インカレ3連覇へ、新シーズン開幕!

軟式庭球

 シーズンの口火を切る第124回東京六大学リーグ戦(六大学リーグ戦)が4月19日、26日に、早大所沢テニスコートで行われた。男子部は、高月拓磨主将(スポ4=香川・尽誠学園)をはじめ、主力選手がアジア競技大会日本代表予選会で不在という状況のなかでも、実力の差を見せつけ他大を圧倒する。一方、こちらも多くの主力を欠いた女子部は優勝を逃し、悔しい結果となった。

 19日に四大学に勝利した男子部。26日は六月に行われる春季早慶戦の前哨戦となる慶大戦が行われた。きょねんの全日本対抗選手権大会(インカレ)優勝に貢献したメンバー全員が不在というなかでも、1番手から流れをつかむ。ここで、キレのある動きを見せたのが二年生の吉川純平(スポ2=徳島・脇町)だ。先週とペアは異なったものの、相手のショットに鋭く反応。相手に攻め込まれる場面もあったが、前衛として積極的にコートを駆け回り、良いリズムを生み出した。全試合に出場したメンバーで唯一の全勝優勝に、「絶対に勝ちたいという気持ちがあった」と、充実した表情を見せた。

好調をキープする吉川(手前)

 

 そして、今大会で一番の収穫ともいえるのが一年生の台頭である。高校時代から全国レベルで活躍してきた神崎龍征(スポ1=三重)・小西健人(スポ1=東京・早実)組が2番手で登場した。先週、「緊張してしまった」(小西健)という反省から、序盤から声を出し、相手に果敢に挑んでいく。神崎が鍛え上げられた体幹を軸に、力強いフォアハンドをコーナーに打ち分けると、小西健も自らの対角線上へボールを落とすボレーがさく裂。5-1で慶大を退け、次世代のエースと目される二人が見事な試合運びを披露した。しかし、チームとして基礎的なファーストサーブの確率の低さや、チャンスボールを仕留めきれないシーンも目立った。次戦となる関東学生春季リーグ戦に向けて、改善が待たれる。

息の合ったプレーを見せた神崎・小西健(左)組

 選手の意識はすでにインカレに向いている。神崎が「主力がいないからこそチャンス」と話したように、厳しい部内競争を勝ち抜いた選手で戦うのが早大のスタイル。そのなかで、若い力が伸びてくればチームの雰囲気も一気に締まる。挑戦者として、ことしも一戦一戦成長していく。

(記事 和泉智也、写真 山口智子)

結果

▽男子部

早大○4-3 明大

吉田・吉川 ○5-2 寺下・伊藤
神崎・小西健 ○5-3 長嶋・川平
名取・武富 ●3-5 坪井・宇野
小栗・加藤○ 5-4 白井・垣崎
木吉・松岡 ○5-3 吉田・寺尾
住吉・眞鍋● 0-5 桑原・産屋敷
山田・安永 ●2-5 徳永・佐々木

