悪天候の中でも順当にベスト８進出！

　強い雨が降りしきる白子の地で、全日本大学対抗選手権（インカレ）の前哨戦である東日本学生大学対抗競技大会（東インカレ）が幕を開けた。インカレ同様、殲滅（せんめつ）戦形式で行われる予定が、急遽点取り式に変更になるが、自分たちのテニスを貫き通す。悪天候をものともせず男女共に２日目へと駒を進めた。

　東インカレで５連覇の懸かる女子部が対する初戦の相手は東海大。１番はダブル後衛の木村理沙（スポ３＝徳島・脇町）・平久保安純（社３＝和歌山信愛）組だ。サーブからリズムを作り、相手に攻撃の余地を与えない。相手のミスもあり、ゲームカウント５－１で先勝をあげた。続いて２番には永井里佳女子主将（スポ４＝東京・文化学園大杉並）・上原由佳（社２＝群馬・高崎健康福祉大高崎）組が登場。４年生からの唯一の出場となる永井は「残りの全ての試合を後悔が無いようにやり切りたい」との思いで試合に臨んだ。序盤から持ち球の突き刺さるようなシュートボールを相手コートに打ち込む。上原も落ち着いてコートの状況を把握し、緩急をつけたボールで要所を締める。最後まで攻めの姿勢を貫き白星をつけた。勝負の決まった状況で登場したのは、杉脇麻侑子（スポ３＝東京・文化学園大杉並）・佐々木聖花（スポ３＝東京・文化学園大杉並）組。悪天候の中でも杉脇の日本代表合宿を通してさらに磨かれたフットワークが光る。相手を０で振り切り、全勝でベスト８進出を果たした。

高い位置からシュートボールを打ち込む永井

　男子部の初戦は東北大戦。悪天候の不安を元気いっぱいの１年生ペア・内本隆文（スポ１＝大阪・上宮）・岩本修太（社１＝大阪・上宮）がふきとばした。慣れない環境でミスを連発する相手に対して、テンポのいい攻撃で一気に４ゲーム連取。差の開いた第５ゲームでは、ダブルフォワードなどの引き出しの多さを見せ、ワセダの初戦を勝利で飾った。続く２番は公式戦では久しぶりのペアリングとなる船水颯人（スポ２＝宮城・東北）・星野慎平（スポ２＝奈良・高田商）組が出陣。エンドラインぎりぎりを狙った船水のレシーブで相手の返球を崩すと、星野がハイボレーでとらえポイントを連取。２勝目を挙げた。ワセダの白星を締めくくるのは安藤優作（スポ２＝岐阜・中京）・松本倫旺（スポ１＝熊本・濟々黌）組。全日本大学王座決定戦では、台北市大に苦戦し、「後輩と組むのが初めてなので僕がもっと引っ張っていかなければ」と悔しさを覗かせた安藤優。その言葉の通り、今大会では一回り成長した先輩としての姿を披露した。高く浮いたボールは迷うことなくトップ打ちで前衛に打ち込む攻めのテニスを展開。松本も相手後衛のボールに好反応を見せ、ストレートコースをきっちりとふさいだ。最後はクロスへサイドラインいっぱいに打ち込むと相手の返球はコート外へ落下。土砂降りの雨の中、ワセダの歓声が響き渡った。３回戦の東洋大戦も２連勝を挙げると、天候の関係で３本目は中止に。圧倒的な力量を見せ付け、８強に名乗りを上げた。

大舞台で成果を上げた松本

　激しい雨風ゆえに、他校には自分のプレーができず苦しむ選手も垣間見えた１日目。しかしそのような中で、やはり王者ワセダは他とは一線を画していた。いかなる時でも自分たちのプレー、そしてワセダのテニスができるのは、どんな悪条件の下でも懸命にラケットを振り続けてきたことの証明だ。あすはその王者のプライドを持って、再び東日本頂点の座を手に入れてほしい。

（記事　吉澤奈生、三佐川唯　写真　吉田安祐香）