士討ちになると普段一緒にやっている分いろいろと考え過ぎてしまうことがありますね。他大とやる時は何も考えずにできるのですが。
上原 団体戦に出てないメンバーと戦う時がきたら、自分は出させてもらって一生懸命応援してもらった相手と戦うことになるので、もちろんそれ以外のレギュラーの人とやる時もそうなんですけど、自分のベストが出て相手のベストが出て、一番良い状態で戦えれば良いかなと思います。それが決勝でも準決勝でもエイト決めでも、どこで当たるかは分からないですけど、どこであたってもワセダ同士が試合していてワセダはこれだけ強いんだというのが見てる人にわかってもらえれば良いかなと思います。
――最後に、個人団体共にインカレの意気込みを
永井 団体に関してはもちろん優勝、二連覇という目標でやって主将としてはチームを良い雰囲気でもってくことです。個人戦は、ことしになって団体戦への気持ちがより高くなった分個人戦であまり緊張しなくなりました。それも良いことだと思うので、そういう気持ちの面も生かしつつ個人戦は私たちらしいテニスというのをしていけたらいいかなと思います。
上原 やはりこのチーム、この代で勝ちたいので団体はやはり優勝が目標、個人戦は二人で戦っていくしかないので、夏だし暑いのでどうなるかは分からないですけど、一戦一戦楽しくできたら良いと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 吉澤奈生、曽称真衣)
自分たちのプレーを貫くことを誓った
◆永井里佳(ながい・りか)(※写真右)
1994年(平6)12月21日生まれ。身長159センチ。東京・文化学園大杉並高出身。スポーツ科学部4年。女子部の選手たちが口を揃えて今のチームの雰囲気はとても良いとおっしゃるのは永井選手の1年間の努力の結果でしょう。チームのことを語る永井選手の様子からは、ワセダというチームを思う気持ちが伝わってきました!
◆上原由佳(うえはら・ゆか)(※写真左)
1996年(平8)10月5日生まれ。身長162センチ。群馬・高崎健康福祉大高崎高出身。社会科学部2年。先輩方からもとてもかわいがられているのがわかりました。永井選手との掛け合いも必見です!下級生ながらも一生懸命チームのことを考えている姿がとても印象的でした!