早大○7-0 東大

吉田・吉川 ○5-0 瀬尾・渡部

神崎・小西健 ○5-0 兵藤・金丸

名取・武富 ○5-1 吉松・井上

小栗・加藤 ○5-1 本多・酒井

木吉・松岡○ 5-0 宅見・下村

太田・佐藤○ 5-0 三枝・塩川

山田・安永○ 5-0 武富・鈴木

早大○5-2 法大

吉田・吉川○ 5-3 坂本・佐藤

神崎・小西健 ○5-4 溝井・上田

名取・武富 ●3-5 鯨井・前田

小栗・加藤 ○5-2 佐藤・重松

木吉・松岡 ○5-2 福嶋・濱咲

太田・佐藤● 0-5 高崎・長島

山田・安永○ 5-3 相山・望月

早大○4-3 立教大

吉田・吉川 ○5-0 平野・小野

神崎・小西健 ●4-5 荒井・安藤

名取・武富 ○5-2 高橋・田中

小栗・加藤 ●4-5 古川・川俣

木吉・松岡 ○5-1 山田・小野

小西晶・佐藤 ○5-2 高島・松浦

山田・安永 ●2-5 及川・篠田

早大○4-3 慶大

小西晶・吉川 ○5-4 白石・竹田

神崎・小西健 ○5-1 斎藤・高柳

三宅・武富● 4-5 相川・赤坂

山田・加藤○ 5-2 川崎・浜高

木吉・松岡 ●4-5 山田・武井

住吉・安永 ●1-5 芳村・芳賀

太田・井山○ 5-0 青山・松野

▽女子部

早大● 1-2 明治大学

杉脇・佐々木 ●3-5 土田・吉村

小林・草野 ●1-5 斎藤・井本

永井・大槻 ○5-3 望月・田島

早大 ○2-0 法大

加瀬・脇田○ 5-0 小島・本間

永井・大槻○ 5-0 菅澤・中瀬

早大○ 3-0 立教大

永井・大槻 ○5-3 中山・竹武

小林・小泉 ○5-1 上野・田野倉

杉脇・佐々木○ 5-1 加藤・高坂

早大○ 3-0 慶大

永井・大槻 ○5-1 増子・熊林

加瀬・脇田 ○5-2 山本・船津

杉脇・佐々木○ 5-1 千野・吉見

コメント

吉川純平(スポ2=徳島・脇町)

――全勝優勝することができましたがお気持ちは

この大会はこれまでずっとワセダが優勝してきて、それに自分も出られるということで、絶対優勝したいっていう気持ちがあったのですごく嬉しいです。

――どういった練習に取り組んできましたか

自分の仕事をきっちりやるということを目標にして、サーブやレシーブなど基本的なことを意識してやってきました。

――主力がいない中での試合となりましたが

練習の雰囲気もよかったし、盛り上がってモチベーション高くできていたと思います。

――今シーズンのチームの状況はいかがですか

これからのリーグ戦に向けて、モチベーションを上げていかなければならなくて、今は上がっていると思うのでとてもいい雰囲気だと思います。

――今シーズンの意気込みをお願いします

昨年度よりいい成績を残せるよう頑張りたいと思います。

小西健人(スポ1=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

先週も団体戦があって、きょうは残りの一試合でした。先週は緊張してしまったが、今週は序盤から声を出していい緊張感でプレーできました。

――高校から大学へ進学し、変わったことはありますか

練習量が多いです。また、部の雰囲気が練習中とそれ以外の部分との切り替えがしっかりしている点など、本当に日本一のチームだなと感じています。

――本日のプレーで意識した点はありますか

先週は無駄な動きが多くミスしてしまったので、なるべく無駄な動きをしないでスムーズに勝てるようにしました。

――チームの雰囲気はいかがですか

インカレに向けて、個々の状態やチームの状況がこれからシーズンに入っていくなかで、すごくいい状態だと思います。

――今シーズンの目標は

インカレの個人戦に出て、結果を出すことと、団体優勝に向けて貢献できるようにしたいです。

神崎龍征(スポ1=三重)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

一年なので、勝ち負けにこだわるのですが、元気を出して、次につなげられるようなプレーをしたいと思っていました。

――一年生ペアとなりましたが、コミュニケーションはとれていましたか

先週も同じペアで組んでいたので、息は合っていたと思います。

――高校から大学へ進学し、変わったことはありますか

今回は7ペアで行う大会だったので、チーム力がより重要になってくるなと思います。

――主力がいないなかで、どのようなことを意識してプレーしましたか

いないからこそ逆にチャンスだと思って、自分のレベルを上げていきたいと思っています。

――先週からなにか改善した点はありますか

一週間空いていたので、その間に自分なりのテニスの仕方を取り戻すことができたので、それが大きかったです。

――ことしの目標は

ことしはとにかくインカレ出場が目標です。