関東大学女子リーグ戦 前期第11節
2026年6月13日(土)16:00 Kickoff
@早大東伏見グラウンド
試合結果
| チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 早大 | 2 | 1 | 3 |
| 慶大 | 0 | 1 | 1 |
得点者
前半
28分 小島世里
40分 﨑岡由真
後半
25分 新井みゆき
45分 野村亜未(相手)
関東大学女子リーグ戦(関カレ)は前期第11節、シーズン前半戦の佳境を迎えた。ア式蹴球部女子(ア女)が相まみえたのは宿敵・慶大。前節終了時点で4位のア女に対し、慶大は11位と対照的な順位に位置しているが、早慶戦の舞台となれば関係ない。互いのプライドがぶつかりあった熱戦は、ア女の本拠地・東伏見で繰り広げられた。5年ぶりとなった関カレでの早慶戦で、先制点を奪ったのはホームチームだった。28分にMF小島世里(スポ2=東京・十文字)が自らボールを奪って、シュートを決め、試合を動かす。前半のうちに追加点を挙げたア女は、後半にもさらなる得点を生み出し、3点差に広げる。試合終了間際に相手チームの猛攻から失点するも、リードを守り切り、関カレ3連勝を飾った。

キックオフ時から積極的な攻撃姿勢を見せるア女は、開始5分で複数のCKを獲得。その中でシュートシーンに持ち込むこともでき、良い立ち上がりとなった。しかしその後は相手の攻撃に対応し、守備に徹する時間も続く。そんな悪い流れを断ち切ったのは、MF米村歩夏(スポ3=宮城・聖和学園)のロングパスだった。中盤から正確なフィードで右サイドのFW三宅万尋(スポ3=東京・十文字)に通すと、そこからトップの千葉にグラウンダーのパスでつなぐ。千葉はダイレクトでシュートを放ったが、惜しくも枠の右へそれた。良い流れで状況の打開を図ったア女。飲水タイムを挟んだ後、ついに試合が動く。28分、ボールを保持していた慶大DFが体を後ろに向けた一瞬の隙を、小島が見逃さずに奪取。迷わずドリブルで前進し、左足を振り抜く。ゴールネットを揺らし、ア女に待望の先制点をもたらした。その勢いのまま、40分に追加点が生まれる。その起点は先制点と同じく小島のボール奪取からであった。アタッキングサードで奪った小島は得意のドリブルからFW﨑岡由真副将(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)へパス。相手守備陣のプレッシャーからシュートは打てなかったものの、三宅にボールを一度託す。そしてサイドからクロスが上がり、﨑岡が再び反応。完璧なヘディングで合わせたボールはゴールに吸い込まれていった。相手チームの攻撃を防ぎながら、2点を取ったア女がリードの展開で前半を折り返した。

迎えた後半、ア女はさらにギアを上げる。安定した守備を披露する最終ラインを起点に、猛攻で敵陣を支配する。しかしなかなかゴールをこじ開けることができない中、流れを変えるためにベンチが動く。この交代策が見事に的中した。70分、緻密な連携で短いパスを選手間でテンポよくつなぎ、ボールは途中出場で前線のMF川本美羽(社4=新潟・帝京長岡)へ。その後、サポートとして敵陣のボックス付近まで上がったDF新井みゆき(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)にパスが供給されると、シュートコースを見定めて、右足を振り抜いた。相手GKの手が届かないゴールの右下隅に突き刺し、チームに3点目をもたらした。その後も貪欲に千葉や川本が4点目を狙い続けたが、得点とはならず。そして試合終盤に流れが一転。1点でも欲しい慶大が攻勢を強めて、ア女は防戦一方の展開となる。90分にはCKから失点してしまい、詰めの甘さが露呈したものの、それ以上の追撃をチーム一体となって防ぎ切った。多くの観客が詰めかけた東伏見で、「集中応援」として行われた早慶戦を制し、ア女は価値ある勝ち点3を手にした。

絶対に負けられない一戦で勝利を収めたア女。試合終了間際の失点は課題であるが、複数得点で関カレの今季7勝目をつかんだ。今節をもって、関カレの前期日程が終了。首位・山梨学院大とは勝ち点差「5」の4位という位置で後期へと折り返す。また、ここまでの11試合でわずか8失点に抑える守備陣の活躍はポジティブな成果だ。関カレで2番目に少ないこの堅守ぶりは、今後の自信になるだろう。ここまで積み上げてきた結果を背負い、目標の全日本大学女子選手権(インカレ)優勝へ向けて、ア女の道のりは続いていく。
