小林・佐々木組が3位に入賞!

軟式庭球

 3日目を迎えた皇后杯賜杯全日本選手権。前日にベスト8に残った選手たちが頂点を競った。早大からは木村理沙(スポ2=徳島・脇町)・平久保安純(社2=和歌山信愛)組、小林奈央(スポ4=香川・尽誠学園)・佐々木聖花(スポ2=東京・文大杉並)組の2組が出場した。両組ともそれぞれ準々決勝、準決勝で前主将の大槻麗(平27スポ卒=現ダンロップ)擁する小谷・大槻組と戦い、大槻のポーチボレーと小谷のカットサーブに苦戦し、惜しくも敗退した。

 強風が吹き荒れる中、準々決勝が行われた。平久保・木村理組はダンロップの小谷・大槻組と激突。落ち着いたプレイで1ゲームを先行するが、風の影響もあり2ゲーム目からはなかなか自分たちのテニスを展開することができない。その隙を見逃すことなく大槻が積極的にポーチに出て、ダブル後衛である木村理・平久保組を攻めたてた。平久保の多様な変化球で相手のミスを誘い、木村理の力強いストロークでコースをついて1ゲーム挽回するも、反撃はここまで。そこから勢いに乗ることができずに2-5で敗退。試合後、木村理は「力不足だった」と悔しさを滲ませた。

 

強豪を倒し、準々決勝に臨んだ平久保

 

 小林・佐々木組は準々決勝では順調な滑り出しを見せ、相手に3ポイントしか与えない勢いで4ゲームを一気に連取。しかし強風でミスが増え始め、相手に1ゲームを献上するとそこからリズムを崩しファイナルにもつれこむ。二日目の3戦のうち失ゲーム数が1という快進撃を見せた小林・佐々木組にとって、今大会で初めて暗雲が立ち込めた。
しかしファイナルではツイストで相手を前におびき寄せてから深いショットをストレートに打ち込む強気なプレイも見られ、勝利をおさめた。準決勝では木村理・平久保組を破った大槻・小谷組と激突。序盤からサウスポー・小谷から繰り出されるカットサーブのリターンに苦しむ。しかし小林が力強いストロークで粘りのラリーを繋げて、浮いて返ったボールを佐々木がポーチに出て落ち着いて決めるという形で点数を重ね、1ゲームをもぎ取る。次のゲームは落としたものの、相手のミスにも助けられそこから2ゲームを連取し、ゲームカウントを3-3とする。しかし相手も簡単には逃げ切らせてくれない。ショートクロスや前衛と後衛の間を抜く勢いのある大槻のボレーで着実に点数を重ね、反撃の余地を残さない。小林がストレートにショットを打ち込むが風にあおられ、わずかにサイドアウト。決勝進出を逃した瞬間だった。最後の皇后杯、「勝って終わりたかった」と振り返った小林は悔しそうに天を仰いだ。

悔しさに天を仰ぐ小林

 惜しくもどの組も優勝とはならず悔しさの残る結果となったが、年齢の垣根を越えて頂点を争ったこの大会でここまで戦えたという経験はこれからの選手たちの大きな糧となるだろう。先に控える世界選手権でもここで得た収穫を活かし、誇りを持って戦ってほしい。

(記事 吉澤奈緒、写真 三佐川唯)

3位入賞を果たした小林・佐々木組と船水・星野組

コメント

平久保安純(社2=和歌山信愛)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは負けてしまったんですが、相手にどうこうやられてしまったとかいうのではなくて、全力で楽しくできたのでそこはよかったです。

――相手は一代前の主将である大槻さんで、積極的にポーチに出てくる印象がありました

後衛の子も同期で、1度練習試合でやったことがあったのですが、やりにくいなと思っていました。

――サウスポーのカットサーブはどのような印象がありましたか

今日はやはり風が強かったので、ただでさえ返しにくいのに余計に返しづらかったですね。

――今おっしゃったように今日は風が強かったですが、何か対策などはされましたか

後衛がバンバン打ってくるので、攻められる前にこっちが先に攻めていこうとしていたんですが、それゆえのミスも多くなってしまいました。

――皇后杯を通しての収穫や課題はありましたか

ゲームポイントを取った時でも逃げきれないときがあったので、そういう時にどうやってゲームを取りきるかを意識したいです。

――これから控える世界選手権への意気込みを教えてください

私は世界選手権にはシングルスで出るんですけど、ダブルスとはまた違う点もいろいろありますが今回見つかった課題を修正して、しっかりと頑張っていきたいと思います。

木村理沙(スポ2=徳島・脇町)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは天気の面で風がとても強くて不利な状況だったんですけど、やっぱりそういう中でもしっかりと勝ちきれなきゃいけないので、力不足だったと思います。

――今回は準々決勝敗退ということですが、その結果についてはいかがですか

まだ来年など先があるので、先を意識してしっかりこれからやっていきたいです。

――準々決勝では一代前の主将である大槻さん擁するペアと当たりましたが、印象はいかがでしたか

練習試合で1度やったことがあって、その時は勝ったんですけど今回はその時とはだいぶ違った印象で、やりづらいなと感じました。

――大槻さんはポーチにかなり出てくる印象がありました

この風の中、自分たちもなかなかやりたいことができなかったので、ポーチに出られてしまったのかなと思います。

――相手のサーブに対する印象はいかがでしたか

とりあえず返すという感じになって、攻めきれなかったので崩されてしまいました。

――皇后杯を通しての課題や収穫などはありましたか

やっぱり自分のほうにボールが集まってくるので、ちゃんと処理できるようにしていきたいと思います。

佐々木聖花(スポ2=東京・文大杉並)

――準決勝敗退となりましたが、皇后杯終えての感想を教えてください

結果としては悔しいですけど、これからさらに頑張ろうと思えました。きょねんの皇后杯は全然成績を残せなくて、ここまできたのは初めてだったんですけど、やっぱりもっと上を目指せたらよかったなと思いました。

――準々決勝では先に4ゲーム取ってからファイナルに持ち込まれてしまいましたが振り返っていかがですか

それまでの試合で全然リードされることがなかったので、自分たちの試合運びができていなかったなあというのはありました。

――準決勝の相手は前主将の大槻さん擁するペアでどんどんポーチに出て攻めてくる印象がありました

結構やりづらかったんですけど、この風の中、自分たちもうまく攻めることができなかったかな、と思いました。

――相手のカットサーブの印象はいかがでしたか

確かにサーブはすごく取りづらかったんですけど、自分たちの立て直しがもっとできればよかったと思います。

――きょうはとても風が強いですが、何か心がけたことなどはありましたか

とりあえずサーブレシーブ、リターンまではきっちりとやろうと思ったんですけど、それすらもうまくできないことが多かったのて、自分のプレイができていなかったと思います。

――小林さんは競技人生最後の皇后杯となりましたが、どのような気持ちで一緒にプレイされましたか

苦しい時でも楽しく笑顔で頑張っていこうと思っていて、負けてしまったんですが楽しくはやれたと思いました。

――皇后杯で得た収穫や課題などはありましたか

もっと自分の中のコースや駆け引きの引き出しを増やしていけたらいいなと感じます。