関東学生春季リーグ戦を優勝で飾ると、翌週の全日本シングルス選手権ではルーキー・船水颯人(スポ1=宮城・東北)が圧巻の初優勝。シーズンが始まりはや三ヶ月。波に乗る男子部は、全日本大学王座決定戦(王座)に挑んだ。2日間にわたって行われた予選リーグを1位で通過した早大。決勝リーグで、3連覇を目指す。
予選リーグ第一試合の相手は中部地方代表・山口大。早大は序盤から攻め手を緩めず、付け入る隙を与えない。1番手の船水颯・星野慎平(スポ1=奈良・高田商)組は、船水颯の鋭いクロスが相手の勢いを止め、4-0で流れを呼び込む。2番手で登場した船水雄太主将(スポ4=宮城・東北)・九島一馬(スポ4=宮城・東北)組は、ダブル前衛を敷くなど、様々な戦術を見せる。九島の的確なボレーに、船水雄のパッシングがさえた。さらに層の厚さを見せつけたのは主戦・安藤圭祐(スポ3=愛知・中京)をケガで欠き、ペアが入れ替わった4番手と5番手。王座では初となるレギュラーをつかんだ井山裕太郎(基理2=埼玉・松山)が闘志溢れるプレーで士気を高め、安定感の増した加藤顕成(スポ3=広島翔洋)も、ペアの1年生を強気なポーチボレーで盛り上げた。全組が4-0のストレート勝ち。上々の滑り出しとなった。
ボールに飛びつく井山
予選リーグ2試合目は福岡大と対戦した。1番手で登場した船水颯・星野組は4-2で勝利し、船水雄・九島組につなぐ。息の合ったプレーで終始、主導権を握ったまま、ストレートで相手を振り切った。3番手の名取敬恩(スポ3=秋田・大館鳳鳴)は立ち上がりに苦しむも、次第に持ち前の多彩なショットが冴え始めペースをつかむ。第5ゲームから一気に突き放し、試合を決めた。ここで決勝トーナメント出場が確定。最終戦の安藤優作(社1=岐阜・中京)・加藤組は敗れたものの、トータルスコアでは4-1で快勝。敗戦を喫した加藤も「これもいい経験。また明日頑張る」と目に映るのは決勝の舞台だ。
カットサーブで相手を崩す九島
出場した選手はレベルの高いテニスを披露し力の差を見せつけた。予選リーグ突破は王座優勝への通過点に過ぎない。3連覇に向け目の前の一勝を全力で奪いにいく。
(記事 和泉智也、井口裕太 写真 和泉智也)
コメント
加藤顕成(スポ3=広島翔陽)
――3連覇がかかる試合ですが、意気込みは
きょねんも僕出してもらって、1年生の時は応援の立場だったんですけど、そういった面では3年目に入って、来年も出してもらえるかわからない大会なので、台北とか韓国もきている国際試合でもあるのでやはり3連覇というのはチームとしても勝ちたいです。
――チームとしては何か話し合っていますか
そうですね、各ブロックで上がってくるだろうなというところが負けていたりして、いろいろな学校が上がってきているので油断だけはしないようにという話がキャプテンからありました。
――予選リーグ全体を振り返っていかがですか
1試合目の山口大学は全員が4-0というかたちでいいスタートが切れたのですが、2試合目は僕たちがきょう負けてしまって、きょねんも予選1回負けた上での決勝トーナメントだったんですけど、ことしはみんな状態がいいと思うので、僕自身も気持ちをしっかり切りかえて優勝したいです
――安藤選手とのペアはいかがですか
そうですね、1年生なんですけどすごい頼りがいがあって、あと彼も高校のときから日本代表とかに選ばれてて経験豊富なので。突然組むってことになったんですけど、二人でしっかり話し合って上手くやれたと思います。
――安藤圭選手がケガしてしまったのですか
そうなんです、もしかしたら明日出るかもなんですけど、いまはちょっとということだったので。きゅうきょ、ペアを替えて。本当は僕、松岡さんとペアの予定だったんです。
――プレーの面で話し合ったことは
しっかり練習してきたことをやらなくては意味もないので、二人でコースを深いところ狙いに行くということもあれば前衛に持っていくこともあるし、僕が動けるように展開をつくってもらうというのを話し合って、結果的に上手く行かなかったんですけど(笑)。これもいい経験で、また明日頑張ります。
――試合内容は振り返っていかがですか
そうですね、僕自身は終始自分たちのミスでやられてしまったと思っています。いつもだったら負けてへこむとかもあるんですけど、みんなが勝ってくれたのでそんなにへこみもせずに。それが団体戦でいい所だと思うんですけど、あしたはみんなに恩返しできるように、きょうのことはまた忘れて、引きずっても仕方ないので、頑張りたいです。
――試合中加藤さんが安藤さんに話しかけている場面が見られました
そうですね、僕も3年生なので先輩として引っ張るとともに、ミスがあったので「ミスしても気にするなよ」という声掛けはしていました。
――インドアならではの難しさというのは
ボールの跳ね方が全然違って、ライトもあってボールが被って見えなくなるというのもあるので、試合がすごく長くなるんですよ。なのでミスをしないように展開を作って。やっぱり、前衛の決定力と後衛のミスをせずにどれだけつながられるかがインドアでは必勝法になってくると思います。
p>――最後にあすの意気込みをお願いします
あしたも無我夢中で3連覇目指して頑張りたいです!
井山裕太郎(基理2=埼玉・松山)
――試合全体を振り返ってみていかがですか
当初の予定だと僕は出る予定がなくて、レギュラーの選手で一人ケガ人が出てしまい、それで急きょ出ました。みんなの期待もそれほど高くないと思っていたので、自分のできることだけやろうと思って声だけ出してやっていたら、結果的にうまくいくプレーが多かったという感じですね。
――試合前緊張はされていましたか
緊張はすごくしていました。だからこそ、声を出してがむしゃらにやっていこうと思いました。
――要所でボレーに出るなど思いっきりのあるプレーが光っていましたね
守っていたら自分はそんなにうまくないので勝てないと思ったので、常に攻める気持ちでやった結果うまくいきました。
――きょうの試合の勝因はどこにあったのでしょうか
攻める気持ちが最後まで続いたことだと思っています。
――ペアとしてのコンビネーションはいかがでしたか
(ペアは)4年生の先輩でしたが、後ろで落ち着いたプレーで引っ張ってくれていたのでだいぶ気持ち的にも助かりました。プレーもしやすかったです。
――インドアならではの難しさは何か感じていますか
インドアだと(ボールの)弾み方が外と全然違うので、そこが難しかったです。選手変更もおととし言われたので、練習したのもおとといが初めてでサーフェス(コートの材質)合わせるのがいまでも苦労しています。前衛も後衛もレシーブがあるので、幸い前衛だったのでストロークを打つ場面がレシーブだけだったので助かりました。
――きのうから何か修正した点はありますか
気持ちだけ前にいってしまい、相手の動きを見ずに自分勝手に動いてしまうプレーが多かったので、きょうは少し落ち着いてやろうと意識していました。
――あしたは厳しい戦いとなりますが、ポイントとなる点を教えてください
技術だけでは僕は勝てないので、気持ちなどそういった部分で勝てるようにしたいです。