(記事 堤健翔 写真 髙橋彗人、西本和宏)
※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません
早大出場メンバー
GK21福田真央(スポ1=JFAアカデミー福島)
DF2新井みゆき(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF3杉山遥菜副将(スポ4=東京・十文字)
DF4佐溝愛唯(社3=大阪・大商学園)
→68分、MF28牧野生成(社1=大阪・大商学園)
DF30尾辻夏奈(スポ1=静岡・藤枝順心)
MF7米村歩夏(スポ3=宮城・聖和学園)
MF19福島茉莉花(スポ2=東京・十文字)
→68分、MF6川本美羽(社4=新潟・帝京長岡)
MF22小島世里(スポ2=東京・十文字)
→90分、MF13福岡結(スポ3=岡山・作陽学園)
FW9千葉梨々花主将(C)(スポ4=東京・十文字)
→80分、DF23小林睦(スポ2=神奈川・湘南ベルマーレU18ガールズ)
FW10﨑岡由真副将(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→90分、DF17今野杏凪(スポ2=宮城・聖和学園)
FW11三宅万尋(スポ3=東京・十文字)
試合後インタビュー
野田明弘監督(平23スポ卒=サンフレッチェ広島ユース)
ーー試合前日のインタビューで「やるべきことはすべてやった」と話されていました。試合内容には、その成果は出ていましたか
そうですね。何のために準備してたかというと、勝利のためだったと思うので、しっかり勝ち点3を取れたことは良かったと思います。また、攻撃のところもしっかり複数得点取れたということ、特に3点目のところは個の得点ではなく、チームとして3人4人が関わりながら崩していくというところを体現できたので、良かったと思います。ただ、質の部分だったり、もう少し決定機をつくり出して、さらに追加点を(取る)というところは目指していかないといけないなと思います。守備に関しては、最後のセットプレーの失点は必要なかったということ、あと慶大さんは監督が長い時間をかけながらチームをつくっているので、しっかり3-4-3で丁寧にボールを動かしてくるところは準備してきましたけど、中のところでなかなか取りどころができなかったり、意図的にボールを奪ってというかたちの回数は少なかったかなと思います。そこは戦術的なところが問題なのか、選手のコミュニケーションだったり、サッカー理解のところで解決できるのかというところはしっかり振り返りをしていきたいなと思います。
ーー今節をもって、関カレ前期が終了しました。この期間、11試合を振り返っていかがですか
就任1年目で、選手と前向きに11試合取り組むことができて、しっかり勝ち点22を積めたところは携わってもらったスタッフ、選手に感謝しないといけないなと思っています。ただ、自分たちの目標はリーグ戦優勝で、そこを踏まえてインカレ優勝を掲げてるということを考えると、勝ち点50は必要になってくるかなと考えています。国士舘大戦の引き分け以外は、上位3チーム(山梨学院大、東洋大、日大の3校)に試合の結果として負けていることが今の現状だと思います。上位陣にしっかり勝ち切ることができるかというところと、また他チームさんも前期から後期で成長してくると思うので、今まで勝てていた相手に対しても勝ち点を積み上げられるかというサッカーの部分とチームの総合的な部分というところが後期は問われると思うので、そこをしっかり意識しながら取り組んでいけたらいいかなと思います。
ーー後期開幕節となる次節への意気込みをお願いします
まずは3連勝の勢いをしっかり4連勝というかたちに持っていきたい。ただ、日体大さんも前期0-3で負けてというところと、試合数を多くこなして、個人的にも組織的にも素晴らしいチームで、より成長している状況の中での対戦になると思います。なので、しっかり気を引き締めて臨むことができると思います。しっかり自分たちの試合を振り返って分析して、最善を尽くして臨めればいいかなと思います。
FW千葉梨々花主将(スポ4=東京・十文字)
ーー試合を振り返っていかがですか
