逆転星で連敗ストップ!全員そろった早大の逆襲が始まる

アイスホッケー

 2点ビハインドで迎えた第3ピリオド(P)。開始直後、第3セットの猛攻で1点差としたかに思われたが、ノーゴール判定に。この悔しさを力に変え、ここから怒涛(どとう)のゴールラッシュが始まる。このピリオドだけで6ゴールを奪い、7-4と劇的な逆転勝利を挙げた。関東大学リーグ戦一次リーグを終え6位。虎視眈々(こしたんたん)と逆襲を狙う早大にとって、今後を左右する大きな1勝となった。

 ここまで7位と同じく不振にあえぐ日体大との一戦。第1P開始早々、二度のパワープレー(※)の好機を得るが、焦りからかうまくパスが回らず先制点は奪えない。一方の日体大も決め手に欠き、両校無得点のこう着状態が続いた。試合が動いたのは第2P。33分14秒、カウンターを取られると、GK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)が1対1の攻防に敗れこの日初めての失点を喫する。その後FW矢島雄吾(スポ3=北海道・駒大苫小牧)のゴール裏から放った打球が、相手GKの手をかすめ同点に。しかし喜びもつかの間、相手FW陣のゴール前でのパス回しに翻弄(ほんろう)され、第2P終盤に手痛い2点を奪われた。

好調を維持し、第1セットを引っ張る飛田(左)と矢島

 「うまくいかないことがあっても、やるべきことを続けていこう」(矢島)。ノーゴール判定で相手に傾きかけた流れを、試合前に共有したこの言葉を胸に引き戻した。まずは43分、右サイドから抜け出したFW飛田烈(商3=東京・早実)が技ありのシュートを決め反撃開始。49分42秒にはその飛田のアシストを矢島がゴール左前から押し込み、試合を振り出しに戻す。決勝点が生まれたのはそのわずか8秒後。ここまでは攻めあぐねていたFW澤出仁(スポ1=北海道・武修館)の、目の覚めるような速攻からの一発だった。リードをしても攻撃の手は緩めない。またも直後にFW青木孝史朗(スポ2=埼玉栄)がとどめの5点目をたたき出し、35秒の間に3ゴールを奪う今季一番の猛攻を見せた。終わってみれば56本のシュートで7得点。波乱の二次リーグ初戦を白星で飾った。

決勝ゴールは澤出。第2セットも機能した

 連敗は3でストップ。しかし、まだ課題は残る。DF新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が「失点は全部自分たちのミス」と振り返るように、この日の4失点はいずれも守備のほころびが原因となった。守りの意識が高まれば、さらに楽な展開に持ち込むことができるだろう。次戦の相手は現在5位と健闘している法大。夏の練習試合から負けが続いており、ここで一矢報いたいところ。早大の逆襲は、ここからだ。

※ ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

(記事 川浪康太郎、写真 篠原希沙)

★坂本が電撃復帰!

「その時に与えられた仕事をしてチームに貢献したい」と語った坂本

 逆転劇の伏線は、背番号33の復活だった。2点を追う第3P、ケガで戦列を離れていたDF坂本之麿(社3=青森・八戸工大一)が氷上に立つ。攻守にわたり以前と変わらぬプレーを見せ、坂本は自分自身に「合格点」を与えた。8月の練習中に顎を骨折。夏以降、チームは守備の要を失ったまま戦うことを余儀なくされた。「正直つらい毎日だった」。苦しむチームを救うことができない。もどかしい日々が続いたが、もう一度氷上でプレーすることをイメージし、準備を怠ることはしなかった。坂本の復帰を祝うかのような第3Pの6ゴール。共にDF陣を支えてきた新井は、「彼(坂本)が帰ってきてから流れが変わって、逆転できたのかな」と目を細めた。『一』つになった早大の巻き返しはこれから。これで役者はそろった。

関連記事

ラスト1分の悪夢…前半戦を6位で折り返す/関東大学リーグ戦(10/15)

明大に大敗、しかし守備では次戦につながる成果も/関東大学リーグ戦(10/8)

強豪・中大に敗北するも、収穫ある一戦/関東大学リーグ戦(10/1)