早慶戦は、お互いのプライドと意地がぶつかり合う中で、去年も(定期戦が)すごく難しい試合だったので、しっかり(試合の)入りからチャレンジャーの気持ちになって戦いたいなと全員に話していました。応援の方が来てくださって、良い雰囲気をつくってくださったので、複数得点で勝ち切ることができて、すごく良かったかなと思います。
ーー特別な雰囲気での一戦でしたが、普段通りのア女らしさを発揮できましたか
ボールを保持する時間もあって、逆に保持される時間帯もあった中で、攻撃は主導権を握って崩したり、個の力を生かしながらできたけど、守備はまだまだ主導権を握れず、相手に使われてしまった部分もあるので、そこは修正していきながら、来週に向けてもう1個2個レベルアップできるようにしなければなと思います。
ーーFWの選手として、何本かシュートを打つ場面もありました。得点を挙げることができないことに対して、もどかしさや葛藤はありますか
主将で(背番号)9番で、全然得点に絡めていないのは本当に悔しいというか申し訳ないというか頼りないなと正直思っています。今日あれだけチャンスがあっても決め切れないのは今の自分の実力なので、そこと向き合い続けるしかないなと思います。
ーーセンターフォワードとしての役割以外で、チームから求められていることは何だと思われますか
攻撃の部分は起点になるところで、今日は自由にビルドアップできていましたけど、それ以外の時はしっかり自分が顔を出して、FWで時間をつくって起点になることが一番求められていることかなと思います。守備に関しては、自分が守備の1人目として、やはり勢いを持ってサイドで奪い切りたいというチームの目的がある中で、それを自分がどう体現できるかという部分が求められている部分になります。
ーー関カレ前期が終了しました。シーズン前半戦を振り返っていかがですか
やはり上位チームに1勝もすることができず、4位という立ち位置で、上位3チームにしっかり負け越したなという印象があります。逆に言えば、自分たちより下のチームには勝ち切ることはできたので、そこは継続しつつ、上のチームにどう勝って上位に上り詰めていくかという部分だと思うので、そこを全員で修正していければなと思います。
ーーインカレ優勝を目標に掲げる中、関カレの上位3チームに勝ち切ることで目標達成に近づくといった認識はありますか
例年の(インカレ)ベスト4を見ても、やはり関東勢が4チーム残っていることの方が多いです。なのでインカレでの対戦とリーグ戦での対戦が違うということは分かっていますけど、リーグ戦で勝てていない相手と試合をするというのは気持ち的にも難しいですし、相手は自信を持ってくるので、しっかり勝ち切って、自信を持って相手と戦えるようにするために、リーグ戦では上位に、これくらい成長したんだぞという姿を見せつけないと難しくなってしまうのかなと思います。
ーー次節から後期が始まります。意気込みをお願いします
まず後期は全試合勝ち切ることができれば、優勝はまだ残っていると思います。なので、上位の相手にしっかり勝ち切れる力をつけることと、ア女は人数が多くないからこそ全員で戦わなければいけないと思うので、これからも全員で高め合って競い合っていきたいなと思います。
FW﨑岡由真副将(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)
ーー今節を振り返っていかがですか
対戦相手が慶大ということ、集中応援というところで、普段とは違う雰囲気で試合をやって、応援の大きさを感じましたし、まずは応援に来てくださった人たちに感謝の気持ちがあります。その中でもしっかり3点を取って勝ち切ることができたことは良かったし、チームとして後期につながる良いゲームができたと思います。
ーー追加点となるチームの2得点目を決めました。得点シーンをどう振り返りますか
私自身は関カレではクロスからヘディングでゴールを決めたことがなくて、1年生からヘディングは課題だったので、練習を積み重ねて、それが初めて結果として出せてうれしかったです。
ーー今シーズンに入ってからインサイドハーフでのプレーが多くなっています。試合中はどういったことを意識してプレーをされていますか
まずは相手を動かすために、ボールホルダーのパスコースを空けるために引き連れたり、状況を見て相手に有利になるような立ち位置を取ることを一番意識しています。それは、初めてインサイドハーフをやるので難しい部分ではあって、今もまだ全然課題の部分ではあります。ですけど、少しずつ判断して立ち位置を取ることができるようになっているので、毎試合しっかり試合を振り返って、自分の立ち位置で有利にボールを攻撃できるような立ち位置を一番意識しています。
ーー今節での得点は、関カレの今季3ゴール目になりました。得点数についてはどう捉えていますか
私自身、シーズン始まる前に2桁得点を目標に置いていて、そこから逆算したらまだ3点というのは足りないと思います。なので、その部分はもっと貪欲にやらないといけない部分だなと感じています。後期はもっと得点を取ってチームに貢献したいなと思います。
ーー前期の試合が終わりました。チームとして振り返ってみていかがですか
課題が残る試合が結構多くて、得点を取っても後半に追加点を取れなかったりという部分で、全体を通してまだまだ日本一という部分の基準には届いていないというのを感じた前期でした。この最終戦で良い流れができたからこそ、後期ではもっと詰めの甘さだったり、自分たちがしっかり意図した守備をしたり攻撃をして、前期の部分は修正をして後期に臨みたいなということを一番感じました。
ーー次節は後期開幕戦の日体大戦です。意気込みをお願いします
すぐ(後期が)始まるというところで、しっかりと気持ちを切り替えつつチーム全員で一つの方向を向いて、後期の1戦目にしっかり勝ち点を取って、後期では優勝できるように頑張っていきたいと思います。
DF新井みゆき(スポ4=埼玉・浦和レッズレディースユース)
ーー試合を振り返ってみていかがでしたか
前半はかなり自分たちのペースでボールを握る時間が多くて、良い攻撃の形もたくさん出せた中で2得点という良い形で前半を折り返しました。後半の早い時間帯は自分たちのペースが多かったのですが、最終的に相手ペースの時間が多くなってしまって、その中で最終的に失点してしまったのは少しもったいなかったなという気持ちです。
ーープレーに関して、ドリブルで中央に侵入していくような場面が多く見られました。攻撃面ではどういったことを意識しながらプレーされていましたか
攻撃は練習から中央から侵入したり、崩しの練習をよくやっていました。なので、そのイメージでボールを受けたときは、味方の動きや立ち位置を見て、ボールをつけて自分がもう一回出ていくというイメージを持ってやっていました。
ーー侵入していく際にターゲットとなる選手は、千葉選手であったり、逆サイドのインサイドハーフの﨑岡選手でしょうか
梨々花(千葉)と由真(﨑岡)の動きを一番よく見ています。
ーー後半には流れの中からミドルシュートで得点がありました。あの場面はいかがでしたか
あのシーンは、美羽(川本美羽、社4=新潟・帝京長岡)にボールが入ったときに、右側のゴール前にすごいスペースがあったので、走り込んだらフリーでシュートが打てるのかなと思って走り込みました。ボールを受けた時は、落ち着いてふかさないように右隅を見て狙って、うまくそこに行ったので良かったです。
ーーシュートの際に、ボールが少し外回転がかかっていましたね。キーパーの手が届かないところまで伸びていくようなコースでした
ちょっとラッキーでしたけど。
ーー守備面に関して、3-0でリードしていた中で、終盤にセットプレーで失点してしまいました。失点シーンについて、振り返りはありますか
セットプレーになって、メンバーも半分くらいが交代していて、誰がどのマークにつくかなどが後手になってしまったり、(慶大の)5番にフリーでボールを触られてしまい、その後にみんなマークを曖昧にしてしまい、最終的にボールを先に触られて失点してしまったというもったいないかたちでした。交代選手が入った時に、誰がどこにマークにつくのか、もっとはっきりさせてやるべきだったなということを一番感じています。
ーー関カレ前期が終了しました。前期を通して振り返ってみていかがですか
結果を見ると、勝ち点が22で、去年(の前期の勝ち点)を上回っていました。ですけど、勝ち点の部分だと上位と比べるとやはり少ないなということを感じていて、勝ち点を取れなかった試合が上3つの大学なので、その上位に勝てる強さを本当に見つけていかないと、関カレ優勝という目標には届かないと思います。後期に向けて切り替えて、上位に勝てるようなチームに仕上げていきたいなと思います。
ーー次節は後期第1節の日体大戦です。意気込みをお願いします
次節の日体大は関カレのメンバーも結構大幅に変わることがあって、どのメンバーが出てくるか分からないので、誰が出ても対応できるようにまたチームで一から積み上げていきたいと思います。必ず勝ち点3を取ります。