結果
早大 ピリオド 日体大
0(12) 1st 0(13)
1(22) 2nd 3(9)
6(22) 3rd 1(9)
7(56) 計 4(31)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
日体大 23:14 沢崎 - - -
早大 31:32 矢島 鈴木 - -
日体大 37:03 沢崎 相澤 土屋 -
日体大 37:44 土屋 信楽 沢崎 -
早大 43:00 飛田 鈴木 - -
早大 49:42 矢島 飛田 - -
早大 49:53 澤出 篠田 ハリデー -
早大 50:17 青木 澤出 篠田 -
早大 54:25 青木 生江 - -
日体大 56:00 相澤 土屋 - -
早大 59:41 澤出 - - -
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
1 飛田 鈴木 矢島 羽場 新井
2 青木 生江 澤出 篠田 ハリデー
3 田中 高橋 伊東 野村 大崎
4 瀨戸 前田 小澤田 坂本 吉野
GK谷口
関東大学リーグ戦ディビジョンIグループA順位表(10月22日時点)
順位 校名 勝点 試合数 勝 GWS勝 GWS負 負
1 明大 22 8 7 0 1 0
2 中大 21 8 7 0 0 1
3 東洋大 17 8 5 1 0 2
4 早大 12 8 4 0 0 4
5 法大 10 8 3 0 1 4
6 慶大 9 8 3 0 0 5
7 日体大 3 8 1 0 0 7
8 日大 2 8 0 1 0 7
コメント

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――見事な逆転劇でしたが、振り返って

第3ピリオド(P)の得点パターンは全てうちがやろうとしている攻撃のパターンだったのでよかったです。第1P、第2Pもシュートを打つという意識ができていたと思います。

――シュート数は56本と今季最多の数字になりました

練習からシュートを打つ意識は選手の中で共有していて、各セットが各ピリオドでしっかり打っていくということは実戦の中でもできていると思います。

――第3Pは35秒で3得点を奪うシーンもありましたが、攻撃陣は好調ですか

ゴールに向かって、相手も点を取られて落ち込んでいるところで畳み掛けてくれたのでよかったです。

――きょうから二次リーグが始まるということで、改めて共有してきたことはありますか

二次リーグが始まるということで、残り7試合、一つ一つ大事にやって必ず勝つという気持ちで全員が臨もうということは共有したので、きょうはたまたま勝ちましたが、来週以降も同じ気持ちで戦いたいです。

――守りの面はいかがでしたか

守りの面に関しては課題は多いです。1-1で負けたり、アンラッキーな失点もありましたが、練習の中で一つ一つ反省しながら、次同じことを繰り返さないように準備したいです。

――DF坂本之麿選手(社3=青森・八戸工大一)が復帰しましたが

彼も元々期待しているプレーヤーですし、きょうは来週以降出すか出さないか判断するために第3Pから出てプレーをしてもらいました。きょうと来週の様子を見て次の試合で第3セットに入れるかどうか判断していきたいです。

――次の法大戦に向けた意気込みをお願いします

前回負けていますし、合宿の練習試合でもなかなか勝てていないので、必ず勝つということで過去のビデオを見ながらしっかり対策をして臨みたいです。

DF新井遥平主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)

――きょうの逆転劇を振り返って

結果的に勝てたことはよかったのですが、失点は全部自分たちのミスからで、それまでの過程は悪かったので来週の法大戦までには改善していきたいです。

――二次リーグが始まるということで変えてきたことはありますか

大きく変えたことはないのですが、自分たちのいい点は継続していくことが大事だというミーティングをしてきて、特にシュートに対する意識を徹底してきました。

――被シュート数に関してはいかがですか

被シュート数は前回の対戦に比べると倍くらい打たれてしまっていたので、被シュート数はもう少し減らしたかったです。

――失点の仕方はあまりよくなかったですか

ちょっとした油断からの失点があったので、そこはよくなかった点です。

――DF坂本之麿選手(社3=青森・八戸工大一)が復帰しましたが

個人的にはすごくうれしいですし、チームとしてもプラスになっています。第3ピリオドから出たのですが、彼が帰ってきて流れが変わって逆転できたのかなと思います。

――次の相手は一次リーグで負けている法大ですが、そこに向けた意気込みをお願いします

夏の練習試合でも負けていてそこから一度も勝てずにいるので、法大に対して苦手な意識を持っている選手もいるのですが、ここから全勝する気持ちで来週も勝ちたいです。

FW矢島雄吾(スポ3=北海道・駒大苫小牧)

――試合全体を振り返って

第1ピリオド(P)、第2Pではゴールにあまり恵まれてないところがあったと思います。運がなくてゴールにならなかったといった感じだったんですけど、ゴールってそういうものだと思うので(笑)。でも第3Pも自分たちのやろうとしていることは変えずにこのままやっていこうと言っていました。それが徹底できたので最終的に点数が入って、勝ちにもつながったんじゃないかなと思います。

――ご自身の得点シーンを振り返っていただけますか

あれもチームで言っていたことを徹底した結果だと思っています。どんどんシュートを打っていこうだとか、ゴール前に入ろうだとか基本的なことなんですけど、それを最後まで続けることができたのが得点につながったかなと思います。

――1点目について

ゴールの裏から打ってGKに当たって上から入ったって感じでした。あれもどこからでもとりあえず打っていこうって話していた結果かなと思います。

――きょうはシュートが56本と、とても多くなっていますね

チーム内の意識として、自分たちはシュートを打たないといけないという気持ちが強かったという表れだと思います。

――第3Pのはじめにノーゴールとなった場面がありました。そこからのチームの切り替えがうまくいったように思います

このチームの癖というか、連続失点やノーゴールにされたりとかがあると一気にモチベーションが下がってしまうということが多かったんですが、きょうはそれをはじめから言っていて。うまくいかないことがあっても、やるべきことを続けていこうと言っていたのがしっかりできたかなと思います。

――3試合前から第1セットでのプレーが続いています

どこのセットでも自分のやることは一緒だと思っています。このセットだからこうしようとか、これはしないとかはないので。どのセットでも自分らしいプレーはできているかなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

前回負けている(●3ー4)相手なんですけど、きょうみたいに劣勢になってもしっかり追い付いて、秋リーグの2巡目、全勝できるようにやっていきたいです。

DF坂本之麿(社3=青森・八戸工大一)

――氷上に復帰したのはいつ頃ですか

氷上に復帰したのは2週間前です。それから氷上練習でコンディションを整えて、きょうケガしてから初めて出たという感じです。

――きょう出ることは試合前から伝えられていたのですか

そうではなくて、こういう試合展開なので、前からは決まっていなかったです。それでも準備はしていました。

――ケガの具合はいかがですか

もうほぼほぼ完治しているので、大丈夫です。

――実戦でプレーしてみて手応えはいかがでしたか

第3ピリオド(P)からの出場だったのですが、自分としては合格点をあげられると思います。これから先どうなるか分かりませんが、与えられた仕事をしっかりやりたいです。

――チームとしては見事な逆転勝利となりました

2点ビハインドで第3Pに入ったのですが、チーム全体で諦めてはいなかったですし、個人的にも逆転できると確信していたので、それに少しでも貢献できたのはうれしいです。

――ケガで離脱している間はどんな思いでいましたか

正直つらい毎日だったのですが、こうやって氷に戻ってくることをイメージしながら過ごしてきたので、きょうこうしてプレーできてすごくうれしいですし、ケガしていた分貢献できていないので、これから先頑張らないといけないなと思います。

――その間のチーム状況はどう見ていましたか

チームの戦績としてはよくないのですが、僕がいない間もDF陣は踏ん張ってやってくれましたし、僕がいないことをプラスに捉えて1年生の子たちも頑張ってくれていますし、そういう面では自分としてはポジティブに考えています。

――DF陣はシュートを打たせないということを意識していると聞きましたが

シュートをゴールに届かせないように、シュートブロックやFWとの差を縮めることなどを具体的にミーティングしているので、それは実行できているのかなと思います。まだまだ課題は残る面もあるので、そこはみんなで修正していきたいです。

――次の法大戦も含めて今後はどんな活躍をしたいですか

僕自身ケガしている間チームに貢献できていないので、どういうポジションになったとしても、その時に与えられた仕事をしてチームに貢献したいです。